仕事が終わって見てみれば、お気に入り数と評価が爆発してて30秒くらい固まりましたね。
うむ、一体何があったのやら⋯⋯。
ま、いっか!(開き直り)
6話です!
6話 二年ぶりの人間です。
“失敗は恥じゃねぇ。諦めることが恥なんだ”
ふと、俺の兄貴の言葉が頭に浮かぶ。
あのサバイバル生活は血反吐を吐き散らすくらいキツかったし、氷姫の修行で何度も死ぬ思いもした。
星の数ほど失敗して、成功と呼べるのは一握り。
でも、それでも⋯⋯俺は諦めなかった。
兄貴の言葉が俺を支えてくれていたんだ。
何度失敗してもいい。
諦めさえしなければ何とでもなるのさ。
現に、俺はそのお陰でここまで強くなれたんだ。
まあ、つまり何が言いたいかというと━━━
「
『堂々と何を言ってるのよ』
氷姫さんから絶対零度のツッコミ頂きました。
そう、俺はあろうことか違う島の永久指針を買ってしまったのだよ。
いや、仕方ないじゃん。文字似てるんだもの。
『⋯⋯はぁ、“アルバスト”と“アラバスタ”を見間違えるだなんて⋯⋯キースらしいわね』
「人間に失敗は付き物なんだよ、兄貴曰く!」
『へぇ、随分お兄さんの事を慕ってるのね。さぞご立派なんでしょう、どんな人なの?』
氷姫が挑発的な口調で問いかけてきやがる。
おう、俺は兄貴を尊敬してるさ!
まず強くてカッコいいだろ?
あと見た目はイカツイ癖に女に免疫なくて、葉巻とギャンブル好きで、借金取りには常に追われている男さ!
『それって典型的な駄目人間じゃ⋯⋯?』
「て、てめぇっ!人の兄貴を馬鹿にしやがって!」
━━━と、言いつつも内心で頷く俺である。
あ、尊敬してるのは本当だよ?
ギャンブル好きなのも別にいいよ?
でも借金取りに追われる程の金遣いの荒さは不味いよねぇ。
『あらあら、無一文が何かを言ってるわ』
「⋯⋯うぐっ」
い、痛いところを突いてくるぜ⋯⋯!
身の回りの物を売ってまで手に入れた“アルバスト”の永久指針だったのに、結果がこれだ。
兄貴⋯⋯失敗は恥じゃないんだよな?
借金取りに追われている兄貴を思い浮かべながら、俺は海に続く氷道を寂しく歩いていく⋯⋯。
▽■▽
「⋯⋯人肌が恋しいな」
周囲に島はおろか、船の一つも見当たらない。
本当にこの永久指針はアラバスタを指してんのかなぁ。
俺はまだ見ぬアラバスタを示す指針に疑いを持ち始めている。
そりゃ、船で進むスピードと徒歩とじゃ比べるまでもないけどさ。
もっとこう、何かないかね!
『あら、いるわよ?』
「えっ!?どこどこ!!」
『キースの後ろ』
俺は希望と興奮を全開にして、氷姫の言葉通りに後ろを振り返る。
それと同時にザバァァァッっと海面から何かが上昇してきた。
⋯⋯次第に興奮が冷めていく。
「いや、海王類は求めてませんって」
俺の目の前に現れたのは大きなお魚さん。
人間をペロッと丸飲み出来る程の口に鋭い歯があり、唸り声をあげている。
違うよ⋯⋯氷姫さん。
俺が会いたいのは理性的な生き物━━━人なんだよ。
野性的な動物はもういいんだ⋯⋯。
『贅沢なご主人ねぇ』
氷姫が面倒くさそうに呟く。
仕方ないじゃん!
二年も人に会えてないし、俺は寂しいんだよ!!
『私の中でたくさん
「いや、あれはノーカン━━━」
「グルルルルッ!!」
なんてやり取りを氷姫としている間に、海王類は巨大な口を開けて俺を飲み込もうとしていた。
腹減ってたのかね?
奇遇だなぁ。俺も丁度腹が減ってきたところなんだよ。
「ほいっと」
一閃。
俺は氷姫を抜刀して、海王類を斬った⋯⋯以上!
鞘に納めると同時に海王類は首が切り離され、海面に叩きつけられる。
凄い水飛沫⋯⋯めっちゃ掛かったし。
「まあいいや!取り敢えず飯にしよっと!」
『また私で魚を捌く気⋯⋯?』
「仕方ないだろ、包丁なんて持ってないし」
“ええー⋯⋯”と渋る氷姫だが、こればかりは仕方ないのだ。
俺は八割の食欲と二割の申し訳無さを胸に、適当に海王類を捌いていく。
見た目は気にせん!
腹に入ってしまえば皆一緒だ!
そして、海王類を美味しく頂いた俺は食後の休憩をするため、氷の道を少し広げた。
俺は広くなったスペースに仰向けに寝る。
暫くの間ぼけーっと空に浮かぶ雲を眺めていると、氷姫が話しかけてきた。
『キースは何で賞金稼ぎをしているの?一度も賞金首を捕まえてないけど』
「金が欲しいからな」
そう一言答えた。
別に、兄貴みたいに借金があるから必要なわけじゃないんだけどな。
「俺んちは家族が多くてよ。⋯⋯貧乏って訳じゃねぇけど、弟や妹、母ちゃんに贅沢させてやりたいんだ」
俺は故郷にいる家族を思い出し、懐かしく思う。
元気にしてるかな⋯⋯。
もうこんなに時間が経っちゃったけど、そろそろ帰ることも視野に入れよう。
『キースはバカだけど、優しいのね』
「素直に褒められないのか、お前は」
俺は氷姫の言葉に苦笑する。
コイツとのやり取りも慣れたもんだ。
前は“貧弱”だの“バカ”だの言われる度にイラッとしたけど、今じゃこれが普通だな。
それにほら、よく言うじゃん?
ツンツンの裏にはデレが隠れてるって。
『⋯⋯次の修業は“一番目”と戦って貰おうかしら』
「スンマセン、調子に乗りました」
俺は心の中で土下座する。
いや、一番目の彼と戦うのだけは勘弁してほしい。マジで、切実に。
過去に「一番目と戦ってみたい!」と天狗になってた俺は氷姫に言ったんだ。
結果━━━悲惨、その言葉につきる。
もう内臓ぶちまけでしたよ、はははっ!
『ふむ、許してあげましょう』
「有りがたき幸せっ」
調子に乗るのはよくないね、そう改めて思いながら俺は再び歩みを進めることにした。
▽■▽
「お⋯⋯おお⋯⋯っ!」
俺は声を震わせて双眼鏡を覗いていた。
あ、この双眼鏡は氷で出来てます。
勿論レンズ無しで結局肉眼なんだけどね。
『意味が分からないわ⋯⋯』
氷姫が溜め息をついて呆れている様子。
いいんだよ!こういうのは雰囲気が大事なの!
そ、そんな事よりもこっちの方が重大だ⋯⋯!
双眼鏡から覗く景色の先に、小さな影が見える。
徐々に近づいてくる影は次第に姿を現していき━━━
「ふ、船だぁぁぁぁ!!!」
俺は船だと分かった瞬間、雄叫びにも似た叫びをあげた。
うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!
やっと⋯⋯やっとだ!人間に会える!
や、やべっ、何話せばいいんだろ。緊張してきたっ!
『ちょっとは落ち着きなさいよ』
「いや無理無理!二年ぶりの人間だぜ!?」
獣と森と海と刀しかいない環境で二年もいたんだ、落ち着いてなんていられない。
身嗜みは⋯⋯あー、うん壊滅的にボロボロだ。
と、取り敢えずさっき倒した海王類の残りでもお裾分けすればいいのかな?
俺は内心でドキドキしながら双眼鏡を覗いている。
「ん?」
すると、何だろうか。
船から何かがこっちに飛んできてるような⋯⋯しかも凄い勢いで。
げっ、もしかして⋯⋯大砲か!?
「氷姫!」
『ええ』
俺は瞬時に氷の壁を創り、相手からの攻撃を防ごうとする。
━━━が、いざぶつかったのは砲弾ではなかった。
「⋯⋯」
『⋯⋯』
理解が追いつかないと、言葉って出ないんだね。
氷姫も唖然とした様子だし。
でも、それも当然の反応だと思う━━━
「いやー、いきなり氷の壁が出てきてビックリした!」
━━━だって、
しかも氷壁に突き刺さって、頭だけ貫通してるし。
俺は飛んできた人間⋯⋯いや、“麦わら帽子”を被った笑顔の男を見て、呆然とする。
そんな俺達をお構い無しに、麦わら帽子の男は話しかけてくる。
「オレはモンキー・D・ルフィ!海賊王になる男だ!!」
「あ、え、えっと⋯⋯魚、食べます?」
動揺した俺は、つい近くに置いてあった海王類の残りを差し出してしまった。
うおぉぉぉぉっ!?何してんだ俺ぇぇぇぇ!?
挨拶とか自己紹介とか他に言うことたくさんあったやんけっ!!
よりにもよって飯の残りをあげるとか意味がわかんねぇよ!!
俺は二年ぶりとなる一人目の人間に、早速失礼な事をしてしまった。
悪印象を与えてしまったと後悔する俺だったが⋯⋯。
「食う!お前良いやつだな!!」
どうやら喜んでくれたらしい。
結果オーライ⋯⋯!
とうとう原作主人公との出会いですね。
ゾロと戦わせてみてぇ!とか思ったりしたけど、戦闘描写が苦手な私はどうすれば⋯⋯?
評価や感想お待ちしております!