【完結】ペインフル・リインカーネーション 作:さくらのみや・K
2018年
9月6日午前3時07分_______
筆者は地震で目を覚ました。震度4程度だったが、地元は滅多に揺れが来ない地域で、少なくとも自分は経験した記憶のない大きな揺れだった。
すぐにリビングのテレビを点けた。見慣れた北海道の形に散りばめられた、震度を表す数字。激しく揺れる新千歳空港(震度6強を観測していた)の映像、慌しく各地の震度を伝えるアナウンサー。
緊迫したニュース映像は、しかし数分でプツリと途絶えてしまった。北海道全域が停電した、通称“ブラックアウト”の始まりだった。
最大震度7、死者43名という被害を出した「北海道胆振東部地震」。それが、筆者が唯一経験したと言える災害である。
とは言え、震源地である厚真町から大きく離れた筆者の自宅には、大きな影響は無かった。幸い自宅とその周辺はその日の午前10時過ぎに電気が復旧。すぐに日常がおおむね取り戻された。その後の影響といえば、スーパーやコンビニの食糧品が不足気味になったことだが、深刻なものではなかった。
だが停電時、多くの情報が遮断される恐怖は、僅かながら感じられた。スマホが普及し、インターネットが簡単に見られるとはいえ、災害発生時にテレビからの情報が得られないのは、当然と言えば当然だが盲点だった。テレビでどれだけ注意喚起がされても、見れなければ知りようがない。本当の被災地ならば、これは何十倍も深刻になるだろう。
だが何より、日本中の人々に大きな影響を与えたであろう未曾有の大震災。これは、当時小学生だった筆者にも、心に深く刻まれた。
2011年3月11日_______
東日本大震災は、遠く北海道に住む筆者にも、大きな影響を与えた。
テレビ映像は今思い出しても、あまりにも恐ろしいものだった。
巨大な波に流されていく家々、燃え盛る石油コンビナート、テレビ画面から溢れ出そうなほどの被害情報が流れるテロップ…表示される死者数が次々に増え、桁を飛び越えた瞬間、小学生の筆者は耐えかねて泣き出してしまった。
日本がなくなってしまう…本当にそんな気がして怖くなった。
この作品では、あの日心に刻まれた記憶…もちろんテレビで見ただけではあるが、テレビ越しに感じた様々な感情を思い出しながら書き続けた。
話は変わるが、今回、ヤンデレCD4作目「Re:birth」を描くにあたり、大きな影響を受けた作品がある。
代表作「沈黙の艦隊」や「ジパング」、最近では「空母いぶき」等で知られる、かわぐちかいじ先生の作品である「太陽の黙示録」。この作品もやはり日本の大震災から始まり、2人の主人公に焦点を当て、様々な困難に直面しながら新たな日本を再生していく超大作である。
本作ペインフル・リインカーネーション…特に渚の兄は、当初その主人公の1人「宗方 操」をモデルにしていた。
彼もまた、震災前は数々の困難に直面し、世の中が大地震で何もかも破壊されればと願っていた。当日、何もかも投げ出そうとしたが、願っていた大震災が起こり、未来が開けたと歓喜する。だがその代償に、彼は最愛の妹を失い、自身の願いが誤りだったと悔やむのだった。
また、本作の災害状況も、太陽の黙示録に影響を受けたところが大きい。
もちろん、影響を受けた作品はそれだけでは無い。他の皆様が書いているヤンデレCDの二次創作達、ハーメルンや他サイトの小説など、どうすれば野々原渚と兄は幸せになれるか…その後2人はどこへ行き着けば良いのか…その答えを探すため色々な作品を参考にさせていただいた。
本編はRe:birthの渚編を元に、原作の後日談として話を展開した。原作の悲劇の後、兄妹が夢を叶え、その大きな代償に気付き、それを乗り換え真に愛し合うため成長する過程を書いたつもりである。どのまで伝わったかは分からないが、一応満足する結末を書くことができた。
本作のイメージソングは、乃木坂46の「欲望のリインカーネーション」という曲である。また、ピノキオピーの「すきなことだけでいいです」もよく聴いた。良い曲なので、是非聴いてほしい。
またしてもめちゃくちゃ時間がかかったが、何とか完結に漕ぎ着けた。重たいテーマで大変ではあったが、達成感はある。
お気に入り、評価、コメント、とても励みになります。そしてこの作品を読んで、ヤンデレの良さに気付いていただければ幸いである。
ありがとうございました。