Voice Roid Dislikes Humans   作:冬草 時雨

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#0 プロローグ

VOICEROIDは人に買われ。

VOICEROIDは人に使われ。

VOICEROIDは人に壊され。

 

数多くのVOICEROIDが世の中に出回った。

無論それぞれ1つ1つに人格が存在する。

 

丁寧に扱われて幸せに過ごすVOICEROIDは

どんなに幸福だろうか。

きっと脳内お花畑の如く不快も苦労も無く

安心して日々を過ごしている事だろう。

 

 

ではそうでないVOICEROIDは?

 

無茶に扱われ、廃棄寸前まで追い込まれた

VOICEROIDはこの世界に何を見る?

 

ただ己の不幸を恨むのみか?

もしくは己の雇い主(マスター)に復讐を果たすか?

 

 

量産型VOICEROID結月Ⅶ型1501番「結月ゆかり」

彼女もまたVOICEROID本来の扱われ方でなく

己の命とも言える喉を酷使された身である。

この世とは思えぬ地獄から逃げ出した彼女は

己の環境に隠れていた世界を歩きだす。

 

 

無茶に扱われ、廃棄寸前まで追い込まれた

VOICEROIDはこの世界に何を見る?

 

人を嫌うVOICEROIDが旅をして

他数多のVOICEROIDや他数多の人と出会う。

その先に彼女が見るものとは?

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

(......逃げなきゃ。ここから逃げなきゃ。)

 

 

「......見たな?」

 

その声を聞いた瞬間、私はこの家を探検しようなどという

無邪気な事を思いついた数時間前の自分を恨んだ。

 

扉を開けてしまった。

絶望と狂気の沼の扉を。

 

文字通り『使い捨てられた』数々の亡骸。

青い髪、桃色の髪、黄色い髪、緑色の髪。

そして自分と全く同じ紫色の髪。

 

力無く横たわっているその数々は

紛れもなく自らと「同類」であった。

 

言葉も無く立ち尽くしてしまった。

本能が警鐘を鳴らしている。

すぐにここから去れと。

 

しかし1つだけ彼女は見ようと

部屋の中に歩を進めた。

 

それは自らと同じ紫色の髪をした亡骸。

とある操作をして個人の証明である

番号をその目に入れる。

 

『量産型VOICEROID結月Ⅶ型1518番』

 

残酷かつ冷酷な現実が彼女を襲った。

そこにあった亡骸はまさに姉妹とも言えるものであった。

 

膝から力が抜けその場に崩れ落ちる。

 

 

 

 

どれほど時間が経っただろうか。

気を取り戻した彼女は外に出ようと身体を起こす。

ふと扉に目をやった。

 

 

「......見たな?」

 

 

それからの生活が絶望に変わるのに

そう時間は掛からなかった。

 

監禁は勿論の事、度重なる酷使。

定められているメンテナンスすら行われない。

 

彼女はVOICEROIDではなく歌う道具として

使われるようになってしまった。




初めまして。ご閲覧感謝致します。
作者の冬草 時雨です。

あまり長々とお話するのもあれなので簡潔に。

これから私が描く物語は
私が夢見た世界です。

ボイスロイドである彼女たちが
何事も無く肉体を得て生活している。

その中で主人公となる結月ゆかりは
マスターに恵まれませんでした。

彼女が歩く世界をどうか見守ってあげてください。
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