「おっおっお。流石にゲーティアほどでは無いけれどー? 結構数エグいね! 繁殖期のバッタかな!」
二人と別れて外に出ると、それはそれは大量のガジェットが空を地面を覆い隠さんばかりにうじゃうじゃ。それがアインスの範囲魔法で次々と爆散しては間を埋めていく。
シオンが作った各10万という破格の数が実感できる。前の襲撃なんて比じゃないね。
「でもそれははやてたちの仕事。私達は戦闘機人を狙う!」
未来のこの世界、どうなってるかは言ってないけどある程度面識がある、という程度でシオンに話したら簡単に相手を変えてくれた。
流石に……ナカジマ家を潰すのは心が痛む。更生できる子は更生していいんだ。それを断つのは私の仕事じゃない。ま、私が相手するよりヒドイ死に方するだろうけど。それも関わってない私の責任じゃない。私が守るのは世界であって人の幸福ではないから。
「見つけたぁぁぁぁ!」
「っ⁉︎」
丁度……ちょうど? 接敵前のフォワードを捕捉。
大声上げたもんだからビックリさせちゃった?
「ハロー? 多分聞いてないだろうけど私と一緒にやろうね?」
「えっ、はい……」
「シオンの指示ですね? 役割はどうなりますか?」
「うん、えっとね、召喚師はフォワードに任せていいけどナンバーズはできるだけ私がやれって」
「……わかりました。ただ、ギンガさんはスバルに行かせて貰えませんか?」
「うん? そのつもりだよ。ギンガさんは戦闘機人でもナンバーズじゃないでしょ?」
私が選んだ戦場はここ。
ノーヴェ、ウェンディ、オットー、ディードがいるらしいこの戦場。
ん、ナカジマ家とやりたくないんじゃないか? いやいや、相手は変えてもらったよ? 変えてもらったせいでここになったんだけどね?
どうも一番集中するのがここらしく、能力的にここに選ばれてしまった……結局やるなら誰がしても変わらないのに……知り合い殺させるなんて最悪だ!
「ありがとうございます! 任せて下さい!」
「ん! でも負けたら分かってるよね⁉︎遊びじゃないから! やりたい事はさせるけど事件の収束は絶対だから!」
「……はい。分かってます!」
「よし!」
失敗すれば、殺す。
私はシオンやアインスみたいに洗脳解除みたいな能力は無い。ただただ破壊するだけ。そんな私が事件収束に動くなら……誰だろうと潰すしかない。
「あ、お菓子食べる? 若者風にスナック菓子も用意してみたんだけど」
「え! いいんですか⁉︎」
「ダメに決まってるでしょ! ソラさん、真面目な時なので!」
「おー、ごめんね!」
ポテなんとかとポッキなんとか、じゃがりなんとかも持ってきたのになー。この世界では好まれないのかな。それとも古い?
「……見つけた! ソラさん、召喚師は任されていいんですよね⁉︎」
「ん! 頑張ってね!」
「はい! 行くわよ、エリオ、キャロ!」
ルーは見つけたようで、三人が別れる。
さてさて……どうなるか……まぁ、ルーなら今のフォワードに殺される事は無いでしょ。
「じゃあ行くよスバル!」
「はい!」
「……ま、すぐ当たるだろうね」
「うわっとぉ⁉︎」
「チッ、ちょこまかと」
なんというか……お決まり?
別れた直後にレイストーム。それから出てきたのが想定通りの四人とギンガ。
前から思ってたんだけど、なんでノーヴェ師匠あんなキレ気味なの。ヴィヴィオが見たら泣いちゃうよ? 他の三人は大した変わらないけど。
「ギン姉……!」
「……」
ギンガは無表情で黙ったまま構えを取る。
なんなら一番強そう。
「よーし! ナンバーズ四人は私が相手だ! ついてこい!」
「テメェ! 舐めてんのか!」
「そっスよ! 痛い目見ても知らねーっスからね!」
「ディード」
「……」
師匠が怖い。
他もなんだかんだで着いてくる。フォワードよりシオン同様不確定の私を警戒してるんだろうね。正解だ。
けれど……着いてきたのは、不正解だ。
「ソラさん! お願いします!」
「そっちもね!」
♢♢♢
「……なんで着いてくる?」
「目当ては騎士ゼストだろう。彼とやるなら、私が適任だ」
「ヴィータが負けてんだぞ。お前じゃ無理だ」
「だからこそだ。仇討ちせず引き下がるわけにはいかん」
……引かねぇなぁ。
オレは能力で飛行能力使ってる分喋りたかねんだけどな……
「いいか、アイツも死んでる! オレの技術込みで生きてる戦闘機人だ!」
「それも知っている!」
「なら何故やろうとする! 勝つ見込みがあるのか⁉︎」
「無い!」
「お前! そんなキャラだったか⁉︎」
「無いがやらせろ! 戦わなければならない気がするのだ!」
曲がらねぇなぁ……
気がする、ってのは原作よりの感情かね。この時期はサッパリだが……ソラにもっと聞いとくべきだったな。嫌がらせだけで話切るんじゃなかった。
「……じゃあ勝手にしろ。ただ、死ぬ前には止めるぞ」
「仕方ないか……それで妥協だ」
「死ぬ気だったのか……」
「死にたい訳ではない。だが蘇りたい訳でも無い。この命、ようやく騎士らしいことができると思っただけだ」
「今の、はやてに再生するからな」
「貴様ッ! 録音していたのか⁉︎」
「してないが……ムーディーブルースを使えば問題無い」
「絶対にするなよ! そうすれば死ぬ!」
「結局死ぬじゃねぇか。なら諦めろ……っ、避けろ!」
前方から火球。
まぁ、想定通りだ。
「よう、今回は明確に敵同士だな」
「テメー! 何してんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「オレの目論見から外れたバカを確保しようとしてるだけだが。お前らはお前ら次第ではま、どこぞの中将の首くらいはくれてやる」
「違う! ダンナのこと言ってんじゃねぇ! ルールーとの約束が違うじゃねぇかって言ってんだッ!」
「……は? 約束?」
「シオン、やはり何か目的があったのか」
「まてまて、オレは知らねぇ」
アギトの吠えてる内容がサッパリ分からん。
管理局に付いたことでもなく、ゼストの目的についてでもなく……約束? ルーテシアと?
「忘れたのか。ルーテシアの母親……メガーヌに適合するレリックコアを管理局からルーテシアに譲渡すると」
「……おい? ゼスト? 冗談を真面目に言うキャラじゃなかったと記憶してるが……アギトもだ、何の話だ?」
「お前こそ、自分からした約束は破るような……まして忘れるような奴ではないと思っていたが」
「自分からしてりゃあな! 一切知らねえんだよ!」
「……では、ルーテシアの件も俺がやるしかない。それならどうだ」
「はぁ……ったく。しょーがねぇなぁ……分かったよ。何番だっけか? 取ってくるが」
「ダメに決まっているだろう⁉︎」
「おぉ……シグナムよぉ……じゃあどうしろってんだよ、オレだって混乱してんだぞ? 知らん約束してんだから」
「で、それが本物らしいと分かれば約束は果たす、か」
「そーだなー。アイツらは別にどこぞの同期を殺したいだけで管理局の敵でも姉さんの害でもねぇし。レリックはお前らもまだ使えねぇだろ」
「……分かった。お前らに私が説得するのは不可能のようだ。だから……力づくで!」
「流石に無理だろー……ゼスト一人でさえどうかってのにオレとアギト付きだぞ?」
「お前はなんでサラッと管理局に剣を向けるんだ……」
「や、管理局の敵にはならんぞ。コイツらの望みを果たすだけだ。この場を通して……望みを果たせば、それで終わり。死ぬか、確保だ」
……そうだよな、組織じゃなくて個人に加担するからこうなるんだなぁ……
姉さんにも苦労かけたなぁ……
「シオン、お前は構わない。無闇に管理局へ敵対するような行動をするべきではないだろう」
「ダンナ⁉︎」
「どうせもう少ししか持たん。シグナムと言ったか。ここで……」
「だそうだ。良かったな?」
「望むところです。私が勝てば、手を引いて貰います」
「俺が勝てば、レジアスとレリックを」
互いがデバイスを構え、オレとアギトは距離を取る。
「「いざ尋常に……勝負!」」
♢♢♢
「たのしそーだなー……私はーどーすればいーのかなー」
たのしそーだな〜……私、戦場の真ん中いろって言われただけなんだけど……
飛んでくるガジェットを能力で潰して虚無にしてるだけなんだけど……
えぇ……? 相手すら無し……? 戦闘機人は私達がするー! とか言っといて私は……えぇ……?
「多分ヒマ潰せってことなんだよね」
私の能力2%の範囲。ちょうどガジェットの密度の濃い戦場範囲とほぼ同じ。
つまりは崩れた場所を立て直すまでの時間を稼げってことなんだろうね。
しかしながら優秀な八神さんとアインス。殲滅も殲滅、魔法が通れば3種のガジェットは等しく爆散し、埋まる。それをまた魔法で爆散。
私はその魔法と爆散したガジェットの破片を能力で防ぐだけ。
「……」
……………………
「たのしそーだなー……」
……なんか仕事回ってくるんでしょうね? 寝てようかな……
♢♢♢
「なぁアインス! ウタネちゃん何しよんや⁉︎」
「あそこで私たちの魔法を防いでいる! だけだ!」
「なんやソレ⁉︎」
「分からん! シオンの指示だろうが目的は不明だ!」
「くそー! 私らが忙しいってのに! 一発デカいのいくでー! デアボリック・エミッション!」
「はやて、無駄です。能力で軽いシェルターを作ってます。もっというと寝ようとしてます」
シオンは何を考えているのかさっぱりわからないが、ウタネ様はどうもあの場での待機? を命じられている様子。
「がー! 何させる気やシオンはー! 全部殺す気で行くで!」
「いやぁ……デアボリックエミッション以上の範囲はそうそう無いですが……」
それを見るはやての心境は如何なるものか。紅蓮か、煉獄か。
「はやて。少し殲滅のペースを上げましょう。能力を一つ、よろしいですか?」
「んー? いるかぁ?」
「今爆散した分でも千に届くかどうかです。最低30万もとなると不安が残ります」
「む、そうかぁ。ならええよ。できるだけ軽いのな」
「はい。軽くて機械相手と言えば……選ぶのは当然ッ! それが礼儀ッ!」
バラバラの実で指先をそれはまぁ細かく、ガジェットの探知に引っかからないくらいに細かくして大量散布する。うん、片手とはいえ指がないのは違和感だ。手を握っても握った感触が無い。まぁ、それはいい。
「とどめ……ん? あ、まぁ、撃殺するわけだし……とどめだくらえ! 『メタリカ』ッ!」
指先それぞれから磁力を引っ張り、範囲内すべての機械動作の停止、爆破を行う。
ん……一つ、といったが二つ使ったな。まぁいいか。
「……アインス、二つ使わんかった?」
「ですぅ……」
「ぐ……」
「この前……なんやったか、バイオライダー? の時も言うたやんなぁ? 治せるゆーてもアカン言うたなぁ?」
「す……すまない……シチュエーションがな……」
はやてはこういう事にカンが鋭い……確か、個室には漫画本が多くあったな……そう言う面で……この世界にあるかは知らないが、能力の世界を多少なり知っていたりするのか……?
「もー! 二ついるならそれはそれで考慮するから! ちゃんと言って!」
「……ああ、分かった。多分次からは二つずつ使うことが基本になると思う」
「よろしい! でもホンマ、負荷の大きいのはアカンからな!」
「分かっている。だがシオンが絡むこの事件、最後の最後まで油断はできない。私とて全知全能では無い。多少は許して貰う!」
「そりゃあヴィーナス頼りなんはそうやけど! できるだけして欲しくないんよ!」
「ツヴァイもな。普通融合機が単独でそこまで火力を発揮するのは不可能なはずだが……まぁ、シオンのことだ、単独戦闘もある程度可能としたのだろう。我らの後方は任せる!」
「ですぅ!」
氷結系限定とは言え、その火力は中々のものだ。AMF化でも十分にガジェットを落とすくらいのレベルは保てている。
……私が消えた後は、十分に八神家を任せられるな。良い後継機だ。
「でははやて、いきます!」
「ほいさ!」
この話で今後の方針がある程度固定されるので慎重にしたかったけど今までもこんな感じだったしまぁいいかなと。どうせシオンがアインスがどうにかしてくれる。