気ままに投稿していくので、よろしくぅぅぅ!
1話 喋る刀ゲットしました。
俺の名はキース。
しがない賞金稼ぎをしている剣士だ。
「へへ⋯⋯や、やっと見つけたぜ⋯⋯!」
俺が今いる場所は
何故こんな場所にいるのかというと━━━。
〜〜〜酒場にて〜〜〜
『お、おい!それはホントかおっちゃん!?』
『ああ、この島をずっと東の進むとな⋯⋯伝説の宝刀が眠ってる島があるって噂だ。ただ、そこまで辿り着くのも至難の業らしいがな』
『で、伝説の宝刀⋯⋯!男のロマンじゃねぇか!』
『そうだ、ロマンだろ?んで⋯⋯だ。本当に偶然、超絶偶然⋯⋯ゲットしちまったんだよ』
『なっ!?ま、まさか!!』
『そのまさかさ。⋯⋯これが宝刀の眠る島の
『ま、まじかおっちゃん!!買う買う!買うにきまってんだろ!』
『よし、売ったぜ!⋯⋯⋯⋯へっ、カモだな』
〜〜〜回想終了〜〜〜
という経緯で、伝説の宝刀が眠る島の永久指針を手に入れた訳だ!全財産無くなったけど!
いやぁ、いいおっちゃんだったぜ。
最後にボソッと何か言ってた気がしたけど、まあ大した事じゃないだろ。
それに、今はそんなことよりも目の前に夢中だ。
「これが⋯⋯伝説の宝刀⋯⋯!」
俺はとうとう洞窟の最奥に到達する。
そこには、風化しつつも威厳ある木造の祭壇があった。
そして、その祭壇の上にはお目当ての宝刀らしき刀が祀られている!!
「お、おぉ」
恐る恐る近づき、手に持っている松明で照らしながら宝刀をまじまじと見つめる。
目を奪われるほどの美しい白銀の鞘だ。
俺は吸い込まれるように手を伸ばし、宝刀に触れる。
「すげぇ⋯⋯綺麗だ」
自然と零れた言葉だった。誰に言ったわけでも、返事を求めて言ったわけでもない━━━
『あら、告白?今の若い子は積極的ねぇ〜』
━━━けど、返事があった。
「っ!?だ、誰だ!?ここには俺しかいないのに!」
突然女の声が洞窟内に響き、俺は慌てて戦闘体勢に入った。
周囲を警戒する俺とは対照的に、クスクスと女の笑い声が聞こえる。
『いるじゃない、貴方の手の中に』
「?俺が持ってるのは刀だぞ?女なんかじゃねぇ!」
『いや、だからその刀が私だってば』
「刀が喋る訳ないだろ!⋯⋯も、もしかして、こいつは幽霊ってやつか!?」
『は、話の通じない人ね⋯⋯!』
や、やばい!幽霊はマジでやばい!
これ以上会話を続けたら呪われちまう!
宝刀だけ貰ってこんな洞窟はおさらばだ!
「うおぉぉぉぉぉ!安らかに成仏して下さい幽霊さぁぁぁぁぁんっ!!」
俺は叫びながら来た道を全速力で戻った。
「はぁっ⋯はぁっ⋯はぁっ⋯そ、外だ」
もう足が動かねぇ。身体中汗まみれだし、しんどいっ!
で、でも幽霊からは逃げ切れたぜ。
母ちゃんも言ってたからな、幽霊だけはあかんって。迷わず走って正解だな!
「ふぅ、ふへへ、宝刀ゲットだぜ」
俺は呼吸を整えてから手にした宝刀を見る。
へっ、これさえあれば最強の剣士になるのも夢じゃねぇ。
あの“鷹の目”を越えちゃったりしてな!
『だから、私は幽霊じゃないわよ』
「うぎゃあああっ!?」
妄想の世界から一瞬で現実に戻されました。
▽■▽
『はぁ⋯私の話、分かってもらえたかしら?』
「お、おう。取り敢えず幽霊じゃないってことは」
『まったく、30分も同じ会話をしちゃったじゃない。⋯⋯というか、何この微妙な距離』
俺は宝刀と2メートル程距離を空けて会話をしていた。
いや、だって怖いじゃん。
幽霊じゃないとしても、声が出る刀とか持ちたくないわ。
『何か、失礼なこと考えてない?』
「滅相もございませんよ、ははっ」
くっそ、エスパーかこの刀!
『まあ、あなたの心は読めるわね』
えっ⋯⋯。
『あなたが私に触れた時点で、私達の魂が結び付いちゃったのよねぇ。こんなに相性バッチリな人間は初めてよ』
え?ちょ、魂⋯⋯え?
待って待って、今凄いことさらっと言わなかった?
てか、心読めるってまじかよ!?
「落ち着け俺落ち着け俺落ち着け俺、冷静になるんだ。落ち着いて餅突いて冷静になれ」
『本当に落ち着きなさいよ⋯⋯。あ、そう言えばあなたの名前を聞いてもいいかしら?」
「ん、あ、ああ。キースだ、よろしく」
心が読めるなら名前を聞かなくてもいい気がするけど⋯⋯。
そんな風に考えていると、宝刀がすかさず心を読んでくる。
『やっぱり自己紹介は声に出さないと駄目よ!あ、因みに私は“
「はあ、そういうもんなのか」
確かに、自己紹介くらいは互いに話さないと失礼だよな。相手が刀だとしても。
それにしても、“氷姫”か⋯⋯悔しいけどカッコいいな!
流石は宝刀!
『ふふふっ、そうでしょう!美しく、頑丈で切れ味抜群なパーフェクト刀よ!』
「何か一気に安っぽくなったな」
『失礼ねあなた!?』
この刀、面白いな⋯⋯。
流石は宝刀!
『う、嬉しくない誉められ方ね⋯⋯くっ、このままじゃ私の名誉に傷がつくわっ!ちょっとキース!私でそこらの木でも斬ってみなさいよ!本当に切れ味抜群なんだから!』
「え、えぇ」
熱くなる氷姫が半ば無理やり俺に刀を持たせる。
そして、手近に生えている立派な大木の前に立った。
⋯⋯俺、こんなの斬れる自信が微塵も無いんですけど。
『一思いにいきましょう』
「い、行くぞッ!」
ええい、ダメ元で思い切りいこう!
俺は刀を両手で構え、大木に向かって右薙ぎを放つ!
するとどうだろう、自分でも驚く程にスルっと刀が大木に吸い込まれた。
そして、真っ二つになった。
「す、すげぇ⋯⋯」
『ふっ』
自慢気な氷姫にイラッときたけど、それを打ち消すくらいの衝撃だ。
目の前の光景に感動する俺に、氷姫は『チッチッチ』と言う。
『私の力はこんなもんじゃないわよ。キース、私に意識を集中させて、斬った木を凍るように念じなさい』
「お、おう」
俺は氷姫に指示されたように、何とか意識を集中させる。
こ、こんな感じでいいのか?分からないけど、取り敢えず念じてみよう⋯⋯。
「凍れ!」
直後、氷姫の刀身から冷気が発生し、斬った大木が少しずつ氷付けされていく。そして数秒後には、完全に凍ってしまった。
こ、これは⋯⋯凄いとかの次元じゃない!
『氷姫の名は伊達じゃないのよ?』
どうやら俺は、とんでもない代物を手に入れてしまったようだ⋯⋯!
何とも偶然な酒場のおっちゃん。
まさか道端で拾った永久指針が、作り話の島の物だとは思いもしないね!