魔法少女リリカルなのはvivid 〜二人の英雄〜   作:fortissimo 01

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○は視点替えです
読みにくいと思いますがどうぞー


帰還する英雄、新たな英雄

寒い、寒い。

身体を震わしながら、そう思った。真っ白な服を着た少女は真っ白な部屋で座っている。窓はなく、外がどうなっているのかもわからない。わかる事と言えば、私は造られた人間、それも()()()という事。食料を持ってくる白衣を着た人達がそう言っていた。私はいつまでここにいるのだろう? そう少女は静かに涙を零しながら思う。少女は天井を見上げるポツリと呟く。

 

「誰か、私を外に連れてって……」

 

そう呟き、少女は静かに目を閉じた。その時だった。

 

『ーーーー!!』

 

『ーーーー!!』

 

ドアの向こうから複数の声が聞こえる。それも声を荒げて。何かあったのかな? そう思い少女はドアに近づく。すると開くはずのないドアが静かに開いた。そこには見た事ない黒髪の青年が立っていた。

 

「この子で最後かな」

 

「ひぅ……」

 

黒髪の青年がこちらに近づく。少女はそんな青年に恐怖し、頭を抱える。そして黒髪の青年はゆっくりと少女に手を近づける。

 

「……ふぇ?」

 

その手は少女の頭を優しく撫でた。頭が混乱しながらも少女は顔を上げ、再度青年の顔を除く。

 

「ごめんね、怖かったよね? でももう大丈夫だよ」

 

その時、少女は胸が高鳴った。青年は満遍の笑みを浮かべこう言った。

 

「僕が来た!!」

 

これが私と英雄(ヒーロー)の最初の出会いだったんだ。そしてここから止まっていた時が動き出したんだ。

 

 

 

 

四年後。

ミッドチルダ次元空港。そこに白髪の少女とサングラスをつけ、黒いコートを纏った黒髪の青年が出てきた。

 

「ここが『ししょー』が居た世界、ミッドチルダ?」

 

「ああ、そうだよ。『ハルカ』、人が多いから逸れないようにな」

 

「りょーかいです! 『イズク』ししょー!」

 

「しーー! ……ここではあまり俺の名前を言わないように、な?」

 

「そ、そうだった……」

 

そう少女、ハルカはハッと口を手で隠す。イヅクはくすっと笑うと、すっと立ち上がる。

 

「じゃあ行こうか」

 

「はい!」

 

二人はそのまま空港を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

「ん、着いたな」

 

空港から歩いて、数分。イズクとハルカの前に大きな建物が建っている。

 

「あのししょー? ここって?」

 

「ストライクアーツ練習場だ。ここで待ち合わせだけど……ちょっと早かったな」

 

そうイズクは時計を見ながら呟く。ちらっとハルカの方に視線を向けるとキラキラした瞳で公民館を眺めている。

 

「あー……ちょっと練習していくか?」

 

「ほんとですかっ!?」

 

キラキラした瞳でこちらを見つめるハルカ。うなづくとグッと小さくガッツポーズをする。こうして二人は公民館の中に入る事にした。

 

 

 

 

ロッカールームで着替えを終わらせ、動きやすいようポニーテールに結ぶ。ロッカールームを出ると大勢の人がトレーニングをしている。端にはトレーニング用の機械が設置してあり、中央には打ち込みなど組手をやれるほど広いトレーニングコート。子供から大人までこの練習場を利用してる。ハルカはこの光景に感激する。

 

「すごいなぁ、色んな人がここで特訓してるんだ!」

 

ハルカはキラキラした瞳で他の人達の練習光景を眺める。そういえばししょーは? ふっと我に帰り、ハルカはキョロキョロと見渡す。するとジャージ姿のサングラスをかけたイズクを見つけた。ハルカは急いでイヅクのところへ向かう。

 

「お待たせしました、ししょー!」

 

「うん、準備ができたみたいだな。じゃあ準備運動してから軽く打ち込んでみるか」

 

「はい!」

 

ハルカはイズクに続き準備運動を始めた。身体をほぐしているとイズクは驚いた顔で何かを見ていた。ハルカがその視線の先に顔を向けるとそこには三人の少女達と二人の女性が練習をしていた。その中でも特にあの金髪の少女。イズクは恐らく彼女を見て驚いたのだろう、でもなんで? とハルカの頭の中は納得と疑問の二つが浮かび上がる。

 

「あれは……」

 

「ししょー?」

 

「あ、ごめんごめん。どうした? 準備体操は終わったか?」

 

「……はい!」

 

あまりそのことは考えないようにしよう、そうハルカは自身に納得させ目の前のことに集中する。

 

「よし、じゃあこのダミーに打ちこもうか」

 

「はい!」

 

目の前にダミー設置してあり、ハルカはそれに打ち込む。パァン! といい音が鳴り響く。

 

「いい感じだな。そのまま打ち込んでみるか」

 

「わかりました!」

 

しばらく撃ち込みを続けていると周りがざわざわと中央に集まる。そちらに視線を向けるとそこにはあの少女と赤髪の女性が組み手をしていた。二人の組み手は凄まじく、振動がこちらに響いてくる。

 

「おぉー……すごいなぁ、あの子」

 

「そうだな。良いコーチに教えてもらったんだな」

 

「くぅ〜! 見てたら燃えてきました。私も組み手やりたいです!」

 

「ん、そうか。じゃあ軽くやるか。ちょうど空いてるみたいだし」

 

ハルカとイズクは空いてるトレーニングスペースで組み手を行う事にした。二人は距離を取り、向き合う。

 

「よし、いつでもこい」

 

「はい!」

 

ハルカは地面を蹴り、イズクに近づく。

 

 

 

 

金髪の少女、高町ヴィヴィオと女性、ノーヴェ・ナカジマは組み手が組み手を終えると周りから大きな拍手が起こる。二人は照れながらも皆に一礼する。

 

「二人共すっごーい!」

 

「ヴィヴィオ、ノーヴェ師匠おつかれ様ですっ!」

 

「いやぁ〜二人ともやるもんっスなぁ」

 

そうリオ・ウェズリー、コロナ・ティミル、ウェンディ・ナカジマは二人に賞賛する。

 

「えへへ……ありがと」

 

「こういうのあんま慣れないんだよなぁ」

 

二人は照れながらも感謝の言葉を送る。そんな会話をしていると又もや周りがざわざわし始めた。

 

「なんでしょうか?」

 

「誰か組み手をやってんのか?」

 

五人は集まる人だかりを抜け、見やすい場所でトレーニングスペースを覗く。そこでは白髪のオッドアイの女の子が黒髪のサングラスの青年が組み手をしていた。その光景は凄まじいものだった。白髪の少女は鋭い拳を青年に放つが、青年はそれを軽々といなす。少女が蹴りを放つとそれを受け止め、間合いを取る。

 

「す、すごい……」

 

「あぁ、あの白髪の女の子もそうだが……あの黒髪の男性、相当の実力者だ」

 

時間が経つにつれて二人の組み手は更に凄まじくなる。

 

「ししょー! 私楽しいです!」

 

「俺も楽しいよ、もっと強く打ち込んでもいいぞ?」

 

「……っ」

 

青年の声にヴィヴィオが反応した。とても聞き覚えのある声にヴィヴィオは青年をじっと見つめる。なぜだかヴィヴィオは懐かしい感じを男性から感じた。するとある一人の人物と重ねて見え、それは徐々に確信に変わっていく。

 

「も、もしかして……」

 

「どうした、ヴィヴィオ?」

 

「じゃあ行きます!」

 

間合いをとった少女がそう言うと、少女から白い雷が走る。目でも視認できるようはっきりと。

 

「え!? そ、それはダメだ!」

 

「はあっ!」

 

少女はまるで消えたかのようなスピードで男性との間合いを一瞬で縮め、拳を振る。男性は思わずその攻撃をかわす。その判断は間違っていたのだと次の瞬間思い知らされた。その攻撃は止まらずそのまますごいスピードで突き進んでしまった。その先にはヴィヴィオが立っていた。

 

「……え?」

 

「ヴィヴィオ!」

 

「やばいっ!?」

 

「まずい……!」

 

呆然と立ち尽くすヴィヴィオは反応が遅れてしまう。かわすことは不可能。ノーヴェはヴィヴィオを守るように前に出ようとする。少女は焦った表情で突き進む。すると男性から緑色の魔力光が雷のように溢れる。

 

「ワン・フォー・オウル……!」

 

青年は地面を思い切り踏み込む。すると次の瞬間、少女の拳は受け止め、ヴィヴィオを守るように優しく抱く男性がいた。男性がいた場所は焦げたような足跡が残っていた。

 

「え?」

 

「ハルカ、それはダメって言ったろ? 危険だし、まだお前には早い」

 

「す、すいません! ししょー! つい……」

 

「今度は気をつけろよ? ふぅ……大丈夫かい、お嬢さん?」

 

「あっ……」

 

男性はヴィヴィオに顔を向ける。先程のスピードでサングラスが取れている事に気付かずに。

 

「……パパ」

 

「えっ……あっ」

 

「パパっ!」

 

ヴィヴィオは思い切り、その男性に抱きついた。その行動に周りの人達と白髪の少女は驚く。

 

「「パパ?」」

 

「パパ……え、え?」

 

コロナとリオは首を傾げ、白髪の少女は男性とヴィヴィオを交互に見る。その男性の素顔を見て、ノーヴェとウェンディも驚愕する。

 

「い、イズクさん!?」

 

「な、な、なんでイズクさんがぁ!? どうなってるんスかぁ!?」

 

「あ、あははは……俺が来た〜、なんちゃって?」

 

男性、イヅク・アマノは頭をかきながら困ったように笑う。どうすればと考えていると遠くから男性の声が聞こえてきた。

 

「全く、帰ってきてトラブルとは……君らしいな、イズク」

 

声を発した男性に全員が顔を向けると皆、驚愕の表情に染まる。

 

『クロノ提督!!??』

 

「あはは……久しぶり、クロノ。早速だけど助けてくれないか?」

 

「自業自得……と言いたいところだが、そうもいかないな。早速君の話を聞きたい。場所を変えようか」

 

 

ミッドチルダの英雄、イずク・アマノはトラブルを起こしながらもミッドチルダに四年ぶりに帰還を果たすのであった。

 

 

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