拝啓、ご先祖様。人類はハエに侵略されました。   作:翠晶 秋

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アシアの実力

「おっかえりー…お?しっかり相棒を見つけたみたいだね!ねぇゴブさん、これなにー?」

「マグナムだ。名前は【フェザー】」

 

フェザーという名前に反応した未夢…アシアがとてとてとこちらへやってくる。

 

「…良い名前をありがとう」

「君が作ったってのは、本当だったのね…」

「未夢の図工や家庭科の評価は5か4らしいからな」

「えげつねぇですね!?」

「粘土を使う授業にはコロッセオを作ったらしい」

「それ粘土足りるの!?てかなにげにすげぇ!」

 

粘土でコロッセオて…。

しかし、図工や家庭科の評価が5なだけで、銃を作れたりする物なんだろうか?

それを聞いてみると、古部さんはニヤリと笑みを浮かべた。

 

「そこはもう、俺の知識をアシアに叩き込んだ。お陰で未夢も立派な銃職人だぜ?」

「子供に危ないものを作らせないでください」

「うぐっ…」

 

当たり前だろ、こんな小さい子に何てもの教えてんだ。

 

「全く、古部は変わらんのう」

「じいさん…いやでもよ、未夢が教えて欲しいって言ったんだぜ?」

「ねぇねぇアシアちゃん、もしかして私のもアシアちゃんが作った物だったりする?」

「ん。ロケットミサイルは苦労した」

 

うわぁ、ダメだこの子、早くなんとかしないと。

戦争に使える兵器をゴム鉄砲感覚で作ってやがる。

 

「未夢ちゃん、これからは樫牙さんに許可をとってから銃を作ろうか」

「…?どうして?」

「こわーい人が未夢ちゃんを連れてっちゃうからね」

 

軍に引き抜かれるレベルだよ、これ。

…ってかなんで古部さんは銃の作り方知ってんだよ。

 

「とにかく!よかったね、表都くん!それが君の相棒(バディ)だ!」

「…これから先、あなたはフェザーに助けられる事が多いでしょう。ですから忘れないでください、あなたとフェザーは一心同体です。銃は乱暴に扱ってはいけませんよ」

「わかりました。よろしくな、フェザー?」

 

ホルスターの上からフェザーを撫でる。

冷たい銃身が、俺の決意を固くした。

 

「まずは、戦場に行ってみないと実力はわからんな。こればかりは国が隙を作るのを待つしか無いが…」

「【常識人】はここにいるだけじゃねぇ。世界各地に散らばり、それぞれハエを抹殺している」

「…もちろん、日本にだって私たち以外にも【常識人】はいます」

「その人達が、どこどこが空いてる、どこどこにハエが出現って、教えてくれるんだよ」

「…ん。実戦投入」

 

実戦投入。

その響きが俺を緊張させる。

ここでハエを殺せば、俺はもう後に引けなくなる。

怖くはなかった。

まだ実物(ハエ)とは対峙していないのだから、当たり前だ。

ふいに、カウンターの黒電話が鳴り出す。

新立さんが受話器をとった。

 

「はい。バー、『アルカトゥーレ』です…あ、うん、私。え?…!わかった。すぐに行くよ」

 

話の途中で急に真面目な顔になった新立さんは、受話器を置くと俺達に顔を向けて言い放った。

 

「ちょうど良いところに、仕事(殺戮)の時間だよ」

「おうっ!」

「ああ」

「…はい」

「ん!」

 

 

 

「…!はい!お願いしますっ!」

 

 

 

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