ACE TEITOKU THE INFINITY SKYS 鬼神、亡霊、そして死神 作:オメガ11
2011年9月19日0954時
「やっと終わったのです~」
約1時間後に迫った提督着任に向け鎮守府では慌ただしく準備が進められていた。
航空機で向かうと連絡があったので、エプロンと滑走路を艦娘たち全員で掃除していた。
「うむ、頑張ったな」
着任までの代理を務める長門は第六駆逐隊の4人の成果を褒めていた。
「とりあえず駐機場はこれでいいだろう。あと格納庫のあたりを・・・」
その時、ビッグ7の勘(?)とでも言うのか気配を感じ、大淀に指示を出す。
「大淀、試運転を兼ねて電探を使ってみてくれ」
「はい・・・・・これは!?」
「どうした!?」
「敵大型爆撃機接近!機数は・・・6!さらに護衛機が5!」
勘とはこういう時に限って当たってしまうものだ。
「迎撃機は?」
「出せますがあの高度では間に合うかどうか・・・」
「くそ、提督がいない時に!全艦に告ぐ、対空兵装だけでいい!直ちに準備して射撃開始!」
「了解だ」
「まっかせて!」
「急ぐのです」
「見てなさい!」
近くにいた六駆が答えると急いで艤装を取りに走った。
2011年9月19日0950時
「いやー、やっぱファントムは良いねぇ」
土屋はISAF時代の愛機、F-4Eで鎮守府に向かっていた。この機体は外見はノーマルとさほど変わらないが、中身は別物と言っても過言ではないものだった。
エンジンはターボジェットからターボファンに換装され航続距離が伸びている他、機体構造に新素材を多用することで軽量化して運動性を向上させる改造が施されている。さらにサイドワインダー用パイロンの下と外舷ハードポイント(増槽を使うことが多い)にAIM-54C空対空ミサイルを一発ずつ搭載し、それに合わせてレーダーもF-35と同じものを積んでいた。なおレーダーに手直しをすることでフェニックスに対応させている。
つまり対空兵装満載の今はスパロー&サイドワインダー&フェニックスを4発ずつ搭載している。
「おっと新たなレーダーブリップ、IFF応答なし、深海応答ありか・・・」
IFFは深海棲艦の航空機を見分ける能力が追加されるのがこの頃は常識だった。
「この方向は・・・俺と同じか・・・て事はヤバくね?迎撃してこないし」
「♪行き先が~たまたまお~なじ~、そんなっこたでしょねぇ~っと」
所ジョージの「旅の犬」を口ずさみながらAIM-54Cを選択し、大型機に向けて斉射する。同時にアフターバーナーで急加速して距離を詰める。スパローをさらに斉射する。しばらくして大型機の反応が全て消失し、命中を知らせる表示が出る。残りの護衛と思しき5機のうち4機にサイドワインダーを撃ち込み、全弾が命中した。最後の一機も追い越しざまにガンキルした。
「ふう、やはり良い機体だなぁ」
「♪俺を食う気かバカなのかっと」
その頃鎮守府では突如敵機が爆散し、彼女らの記憶にない航空機が上空を通過したため大騒ぎだった。
「なんだあれは・・・」
「とんでもなく速いですね・・・」
長門とたまたま近くで柿ピーをつまんでいた赤城が話していた。すると艦娘たちが集まってきた。ほぼ全員。
睦月「夕立ちゃんは見たの?」
夕立「音しか聞こえなかったっぽい~」
などと騒いでいる。
すると轟音を轟かせて航空機が近づいてきた。大きさ、音、形、何をとってもレシプロとはすべてが違っていた。
長門「全員1番格納庫前に集合!」
全員が集まると、着陸した機体がタキシングしてきた。彼女らの前に止まる。
「すごい音なのですーーーー!!!」
「聞こえなーーーい!!」
かなりの声で叫んでも話しづらいほどのにぎやかすぎるエンジン音が段々と小さくなり、エンジンが止まった。
複座機のようだが乗っているのは1人のようだ。前席のキャノピーが開き、男がヘルメットを脱いで降りてきた。
それは事前に配られた書類に写真が載っていた提督であった。
土屋「どうも、今日からここに着任することになっている土屋 拓海という者だ。お騒がせして申し訳なかったが、これからよろしく頼む。好きなように呼んでくれて構わない」
大淀「えーっと・・とりあえずようこそ鎮守府へ。軽巡大淀です。よろしくお願いします。」
土屋「こちらこそ」
赤城「そういえば加賀さん」
加賀「何でしょう」
「あの機体この前どこかで・・・」
明石「これに載ってた機体ですよねえ」
明石が工廠から雑誌を持ってきた。軍用機の雑誌だ。半年ほど前のバックナンバーで表紙には
「特集 大陸戦争の謎」とある。
その本のあるページを開くと、今目の前にあるのと同じ機体が載っている。ネイビーブルーの機体に機番「118」
そして尾翼のメビウスの輪をイメージした部隊マーク・・・
この時、3人の結論は同じだった。
「まさか本人!?」
書類には海自出身と書かれていたはずだ。聞こうとしたその時
「お、来たな」
航空機の集団が見えた。世界最大の輸送機アントノフが3機降りてきた。艦娘たちはその巨体が飛ぶということが理解できなかったようだ。ちなみに積荷はジェット機の運用機材と弾薬である。さらにその後方から黒いF-14Dが4機と1機のグレーのF-14A、そして両翼を青く塗ったF-15Cと片翼を赤く塗った同型機、それとF-16Cが降りてきた。10分後、空中給油機KC-46Aが1機と背中に大きな円盤を持つE-767が1機とF-22Aとタイフーンが4機ずつ降りてきた。
大淀「提督、これは・・・」
土屋「俺が昔乗ってた機体と当時の仲間達だな。みんな元気にしてっかなー」
まあ俺が乗ってた4機を1人で飛ばすのは無理だから代行頼んでるけど、と付け加える。
さらにドリームリフターも到着した。こっちの積荷は土屋の生活用品とクルマである。
パイロットたちが全員降りて彼の前に整列する。
「みんな遠いところをありがとう!ご苦労様。それと代行の方々も本当に助かりました。」
パイロットが自己紹介した後、話しかけてきた。
グリム「隊長、お久振りです。話を聞いたときは何かの冗談かと思いましたよ」
土屋「ま、俺も食ってかなきゃイカンし。そういえばPJ、彼女とはどうなったんだ?」
PJ「ちゃんと結婚しましたよ!」
土屋「つかピクシーもいるのか。心強いな」
妖精「よう相棒、まだ生きてたか」
土屋「生きてちゃ悪いか」
妖精「そうは言ってない」
ω11「よう」
土屋「お前かオメガ11、あれから何機潰した?」
などと話していると
大淀「あの・・・そろそろ・・・」
土屋「分かった。あと皆はそこのハンガー横の寮な」
なおチョッパーはスタジアム墜落の寸前で無理やりイジェクトしており、死んだと伝えられたのはパラシュートが風に流された&周囲の混乱による誤報だった。PJはあの日の翌日彼女さんに頼まれてハインドで救出に行った。
「それで・・・どうしよう・・・」
今執務室には来た。机とかソファとかTVとか本棚があるのはいい。でもなぜ「執務室しかない」のか。
答えは実に簡単であった。
工事が終わってないのだ。
「大淀、どうしよ」
「申し訳ありません。お風呂は時間交代制なので問題ありませんが寝室だけ・・・明日中にはできますが・・・」
「まぁしょうがないか。ひとまず寝袋で済ませr」
と言いかけたとき誰かがドアをノックした。
続く
やっと第1話です。司令室に来たのは誰なのか!?
ちなみに今のところはギャグ&日常メインの方針です。
初投稿なんで超絶的に下手くそで申し訳ありません。
解説
AIM-54Cフェニックス
アメリカ海軍のF-14大型艦上戦闘機にのみ搭載可能な対空ミサイル。重さが一発460kg以上ある大型のもので、対空用でありながら150kmという非常に長い射程を持つ。今作では魔改造によりより小型のF-4に搭載している。
AIM-7Mスパロー
F-4のメインウエポンの1つ。レーダーで誘導する。ミサイルの重量は約230kgで、最大約70kmの射程を持つ。発射から命中まで目標をロックオンする(つまり大きく針路を変えることができない)必要があり、一瞬でも途切れると命中しない。旧式化が進み、現在はロックオンによる誘導がいらないAIM-120AMRAAMへ更新が進んでいる。
AIM-9Lサイドワインダー
エンジンの排気熱を探知して誘導される赤外線誘導の対空ミサイル。重さは約90kgで、射程は最大約15km前後。格闘戦ミサイルとも呼ばれる。当初はエンジンの熱を確実に感知できるよう敵機の後方から撃たなければならなかったが、シーカー(センサー)の改良によってヘッドオン(正面から向かい合った状態)でも撃てるようになった。
F-4E
1958年に原型機が初飛行したアメリカの艦上戦闘機。高い対地攻撃力と対空能力を兼ね備える。全天候型で夜間も活動可能、そして超音速飛行が可能で機動性も高く、兵装も中射程のスパローと短射程のサイドワインダーを4発ずつ、そして機関砲という現在の戦闘機のイメージを確立した機体。空母での運用のため、陸上機では不要な装備があり重量などの面で不利なはずだがベトナム戦争当時は世界最高の能力を備えていたため、アメリカ空軍やアメリカ海兵隊を中心に空自を含む多くの西側諸国でも使用された。空中戦は遠距離からのミサイル攻撃で決着する時代が来るとして海軍は機関砲を付けずに実戦投入したが、当時の電子機器は発展途上でスパローの命中率が10%程度と非常に低く、さらに遠距離では敵味方の識別も難しかったため予想外の苦戦を強いられた。また当時としては運動性も高く、比較的容易に相手の後方を取れたにもかかわらずミサイルの最小射程を割っているために攻撃できないこともあった。空軍は機関砲を機首に固定装備したタイプを開発し大きな戦果を挙げた。それがこのE型である。なお海軍でも胴体下にガンポッドを後付けしたが、固定装備するのと比べて命中率が低く、あまり効果は無かった。(無いよりマシだが)
愛称はファントムⅡ(亡霊)