冒険者たち4人の
山の洞窟に
テンプレートだ。
前足が翼となった竜。知能は低く、ドラゴンと比べると見劣りする。
しかし、それでも人では手の届かない空を羽ばたき、上からの強襲とブレスによる一方的な攻撃は脅威だ。
中途半端な冒険者ならまたたく間に餌となり、熟練者でも気の抜けない相手だ。
しかし、揃ったのは銀等級の冒険者たち。
油断もしない。
手も抜かない。
実力もあり、
いや、
飛行してくる
そして、その奥には
さらに、その上にはゴブリンが居た。
誰が、ゴブリンごときが
まぁ、
言うなれば、
冒険者たちはゴブリンごときが、小癪なと苛立ったが、戦うときはもっと苛立った。
ゴブリンが空を飛ぶ
ゴブリンからの攻撃など盾、鎧で、武器で切り払って防げる攻撃だが、打ち所が悪ければ戦闘行動ができなくなってしまうため、気が抜けない。
それに、
それに気を取られれば、ゴブリン共が嫌がらせとばかりに石を投げ、矢を撃ってくる。鬱陶しくて仕方がない。
そして、逃げている最中、岩の陰から普通のゴブリンが奇襲してくる。
闇女斥候は気づいて、飛び掛かってきたゴブリンを小剣で切り裂く。
前衛の1人が傷を負った後衛の冒険者を背負い、逃走している一党。
このままではいずれ追いつかれるか、逃げ切ったとしても依頼を出した街まで
見失うようにして逃げるにはどうすればいいか、闇女斥候は考える。
「
本来は相手の足場を流砂にして、動きを封じる呪文だ。追ってきたゴブリンたちは、突然地面が砂に変わったことで、足を取られて転んだ。
だが、空を飛んでいる
立て続けに闇女斥候は詠唱する。
「
唱えたのは
突風は、先程作った砂を巻き上げながら飛んでいる者たちに降りかかる。
目に砂が入って視力を失い、飛んでいるゴブリンたちは必死でしがみ付く。鞍なんてものはなく、鱗を掴んでも滑ってしまい、あっけなく吹き飛ばされる。
どちらにしろ強風に煽られ、飛行を維持できず、
落下距離からして、乗っていたゴブリンはともかく
墜落した
今は逃げることを優先し、その場から逃走することに成功した。
「この依頼は降りる」
逃げ切った一党は、冒険者ギルドで今後どうするかを話していた。
後衛は痛手を受け治療中で、依頼を降りざる得ない。前衛の冒険者は依頼内容の違いに危険だと判断し、依頼達成を諦めた。
残る冒険者も
若いとは言えドラゴンだ。銀等級とは言え、怯えるのは仕方がない。奮い立てと言っても無理だ。
そして、竜の代表的な攻撃手段、ブレス。
そんな相手に少数で立ち向かうなど、自殺志願者に違いない。
ともかく、一党は依頼を諦め解散となった。
竜殺しは栄誉であるが、
竜退治など、駆け出しはまず死にに行くようなことなので受注しない。
熟練の冒険者も
一部の中堅冒険者は受注しようか迷ったものの、銀等級4人が逃げ帰る事態という事実に、やめることにした。周りにいるゴブリン? そんなのは駆け出しがやることだ。
実際に危険な目にあった4人の銀等級冒険者たちは、そのゴブリンが厄介だったのを理解している。
空と地上からの攻撃に意識を割かなければならず、ゴブリンは数が多い。ゴブリンの攻撃程度、1、2回なら問題にならないが、10回も攻撃されれば鎧の隙間に粗悪な武器の刃で骨も断てる。
子供程度の腕力とは言え、10匹も同時に飛び掛かってくれば、対処するのは困難だ。前衛と闇女斥候が組み付いたゴブリンを取り払わなければ、粗悪な武器でめった刺しで死んでいただろう後衛。
すぐに取り払っても、毒が付着した武器で1回刺された。しかし、モンスターたちに対処するのに精一杯で、
注意を
ゴブリンごときが生意気な、と一党の全員が思う。だが、あの逃走でゴブリンを軽視することは、してはならなかったと反省した。
だが、闇女斥候だけで
数は足らず、質も揃えなければならない。
竜退治とゴブリン退治。
前者は実力がなければ餌になるだけ。後者はゴブリンなど駆け出しの仕事と、熟練の冒険者はやりたがらない。
そこで闇女斥候は思い出した。
ゴブリンスレイヤーなる銀等級と実力が等級にあっていない駆け出しを。
「ゴブリンスレイヤーさん、ハンターさんにお手紙です」
ギルドでいつものように依頼を受けようとしたハンターだが、受付嬢にゴブリンスレイヤーと同時に呼び出される。
受付嬢はゴブリンスレイヤーに手紙を渡し、次にハンターへ手紙を渡すしぐさをした。ハンターは手紙を受け取ろうとしたが、受付嬢は力強く摘んで抵抗し渡してくれない。
「ところでハンターさん。サイクロプスと吸血鬼の討伐に参加されたそうですね」
「した」
ハンターは受付嬢の言葉を肯定し、にっこり微笑んでいる受付嬢を見た。
眼に光が灯っていない。
微笑んでいるまぶたの隙間から見えた眼は暗く、数々の龍を討伐してきたハンターは、一瞬固まった。まるで一昔前に龍に遭遇し、自然と身をすくませたように。
「報告では現地で依頼を受け、
「あ、あれは依頼じゃなかったし?」
「追加討伐だと思うんですけどねぇ? そういったことも報告してほしいんですけどねぇ?」
「つ、次から気をつけます」
「ええ、是非そうしてください。そうしないと報告書の矛盾点や裏取りに、時間を費やす職員が出てきますし、ギルドへの虚偽報告とみなされかねないので」
受付嬢の威圧感は凄まじい。
彼女ならば、ミラボレアスでさえ逃げてしまうと思う。
ハンターはいそいそと手紙を開けた。
王都からの名指しの依頼で、
救援要請である。
行くっきゃないハンター。
ゴブリンスレイヤーの手紙は、差出人が闇女斥候。その竜にゴブリンが乗って現れ、討伐を手伝ってほしいとのこと。その際、ハンターにも同行を求めることが書いてあった。
「ゴブリンだ。お前も来いと書かれている」
「場所は、一緒のところだな」
「どうする」
「無論受ける」
こうしてゴブリンスレイヤーとハンターは、狩場に向かうことになった。
王様「ゴブリン? そんなものより竜のほうがまずいだろ! 確か辺境の街に黒竜を倒したハンターが居たな。そいつに任せよう(ゴブリン軽視、ハンターに丸投げ)」
本当はMH世界のクックあたりで良かったかもしれない。
ゴブリンだって乗れなくはない!
けど、絆とか仲間とかではなく、支配の魔法で操っているだけ。
なんで、実物よりも弱かったりする。行動が2回から1回に減少。命令も大雑把。
3匹同時に器用に操るなんて、ゴブリンじゃ無理に決まってる。所詮はゴブリン。(慢心)
女魔術師、女魔法使い どっちがいい?
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女魔術師
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女魔法使い