RPGのカンスト主人公はダンまち世界ではレベル4弱位 作:アルテイル
「そう言えば、クラネルがここに居るってことは、もう5巻のゴライアス戦が来てるのか・・・」
林の中で着替えを終えた後リヴィラの街へと向かいながら、俺はそんなことを考えていた。
ゴライアス、先程倒したものとは違い、Lv5相当の能力を持つ化け物だ。恐らく俺の魔法は弾かれ、剣戟では先ほど同様針に刺されたようなダメージしか与えられないだろう、あるいはそれすら弾かれるかもしれない原作では数多の冒険者が命を懸けて挑み、多大な労力を持って討伐していた。
その他にも覗きや神様誘拐事件なんかもあったが・・・
「俺、どうすればいいんだろうか」
そもそも、リリが俺と行動を共にしている時点で原作から離れているのだ。これ以上原作に干渉すると、とんでもない事態が起こってしまうのではないか、そんな危機感が漠然とある。だが、原作乖離を恐れて全て見殺しにすると言うのもはばかられる。うーむ。
「まぁ、後で考えるか、確か事件が起こるのは明日のはずだし」
問題は先送りするものである。
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リヴィラの街に辿り着き、ぼったくりではあるものの比較的安い宿を取り、一息をつく。そこで身支度を整え、街を散策する事にした。
「うわぁ、やっぱ全部たけー・・・」
この世界に来て数ヶ月、凡その物価は把握しているので、ここの物資の値段が異常である事は分かる。特に必要な物は無いので問題ないのだが・・・俺の能力で大量の物資を安く売ればヴァリスが稼げそうだな、なんて事を考えていたその時。
「はぁい、お兄さん。ちょっと来てもらえなぁい?」
「え?」
獣人の女の人がそう声を掛けてきた、年は20代?とても美人な人で、最初は誰に言ってんだろうと思っていたがすぐ近くには人もいないこともあって対象が自分であることが分かる。しかし、なんで一体?
「ほら、早く♪」
「え、ちょ!」
力強っ!?ステータスも合わせたら上級冒険者にも勝る筈の俺がろくに動けない・・・!
「たすもがっ!」
助けを求めようとするも、口を塞がれそのまま路地裏へと拉致られる。
何が起こったのかさっぱり分からない、俺がなにかしたのか?混乱の中打開策を探そうとしたが、上手い策は浮かばない。
「団長、捕まえましたよ〜」
路地裏に少し入った所で女は立ち止まり、誰かを呼ぶ。団長?それって・・・
暗がりの中から、小柄な人間が出てきた、いや、人間ではない。小人族だ。
それはロキ・ファミリア団長、フィン・ディムナであった。
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「いやぁ、手荒な真似をしてすまないね。こうでもしないと逃げられてしまいそうだからさ」
連れて行かれたのは、街の外に作られたキャンプ地。多分ロキ・ファミリアのキャンプ地なんだろうなぁ・・・。そこにある一際大きいテントに案内され、ようやく解放された、解放されたといってもさっき俺を捕まえた女の人は居るし、目の前にLv6冒険者であるフィン・ディムナがいるので逃げる事は出来ないだろう。
「あーっと、なんでバレたんですかねぇ・・・」
顔は見せてないし、名前も知らないはずの俺を見つけるとは。装備も変えてアイテムも格納したのに・・・森で見られてたのかな、俺が見つけられなかっただけで。
「獣人は鼻がいいからね、少し恥ずかしい話だが、手の匂いからなんとか見つけることが出来たんだ。迂闊だったね」
手の匂いって、握手の時!?気持ち悪いよお・・・、そんなとこから身バレすんのか。と言うか、こんな事をしてまで俺に何の用があるんだろうか。別になんもしてへんですやん。
「さて、本題だけど。君は、何者だ?」
「っ!」
ぽけーっとしていた所をビリビリと目の前の男から発せられるプレッシャーが襲い、俺の身体を竦ませる。なんでホントにこんな事になってんだろう。何がアンタの琴線に引っかかったんだ!
「ゴライアスの単身討伐、少しトリッキーな所はあったけど最低でもLv4の冒険者でなければ成しえない偉業だ。防御力を見るにLv5でもおかしくはない。でも、そこまでの冒険者なのに、無名なのはおかしいと思わないかい?君の装備も魔法も、ファミリアだって全くと言っていいほどに情報が無いんだよ」
・・・まぁ、少々おかしいかもしれないけどヘルメスファミリアのとこみたいにLv詐称する事もあるんじゃないのか。なんで俺に限って・・・もしかしてヘルメスファミリアのやってることはバレてなかったり?
「Lvを詐称するファミリアなんかもあるけど・・・、証拠はなくとも詐称している事実くらいは掴んでいるよ。その点君は全くの無名、今僕達は警戒しなければいけない時期でね、少しの不穏分子も放っておけないのさ」
警戒しなければいけない時期・・・?なんかあったのか?外伝?俺見てないからわかんないんすけどマジで。
それにしても、いよいよ逃げる訳にはいかないみたいだな。顔は割れてるし、ロキ・ファミリアを敵に回してまで逃げ回らなきゃなんない何かがある訳でもない。さっさと情報を渡して見逃してもらうか・・・
「分かったよ、何が聞きたいんだ」
観念してそう答えると、フィンは少し驚いた様子を見せた、あまりに素直だから驚いたのか?
「所属ファミリアは?」
「メーティス・ファミリア、無名の零細ファミリアだ。眷属は三人」
「何故あそこまでの強さを?」
「特殊なスキル、詳細は言えない」
「17階層での結界はなんなんだ?」
「特殊なスキル、詳細は言えない」
「剣を飛ばしていたあれは?」
「魔法の応用、詳細は言えない」
「そもそも何処から剣を出していたんだい?」
「特殊なスキル、詳細は言えない」
「・・・」
「・・・」
態度には出ていないが、謎のオーラが見えるような気がする。
だって言えないんすもん。
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細々とした質問が続いた後に無事釈放、不安な事も言われたがとりあえず見逃してくれるそう。やったね。
ぶっちゃけクラネル達を探しに来るヘスティア軍団と出会うのが面倒臭いし、地上に戻ってもいいんだけど、色々な原作乖離がこのイベントの時にどんな失敗を招くか分からないため、近場で見ておかなければならない感じもある。
・・・まぁ、残っとくか。
街を散策し、適当に時間を潰したり、【万物商店】からアイテムを仕入れたりし、一日を終えた。
えぇと、俺の記憶が正しければ・・・明日ゴライアスだっけ?
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小話
主人公はリヴィラの街でのあれこれが、1日目に色々あって2日目にゴライアスが来た、と思っている。実際の所は1日目はほぼ気絶し、その日の夜に神様達と合流、2日目は街を散策+水浴び.3日目にゴライアスである。
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次の日、ゴライアスの前になんかクラネルがリンチされるシーンがあったはず、もしもの時には手を貸すために、あらかじめ近くに潜伏していよう。
そう考えた俺は、未だクラネル達がキャンプ地にいることを確認し、先んじて戦闘の舞台となる1本水晶とやらを目指し、森の中へと足を踏み入れた。
だが迷った。森に入る前には真っ直ぐ目の前の方向に見えていたはずの水晶は、森を進むうちに見当違いの方向へと向かっていたのか跡形もない。かれこれ1時間近くはさまよっているというのに・・・
うーん、これもう戦闘始まっちゃったかも知れん・・・っと、水の音がする。こりゃ完全に別のとこに来ちまったのかね、水晶の周りに水とかなかった気がするし、アニメの知識だけど。
そういや、喉乾いたなぁ。そんな歩き回るつもりでもなかったし、切らしたまま代わりの水を持って来てなかった。水筒はあるから補充して行くか。
茂みをかき分け、水源へと向かう。少し進むと、直ぐに泉が現れた。のだが
「・・・ナッ」