RPGのカンスト主人公はダンまち世界ではレベル4弱位 作:アルテイル
なんかね、膠着してるわ!
「三段突きィ!」
チクチク
『ォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
ヒューーーーン、ビターン!
気分は安全装置のないジェットコースター、俺の攻撃はサイズの問題で致命傷には程遠く。相手の攻撃は俺の耐久を上回らないのでダメージが出ない。しかし攻撃自体のダメージは無くとも体重は一般レベルなのでひたすら吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる身体には痺れが走っていた。衝撃は貫通してくるからな。身体の中で地震でも起きているかのような感覚だ。
「イグニス!」
『グォォォォォォォォ!!』
魔法はまぁ効いてる、18階層に出る奴と違って再生能力は無いし。いつかは倒せる・・・かな?想像以上に俺の耐久が凄かったせいで、緊張感にかける所があるけど。
魔法で狙っているのは胸部分だ、少しづつ火傷が重なり、その内魔石が見えて来るだろう。ブハッ!?
ゴライアスの口が光ったと思った瞬間、頭に衝撃が走る。突然攻撃を受けた俺の身体は後ろへと倒れてしまった。
そこへゴライアスの攻撃、地面と拳に挟まれ、逃げる場所を無くした振動は全て鎧の中の俺の肉体に吸収されていた、やめろ!気持ち悪い!吐きそう!
暫くしゴライアスが攻撃の手を休めた、俺が死んだと思ったのだろうか、グロッキーではあるがダメージらしいダメージは負っていないぜ。
「ゾーン!」
今のうちに回復だ、そこら辺に転がってるマナポーションとライフポーションを一気飲みし、ゾーンを破ったゴライアスの追撃を避ける。ハンターばりの緊急回避だ。俺のすぐ横をゴライアスの足が通り過ぎる。直撃していたら天井の染みになっていたかも知れない。無傷の鎧の中からぶちゅっと・・・
いやいや、と頭を振り集中する、それよりもさっきの攻撃だ。原作の知識と照らし合わせると、レーザーの様なものだと思う。そう言えばファイアボルトと似た感じだな、チャージすれば威力上がってた気がするし。
ピチュンピチュンと小チャージの攻撃が次々飛んでくるが落ち着いて回避する、口が光った瞬間前傾姿勢で盾を構える。そこそこの衝撃は走るものの、不意をつかれなければ倒れる程ではない。
「イグニス!」
遂に胸部の肉体が焼け落ち、紫の魔石が露出した。
よしよし、何とか生きて帰れそうだ・・・
そう確信し、とどめを刺すために唱えた、イグニス
『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』
「・・・え?」
ゴッ!
ピンピンとしていたゴライアスに油断していた俺は容易く蹴り飛ばされた。
「なぁぁぁぁんんんんんんでぇぇぇぇぇ!?」
またも結界の外縁部に叩きつけられた俺は考える、なぜ魔石が破壊出来ないのか。属性?
「サンダーボルト!ブリザード!」
ダメだ!傷一つ付いていない!威力が足りないのか!?
威力、そこで俺は過去のある光景を思い出した。
『ーーみんな、道を開けろぉおおおおおおおおおおおおお!!』
かの英雄、ベル・クラネルは特殊なスキル『英雄願望』を用いて強化されたゴライアスの上半身を吹き飛ばし、そして剥き出しにされた魔石にナイフを突き立て討伐した。
上半身を吹き飛ばされても、無傷。
魔石は名前の通り魔法の石で、魔法で傷を付けることは出来ないとでも言うのか!マジかよ!
長くも短い記憶の海から抜け出し、接近して来ていたゴライアスから逃亡する、今もゴライアスの弱点は剥き出しであるのに攻撃手段がない!
魔法ーーー効かねぇよ
剣ーーー当然届かない
盾ーーー俺防具だから
鎧ーーー俺専門の防具だから
「役立たず共め・・・!」
さんざん身を守ってくれた武具に文句を言う、役に立ってねぇもん。
この状況を打破する鍵を探し当たりを舐めまわすように確認するが瓦礫とポーションしか落ちていない結界内にろくな物なんて・・・瓦礫だ!
「死ねやオラ!」
走りながら瓦礫を拾い、魔石目がけて投げ飛ばす。野球部でもなんでもないので自信はなかったが何とか命中してくれた。
破壊には至らなかったものの、紫色の欠片が宙を舞い、ゴライアスが苦悶の表情を浮かべる、そして直ぐに魔石を左手で隠した。
敵ながら見事な投石対策である!秒で瓦礫も役立たずになったなおい!
一応投げるが、ただの石に階層主の肉体を貫通する能力など無く、ぽとりと落ちた。
投石のため速度を落とした俺の身体をゴライアスの世界最高峰の蹴り上げが襲う。またもや吹き飛ばされていく、ワンパターンなんだよ!
「こうなりゃやけだよ!ファイア!ファイア!」
『グォォォォォォォォ!?』
たった今思いついた作戦、目を焼く。何故思い至らなかったのか不思議になるほどの単純な作戦だが、まぁ気にすまい。効果は上がっている。
悶えるゴライアスを尻目に俺は『万物商店』を開き、対抗策を探す事にした。
スパイラルボウ 3500G 物攻+250
初心者がマトモに矢を飛ばせるはずが無かった!
スネイクソード 6500G 物攻+250 『出血付与』
サイズがね!足りないね!
ロングボウガン 4500G 物攻+150
ああっ!あいつ狙われてることに気がついてまた魔石隠してる!最初にボウガン出してたらぁ!
爆発石 150G 『敵に150の固定ダメージ』
ダメージ無し!
大・爆発石 1500G 『敵に1500の固定ダメージ』
ダメージ無し!
わくせいはかいばくだん 5000G 『敵に5000の固定ダメージ』
よぉぉぉぉぉし!腕が吹き飛んだァァァ!!
「今度こそ死ねやァァァ!」
腕も無くなり、無防備な魔石にわくせいはかいばくだんの無情な爆発が迫る。
ゴライアスの胸部を覆う爆発に思わず「やったか!?」と呟いてしまった、コレはやってないパターンだ。
予想通り、無傷の魔石が現れる。爆発は物理攻撃にはいらんの?なんで?
クソっ!ならまた瓦礫の出番だぜっ!
と投石の姿勢に入るも、ゴライアスは吹き飛んだ手の残り、手首よりも下を使い魔石を隠しやがる。仕方ないのでわくせいはかいばくだんを・・・ってアレ!?
わくせいはかいばくだん 5000G 在庫切れです、再入荷まで23・56
在庫ぉ!?在庫なんて概念が存在していらっしゃったのですかねぇ!そう言えばゲームでもポーション以外は制限あった気がするわぁ!
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最初なんて目じゃないぐらいの膠着状態に陥った。あれから30分ぐらいお互い有効打を与えられていない。目を失ったゴライアスは狙いも定めず暴れ回るが、魔石の守護だけはしっかりとやっている。
「あー、めんどくせー」
もう俺は殆ど諦めていた。結界の端っこで悠々と昼寝の時間だ。結界の外に白髪の少年とか緑髪の長耳とか居るけどもういいわ。なんかもういいわ。
降参して結界を解除しようとしたんだけど
【
・逃亡不可のフィールドを作る。
・戦闘続行不可能な状態か、降参の意思が認められた場合のみ解除
この降参の意思が認められた場合のみってのがくっそめんどくさい所で、認めるのは自分じゃなくて相手らしい。モンスターに知性はなく認める認めない以前に何が何だかもわかってないのだろう、結界は解除されなかった。
一応策を考えてるんだけど、どうしたもんかね・・・
何か俺には無い発想をくれないかと結界の外の人間に目を向けるも俺の視線に狼狽えるばかりで。
その横で結界相手にキンキンやってる女剣士に目を向ける。
少し前からずっとキンキンしてるけどまだ諦めてない。途中休憩してたけどしまいには魔法を使って身体ごと結界へと突撃し、勢い余っておでこをぶつけ悶えていた。それを見て白髪の少年、ベルクラネルが慌てて介抱に向かう。
成果はともかく、あの突撃の速度は素晴らしかったな、目にも留まらぬ速さとはあのことか。
俺にも風魔法の適性があれば似たような事が出来たのかもしれないが、あいにく俺は火と雷、氷しか使えない。ソレにRPGの魔法はこの世界のものに比べて融通も効かないしな。威力の調整も出来ないし、範囲の調整もできねー。
と、凄いようで使い勝手の悪い魔法に嘆いているの俺の頭に発想の神が舞い降りた。やらた帯電していて、思わずビリビリと呼びたくなる様な神様だ。
誰?
『コレが私の、全力だぁぁぁ!!』
ハッ!そうか、サンダーボルト!
神様から発想を得た俺は、商店で鉄剣を購入する。
鉄剣 500G 物攻+20
「サンダーボルト!」
雷の力を纏った鉄の剣は凄まじい速度でゴライアスへと接近し・・・!
太ももを貫通しその先の結界で火花を上げ、動きを止めた。
・・・・・・コントロールに難あり!
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鉄の剣を再利用しながら、およそ67回目のチャレンジで見事魔石をぶち抜いた。やっと、やっとだ・・・。
達成感を胸に抱きながらゴライアスのドロップアイテム、『ゴライアスの硬皮』へと近付く、さて、格納するかという所で重要な事実に気が付いた。
ロキ・ファミリアが見てるっ!
しかも増えている、途中見た時は精霊剣士と緑長耳と白髪の少年しか居なかったはずがパツキン勇者と凸凹姉妹あとレズ長耳と思しき長耳が新たに登場していた。
無視して地上に帰還しようかとも考えたのだが・・・情けなく飛び出してきた手前、未だ帰るのは躊躇われる。仕方ないので、皮を担いで遠回りで18階層への道を目指す。
てくてくてくてく
ザッザッザッザッ
ピタッ
ザッ
シュタタタタタ
ヒュン ガシャ!
「まぁ待ちなよ!ちょっと話をしようじゃないか!」
逃げる俺にあっさりと追いつき腕を掴んできた男の名前はフィン・ディムナ。神々に『勇者』の名を授けられたLv6冒険者だ。
「離せ、お前に話すことなど無い(低音)」
目をつけられそうなので、どうにか逃げられないものかと抵抗を見せる俺、しかしびくともしない。貧弱過ぎて涙出そう。
「君、何処のファミリアに所属しているんだい?」
「・・・」
「名前は?レベルはいくつなのかな?」
「・・・」
「さっき僕達の行く手を阻んだ壁について聞きたいんだけど」
「・・・」
怒涛の質問マシンガン、しかし答える訳には行かん、というか割と踏み込んだ質問してくるね。
「ふむ・・・まぁ、答えられないならしょうがないか、それにしても今の戦いは凄かった、もし良ければ握手位はして貰えないかな?」
そう言って、勇者は手を出した。握手・・・まぁでも、触れたら相手の情報が分かるスキルなんて持ってなかった筈だし、それぐらいならいいか・・・と、篭手を外しこれに応じる。小人族の手はとても小さく、しかし凄まじい力を感じた。
「それじゃあ、
何か、忘れているような気がするがまぁ、気の所為だろう。俺は18階層へと進んだ。
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入り口近く、森へと入り入り口を監視する。誰も見ていない事を確認しゴライアスの皮を格納する。そして装備も全て外し、全く別の物を装着した。
餓狼の双牙 18000G 物攻+950 耐久-150 『鎧カテゴリー装備不可』
コレは特殊カテゴリーの武器、装備すると特技が一変する。色は白で反り返って居ることから牙に見えなくもない。
侍ヘッド 6340G 器用+634 『敵物攻6.34%カット』
侍ボディ 6340G 器用+634
侍ハンド 6340G 器用+634『武器攻撃時敵耐久63.4%カット(初撃)』
侍の腰当 6340G 器用+634
佐々木レッグ 3390G 器用+339 『敵敏捷33.9%カット』
まぁ、ネタ装備だ。効果は凄いけど防具としてゴミ、耐久はまさかの+0。後でちゃんとした装備にするけど、とりあえず今はいい。森を出て、何食わぬ顔で街へと向かう、まだロキ・ファミリアの面々は来ていなかった。
レイニー
Lv55
MP1213
物攻2749
耐久2621
魔才1253
器用1199
敏捷1147
《特技》
・死守
・乱れ突き
・鬼神化
・カウンター
・怪力
《魔法》
・ファイア→ファイアストーム→ファイアブレス→イグニス
・スパーク→サンダーストーム→サンダーボルト
・アイス→ブリザード
・ヒール→リジェネーション
・テリトリー→ゾーン