ACE TEITOKU THE INFINITY SKYS 鬼神、亡霊、そして死神 作:オメガ11
「さてと、こんなもんか……」
書類を一通り片付けた土屋は執務室(というか秋月型の部屋)で書類を大淀に渡してその日の仕事を終えた。
そろそろ次の作戦が来ると読んで資源を貯めている。
しばらくすると大淀が駆け込んで来た。
「提督!大変です!ハァハァ」
「どうした?!落ちつけ!」
「大本営より緊急入電、『台湾に向けて敵艦隊が移動中との情報有り!強力なECMが発生しているため状況不明、直ちにスクランブルしてこれを攻撃、着上陸作戦を頓挫させよ』との事です!」
「マジか……台湾なんて中国と揉めるからって大した戦力は無いんやぞ……」
偵察衛星からの写真で敵艦隊を発見すると、大体の進路の予測を立てる。
「まずはガルム、ラーズグリーズを中心にとにかく足の速い対艦攻撃可能な機体を向かわせろ!それから艦娘は……間に合わないか…」
ふと外を見るとC-2が駐機されていた。
「よっしゃコレやな!」
臨時編成を組んで招集を掛け、C-2で空挺降下させる事にした。招集したメンバーが集まるまでに自身も素早くフライトスーツに着替え、装備を整える。
「よーし集まったな、今から配るプリントが作戦概要だ。詳しい説明はしない。今回はビュッフェスタイルのパーティーだ。反撃態勢が整う前に好きな皿を取れ。ただし高級料理を狙って行けよ、マナーは気にするな!それと帰還率は100%だ、以上!パラシュートの使い方は機内でレクチャーを受けろ」
ものすごく雑なブリーフィングを終えると格納庫にダッシュする。既にエンジンがかけられたF-2スーパー改に飛び乗る。装備は胴体下に無人戦闘機MQ-101を1機、主翼下にASM-3を4発とAAM-5(改)を4発搭載している。かつてロッキード・マーティンが空自に提案したタイプと同じ型式名だが、操縦装置やレーダー、コクピット等の電子機器の更なる強化とパルスレーザー式機関砲の装備、無人機との連携能力等が与えられた。エンジンも防衛装備庁の試作したエンジンの技術を活かして推力が大幅にアップした。
格納庫から出ると空中給油を受けつつ全速力で向かう。途中で先行部隊からの無線が入る。
《敵上陸艦隊の護衛部隊を旗艦以外撃破!敵航空戦力はほぼ壊滅!こちらの被害はゼロ!上陸艦隊への攻撃を続行すr……》ザ-ッ
無線が途切れた。高高度からECCMを行っていたAWACSから情報が飛び込んだ。
《護衛艦隊の旗艦は新型深海棲艦と確認された!目標が巨大なエネルギー反応を発した直後に味方機が消滅、残ったのはガルムとラーズグリーズとSu-33が4機!》
消滅だと?ECMで反応が消失したのではない。それならば全ての機体をロストするはずだ。僚機と共に全速力で向かった。
━台湾沖━
「クソ、どこだ……」
探知されるのを避けるためにレーダーを使わずに唯一残った護衛艦隊の旗艦を探していた。見えるのは味方機……『だったもの』ばかりが浮かぶ海だけだ。見るとどの残骸も溶けたような痕跡がある。また何かに正面衝突したような機体も発見した。
「何があったんだ……?」
その直後だった。海中から突如これまでに確認された事の無い深海棲艦が現れた。右手のロケットランチャーのようなものから艦載機が5機打ち出された。見事な編隊を組んで急旋回しこちらに向かってくる。隊長機と思われる先頭の機体だけが翼端から鋭く雲を曳いていた。
見た目はヲ級の艦載機に似ていたが、カナード翼と偏向パドルを持つノズルを装備している。そして何より……
翼端が黄色く塗られていた。
はい、今回は戦闘回の導入という事でいつもにも増して短くなりました。
敵にも新型機&エース部隊を、という事でエスコンの歴史でも屈指の人気を誇るアノ部隊を元に作ってみました。
カナード、推力偏向、5機編隊、隊長機だけ雲を曳く、翼端が黄色……分かる人にはもうお分かりだと思います。
もちろん母艦もめちゃめちゃ強くしますがそれはまた次回以降のお楽しみに
コロナもここ数日で一気に増えてるので皆様感染対策をしっかりされるようお願いします。
ではまた次回でお会いしましょう。