ACE TEITOKU THE INFINITY SKYS 鬼神、亡霊、そして死神 作:オメガ11
5機の編隊が向かってくる。こちらは同数だが全員対艦装備だ。また上陸部隊を潰さねばコイツらを倒しても意味が無い。ならば答えは1つだ。
「俺以外の機体はまずはASM-3を全弾叩き付けてこい!それまで時間を稼ぐ!」
4機のF-2改が南に向かう。3機がそれを追跡するが更にその後ろからAAM-5を撃ち込もうと後ろに占位する。すると予想通り残りの2機が食い付いて来た。旋回するフリをしてHMDのオフボアサイトモードでロックオンし、ウェポンリリースの操作をする。レールランチャーからミサイルが放たれる。3発発射したが、流石にフレア等は無いのかギリギリ全弾命中、撃墜に成功した。しかし推力偏向の無いAIM-9Lのような旧型のミサイルであれば、あるいは僚機に釘付けになっていなければ回避されて効果は無かっただろう。回避能力はズバ抜けて高いようだ。
AAMは最後の1発、また後方にいる2機は仮にSu-37と同等の性能とすれば推力や翼面荷重、機動性、あらゆる面でこちらが劣っている。さらにこちらは1発1トンのASM-3を4発も提げている。
「しゃーない、アレやるか…」
A/Bを使いながら操縦桿を少し前方に突いて、AOA(迎角)がゼロになるように操作する。機体は少しずつ機首を下げて降下しながら加速するアンロード加速と呼ばれるテクニックだ。空気抵抗を減らして最低限の高度損失で加速出来る。距離を取って海面スレスレまで降下すると反転して急上昇する。そのままインメルマンターンをしてヘッドオンになり、最後のAAM-5を撃ち込む。向こうからも撃ち返してくるので照準を外さないようにしつつバレルロールで回避する。命中。機首を破壊された機体はそのままスピンして墜落した。
残る1機とすれ違う。その瞬間、一瞬だがハッキリと見えた。
その機体には黄色で「13」と書かれていた。
「なるほど……沈んだ艦の怨念が実体化したのが深海棲艦なら機体も落とされた機体の怨念という事か……」
インメルマンターンをもう一度行い、相手と距離を取る。こちらの方が高度の面で優位だが、機体のハンデはファーバンティのあの時より大きい。あの時はAMRAAMを満載したF-22、今はASM-3を4発も提げたF-2、オマケに胴体下のUAVこそあれど空対空ミサイルは尽きている。512発の20mm機関砲弾と800発のPLSL、UAV1機で黄13に勝つにはどうするべきか…
土屋はUAVの活用法が鍵になると読んでいた。しかしUAVの装備は2発のGBU-39、つまり小型の精密誘導爆弾とパルスレーザー機関砲だけだ。
「せめて1発はサイドワインダーにすれば良かったな…」
考える暇も無いので急降下してヘッドオンですれ違う。
太陽を背にしてPLSLを発射しつつすれ違うが、相手もジンキングで回避してくる。
すれ違った瞬間に敵機とは反対方向に9Gピッタリで旋回しながら反転上昇、2サークルファイトを選択し、ハイヨーヨーを織り交ぜて追尾を開始する。3/4ループのような機動からロールして敵機の背後に付ける。
13は降下するこちらに対して上昇で対抗する。つまりこちらの機体の下が完全な死角になる。その瞬間にUAVをリリースする。これなら少なくとも最初の攻撃は奇襲攻撃に出来る。
こちらも上昇して背後につく。絶妙にこちらの機関砲の照準から外れるようにブレイクとシザース、ジンキングを続ける。12回目の右旋回から立て直した瞬間に敵機は機首を持ち上げ、そのままこちらに機首を向けた。クルビットだ。かつてのファーバンティでの空戦の記憶からこの機動のタイミングを完璧に読んでいた土屋は、機体を左に90°バンクさせ、そのまま左のラダーペダルを蹴飛ばした。機体は横滑りして進路が大きく下に向いた。スリップと呼ばれる基本的な防御機動だが、これを実行している間は機関砲の照準が困難になる。
今のクルビットのタイミング等のデータをMQ-101に転送しておく。その時、レーダーに新たなブリップが表示された。対艦攻撃に向かった僚機だ。これならばサッチ・ウィーブが使えるかもしれない。自らが囮になるという旨を伝え、回避機動を続ける。
左旋回、13の位置を目視で確認しその機関砲の砲身がこちらに向いているのを確認すると素早く照準線から外れるように機動する。
僚機の追従を確認しつつ切り返して右旋回する。それを数回繰り返す。僚機が適宜攻撃しているが当たらない。やはり並のパイロットではついて行けないのか……
«UAVとの連携に切り替える、1度離隔しろ!»
«ウィルコ!»
僚機を下がらせる。回避しながら考えた作戦を実行する。対8492飛行隊の戦闘で使ったあの方法を使おう。
照準線から外れつつ距離を詰める。向こうが攻撃すれば破片を浴びて向こうもダメージを受ける距離まで減速しつつ旋回する。その瞬間、エアブレーキを開いてスロットルを閉じ、更に旋回で一気に失速させる。13は衝突を回避しようとコブラを行った。やはり先程と同じタイミングだ。次の瞬間、13の機体が爆散した。
何をしたのか、それは実に簡単だ。コブラを誘発し、13がコブラをした瞬間にMQ-101が追い越しざまにGBU-39を投下したのだ。メガリスでの空戦で、土屋はコブラ機動の弱点に気付いていた。それは被弾面積の大幅増加とほぼホバリングになる事で生まれる隙だった。そこを狙ったのだ。
命中さえすれば厚さ数mのコンクリートを貫通する爆弾を浴びて無事で済む事は有り得ない。そしてこの空対空爆撃というのは土屋がクルイーク要塞攻略作戦の帰りに8492飛行隊の奇襲を受けた際に使った方法だった。
そして残るは敵の新型艦。どちらにせよ燃料が無いので本格的な攻撃は不可能だ。残弾を叩き付けて軽く偵察してから帰投する事にする。
4発のASM-3が発射される。命中するはずだった。だが誰も予想してなかった事態が発生した。弾着まで数秒という所で目標は謎のシールドを展開、4発のうち3発を防ぎ、残る1発も耐えたのだ。見ると多少の傷だけでヒビすら入っていない。MQ-101のGBU-39もPLSLも弾いた。
更にある事に気が付いた。深海棲艦の重巡以上の艦には12ケタの製造番号と思しき番号が書かれている。
だがこの目標には番号がどこにも書かれていない。このヲ級をベースにしたと思われる新型艦、コレは想像以上に危ないと確信した。鈍重な輸送機でこの近くに空挺降下させるのは無謀と判断し、全機撤退の指示を出した。上陸戦力はかなり削られているのでしばらくは台湾は大丈夫だろう。
帰投すると、大淀から信じられない一報が飛び込んだ。
はい、ご覧いただきありがとうございます。
今回はエスコンネタを増量キャンペーンという事で、黄色中隊をボムキルという頭のイカれた空戦をしてみました。ちなみに8492にUGBはお約束。
もうね、艦これ要素ありませんね()
次回は艦娘出します。(希望)