Reversal!貞操逆転世界の男子学生   作:豆板醤山盛り

16 / 16
Re:15 騒動の始まりはいつも突然で

 

 

体育の時間、それは学園生活で抱えたストレスを一気に開放し、身体を動かすことで発散することの出来る掛け替えのない時。

 

前の世界では体育の前の休み時間は着替えや移動に費やすもので、俺たち男子は教室で体操着やジャージに着替え、そして移動という流れだった。

 

だがこの世界では違う。

 

俺たち男子には男子更衣室なるものが用意され、女子は教室で着替える。

 

つまりだ、つい、うっかり、忘れ物しちゃったりしたら、女子の着替えが見れちゃうということだよキミィ!

 

と、いうことでだ。

 

俺は実にうっかり偶然にも偶々に、体育館で履く体育館用のシューズを教室に忘れてきてしまったわけだが。

 

いやぁ忘れてしまったものはしょうがないなぁ、しょうがない。

 

取りに行かなくては。

 

 

「あ、いっけねー、俺、教室に忘れ物して来ちまったから、取りに行ってくるわー。」

 

 

俺は彰人とともに男子更衣室に辿り着いたタイミングで、考えていた通りの台詞を言って、教室へと向かうべく身を翻そうとした。

 

 

「あぁ、シューズだろ?出る時に机にかけっぱだったから持ってきてやったぞ?」

「…っ!」

 

「なんだよ、その顔は。」

「いや、っ、な゛んでもないぞっ!あ、ありがどうな゛!」

 

「お、おう。」

 

 

くっそ!このオカン男子めっ!

 

なんでこの子は気が利くのかしらっ!小憎たらしいったらありゃしない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところ移って此処は体育館。

 

 

「行ったよ、伊織!」

「ナイスだよ、まどか!そいやぁっ!」

 

 

吉沢のトスが上がり、伊織のスパイクが決まった。

 

ジャージ越しでも揺れる吉沢のたわわな果実、良いね。

 

ご覧の通り女子達はバレーボールやら、バスケやら、集団競技してたり、駄弁ってたりスマホをいじったり自由にしている娘らもいる。

 

女子は人数が多いからね、仕方ない。

 

吉沢も伊織も荷物を持ち込んでいるし、こういう自由なところはどちらの世界でも変わらないのかな。

 

それにしてもである。

 

女子達の服装を見て欲しい、なんということでしょう。

 

純白の上着に映える黒色のブルマ、そう、俺がいた前の世界では絶滅危惧種となっていたブルマ姿である。

 

素晴らしいぞ、実に素晴らしいな、この世界はっ!

 

もう見慣れたはずなのに、何度見ても神様に拝みたくなるのは何故だろうか?

 

もう、なんて言うんだろうか。

 

言葉にするならば…そう、ナイスブルマ!

 

え?俺たちは何してるのかって?

 

そりゃ、男子二人だよ?体育館だよ?することと言ったら決まっているだろう?

 

 

「そいっ!」

 

 

カコーン。

 

 

「なんのっ!」

 

 

カコーン。

 

卓球だよ、ちなみに審判はいません。

 

普段はお外で女子たちに混じって駆けっこだったり球技だったりするんだけどね、まぁ今日は雨でさ。

 

偶然にも体育の先生が行事参加で不在、で自習になったってんで、体育館で自習になっているわけさ。

 

だからこんなにフリーダムな体育の時間を過ごせているわけだ、ちなみに時々担任の先生が様子を見に来るから、皆形だけはキチンと参加している。

 

授業開始と終わり時に点呼を取られるからサボった奴はバレる危険性が高い、なかには抜け出した猛者もいたが…さすがに一時限程度の時間を抜け出してもなぁ、って感じである。

 

せっかく体育館内で自由に遊んで良いってんだから、遊ばなくちゃ損だろう。

 

 

「ふっ、つい昨日、テニヌの王女様を読破した俺ならば、出来るはずだぜっ!喰らえ必殺ツイストサーブっ!」

 

 

カコッ

 

 

「ツイストでもなんでもねぇ!」

 

 

カコッ

 

 

「ドライヴβ!」

 

 

カッ

 

 

「ただのドロップショットじゃねぇか、こんにゃろ!」

 

 

ガスッ

 

 

「ちっ、ネットかよ…。」

「You still have lots more to work on...。」

 

「こんのやろ、越後リョーコ気取りかよ。もう一本だ良!もう一本やるぞ!」

「ほいほい、一本でも二本でもお相手しますよん。」

 

 

二人、ネット越しに構え直し、彰人がサーブを打とうとボールを上げたときだった。

 

 

「ちょ、羽野さん、大丈夫っ!?」

「脚痛いのっ?誰か、保険医の先生呼んできてっ!」

「あたしが行ってくるっ!」

「お願い、まどか!…うーちゃん大丈夫だからね、先生直ぐ来るから。」

 

そんな声が聞こえて来たのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女子達の騒ぎを聞きつけた俺たちもその中に入ってゆく。

 

そこには脚を押さえて蹲るクラスメートの羽野さん、そして彼女を囲むように心配そうな表情をした女子たちがいた。

 

 

「伊織、どうした?」

「彰人、良、その、うーちゃんが、着替えるときから気になってたんだけど、怪我してて…。」

「あの、うちらは止めておいたほうが良いって言ったんだけど、土井さんたちが…。」

 

「ちっ、羽野、何大げさに痛がってんのさ、立ちなよ面倒くさい。」

「ってかさー、そんな言い方されるとあたしらが悪者みたいじゃん。心外なんですけど?」

「あのねぇっ!前から言おうと思ってたけど!あんたらちょっとおかしいんじゃない!?拳法部で一緒だからか知んないけど、いっつもうーちゃん連れ回して!この怪我だってあんたらが」

「い、伊織ちゃん、良いよ。わたしなら、大丈夫だから…。」

 

「でもっ!」

「あのさぁ藤宮、あんたウザいんだよね?なにを勘違いしてんだか知らないけど、羽野の怪我はたまたま部活で痣になっただけで、こいつは大げさにしてるだけだって。ねぇ?」

「そーそー、こいつトロいから、よく受けミスするんだよねー。」

 

 

これは、まずいな。

 

伊織のやつは本気で怒ってるし、土井さんと加納さんは拳法部で気性が荒い、もしも喧嘩になったりすれば伊織が危ない。

 

 

「まぁまぁ土井さんも加納さんも落ち着いてよ、急に羽野さんが倒れたもんだからさ、伊織も気が動転してるから、あぁいうふうに言っちゃっただけで、本心から言ったわけじゃないと思うんだ。」

「葛城は黙っててよ、っていうかあんたは藤宮と仲が良いからあいつのこと庇ってんでしょ?そこどいてくんない?」

 

合わせろ、という彰人の視線に気づいた俺はすかさず、伊織の前に立ち彼女たちから引き離すように動いた。

 

 

「伊織も言い過ぎだっつーの、ちょっとは相手を見てものを言えよな。」

「でも、良っ!」

 

「わかってるっつの、羽野さんを守りたいなら此処は耐えろ。」

「~っ!」

 

『ちっ、羽野、何大げさに痛がってんのさ、立ちなよ面倒くさい。』

 

 

正直、俺もあの一言を聞いたときは相手が女の子とはいえ、思わず怒鳴りつけそうになってしまった。

 

なんとかこらえたが、それでも土井さんと加納さんの羽野さんに対する態度は許せるものではないと思う。

 

彰人が止めてはいるが、加納さんはともかく土井さんの怒りは収まりそうには見えない。

 

俺はポケットからスマホを取り出し、保険医を呼びに行った吉沢にメッセージを送る。

 

今日が自習で良かった、普段なら更衣室に置いてきてたはずだから。

 

あいつの脚なら一階の保健室から三階に行ったとしても、そこまで時間は掛からない筈だ。

 

心配そうに見つめるクラスメートたちになんでもないふうに笑顔を振りまきながら、吉沢達の到着を待つ。

 

保険医の先生が来たところできっと事態は好転しない、騒ぎが後になるだけだ。

 

この険悪な状況を治められるとすれば、俺が知る限り学園にはあの人しかいない。

 

頼むぞ、吉沢…!

 

 

「お前たち、何を騒いでいる!」

 

 

祈りが届いたのか、そこには吉沢と保険医の先生、そして俺が望んだとおりの人物が立っていた。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。