RPGのカンスト主人公はダンまち世界ではレベル4弱位 作:アルテイル
宴の前日
模倣の検証完了。よくあるその魔法やスキルの事を理解して、発動した場面を見なければならない系かと思い、よく知っているファイアボルトを使おうかと思ったが使えなかった。アビリティが発現してから見なければ行けないのか、と思ったがリリのシンダー・エラーは使う事が出来た。
と言っても普通にやると獣耳を生やしたりする程度の効果しか出ず、全身を変えようと思えば魔力の五分の一ほどを持っていかれる。リリに聞くと、魔力はあまり使わない筈らしい。それなのにリリよりも魔力のステイタスが高い俺がこんなに苦労するのは、体格差と言うのもあるかもしれないが恐らく、模倣だからだろう。付け焼き刃と言ってもいい。本来の効果よりも劣る形で魔法を使う事が出来るアビリティだ。
スキルは、ニナの物を模倣してみた。対象に出来るのは1人だけ、恐らく早熟の効果も劣化しているだろう。しかし強力なスキルだ。とりあえずニナを対象にしておいた。
「なんだか・・・恋人みたいだね////」
とニナが言っていたが、恋人はお互いの居場所が分かるような特殊能力は持ち合わせていない為、その考えは改めた方がいいと思う。GPSで監視し合ってる恋人とか怖いわ。居ると思うけど。それ言った瞬間リリが無言でニナをシバいてた。
結論、恐らく同じファミリアの者のスキル・魔法だけ模倣出来る。
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次の日、俺達メーティス・ファミリアの
ファミリア総出で机を囲み、緊急会議だ。4人しかおらんけど。
「メーティス様、アポロン様の所と仲がよかったのですか?」
リリが、黙り込む神様に向けて問い掛けた。招待状の宛名を見てからずっとこの調子だ。神様はじっと招待状を見つめ、やがて重い口を開いた。
「そんな訳ないだろう、アイツほど気持ちの悪いやつを私は見た事がない」
アポロン・ファミリアの主神、アポロン。神々から『
でもまぁ、もう少し我慢すればギルドが何とかしてくれたりなしなかったんだろうか?無理かなぁ、中立のギルドだと。2人だけなんだし、ギルドに泊まるとか。
まぁ置いといて。
「天界に居た頃からアイツの悪い噂は聞いていた、ある日私の所へ来て『見目麗しい知識の女神メーティスよ!貴方の辞書に私の事を記したい・・・』等と言いながら抱きつこうとしてきたのだ。ぶん殴ってやったわ」
キモッ。
他の2人も微妙な顔をする中、俺はとりあえず問い掛けた
「で、結局行かないんですか?」
「そういう訳にもいかない、正式に招待されたものだ。正式な理由が無ければ断った時に角が立つ」
面倒な事になってますなと、他人事の様に考えているが、行くとなれば随伴すべきは団長である俺だ。まぁ、ぶっちゃけ俺としてはどっちでもいいから良いんだけどね。万一こっちにとばっちりが来ても正直どうにでも出来るような気がするしなぁ・・・もしかしてまた調子乗ってるかな、いやでも、出来る、だろ?
「まぁ、行くにしても行かないにしても、今後の為に服ぐらい買っておきましょう。メーティス様もレイニー様も、ロクに服を持っていませんし」
「「・・・ん?」」
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「うわ〜!この服可愛ー!」
「おいコラ、また迷子になる気か」
「この店は質が悪いですね・・・次の店に行きましょう」
「服など要らぬというのに・・・」
思い立ったら即行動。直ぐに準備をし、俺達メーティスファミリアの面々は街の商店街へ買い物に来ていた。
ニナが入って数分で迷子になり、割と時間を取られたりしたが━━居場所は分かっていても、道が━━俺がしっかり見張っているので2度目は起きていない。
リリはしっかりと服を見るが、質と値段の兼ね合いで納得いく物がないようだ。
神様はブツブツ言ってる、同じ服三枚しか持ってないアンタが悪い。
え?俺?二種類を三枚ずつ持ってるから同じにすんなよな。
だって要らないじゃん?前世じゃ学校以外でまず外にでないし、出てもオシャレなんかしなくていいじゃん服高いし。ここに来てからはゲームもラノベも無いから外に出てないし、ダンジョンにオシャレして行くわけないから余計要らね。と言うか宴とかに行くならタキシードでいいじゃん、どうせ真っ黒だしどれでも変わらんでしょう。
「ここはいい感じですね、デザインも新しいですし」
まだ話してたのに、リリが立ち止まった建物は、確かにオシャレな服が並ぶ店であった。興味はなくともセンスがない訳では無いので(当社比)デザインの善し悪し位はわかる。質は知らん。
店はスクナヒコナ ・ファミリアという所が出しているようだ。日本の神様かね?ここでは極東か。
「値段もお手頃ですし、ここで買いましょうか。とりあえず自由時間です、幾つか自分が気に入った物を持ってここに集まりましょう。時間は30分ほどで」
「長くないか?10分でいいだろ」
俺が余りに無駄に思えるその時間に物申すと、はぁー、っと深い溜息を付かれた、4人に。あん?4人って・・・
「分かってない、分かってないわアンタ」
そう非難してくる少女の顔に、全く見覚えはない。赤毛で釣り目、勝気な雰囲気を醸し出しているスレンダーな少女だった。
「いや、誰だよ」
「ここの店員だけど」
いつの間に・・・、てかなんで他人の会話にさりげなく潜り込んで来るんだよ。長いだろ30分は、妥協して15分だよ。
「その顔は心の中で文句言ってる顔ね。いい?女の買い物は長いものなの、30分って言ってるのも気を使っての事よ。本音を言えば1時間2時間は居てもいいぐらいだと思うわ」
「まぁ・・・そうですね」
「うん、そうだね」
「あぁ、そうだ」
「アンタ一番乗り気じゃなかっただろうがオイ」
まさかの総攻撃に思わず口調が乱れる、少し前までのブツブツ言ってたアンタはどこいったんだよ。俺を非難できる機会があればお構い無しか。
「私自身に服への興味は無いが、それでも買い物をする事の楽しさ位は分かる。それに共感の声を上げただけだ」
ぐぬぬ・・・、まさかものぐさな神様が敵に回るとは・・・同志だと思っていたのに。まぁ・・・ゲームを物色している時の気分が女にもあるって考えたら仕方ないか・・・。待ってりゃいいんだろう?
「悪かった、買い物の時間なんて人それぞれだよな」
「分かればいいの、さ、早く服を選びましょう?店員として、お手伝いします」
最後は丁寧語に変え、笑顔も付けて接客モードになった様だ。最初からそれで来なさいよ。
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「お客様、モノは宜しいのですから少しオシャレをするだけで意中の女性に好印象を与えられると思いますよ?」
適当に1着外着を買い、ついでに安い黒の燕尾服?を買って残りはどう時間を潰そうかと考えていた俺に、先程の態度を見てからだと鳥肌の立つような猫被りを見せる例の店員が語り掛けてきた。
モノはいい?はて、俺は至極普通のモブ顔で・・・と答えかけたが、良く考えれば俺は中々のイケメンになっている筈だった。こちらに来て、水溜まりで顔を確認して以降中々鏡をお目にかかる機会が無かったので自分の容姿には無頓着だったのだ。
店に備えてあった鏡を意識して見つめると、そこにはエルフにだって劣らないんじゃないかなんてことさえ思えてくるようなイケメンが、俺イケメンだったんだ。
盲点だった、リオンさんとどう仲良くなろうかと常日頃考えていたが、オシャレか。イケメンにオシャレと言えば鬼に金棒と同義。
男嫌いな女でもイケメンにかかれば落とせない訳はない・・・っ!
問題といえば中身が伴っていないと言う所だろうか。しかしまぁ、
「とっておきの服を、1つぐらいは買っておこうかな・・・」
「毎度ありー」
今日の購入品
黒の燕尾服・Tシャツもどき。スニーカー・黒のデニムパンツ・シャツ・ブラウス・グレーのスウェット・腕時計・バックパック・スニーカー・靴下
21万9000ヴァリス
なんだか騙されたような気がするが、まぁ大した出費では無い。
「レイニー様、何故服飾店で時計を?」
知らん