無気力転生者で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

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サブタイトルこそ最大の課題、ってとこあると思うんです。二次作家さん、分かって。
基準ペース週一くらいに戻ったけど内容はあんまり。


第89話 能力談義 その③

 クロノの部屋を出て数時間は私の部屋で過ごし、食事をしたりお酒を浴びるように飲んだりした。個人部屋の中は治外法権なので例えこの世界でダメだとしても私の通算年齢は成人式2回ちょうどくらいの……ホントにババアだな……と思えるほど生きてしまったわけだし飲んでもいいでしょ。転生もなんか変な感じだな……精神的に二十代から一切変化してないのに通算は四十越えでこの世界では成人してないなんて……なんか笑いそうになる。

 

「シオン〜〜〜!」

「ウタネちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

「「⁉︎」」

 

 おつまみにモンブランどう? とシオンに勧めて頑なに拒否されていると、なのはとフェイトが泣きそうになりながら部屋に入ってきた……返事は待たなくて良いからノックして欲しい……ビックリする。

 

「ど、どうした? 予定時間にはまだあるはずだが……待てなかったか?」

 

 流石の異常事態にシオンも動揺が見て取れる。

 

「うぅ……ユーノくんが……くーんユノが……!」

「誰だよくーんユノって。ヴィヴィオの事じゃねぇのか。図太いな」

「ヴィヴィオも大事だけど! さっきユーノが倒れたの!」

「敵襲か?」

「徹夜で!」

「……じゃあ別にいいじゃん。別にそこまで騒がなくても……」

「いや、報告は大事だな。特にオレにとって」

「うん?」

「いや、かなり前……闇の書ん時から頼み事をしててな。たまに報告を、と思っていたがオレが抜けたせいでな……ま、それはいい。ユーノは後回しだ。来たんだから仕方ない、まずお前らから話そう」

 

 徹夜で倒れるって……大概だね。私だったら疲労が見えただけで休む。

 特製モンブランは疲労軽減効果もあるけどね。美肌効果もスゴイ。一番スゴイのは材料は毎回多少なり違うはずなのに一定の品質を保って生成されること。もはや皇帝特権とか言ってる場合じゃない。

 

「ユーノ……」

「黙れフェイト。アイツは後で治してやる。疲労なら魔法で治せる範疇だ、ソラの抑止にも引っかからん」

「うん……」

「で、ヴィヴィオについて率直に言うが、まず殺されはしない。聖王(……)のクローンは奴らの最も望むものだったからな」

「聖王……⁉︎」

 

 フェイトが驚き、私となのはは首を傾げる。

 聖王……セイヴァー? 

 

「姉さんはともかく、なのはは分かれよ……古代ベルカの聖王一族どもの歴史とか……あんま残ってないんだったか。まぁいいや、そんな感じ」

「どんな感じ」

「んー……戦乱の時代に戦力で全てを治めた一族?」

「脳筋か」

「バカ多いと苦労するよな……」

「はえ?」

「いや、なんでもない」

「ん……?」

 

 あれ……? シオン、なんでヴィヴィオのこと知ってるの……? 

 確か闇の書事件以降は知識無いって……言ってた……ような……? 

 歴史なら学べる……スカリエッティがヴィヴィオに関心を寄せていたならその辺も知識として知っててもいい……? いや、それならそこまで実感として持たないはずだ……けど……

 

「なんだよ。別に歴史くらいいいだろ。古代ベルカなんて調べようとすれば調べられるぞ」

「え……何も喋ってないけど……」

「ん……心読んだんだよ、今の状況だと管理局といえども気は抜けないからな……すまん、ちょっと酔ってるな」

「そう……」

 

 シオンが常時能力を一つ割く……? 

 素で十分な性能を持つシオンが……? 何考えてんの……? 

 

「とにかく、ヴィヴィオの無事は保証する。できなければオレの首を刎ねろ。能力も使わないから、死後も首を晒すなりミンチにするなりしていい」

「っ、そこまで言う必要ないでしょ⁉︎私たちにとってはヴィヴィオもなのはたちも他人なんだよ⁉︎命かけて保証する必要ないじゃん!」

「オレ達とコイツらは違う。なのはが例えなんの血統も由来も無いまま管理局の超エースになる程の魔力を保有してるという点を除けば普通の人間だ。そう、例え全身柱間細胞でできてそうななのはでもな」

「シオン⁉︎ちょっとヒドイと思うの!」

「黙れ柱間細胞。ただの一般人が超血統のフェイトや闇の書直轄のヴォルケン以上の魔力なんぞ普通ありえねぇんだよ。オーガ並の成長性も保有してるしな。しかもあの傷から復帰しやがって。なんだお前」

「何か分からないけど貶されてる!」

「貶してないな。特異過ぎる生態に関心を示してる。意味不明なタカマチの血統という意味でも魔法に対しても強烈な才能を持つという意味でもお前は正直戦力的にオレ達寄りの存在なんだがまぁそれはいい。正直オレもこの数年間オーガを使って成長しようと目論んでたくらいだからな」

 

 わーきゃーと喚くなのはをフェイトが抑え、シオンがため息をつく。

 オーガってアレよね、ソラの。でもソラってそんな言うほどの成長性あったっけ? 

 

「ま、使ってたら筋量がエゲツいコトになってただろうから使わなくて正解だった……なのはに恨まれるだけで済んで良かったってとこだ」

「ふふ、シオンはやっぱり優しいね」

「……? どうしたフェイト。酒に当てられたか?」

「違うよ。ずっとなのはの事心配してくれてたんだなって」

「……いや、してないが」

「シオン、そうなの?」

 

 フェイトの言葉になのはが乗る。

 

「だから、してない」

「私の治療法でも探してくれてたのかな?」

「探してない」

「ほんと?」

「ホント」

「ふーん。じゃあそれでいいよ! ありがとうね!」

 

 頑なに認めないシオンににぱーっと笑ったなのはが引いてとりあえずは終わり。

 シオンがスカリエッティと協力したのもなのはが墜ちてからだし、責任とか言ってたし、私との約束がかなり引っ張ってるなぁ……

 というか、なのははシオンにどうこう言わないんだね。フェイト以上に警戒心が無い。

 シオンでこれならリインフォースや守護騎士たちに言った八神さんの家族として、ってのも強制になるのかなぁ……

 

「ゴホン……それで、ヴィヴィオだ。お前らマジで興味ねぇのか?」

「ある! あるある!」

「……分かった。とりあえずさっき言った通り殺されはしない。使い道は古代ベルカの兵器、ゆりかごの鍵に使われる」

「ゆりかご?」

「巨大な戦艦だ。ほっときゃ1日でミッドは終わる」

「おー……強そうだ」

 

 戦艦って大砲とか積んでる船だよね。

 ミッド全域が射程なのよね? 私そういえばミッドで海見たことないよ? 湖っていうか人工的なのは管理局にあるけど……

 

「姉さん、ゆりかごは飛ぶぞ」

「衝撃の事実だ……けど魔法ならアリか」

「まぁな。言っとくがアインスも全盛期ならコイツらなんぞには手も足も出んくらい強いからな。ナハトのせいで弱ってなけりゃオレ達でも怪しいトコだった」

「……弱ってアレなの? え? 今どうなってんの? 無敵?」

 

 シオンも私もなのはもフェイトも太刀打ちできなかったあの闇の書の時点で弱ってた? 今は? 能力も把握して魔力も回復して正式な契約で滞りなく……

 

「どうかは知らんが段々と手抜きが入って来てないか? そうだとしたら割と全盛期に近くなってきてるかもな」

「え、もしかして私達の中でも一番強かったり……?」

「それは無い」

「あ、ないんだ」

「姉さん、アンタが一番上っての忘れてないか?」

「それソラにも言われたよ。自覚無いんだよね。シオンにもアインスにも負けてるし」

「……全力でやってないだけだろ」

「ん?」

「姉さんの全開は例えオレの能力でもソラの全開でも攻略不能だ。コイツら魔導師は当然として、オレ達でも勝てん」

 

 自覚無いが。実際シオンには二回は能力突破されてるわけだし、最強とは言い難いのよね。私以外に見えない使えないで便利とも言い難いし。日常で最も不便な能力かも。シオンの能力がズバ抜けて便利過ぎるだけかもしれない。

 

「あ、ゆりかごの話だ。つってももう言うことねぇな。スカリエッティが管理局への反逆として管理局破壊しようってだけだしな」

「……予言の通り、だね」

「予言?」

「聖王協会の騎士カリムの予言。聞いてないの?」

 

 フェイトの意外そうな問いにシオンは首を傾げ私を見る。

 

「いや、オレは聞いてないが……姉さん?」

「あ、ごめん、忘れてた」

「……ま、そんなとこだ。武力で対抗しなけりゃ管理局システムはほぼ確実に崩壊する」

「対処できるんだよね? ヴィヴィオは助けられるんだよね?」

「それはお前ら次第だ。オレは相手の戦力を大まかに把握してるしこっちの戦力も分かる。最適な作戦は立てられるが……お前らのしたいことは違うんだろ?」

「うん。ヴィヴィオは私が助ける。どんなに困難でも、絶対!」

 

 なのはの意思は強い。まぁ、フェイトの時も闇の書の時も結構強かったけど。

 責任感強いと苦労するね。一人でもっと気楽に生きればいいのに。

 

「……管理局としてはそれは却下だが、ヴィヴィオの精神的にはそれが正解かもな。はやてに話すときはそうして貰えるようにしてみる。じゃ、ユーノだな。どこだ? さっきの病院……なわけないよな」

「えっと、まだ無限書庫のロビーで寝てるはずだけど」

「じゃあすぐ行くぞ。早い方がいい」

「え、でもここからだと結構遠いよ?」

「は? オレの能力舐めてんのか……」

 

 フェイトのもう夜だし明日にしよう的な発言がシオンの癇に障ったようで、シオンはどこからかピンク色をした『ドア』を部屋の真ん中に置いた。

 ピンク色の……ドアを……

 

「……アリなの? ソレ」

「直死、写輪眼、宝具、スタンド。それらを持つ並行世界があるんだ、未来ロボットがいる並行世界だってある」

「……でもそれ、未来ロボットの道具だよね」

「未来ロボットがいる並行世界があるということは必然、オレが未来ロボットの並行世界もある」

「……あっ、そう……」

 

 平然と言い放つシオンに言葉を無くす。

 もう諦めた。シオンは青い猫型ロボットになっていたかもしれない。いや……えぇ……? そんな事言い出したら……もしだよ、他の世界にいたらなのはだったシオンもフェイトだったシオンもいるワケで……

 

「とにかく行くぞ。コレは二度と使わんからな」

「初めから使わなくてもよかったのに……」

「モニターを通り抜けるなんてのは姉さんだけだ。オレ個人ならともかくなのフェイまで連れて行けん」

 

 全員が無事倒れたユーノの前に出ると、そそくさとドアを仕舞うシオン。

 無限車庫の局員と思しき方々がギョッとした顔をするけどなのはとフェイトの顔を見ると敬礼して去っていった。

 

「えー、ほかに何かあったの?」

「ユーノの気を辿れれば瞬間移動できたし神威の時空間なら多少は速い」

「時空間?」

「……姉さん、オレを殴ってみな」

「ん……ん? おー」

 

 シオンの顔を正面から殴ると腕が貫通した。

 別にこう、ぶち抜いたわけじゃなくて……透過してる感じ。

 

「これが神威。万華鏡写輪眼の一つ。ま、本来ならこのすり抜けは右眼の能力なんだがまぁ、使えんわけでもないしオレのはオリジナルとは違うしな」

 

 私の腕を横に動いて体から離すシオン。そうやって動く間にも感覚は無かったし、シオンと腕に隙間が出来ることも無かった。

 

「え、左右で能力違うの?」

「違うも何も万華鏡の能力は無数にあるぞ。それこそ個人個人レベルで。まぁ気にすんな、全部に対処なんてほぼ無理だ……というか、神威に対処するのがほぼ無理だ」

「なんで?」

「このすり抜け、オート発動する上五分継続する。オレのは試してないから分からんが、取り敢えず五分程度無敵だ。で、時空間には自分も行けるから五分経つ前に時空間へ避難すればまた五分無敵タイム。ま、時空間に行く一瞬のタイミングは生身なんだがもう一つの枠で防御系能力使えば問題無い」

「その時空間? には私も行けないのかな?」

 

 五分はこの世界にいないものとして、退避タイミングもキングクリムゾンで飛ばせば実質ノータイムでまた五分……

 概念的に捉える宝具とか使えば通るのかな。霊体を捉えるくらいはできるからそんな宝具も一つくらいありそうだども。

 

「いや、オレが吸い込めば……違うな、モニターの話か」

「うん」

「さぁ? 他の時空間能力は干渉できないだろうが……やってみるか?」

「うん」

「ね、ねぇ、ユーノ君は放っておくの?」

「……そうだな、神威は後でいい。疲れるし」

 

 時空間能力なのに他の時空間能力で干渉できない……って、割と無敵だね。

 シオンがユーノに手を伸ばすと、やっぱり抑止力は働いた。

 

「ストップだってんでしょお⁉︎」

「うるさいな」

「ソラちゃん⁉︎どこから⁉︎」

 

 音も気配も無くシオンの腕を掴んで止めたソラ。

 その異常なプロセスに不動のエースオブエースは動じている。不動とは名乗って無かったか。

 

「この世に不条理ある限り抑止力は現れる! いつでもどこでも何度でも!」

「抑止の本職って不条理の排除じゃねぇだろ。お前だけだぞ」

「それはいいから! ストップだよ!」

「普通の治療魔法だ。話せる程度に疲労抜くだけだから黙ってろ」

「むー」

「……じゃあここに居ていいから」

「おっけー!」

「いいんだ……?」

「フェイト、ソラに疑問持ったら負けだよ」

 

 ソラの決定は本当に気まぐれが多い。現状維持さえできればなんでもいいってくらいのスタンスだからホント分からない。

 ソラが手を離し、ユーノが若干発光する。シオンの治癒だろうけど魔法治癒ってあんまり見なかったから新鮮。

 

「ん……んぅ」

「よう」

「あ、ああウタネ、いや……シオンか。もう戻って来たのかい?」

「予定より早かったがな、事情が変わった。早速だが調べはついたか?」

「ああ、うん。ある程度はね」

「何頼んでたの?」

「言っていいかな、シオン」

「んー、まぁいいだろ」

 

 闇の書の時から、っていうとシオンがこっち来てからずっとってことだし、その間ずっと調べてなきゃいけないほどの内容……

 

「話は簡単だよ。ジュエルシードみたいな高エネルギー結晶、そんな類のロストロギアの使い方とその歴史」

「オレが来た時ロストロギア何個か奪ってたろ。それの延長だ」

「ん……そういえば……そのせいで私捕まったんだけど!」

「クロノだしいいだろ。んでな、使い方なんだが」

「ああ……ここに」

 

 ユーノが文庫本程度の本をシオンに渡す。

 ……使い方と歴史でそんな量ある? 

 

「サンキュ」

「雑に箇条書きしてるから読み難いと思うけど、内容は詰め込んでるよ」

 

 シオンはそれを受け取ると、凄まじい速度でページをパラパラとめくり、二十秒もすれば本を閉じてしまった。

 

「悪くない。十分だ。報酬はそうだな、どうするか? 好きなだけくれてやろう」

「あはは……そうだね、また今度相談させてくれるかな?」

「ああ。いつでもいい」

「ねぇねぇ? 内容教えてくれちゃったりしないのかな? えっちゃんじゃないから本読めない」

「……バカが。抑止力なら英霊の勉強くらいしろ」

「だってダヴィンチちゃんが解説してくれるんだもーん。ねぇ、内容〜!」

「……使い方は単にエネルギーの運用方法だ。ロストロギアから暴走の危険なく抽出したエネルギーに方向性を持たせて維持し続ける、とかだな」

「ねぇねぇ、なのは隊長? 理解できる? 私に要約して欲しいな?」

「……フェイトちゃん」

「えっ、えっと……えっとえっと、あ、カートリッジに変換資質を加える……って感じかな? 規模は違うんだろうけど」

「ほぼ正解だ。ソラに分かりやすく言うと無属性の令呪だな。保管してある令呪」

「んー! なるほど! それは便利だ!」

 

 フェイトとソラは取り敢えず理解した模様。なのははフリーズした。

 変換カートリッジ、令呪。莫大なエネルギーを持ちながらそれを思うような効果を持たせて運用できる……と。無色透明な水がいっぱいあってそれを好きな色に変えて使える……違うな。卵はそのままでもいいし調理法次第で色々使える……かな。

 私の能力は物質を全て好きにできるから、それと似たようなものだ。うん。

 

「んで、それが何なの?」

「ああ。フェイトがほぼ正解だと言ったな。それはオレ達がカートリッジを使えないからだ」

「シオン魔法使えるんじゃないの?」

「一応使えるが使えるだけだ。オレ自身の魔力は大したもんじゃねぇしデバイス無しだと更に落ちる。コイツらが絡むような戦闘では使えない」

「うん……で」

「まぁ、今となってはほぼ解決したようなモンだが、オレの能力負荷をロストロギアに受けさせる」

「「「……は?」」」

「あはは……そうなるよね。僕も聞いた時はビックリしたよ」

「オレが能力を手にした時点で長時間の戦闘に耐えられるものではないことくらいは分かっていたからな。当時は負荷の少ない能力に絞っていたが、闇の書の闇のようなヤツを相手にすることがあればそうもいかない。高性能高負荷の能力を連続で使えるようにしておきたかった」

「カートリッジの代わり……っていうか、シオンの身代わり?」

「ま、そうなるな。その莫大なエネルギーを持って一時的に存在を繋げ、その許容量に応じただけの負荷を代わりに受けてもらう。当然使い捨てでそう使えるもんじゃないがな。いざって時の備えだ」

「じゃあ、あの時簡単に私に返したのは……使い方が、使えるかもわからなかったから?」

「そうだ。日本語話せねぇクセに理解は速いな」

「ひどい⁉︎」

「で、目星付けてたのがなのはに返したやつと、今お前らとスカリエッティが競って探してるレリックだ。アレはいいぞ」

 

 私となのフェイが呆然とする中、シオンがレリックの図やらデータやらを並べる。

 

「レリックだと対城宝具くらいなら十分に耐えられそうだ。リインフォースにも後で教えとく」

「無駄に使うんじゃないでしょうね。八神さんが黙ってないよ」

「使わない。あくまで備えだ。使わずに済むならそれでいい」

「というか、レリックも他のロストロギアも管理局が回収するよ」

「……執務官、情と権限でどうにかしてくれ」

「ダメ。クロノの法の番人精神は私も引き継ぎましたから」

「はぁ……兄妹揃って結構なことで。じゃーわかったよ、ナシでいい。ユーノの10年間が無くなるだけだ」

「あ……! ご、ごめんユーノ! そんなつもりじゃ……!」

「いいよ、どうせ本業のついでだし。シオンの頼みとあらば聞かないわけにはいかないしね」

「なら、いいんだけど……」

「よかねぇだろ。オレは嫌なら断っていいっつったよな?」

「別に嫌とは言ってないよ。頼ってくれて嬉しいんだ」

「……ま、ならいいが」

 

 ユーノもクロノも私たちにかなり気を割いてるからなぁ……何もしないとは言った手前、こうやって管理局側として行動しちゃってるし、シオンは闇の書の時と今回は敵味方両方に加担してる。私も闇の書側だったけども……それもあって私たちは局を第一とするクロノにはかなりの負担なんだろうな……

 

「さて……今日はもう遅い。はやての話も明日だろ。燻ってるオレへの怒りを鎮める意味でも……今日は帰って寝ろ」

「……」

「なんだよ」

「怒ってないよ、私たちの誰も。シオンを知ってるみんなは、シオンはウタネちゃんのために動いてたんだって」

「うん? でも二人ともシオンが気まぐれでスカリエッティ側についたって言ってなかったっけ……?」

 

 シオンに信用を置いてたのは私とクロノ……あとソラくらいだったと思うんだけど……

 

「ち、違うよ⁉︎アレは嘘! 私たち管理局はシオンが敵にいる、って思わせないといけなかったから!」

「え……? フェイト、それどういう意味……?」

「ほら、フォワードの初出動の時私が通信切ったでしょ?」

「……そうなの? 私その時多分覚えてないよ」

「……まあ、そういう事もあったの。その時シオンが来てたんだ。固有結界を展開して」

「え……」

「そこで教えてもらったの。管理局の下にスカリエッティを置こうとしてること……自分の能力試験にスカリエッティの技術が必要なこと」

「えぇ……」

「固有結界ならアイツらも中を見ることはできないからな。色々と言い訳はついた。姉さんがオレのフリをしてた事も踏まえて見ればオレへの戦力として姉さんを出すのは正しく当然の判断だ。だから主要な人間……フェイトが孤立した瞬間を狙ってある程度話した。一人でもオレを理解したヤツがいれば姉さんの出動を少しでも減らせると踏んでのことだ」

「ウタネちゃん好きすぎなの!」

「よーしわかった。お前は殺してナンバーズの最新版に改造してやる。プライムはどうする? 30くらい入れて暴走による即死でも経験させてやろうか」

 

 ケラケラ笑うなのはにシオンがやっぱり殺意を向ける。

 

「ひぃ……!」

「まーたバカな事を……シオンが五つくらいで限度なのにそんなに入れたら一つも使わずに終わるでしょ」

「ま、実はそうでもないんだな、これが」

「うん?」

「プライムはあくまで能力の設定……なのはたちに魔法が使えるように、ソラや姉さんが貧弱な魔術を使えるように、あくまで能力を使えるようにするだけだ。能力の負荷はオレとアインスだけ。能力は受け入れられるだけ入れられる。ま、大抵一つで限界だけどな」

「えー……ソレズルくない? 私には……くれない?」

「姉さんはいらんだろ、どう考えても。そもそもプライムがいるような奴はオレ達にいねぇよ……そうだな、纏めてやれば良かったが……フェイトに話した状況を再現する。全員オレの左眼を見ろ。万華鏡写輪眼、月詠だ。害は無い」

 

 そう言ってシオンは一度目を閉じ、明らかに狂ってる瞳孔を開いた。

 ……私、そういう目は欲しくいな。フェイトやアインスみたく綺麗な目が欲しいんだけど……




最近写輪眼推しが凄いのはナルト系でしたい事が二つあったのと月詠の状況説明能力が高いなと思ったからです……決して卑劣様とBLACKRXにハマったわけでは……
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