RPGのカンスト主人公はダンまち世界ではレベル4弱位   作:アルテイル

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不穏な気配

思考を終えた俺は、今後の方針を決定した、早速行動に移す。

 

3人をこのまま放置するのは危険だ、恐らくイシュタルファミリアの連中は辺りを虱潰しに探すだろう。数人のレベル3程度ならまだ大丈夫だろうが1度場所が割れれば次々と冒険者が到着し、いつかは壁が破られる。フリュネが隠れ家にしていた場所の近くなだけあって未だに見つかる気配は無いが・・・。

 

んー・・・、仕方ないな。まだフレイヤファミリアは来ていないし、速攻で3人を運んで速攻で戻ってこよう。目標はヘスティアファミリアのホーム。

 

「あ、ヤバい」

 

春姫の首輪の事忘れてたヤバい。ぶち壊して逃げる。いや、マジヤバい。場所分かるじゃん?確か。一刻も早くこの場所を離れる理由が出来た、俺は無駄なく高速で行動に移る。

 

ベルを腰から伸ばした紐に括りつけ、残りのふたりを肩に担ぎ極力振動を起こさないように気を付けながら街を駆け抜けた。検問の様な物もあったが敏捷の差で無理やり抜いた。ベルシールドも使った。その際ベルが目を覚ましてしまったが密着している状態で雷を落とす訳にも行かないので泣く泣く放置。幼い顔を見合わない勢いで隠語を連発するその様はあまりにも哀れだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

バァン!

 

「ひょわぁ!?な、なんだい!?敵襲かァァァ!」

 

タケ達と、今後の行動について話し合っていたその時、突如ホームの扉が開きそこから何者かが飛び込んできた。

 

突然の事態だが子供達は皆対応し、各々戦闘態勢をとった・・・しかし、それは杞憂だったようだ。

 

「ベル君!」

「命っ!」

「春姫殿っ!」

 

「「「と、レイニー?」」」

 

「俺の時だけテンション下げないで貰えませんかねぇ・・・疑問形だし」

 

いつかの冒険者、レイニーがイシュタルファミリアに捕えられて居たはずの3人を抱えていた。もしかして・・・1人で救出したのかい?どうやって・・・と言うか、なんかベル君が焦げ臭い・・・

 

「はい、とりあえず拉致られた2人と古い縁のある春姫は助けて来たので終わりましょう、解散解散」

 

「え?」

 

しかしまぁ、そうか。こうやって集まる理由だったベル君は戻って来たし、タケ達の方も命君と春姫君も帰ってきた・・・終わり、か。

 

命は、ヘスティアファミリアの所属だが、春姫と言う旧縁の者が現れた為、タケミカヅチは久しぶりに歓迎会の様なものを開きたい様だ。2人を連れて帰ることになった。

 

「あ、命はイシュタルに魅了されてるので気を付けてください」

 

「お、おう、じゃあ、・・・お疲れさま」

「お疲れ様ー・・・」

 

タケ達は帰って行った。

 

「あ、ベル今発情中なので気を付けてください」

 

「「「発情!?」」」

 

一体イシュタルファミリアのとこで何があったって言うんだい!?

 

ベル君に目を移すと、確かに顔が赤く息も荒い。媚薬を飲んだのは確かなのだろう・・・。

 

レイニー君は、ベル君を拘束した。・・・壁に穴開けるのは酷くないかなぁ・・・?まぁ、ベル君はレベル3だし、それを拘束できる道具なんてすぐには用意できないけど・・・。

 

それに、ベル君の恩人だし怒る程でもないかぁ。

 

「じゃ、俺ちょっと忙しいので」

「あぁ、また今度お礼をさせてくれよ!」

 

レイニー君はホームを出ていった。なんだろう、実感が無いな・・・イシュタルファミリアに囚われたと聞いて、とんでもない絶望感に襲われたのに、あっさり解決してしまった。

 

「あ、私、ナァーザさんに媚薬の解毒薬?貰ってきます!」

「じゃあ、俺は護衛を」

「あぁ・・・そうだね。ベル君も苦しそうだし・・・そうして貰えるかい?」

 

2人も、ホームを出ていった。残っているのは気絶してるベル君とボクの2人だけ。

 

な、なんだか緊張するな・・・。前はずっと二人だったのに。

エマ君がファミリアに入って、ヴェルフ君も入って。タケ達とも前より仲良くなれたし、ヘファイストスには馬鹿みたいな借金が出来ちゃったけど・・・ベル君には感謝してる。

 

ボクはココ(下界)が大好きだ、ココを好きにさせてくれた、ベル君が大好きだ。まだ出会って1年も経っていないけど、君と過ごした時間はボクの神生の中で1番大切な時間さ。

 

帰って来てくれて、ありがとう。

 

リィン、リィン・・・

 

・・・そう言えば、ベル君は発情してるんだっけ・・・

 

リィン、リィン・・・

 

今なら誰にも邪魔されず・・・

 

リィン、リィン・・・

 

ってダメだ!ボクは何を考えているんだ!

 

リィン、リィン・・・

 

ベル君の気持ちも考えずに、意識が朦朧としているところを襲おうだなんて

 

リィン、リィン・・・

 

惜しいけど、非常に惜しいけどもっ!自制しようっ!

 

リィン、リィン・・・

 

正気に戻った時、ベル君に顔向けできないからね。所で、さっきから聞こえるこの音は・・・?

 

「ファイア、ボルト」

 

ドォン!

 

壁が爆ぜた

 

「うひゃぁっ!」

 

それと同時に、誰かがボクの上にっ!って、今ここに居る人なんて1人しか・・・

 

「べ、ベル君!?なんで動けるんだい!?」

 

拘束されているはずのベル・クラネル、その両の手を括りつけていた壁が、破壊されていた。直前に聞いた鐘の音、そしてファイアボルトと呟いたあの声。

 

拘束を外せぬと思うやいなや、英雄願望アルゴノゥトを使い自らを拘束する紐の根元、壁をぶち壊したのだ。

 

恐るべき性への執着、自宅を破壊してまで、性欲に走ると言うのかっ・・・!

 

「あ、あの、ベル君っ!嬉しいんだけどさっ!?ちょっと落ち着いて・・・うわぁぁぁぁっ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

なんだか、嫌な予感がする。

 

ベルをヘスティアファミリアへと引き渡した後、俺は歓楽街へと戻って来ていた。

 

遠くに見えるイシュタルファミリアのホームへと近づいて行く俺、今日だけで何度も往復したので道も覚えている。ものの数分でホームに辿り着いた俺は再び壁を登り、ひょいひょいと空を飛び回ってここらで1番高い建物の屋根の上に辿り着いた。既に空は暗いが、歓楽街は夜が本番。町中が光を放ち状況を確認する事に支障はない。

 

街を見ると、外縁部の方では未だに娼館が活動しているらしく、一般人が多く見える。そして中心に近づく程にポツポツと明かりのない店が増えていくが、中心であるこのイシュタルファミリアのホームはバタバタと忙しなく動いている様子が伺える。

 

そして、奴らが現れた。

 

ドンッドンッドンッ!

 

街の至るところで、爆発が発生した。今の状況でこんな騒ぎを起こすファミリアなんて1つしかない。

 

フレイヤファミリアだ。

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