「ただいまコブさん。そして死ね!」
「ごっふう!?」
帰って1発。色んな想いを込めた一撃をコブさんに放つ。
もうビックリしたよ。
駐車場にポインターが貼っついてるからなにがあんのかと思えば、駐車場がロボットアニメの基地みたいにウィンガシャって開いてメテオライトを格納したんだもの。
駐車場の数は6つ。
俺、ヒバリさん、アシアちゃん、じいさん、コブさん、マスター……6人。
……あれっ。
「魔改造。魔改造ですよ!ハエ倒すのにそんなことする!?インフレだよ!?ロボットアニメだよもう!」
「ロマンだろうがあ!」
「ロマンって言えば許されると思ったら大間違いです!」
そこへアシアちゃん。目を細めて少し不機嫌気味だ。
「おかえり」
「ただいま」
「随分と負荷を与えてきた。何かあった?」
……せっかく作ったロボットを痛めつけられたことが不満だったのか。
ちな、アシアちゃんとコブさんには操縦練習として外に出して貰った。
後は指示を与えて、ビルまで持っていくだけ。アームやキャタピラを畳めば軽自動車に似てなくもないので、目立ちはしなかったな。
「途中でハエに会って。戦ってたんだけど……」
「二次被害は?」
「……ビルの壁が少々。あと機体の弾薬がだいぶ減ってると思う」
「ん。ランチャーは減ってる。燃料も少し。機体ダメージが多い。……慣れない操作?」
確かに始めて扱ったからなにか間違った操作をしていたのかも。
「いや、ロボット自体は自動戦闘だったら負荷はあまりかからないはずだ。……お前、もしかして」
「……。あー、お兄ちゃん、もしかしてキャノピー開いた?」
「え。開いたけど」
「びっくり。キャノピーの操作訓練を受けてないのに」
思い切りゲームコントローラーだったから訓練も何もないよ。
その旨を伝えると、アシアちゃんはほっと胸を撫で下ろした。
「今のゲームがわからないから適当に作ったが……今を生きる男子高校生には馴染みあるらしくてよかったな?」
「ん。一安心」
ところで、ハエは?
今のままだとロボットアニメの会話だよ。
「ん。私はドックに戻る」
「おうお疲れ」
「ねーねーゴブさぁん。カシスオレンジー」
「マスターに言えや」
ヒバリさんが帰ってきた。
見たところハエと戦ってきたのか、腰の四連ランチャーが煙を上げている。
「気持ち悪ーい!」
「風呂入ってこい」
「言われなくても入る!……でも、その前に。みんなに言わなきゃいけないことがあるんだ」
「……ほう」
「アシアちゃんは今はいない?あとで伝えといてね。えとね、今日ハエと戦って来たんだけど、そのハエが急にいなくなったんだよね」
……急に?
マスターは「どういうことですか」と言いながらカシスオレンジを差し出す。
ヒバリさんは一口それを飲んでから再び口を開いた。
あれ?未成年飲酒……大丈夫?大丈夫なの?
「えっと……戦ってて、撃って、リロードしようと思って、そしたら……灰になって消えたんですよねぇ……」
「灰……」
「そうなんだよ……。ほんと怪奇。いっせいに消えてさ」
あ、アシアちゃんお帰りもう修理終わったの。
……ああランチャー持ってくのねお疲れ様ブラックでごめんね後でコブさんシメておくね。
「あとですねぇ……。あ、そう!やけに数が多かったです! あと小さかったです!」
「小さい……?それは、どういう?」
顎を摘んで考えるじいさんに対して、ヒバリさんもマネして顎を摘む。
……というかソレ。ソレもしかして。
「なんかこう……変化前のハエとあんまり変わらない大きさでした」
うむ二天王だね。
多分俺が殺したからその配下にあったハエが消えたんだよね。
よーしカマトトー。
「それは不思議ですねぇー」
「ほう。マスター何か知らないか?」
「……それでしたら……全員集まってから言おうと思っていましたが……。二天王が一天王になったらしいです」
「「「二天王が?」」」
「こちらの新聞を」
パサリと落とされた新聞紙。
コブさんが拾い上げてみんなで覗き込む。
『三天王が【無限の連隊】様、何者かに殺害される』。
はァーあのビルうつされてるー弾痕が取り上げられてるー。
……『事件現場に爪垢が残っていた』───チッ、骨の芯まで木っ端にしたつもりだったが。
「へぇー、じゃあ私が戦ってるあいだにブチ殺されたってことですかねー」
「言葉に気をつけなさいヒバリさん……」
「しかし、ヒバリの考えたとおりじゃろうな。俺もそう考えた」
「今日はじいさん喋りますね」
「やかましいわい」
「そんでもって、この……【無限の連隊】様?からご指名を受けたこの暗殺者が倒したってわけか」
「はえービックリ」
それじゃあ……あと1人。
「幹部たちあと1人じゃないですか!」
「やったぜ」
「あと1人!このペースなら多分楽勝ですねぇ!」
浮かれていますね。
やりましたね。
……とはいえ俺も浮かれている。あのガ○ダムもどきと重火器でゴリ押しすれば大丈夫だろう。
あと少し。
あと一歩で、いつもの日常に戻るんだ。
……多分。