RPGのカンスト主人公はダンまち世界ではレベル4弱位 作:アルテイル
今俺は、ヘスティアファミリアの新たなホームの入り口に立っている。
何故かって?
カサンドラを確保するためだよっ!!
カサンドラは、ステイタスには何故か現れないものの予知夢と言う稀有な能力を持っている。ちょくちょく挟まれたカサンドラ目線の話で出てきた予知結果は何故コレが信じられていないのかと思う程に的確なのだ。戦闘力とか全て置き去りにしても欲しい、俺にはカサンドラが必要だっ!
「ベルさーーーん!?」
中から緊迫した声が響いた瞬間、これほどの人数が中に居たのかと思う程に勢いよく人が飛び出してきた。どうやら原作通り、借金がバレてしまったようだ。
さて・・・ココからは俺の腕の見せ所だなっ
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「お金払うんでウチのファミリアに入って下さい」
「えぇっ!?」
「何コイツ・・・」
プライドなんてあるもんかい、先がわかんねぇ事が一番怖いんだよ。前世じゃそんなこと無かったのにこの世界で未来知識中毒になっちまった。
「今なら何もしなくても50万ヴァリスのボーナスが出ます」
ファミリアから出てきた所を勧誘し、近くの喫茶店で話をすることになった。
この前のアポロンファミリアとの1戦の後、ヘスティアファミリアから謝礼として300万ヴァリスを貰ったので還元しておこう。
「あの・・・ウチらレベル2だし、見てたと思うけど戦争遊戯で良いようにされたファミリア出身だからそんな好条件を出されると裏があるんじゃないか・・・って思っちゃうんですけど」
「いえ、カサンドラさんの予知夢が目的なだけで裏なんて何も無いです」
怪しまれて逃げられるのは何がなんでも避けたいので正直に答える。アンタそんなモン信じてんのか・・・みたいな微妙な目で少女ーー確かダフネーーが見てくるが、気にしない。カサンドラ様さえ来てくれればお前は要らないんだがなぁ・・・チッ カサンドラ様は予知夢について信じた事に好意的なようで乗り気な雰囲気が感じられる。
「あ、申し遅れましたが私、メーティス・ファミリアという所の者です」
「メーティス・・・そう言えばリトル・ルーキーに次ぐランクアップの記録保持者がいる所だっけ。もしかして・・・」
「私ですね」
ひっじょーに疑われている。仕方ないので腕相撲で瞬殺して信じてもらった。
レベル2になって長いのになんでこんな簡単に・・・と悲しんでいたが知らない。
「まぁ・・・、とりあえずファミリアの方を見せて貰えますか」
「お安い御用です」
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内心入団を決めかけていたヘスティアファミリアが、まさかの借金塗れだったと言う悲劇が起き、途方に暮れて居たウチらに怪しい男が話しかけて来た。掃いて捨てるほど、とは言わないもののどこに居てもおかしくない程度のレベル2冒険者であるウチらに即時50万ヴァリスを支払うと言い出したのだ。
正直ファミリアが解散して自分で持ってた資産以外は没収された今、50万ヴァリスはかなりの大金で。食いつきたくなる好条件ではあるものの・・・怪しすぎる。ホイホイついて行けば、奴隷商にでも売られるのでは無いだろうか。
予知夢を信じるなんて言われたから時は正気を疑ったけどチョロいカサンドラは能天気に男を信じているのでそれを狙ったのなら効果的だったのだろう。
男はメーティスファミリアの団長で、ウチらと同じレベル2だ。少し前にランクアップしたばかりであるはずなのに長くレベル2でいるウチを圧倒する力を見せてきた、そう言うスキルでも持っているのかもしれない。
ウチらの戦闘力を期待して誘っている訳でも無いと思う、100万ヴァリスを即時用意出来るというのなら、借金してるのでない限り十分にファミリアの運営は上手くいっているのだろう。なら、本当にカサンドラを・・・?
怪しくはあるのだが、嫌な感じはしない、もっと情報を得てから見極めるか・・・。
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「え、もう自前のホーム持ってるの?・・・ですか?」
「ええ」
驚きで思わず敬語が抜けてしまった、しかしそれも無理はない。この前までこのファミリアは何の変哲もない弱小ファミリアだったハズで、しかもこの男を団長にしているのならそもそもファミリアの歴史も浅い筈だ、1年もないだろう。レベル1の冒険者が1日に稼げるヴァリスは4000ヴァリスも無いと言われている。パーティを組むと分け前も減るし、装備の点検やらポーションの購入やらで首が回らないのがレベル1冒険者だ。1年と経たずランクアップするだけでも異常なのにどうやって金策まで?なにか商売でもしているのか・・・
「どうやってホームを買うお金を作ったんですか?」
「あー・・・、ダンジョンで不壊属性の武器拾ったんですけど、ファミリアの誰も使わないんで売って、それで買いましたね」
・・・それが本当なら相当な幸運だ、そして、本当でないなら危険である。ヤバい事に手を染めているのかもしれないが、まぁ、納得は行かないかそれは無いだろう。
アポロンファミリアはその外面と違い、内実はかなり汚い。色々とヤバめな所と手を組んでいて、知恵の回ったウチもその分野に少しだけ関わっていたのだ。代表的な所で言うと、ソーマファミリアなんかと交流があった。
しかしメーティスファミリアと言うのは聞いたことが無い、恐らくその方面では安全だ。・・・本当にカサンドラの予知夢が目的なのだろうか。珍しい
「とりあえず、中に入らせてもらっても?」
さしあたって、中の雰囲気を確認させてもらおう、人間関係も重要な事。アポロンファミリアには無理やり所属させられた様なものだが、団員には仲のいいモノも居た、カサンドラはその筆頭だ。
「おかえりー、どこ行って・・・その子達誰?入団希望?」
「有望だったからスカウトしてきた」
ほへー、とアホみたいな声を出す少女。団員の1人なのだろう、男が気負いせず話しかけている様子から伺える。少女はニナ・アイリスと言うようだ。少しだけ話をし、中へと進む。話した感じ暗い雰囲気も無いし、強制されているような様子もない。男はアイリスにリリと言う少女の所在を訪ねたようだが、出掛けているらしい。
・・・主神は女神で、団員3人の内2人は女。
「・・・もしかして、ハーレムファミリアにしようとか考えてません?」
「いや、まさか」
あまり信用出来ない・・・
家は中々広く、その割に人影がない為団員は非常に少ないのだろう、男に聞くと、団員3名のファミリアだとか。そんな状態でレベル2に・・・?何処か親交があるファミリアでもあるのか、いや、かのリトルルーキーもウチらに戦争遊戯を挑まれる前はたった三人でパーティを組んでいたようだし、ありえない話ではないのかもしれない。
「神様ー、入っていいですかー?」
一応敬語であるものの、あまり敬意の感じられない口調である部屋のドアを叩く男、かなりアットホームなファミリアであるようだ。アポロンファミリアであったら即座に殴り飛ばされてもおかしくはない所業、コレは好印象だ。ウチは堅苦しい事は苦手な性分だし、カサンドラは天然なのでドジをやらかしても許して貰えるような所が望ましい。
「入れ」
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「誰だ、その二人は」
「この前解散したアポロンファミリアの元団員です、俺らのファミリアもそろそろ人増やした方が良いかなーって思ったんで勧誘してきました」
神様はホームの一角に書斎を作り、殆どの時間をそこで過ごしている。今もそこで本を読んでいたようだ。
「まだ入団するか考え中なそうなんで、後でリリが帰ってきたら後は女同士で。聞きたい事あれば聞いて見たりし合ってでお願いします」
「・・・あぁ、分かった」
2人の了承も得、俺は退室する。やる事ないし、部屋に篭っていよう。
結論から言うと普通に入団してもらえた、行くあてもないし、変な所ではないようだし、と。早速俺は2人に50万ヴァリスを渡し、気の変わらぬ内に入団の儀式を終わらせた。入団テスト?団長権限でカットしたよ・・・だって、この2人結局ヘスティアファミリアに入らなかったし、ウチに勧誘しても乖離しないでしょ。