RPGのカンスト主人公はダンまち世界ではレベル4弱位 作:アルテイル
こんな夢を見た。(夢十夜感)
『攻城戦だと!?城にどうやって入れば・・・』
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「リリが居なきゃ入れねぇっ!?」
暗い部屋の中で、俺は夢から目が覚めた。最悪の目覚めだ。また、原作乖離?
そろそろリリが関わる事もないわー、戦争遊戯でも戦ってなかったし、寧ろ攫われるシーンないから楽じゃね?クラネル達。なんてこと思ってたら半端ないくらい重要な感じだったわっ!
まじかーまじかぁ・・・、どうしたらいいんかね?
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「神様や、アポロンファミリアの『宴』、絶対参加しましょう」
朝、ファミリアの面々が集まるリビングにて早々に進言する、とりあえず戦争遊戯編の開始を、この目で確認したい。もしかしたら何やかんや原作乖離があってクラネル達喧嘩してないかもしれんし・・・(願望)
と、思い神様へ伝えたのだが、怪訝な顔でこう問われる
「何故だ?お前も昨日まで参加したがっていた訳ではないだろうに」
当然の疑問だ、そしてこれに対する有効な返答を俺は持ち合わせていない
「いやなんか、やっぱ良い経験になるかなとか」
これで行けない・・・?無理?
あまりに薄い俺の答えに神様は少し疑問を抱いた様だが
「良い経験・・・?まぁ、もとよりそこまで嫌がっていた訳では無いし、お前が行きたいと言うのならかまわんが」
よっし、第1関門は完了。
「少し調べたら、アポロン様というのは美しい者に目がないそうです。レイニー様はその・・・お顔が宜しいのですから気をつけて下さいねっ」
と、リリには警告を貰い。
「美味しいものいっぱい食べれるなんていいなぁ」
ニナはクソ呑気な事言ってた。
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宴当日、この前購入したばかりの服へと袖を通し、俺と神様は会場に入場した。
「凄い人数ですね、アポロン様は交友関係が広いのか・・・」
「悪ガキ共を束ねるお山の大将と言う程度だがな。真にアイツと仲の良い神など殆ど居らんよ」
中々に辛辣、まぁ、そんな感じするね。なんかちょっと嫌な顔してる神様多いもん。
「そう言えば、神様と仲のいい神様って居るんですか?話してるとの聞いたことないんですが」
ふと、疑問に思ったので、特に考えもせずに口に出す。
「・・・」
黙り込む神様、あ、ボッチなんですね把握です
「おい、勘違いするな。居るには居るが、最近は交流が無かったから悩んでいただけだ」
「ちなみに何人ほど?」
・・・すっと立ち上がる三本の指、3人とかクソワロタ。
顔に出ていたのか、憤慨した神様に小突かれながら会場を進む、コレからの事を考え、緊張していたのだがいつもの調子のやり取りをし少し笑みも漏れていた。直ぐに引き攣ることになったが。
前方に見える小集団、白髪の
(原作キャラグループやん)
「神様、あっちにいきま」
「おお、ミアハではないか。久しぶりだな」
神様ァァァァっ!接触せんでいいわっ!大人しくしてようぜッ!?
「おお、メーティスか、元気そうだな、なによりだ」
・・・あのグループの中で、わざわざミアハ様に絞って声を掛けたということは数少ない友人の1人なのか?なんて偶然だよ、ミアハ様なんか女に刺されてしまえばいいのに。
「おお、その眷属は・・・そなたの子だったのか」
「む?知っているのか?」
「最近、よく私のファミリアを訪れてくれてな、助かっている」
んんん、世の中は狭いもんだなオイ。俺の傍観作戦が水の泡だよ。
「ーーやぁやぁ、集まっているようだね!オレも混ぜてくれよ!ん?そこの子は・・・
スレイヤー・・・?俺の2つ名?怖。
なんでも、森での虐殺や、ゴライアスさえも殺したその姿から、殺戮者と。Lvアップの時の2つ名の最有力候補らしい。まぁ、恥ずかしい名前でもないしいいか。
人も増え、各々が好き勝手に話している中俺は孤立していた、クラネルは眷属の女の子に囲まれて楽しそうだし、神々の間に割り入る勇気はない。自ずと肩身が狭くなり、箸で豪勢な食事をパクついていた。
「やぁ、レイニー君、だったかな?」
声をかけられ、振り向いてみるとそこには1柱の女神が居た。神ヘスティア、主人公であるベル・クラネルの主神で、たしか竈の女神だったかな?ネットで見た時、オリュンポス十二神に入ってた。さり気に凄そうな神だけど逸話が大して無いから有名じゃない。
「む、失礼な事を考えていないかい?」
「いえ、滅相もない、して、私に何か御用でしょうか?」
食事を止め、そう尋ねると、ヘスティア様は咳払いを1つ入れてから
「いや、用ってほどのものじゃないさ。うちのベル君を助けてくれたと聞いて、お礼にね。・・・本当にありがとう」
と、綺麗なお辞儀をして俺に感謝の言葉を伝えた。
「い、いえいえ!人間として当然の事をしたまでです。どうか頭を上げてくださいっ」
神に頭を下げさせたなんて、無駄に目立つ要因だ、幸い直ぐに頭を上げてくれた。
「ボクに出来ることなんてたかが知れてるし、貧乏だからろくにお礼の品も渡せないけどこの恩は必ず返す。困った事があったら言ってくれよ?」
そう言い、ヘスティア様は食事に飛び付いた。イイハナシダッタナー
「恋愛に熱い神、ってことさ。なぁ、ヘスティア?」
「知らないよっ!」
原作で見た覚えもある言葉の掛け合いを聞きながら、俺はさっきのお礼の事について考えていた。
(ありがとう・・・か)
ニナとか、リリとか。ゴライアス戦の時の冒険者達やあのリオンさんにも幾度となく言われて来たその言葉。そのどれよりも心のこもった感謝の言葉だった。自分の力じゃなくて、与えられた物だけど。人を救って来たんだなって実感が湧いてきた。しかし、思いがけず温かい気持ちになった俺の心を冷やす出来事が起こった。
「おっと・・・大物の登場だ」
その言葉に釣られ、入口に目をやると。猪人の巨人を連れた目を見張るような美女が姿を見せた。
都市最強のレベル7冒険者、オッタルと、その主神であるフレイヤである。
見るものを神人問わず魅了すると言われるその『美の女神』を直視するも・・・俺はなんの感慨も覚えなかった。
ダンジョンでヘスティア様の神威解放を見た時も、特に畏れを感じなかったし。俺は頭を打って死んだ際に感情の1部を欠落でもしたのだろうか。正直、様付けなくていいかなと思う程度には神に対して特別な想いを持っていない。メーティス様は主神だし一応敬意を払うけどね。
辺りを見渡すと、呆然とフレイヤに視線を向ける眷属の多い事。何人かは務めて視線を外し、自衛策を取っているようだ。つまり、見てしまえば魅了される危険性があるということだろう。
神にも目を向けると、呆然とする程ではないが目が離せなくなっているようで、多くの男神がフレイヤの元へと駆け寄る。詰め寄られるフレイヤは、しかし艶やかな笑みでそれをかわし、こちらへと歩み寄ってきた。
「来ていたのね、ヘスティア。それにヘファイストスも。神会以来かしら?貴方は・・・メーティス、だったかしら?」
「ああ、初めまして、だな」
どうやら、面識のない2人だったようだ、フレイヤはそのまま男神に視線を向け、俺の所で少し止まる、止まると言っても本当に少しで、次の瞬間にはクラネルへと足を向けていた。
「ーー今夜、私に夢を見させてくれないかしら?」
「ーー見せるかァ!!」
ヘスティア様が間に飛び込み、クラネルを守るように後ろへと送る。そして反転し、いかにフレイヤが危険であるかを指導しているようだ。
「あら、残念」
と、全く残念そうでない微笑みをたたえながらフレイヤは続ける
「ヘスティアの機嫌を損ねてしまったようだし、もう行くわ。それじゃあ」
そう言い、どこかへ向かおうとするフレイヤはしかし、立ち止まり。思い出したように俺の元へと。そして俺にしか聞こえないように・・・
「気持ちの悪い・・・体だけ成長した子供みたい。あまりあの子の邪魔をしないでね・・・?」