RPGのカンスト主人公はダンまち世界ではレベル4弱位 作:アルテイル
特に痛みなんかを感じる訳でもなく、静かに作業は進められた。
「ふむ、綺麗な身体をしている。傷跡の1つもないとは。実力なのか、はたまた・・・」
「・・・」
不壊属性の装備が俺に裂傷なんかを残すことはないし、他で傷付いても魔法を使えば何も残らないからな。痒い所で微妙に凄い性能を誇るのが俺の力である。
それはそれとしてよく知らない人に見られるのは男と言えど恥ずかしいな。
ほほう、ふむふむとか言いながら、滑らかな指(骨)が俺の背中を撫でる。神様がする時は意識してなかったけど、なんかコレは・・・
「・・・終わったよ。コレで本当にLv2とは、末恐ろしいばかりだ」
模倣 I
《魔法》
・ガンガンいこうぜ
・いのちだいじに
・じゅもんをつかうな
《スキル》
・ステータスの追加
・不老
・ストレージ
・商店の追加
・逃亡不可のフィールドを作る。
・戦闘続行不可能な状態か、降参の意思が認められた場合のみ解除
・ステイタスに成長補正
・諦めない限り効果上昇
・見捨てぬ限り効果持続
模倣
《 スキル》
【縁下力持】
【追跡一途】
【鉛矢受難】
【月桂輪廻】
【自己再生】
《 魔法》
【ラウミュール】防御、敏捷強化
【ソールライト】範囲回復
【キュア・エフィアルティス】解毒
【ウチデノコヅチ】ランクアップ
【メリー】転移魔法
《特技》
・死守
・五月雨突き
・カウンター
・剛力
・見切り
・バックスタブ
《魔法》
・ファイア→ファイアストーム→ファイアブレス→イグニス
・スパーク→サンダーストーム→サンダーボルト→ライトニング
・アイス→ブリザード
・ヒール→リジェネーション→エクスヒール
・テリトリー→ゾーン→キャッスル
(異常なまでの能力の数に、スキルに含まれる超常的な、次元が違う程の力。私達とは、
「能力については問題ない、ステイタスの方は、コレはどうなっている?力とか、ぶつこう?でいいのか、それらは普通の冒険者で言う所のどれほどなのか、分かるか?」
ステイタスか・・・正直装備によるところもあるけど、Lv5か6か分からないんだよな・・・。装備が無かったら、4とかだろうけど、Lvがひとつ上がるごとに戦力が違い過ぎて明確にここというものが見つからない。
Lv差があると勝ち目ない、と言われているこの世界で、Lv6相手にも惨敗とはならない気がするから6に近いのか?
「Lv5以上Lv6未満見たいな感じだと思う。多分」
この世界で戦った実力者と言えばフリュネとディックスだが、両方能力全開で挑んだ為苦戦はしなかった、素のステイタスで言えば差程差はない気がするが・・・。
「耐久には自信があるから、格上でも一撃で倒される事は無いと思うけど、正直力には自信が無い。魔法も術士に比べると弱くて、Lv3位じゃないかな」
「ふむ・・・、君は、神かなにかに改造でもされたのかな。得体の知れない能力達をその身に宿しているのははっきり言って恐ろしくも感じる」
「いや、別に誰かしらに力を与えられたとかでは無いんだけどね・・・」
自分のステータスは、この身体に由来する力だ。この身体が果たして誰が生み出したものかは分からないけど記憶にある限り、誰かに干渉されたということも無い。この力のお陰で救えたものも多いから、悪い意図での事じゃないと信じたいけども。
「・・・まぁ、君の人柄は信じている。いずれまた聞かせてもらうとしよう。さて、鑑賞はこれくらいにしようか」
背中から降り、作業の終了を伝えられる。終わってからなんだが、こんな事で何千万ヴァリスもする魔導書を受け取ってもいいものだろうか。
「えーと、流石にこれだけだと釣り合ってない気がするんで、何かしたいんだけど・・・」
「なに、コレから君達には何かと頼る事もあるだろう。君達が強くなってくれるのは此方としても有難い。気にするな」
と言われると俺としてもこれ以上は言いづらい。有難く頂戴するとしよう。座って待つこと数分、フェルズが持ってきた魔導書を見た俺は驚いた。
二冊持ってる。
ははは、フェルズおじいちゃん(仮定)ももうボケちゃって訳わかんなくなっちゃってるみたいだね。一冊でも凄まじい値段の魔導書を恩恵見せたくらいで二冊持ってきちゃうなんて。
「こちらの金の装飾の魔導書が、スロットの限界を超えて魔法を発現させる代物だ。銀の方はそれ程上等なものでは無いが、必要があれば誰かに使うといい」
どうやらうっかりとかではなく、普通に二つとも渡すつもりらしい。流石に二冊は、と話はしたのだが押し切られてしまう。別に目的があって作ったものではなく、趣味の物だからだのなんだと言われたが、こんな者を趣味程度で作るとは、やはりこの人は賢者とまで呼ばれたトップクラスの神秘使いなんだと再確認した。
「それでは、ここらで終わりにしようか。また何かあれば言うといい。表立っては言えないが私達は協力関係だ。困った時はお互い様だな」
「・・・俺は兎も角、仲間に無茶を言わないでくれると助かります」
早まったかもしれない、人に借りを作る事の恐ろしさを、異世界で俺は学んだ。
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パタリ、レイニーを見送った、直ぐに私は思案に入る。彼の出自についてだ。
能力の出鱈目さそのものについて、これはまぁ、ひとまず置いておくとしても。幾つか見過ごせない点がある。
先ず贋物英雄の、不老。英雄に不老と付くと、あの存在が頭に浮かんでくる。かつては神よりも人々の身近に居た存在
精霊
英雄達と共にあり、その寿命は常識では考えられぬ程の長命。
レイニーは精霊と人の血を継いだ者なのでは無いだろうか?そう考えると、人を越えた力の数々も、一応の説明はつく。
通常精霊は子を成せぬ筈だが、前例が無いでもない、可能性として片隅に置いておくべきであろう。何故贋物とついているのかは分からないが、或いはかつての英雄のように、という期待に応えられなかった過去でもあるのか。
次は万物商店。正直意味が分からない。精霊の力を持ってしても説明が付かない気がするが。商店を追加するって・・・何だ?存在しない
強制戦闘も理屈は分からないが、報告は聞いた事がある。ダンジョン18階層のイレギュラー、それを討伐した何者かは誰も侵入する事の出来ない透明な領域を作り出し、ただ一人でゴライアスを打倒せしめたと。後にその何者かはレイニーであることが分かり、付いた二つ名は
俗人矜恃・・・アイツ自分が俗な人間のつもりでいるのか?何処を切り取ったら俗になるのか分からんが・・・。
見目麗しく、並を凌駕する武力を持ち、女に囲まれている。
コレで凡人ですと言おうものなら世の一般人にタコ殴りにされても仕方あるまい。
ステイタスに成長補正、今まで聞いた事のない効果だがこれも躍進の一因か。待てよ、経歴に見合わない成長・・・もしや、ベル・クラネルも似たスキルを持っているのだろうか?そうであるなら説明が付く。レイニーとも関わりはある様だし、二人は秘密を共有している・・・?
分からない、まだ情報が少なすぎる。どちらにせよ、当面敵に回るような事は無いだろう。今はそれでいい。
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「それで、まんまと恩を押し付けられてきたと」
「・・・すんません」
帰宅後ダフネに魔導書を見せると、二冊あるそれに驚きもせずに直ぐに溜息をついた。見ただけでその背景まで読み取ったと言うのか!なんという頭脳の持ち主だ・・・。
「馬鹿に一人で行かせるんじゃなかった、主神様も簡単に情報渡しちゃうし・・・」
酷い言われようだ、俺はそこまで馬鹿では無いよ。ダフネに比べると足りてないだけだよ。
まぁ、仕方ないか、と自分を納得させた様子のダフネは此方に向き直ると、今後の行動を話し始める。
「コレから暫くは、クエストを頼まれたりすると思う。最低でも中層には挑む事になるでしょ。さっさと魔法を覚えて、確認にはいるから、早く
「二人と言うと、もう一人は春姫か?」
そ、とだけ返事を貰い、二人を呼びに行く。
魔法を覚えてもらう相手は、出掛ける前にアドバイスをもらって決めた。当初は枠を越えて覚えられるという前提で一人だけの予定だったが、通常の魔導書も手に入ったのなら春姫も、という事だろう。
皆が待ってるという食堂に向かう道のりで、彼女の事を思う。出来れば、この魔導書が助けになってくれるといいんだが。
ドアを開け、集まっていた面々を見渡す。見る限り、サミラ以外は緊張しているか?まぁ、突然家に超高級品が届きますよと言われたら自分もこんな感じになるかもしれない。
春姫とカサンドラは見るからにソワソワしており、反面リリは平静を装いつつ魔導書に注ぐ視線を止められていない。ニナは初めて見る魔導書に興味津々といった所か。まぁ、ダフネにも早くと言われているし、変に引き伸ばさずに呼んで連れて行くか。
「ただいま、帰ってすぐで悪いんだけど。リリ、春姫。ちょっと来てくれないか」
「リリですか!?」