RPGのカンスト主人公はダンまち世界ではレベル4弱位 作:アルテイル
3000文字くらい書いた後に『あれ?そう言えばゴライアス倒した後秒でなりふり構わず地上に帰らんかったっけ』と思い出して自分の作品を読み直したらアポロン編で思いっきりヘスティアが初対面な感じの会話をしてた。
けど捨てるのも惜しいので書いておきます、ここでの話は都合のいいとこは本編にも出すかも。
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https://syosetu.org/novel/221263/
ダンまち15巻を買って読んでたらまた救われないキャラクターが登場していたので書きました。よければ読んでみてください(まだ3000文字)
「その、ヘスティア様と一緒ではベルさんの傷に響くと思います・・・!」
「何言ってるんだ!ベル君は三度の飯より僕と居るのが好きなタイプなんだぞー!」
よぉ色男!会ってすぐになんだが、死んでくれないか!
(ベルめ・・・女に囲まれおって・・・)
場所は17階層、ダンジョンという陰鬱な場所にそぐわない、姦しい女達の声が辺りに響いていた。
死闘の果てにあっさり(矛盾)ゴライアスを倒した一行は、これ以上ダンジョンを刺激せぬ様にと早い帰還を行っていた。
「はっ!来ますっ!」
ベルは何かをみつけたようだ、先頭へと駆け出し、素早く武器を構えた。
暗がりの奥から現れたのは三匹のヘルハウンド、群れで獲物を囲い炎で炙る。対処を誤れば一網打尽にされてしまうだろう。
しかしベル・クラネルの敵ではなかった。
一頭目を左手で、二頭目を右手で流れる様に断ち切る。最後の一匹は回し蹴りだ。
「まだです、あれは・・・ハードアーマード!」
「ひいっ」
「大丈夫です、神様は・・・僕が守ります!」
さすベル、とでも言いたくなる光景だが、我らが主人公レイニーは何をしているのだろうか?
「ゾーン」
どうやら戦闘の出来ない神の防御を補強していた様だ、ここらの敵ならば傷も付かないだろう。
守りを固め、憂いの無くなった冒険者達は、強かった。
17階層はLv2が数人で攻略可能な階層だ、そこにLv4が2人とレベル2が複数人、下手を打っても負ける相手では無い。
「凄いです、ベルさん!」
「お見事でした、ベルさん」
「さっすがはリトルルーキーだ」
「いやぁ、そんな・・・あはは・・・」
(俺も背中守ってたのに・・・)
悲しいかな、コレが原作主人公との差なのか。
「・・・レイニーさん、どうしようもない主神ですが、守って下さりありがとうございます」
「え?あ、あぁ。いや、当たり前の事ですよ」
端でいじいじしていたレイニーに声をかけたのはヘルメス・ファミリアの団長《アスフィ・アル・アンドロメダ》だった。何故声をかけたのかと言うと、咄嗟に神を守る魔法を唱えた事を称える意味もあったがヘルメスからけしかけられたということも大きい。
『アスフィ、彼に探りを入れてくれないか』
「(・・・悪い人間には見えませんが、警戒は必要、ですかね)レイニーさん、貴方はどこからーー」
ドドドッ!
「神様!」
「・・・?横穴?」
どうやら、また何かが起こった様だ。
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「落ち着けよあんた!罠かもしれねぇだろ!」
「たとえ罠だとしても!目の前に温泉があるなら入れねばならないのです!それが温泉に対する礼儀!」
「ちょやめっ、お、おいLv2の何処にこんな力がァァァァ!」
横穴の先にあったのは、何の変哲もない温泉であった。いや、温泉があること自体が変ではあるが・・・。それよりも、温泉を目にした瞬間正気を失ったらしいヤマト・命の方が重要だろう。
「レイニーさん、ここにはモンスターの気配もありません。18階層のような、安全地帯なのではないですか?」
「り、リオンさん・・・いや、そうかもしれないですが・・・(くっそ〜、こんな展開記憶に無いぞ?外伝か?いや、また俺が原因の
「温泉じゃーーい!」
バシャァッ!
「バカやろぉぉぉぉ!」
(結局、リオンさんが「水着なら問題ないのでは?」とかなんとか言い出し、温泉に入る事になった。てか言い出しっぺのリオンさんが入らないなんてどうゆう事だよ!畜生!)
「今頃、あの向こうでは美の饗宴が繰り広げられているんだろうねぇ」
「「「・・・っ!」」」
「あんまり人間を馬鹿にしないで下さいよ(言われるまでもなく妄想中だ)」
「命ちゃんは生真面目さに似合わぬ不埒な体のラインを、千草ちゃんは可憐な腰つきをクリスタルの元に晒し」
(知ってる)
「ウチのアスフィだって本来はお姫様・・・おっと。ああ見えてかなりのもんだ。俺が保証するよ」
(知ってる)
「エマちゃんは、少女らしい快活さの中に大人っぽい大きなアレがある」
(知らない)
「極めつけはヘスティアだぁ、天界屈指のあの胸、それを生であの岩の向こうにあるかと思うと・・・」
「「「くぅっ!」」」
(ウブなヤツらめ。・・・そういや、ここにはネットもないし性的な事なんてあんまり出くわさないのか)
純情な少年達をヘルメスは言葉巧みに煽り立てる、彼らの頭は女の子の事で1杯だろう。
レイニーは、どちらかと言うと二次元スキーなのでそこまでの威力は無かったらしい、まして、イチオシのリューは温泉に入らない。それによって唯一、見張りのリューから軽蔑の目を向けられずに済んでいた。
「ほえぁーーーー!!」
「ど、どうしたんですか神様!」
「な、なんでもないんだベル君!少々予期せぬ事態が起きただけさ!ちょっと待っててくれないか!?」
焦りを含んだ神の声、どうやら水着が千切れてしまったようだ。展開トップクラスの胸の暴力に、ひ弱な布は耐え切れなかったらしい。
「こ、このカップで入りませんか・・・」
「ど、どうしますか?予備の水着も無いようですし・・・」
万事休すか、そう思われた瞬間。
「ヘスティアーー!まさか、水着がちぎれたのかーい!」
岩の向こうから
「もしそうなら、レイニー君、
「創る?・・・あ、あぁ。
レイニーとて、自分の力が特異な事は理解している、仲間以外にはそう簡単にはばらさないと決めていた。
ヘルメスも、無理に聞こうとは思わない、あまり怪しまれて、本気で隠し通されても困る、あくまでおちゃらけた駄目神として警戒されない立ち位置にいるのが1番だと信じているからだ。
水着は、ヴェルフによって直された。
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「さぁ皆さん、準備は良いですね?」
「なにか私だけ、とても恥ずかしい物のような気がするんですが・・・」
「ブフォッ!(スク水!?)」
なんやかんやと、無事温泉に入る所まで辿り着いた一行、最後に、温泉の作法とやらを命から確認している所だ。
「まず二礼二拍手一礼、そしてお賽銭を入れます」
「いやそれ神社でやる奴だろうがっ!」
思わずツッコミしてしまうレイニー、普段は結構ボケる側なのだが、今回は少し常識人に見えてしまう。
「・・・レイニーは随分極東文化に詳しいんだな」
「え?・・・あ、あぁ、本で見たんだよ、ウチのファミリアは知恵を尊ぶからな(適当)それにしてもアンタのとこのあいつは大丈夫なのか?最初から思ってたが正気じゃないぞ」
「ごめんなさい、命ちゃんは温泉の事となるとどうも・・・」
彼らが後ろで会話している間にも命による誤った知識の伝承は進んでいき。命が温泉を1杯飲み干し全ての作法は終了した。かけ湯もせずに湯へと飛び込む命、なんと言うことだ。
そして始まった温泉パーティ、スイレンもどきに酒瓶を乗せ、完全にリラックスモードだ。
各々は水遊びをしたり、大人しく温泉に浸かったりと自由にしていた。
「終わったんだな・・・」
「あぁ、俺達は生きている」
忘れそうになるが、これはタケミカヅチ・ファミリアの面々がベル達にモンスターの
「あの、レイニーさん、本当にありがとうございました、命を助けて貰って・・・感謝しかありません」
「あぁ、そうだな。気絶してて覚えちゃいないが、ベルから話は聞いてる、ありがとう」
「おお、まぁでも、タイミングが良かっただけだ。死なないように、気を付けろよな」
どんな強者も何時死ぬとも限らない、それがダンジョンという物だ。
「ベルさん、あっちの方に滝のような物を見つけました!」
「桜花、あっちに温泉の吹き出し口があったの、一緒に行こう?」
男の会話もそこそこに、ベルと桜花にお呼びがかかった。
(・・・そう言えば桜花も結構ハーレム主人公みたいな奴だったかな、なんで気が付かないんだこいつ)
「はは、お互い女には縁がないようだな?」
「ファミリア女の子ばっかなんだゴメンな」
「ふざけろっ!」
レイニーもかなり恵まれている、ただそういう面では距離を取っていると言うだけだ。自分はそういう方向で意欲を発揮しないのに他の人間が女にちやほやされているとグチグチ言うとか何がしたいのだろうか。
「ま、折角女の子達と温泉に入ってるんだ、話のひとつでもしに行きゃいいんじゃないか?」
「・・・悪くないな」
思い立ったが吉日、ヴェルフは立ち上がり、湯気の奥へと消えていった。目が据わっていた。それと入れ替わる様に、アスフィがレイニーの元を訪れる。
「お隣よろしいですか?」
「b・・・コホン、は、はい」
彼女が纏っているのはスクール水着、レイニーの前世では学生用の水着で、それを立派な大人に見えるアスフィが着ているとなると、少しばかりの背徳感を感じる。さらに言えば、前世では男女は別々での授業だったので女性のスクール水着姿を見るのも久しいと言う事もある。
「・・・その反応、やはりこの水着の事を知っている様ですね?コレはどんなモノなのですか?」
挙動の怪しいレイニーにズズいと詰め寄るアスフィ、彼女は自分が発育の良い方であると自覚した方がいい、生粋の童貞には刺激が強過ぎる。
近くに居続けられては困ると、レイニーは彼女の望む情報を吐いた。
「じ、自分の居たところでは学生用の水着でした、同じ学生同士の集まる場でしか着ない様な水着で、人の目につく所で着る人は余りいなかったですね・・・」
「成程、アイツを〆てきます」
(ひぇっ)
レイニーはヘルメスの冥福を祈った。今度は誰かが来ることも無く、レイニーは一人ゆったりと温泉に浸かる。
(・・・暇だな、歌でも歌ってみるか)
レイニーは歌が好きだ、さほど上手いわけでは無いが、歌の中にも物語があり、それがリズムや強弱によってしっかりと話として見る事が出来る歌を好んでいた。
「ご機嫌ですね」
しかし、ここは広いとは言え限られた空間だ。声を聞き付けたリューが現れた。特大のスイレンに乗り、釣竿のようなものを使っているようだ。何故その程度の植物にそんな浮力があるのか分からないし、釣りをする意味もあまり分からない。
「うおっ・・・もしかして、聞かれました?」
「ええ、まぁ。・・・いい曲でしたよ、心に響きました」
「そ、そうですか、初めて言われましたよ」
歌を褒められたのは初めての経験だ、まして想い人のリューに褒められたのだから、それはそれは嬉しいものだろう。はは、と照れながら小さく笑いを零す。
「貴方は、ーーッ!皆さん!温泉から上がってください!」
突然の警告、流石に湯に浸かりリラックスしていた面々は反応出来ず、まんまとダンジョンの仕掛けたトラップにハマる事になる。
「「「キャァァァァァ!」」」
突如響く女性の悲鳴、何かがこの温泉の中で起きているらしい。水が赤く染まり、どうにも嫌な予感を感じさせる。
「また何かやらかしたんですか!」
「失敬だなぁ、これは僕じゃないよ」
岩に上り辺りを見渡したレイニーの視界に映ったのは、溶け落ちた水着を必死に支え、局部を隠そうとしている冒険者達の姿だった。
(服だけ溶けるタイプのアレかっ!・・・ん?つまり俺のも・・・ってうぎゃァァァァ!)
彼はフルチンだった、彼の水着は見事に全てが溶け落ちた様だ。そして彼は周りを見る為に高い岩の上に居る、周りが見えると言うことは周りからも見えるという事であり・・・
「・・・レイニーさん、ソレは隠した方がいい」
「ギャァァァァァッ!」
幸い自分自身の事で夢中な他の面々には見られなかったようだが、スイレンの上に乗っていて被害を免れたリューには直視されてしまった。見渡す際クルリと一回転したので、それはもう様々な角度でがっつり観察されてしまった事だろう。
(・・・ヒューマンの男性は、みなあの様に大きなものなのでしょうか、父のものと比べても大きい・・・)
(オワッタ)
この騒動の元凶である特殊なモンスターは、ボス共々遭難していたベル・クラネルによって討伐された。エマの方向音痴が功を奏した形になる。