RPGのカンスト主人公はダンまち世界ではレベル4弱位   作:アルテイル

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恩恵(ファルナ)

「なんなのだお前は・・・」

 

怪訝な表情で俺を見るメーティス様。そんな変だったかな?

 

「少しメーティス様の態度に反感を覚えたので」

 

「・・・正直地上の人間に期待していなかったからな。今まで来た人間は、誰一人私に未知を教えることは無かった」

 

ふむ、今は期待していると。まぁ、神様の専門分野で出し抜くのは普通の人には至難の技だろうな。俺のはこの世界の知識じゃないから通ったんだろうし、知識っても豆知識だからそんな誇れるものでもないけど。

 

地球にはインターネットなんて言う便利なものがあって、小さい、しょっぼい物であろうと、おっと思える様な知識を簡単に見つけることができる。でも恐らくこの世界だと基本的に学者なんかが研究成果を本にした様な小難しい知識しか本屋に売ってない、後は図鑑と伝記。そこの穴を突いたと言える。

 

「それにしても、あの知識はどこで手に入れたのだ。その答えに辿り着く過程なんかは想像もつかんぞ」

 

他の人なら、お、おう。となりそうな位のマシンガントークだったはずだが、知識の女神は全てを記憶していたらしく目を輝かせながら貪欲に知識を求めている。可愛い。

 

「生まれ故郷がですね、とても学問が発達していて俺みたいな一般市民にも知識を学ぶ機会があるんですよ」

 

まぁ、異世界という訳にも、まだ行かないので無難に答えておく。ついでに各豆知識でわかっている所を説明もする。

 

例えば水を飲まないと声帯が壊れるってのは、人間の体には水分を行き渡らせる優先順位ってのがあって、声帯はまぁ無くなっても死にはしないから優先順位が低く、水分が足りてない時にそこが乾いていき壊れてしまうそうだ、怖いね。

 

キラキラとした目で説明を聞いてくれる神様。最初の詰まらなさそうな感じは無く、雰囲気だけなら自分を慕ってくれている後輩を相手するような感覚で悪い気はしない。

 

こうして見ると、本当に常識の範囲でかなり可愛いな。アイドルのセンターなんか相手にならない。どのパーツも、完璧なんだよな、あるべき場所にあるべき姿で収まってる。だからと言って特別な感情は出てこないけど。フレイヤ様とか美の女神はやっぱり格が違うのかな・・・魅了されたくないなぁ。

 

「?私の顔に何かついてるのか」

 

「あ、いえ、別に。でもまぁ、これ以上知識を出すともう俺の知ってる事が無くなってしまいます。また今度にしませんか」

 

「何を言っている、眷属になったからには知識の有無なんぞどうでもいい。お前はもう私の家族なんだぞ。しかし、まぁ・・・恩恵(ファルナ)は授けた方がいいな。忘れぬ内に」

 

ファルナとな。それは重要だ。今後ダンジョンに潜る上でこれが無いと俺なんて即死するだろう。

 

ファルナってのは、神の御業で対象の人間の経験を抜き出し、ソレを使い人間の器を強化・昇華するという物だ。ゲーム風に言うとレベルアップと限界突破。

 

「ほれ、奥の部屋に行くぞ。ここに寝る所はないからな」

 

神様に連れられ、部屋を移動する、ドアを開けた先には、直ぐにベッドがあった。寝室のようだ。部屋の四方は背の高い本棚で埋め尽くされており、そこにはギチギチに本が詰め込まれている。死因が恐らく本による打撃だった自分は、その景色に少しゾッとしないでもない。

 

「そこに寝ころべ」

 

「あ、はい・・・ってえ?」

 

「なんだ?」

 

なんだっていや・・・ここの居住区の主はメーティス様で、そこに置いてあるベッドってのはつまり、メーティス様のベットだろ?種族こそ神なんて言う人間離れした存在だとしても見た目は普通の可愛い女の子だし、ダンまちを見る限り普通に恋愛もする様な、人間的な感情もあるはすだ。俺はめっちゃ恥ずかしいけど、神様は気にしないのか・・・?

 

「そのような事、気にする程でもないだろう、早くするのだ。さぁ、早く」

 

「あ、はい・・・。なんかワクワクしてません?」

 

「よくよく考えれば私は眷属を作るのは初めてだからな、未知の作業にワクワクしていないといえば嘘になる。ハリーアップ」

 

「えぇ・・・」

 

問答をしても意味が無いようなので羞恥心を押し殺して、ベッドに寝転ぶ。甘い香りがして押し殺した羞恥心は急速に勢力を強めた。更にお尻によいしょと断りもなくメーティス様が座ってきて、思わず飛び上がりそうになった。

この人男と女の違いとか全く意識してないな!?

 

嬉しいやら、恐ろしいやら、慣れるまでは心臓に悪そうだ・・・。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

上着を捲られ、背中を神様の細い指が走る。こそばゆい。

暫くは黙々と作業していた神様だったが、途中で驚きの声を上げた。

何事かと聞き返すが、後で話すと言われた。

 

そして作業が終わり、身体を起こし神様の方を見る、何故か少し憮然としていて、初めて顔を合わせた時の表情が戻って来ていた。

 

「・・・コレがお前のステータスだ」

 

 

 

 

レベル 1

力 I 0

耐久 I 0

器用 I 0

敏捷 I 0

魔力 I 0

 

《魔法》

作戦変更(モードチェンジ)

・ガンガンいこうぜ

・いのちだいじに

・じゅもんをつかうな

 

バシィッ!とまだ読み終わってもないのに紙を奪い取られる、何故?

 

「なんだこれは?」

 

なんだこれって・・・ドラクエ的な、作戦魔法です?

 

フンっ!

 

《スキル》

贋物英雄(フェイクヒーロー)

・ステータスの追加

・不老

・ストレージ

 

バシィッ!

 

「なんだこれは?」

 

ありがちなRPGの能力・・・って不老!?

 

フンっ!

 

万物商店(ジャックオブオールトレーズ)

・商店の追加

 

バシィッ!

 

「なんだこれは?」

 

・・・不老・・・あ、よくあるよろずや的なものですね。

 

フンっ!

 

強制戦闘(イベントバトル)

・逃亡不可のフィールドを作る。

・戦闘続行不可能な状態か、降参の意思が認められた場合のみ解除

 

ボス戦強制開始スキル?なんだこれ

 

バシィッ!

 

「お前は本当になんなのだ。知識の女神であるこの私が聞いたこともないような魔法とレアスキル。ハッキリ言って異常だな」

 

うーむ、このRPG要素盛り沢山な魔法、スキル群は・・・この身体の影響かな。やってたゲームの要素が使えるってんなら、それはもうかなり心強い。カンストしたら魔法なんか何十発と打てるしね

 

「・・・まぁいい。どうやらお前自身はこれらを理解出来ているようだし、話す気もないように見える。だが何時かは聞き出してやるからな?」

 

そう言って紙を仕舞う神様の目は、己の欲望によってギラギラと輝いている様に見えた。

 

許してお姉さん

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