Reversal!貞操逆転世界の男子学生   作:豆板醤山盛り

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Re:06 そこに男女は関係ない

 

 

 

はてさて、どうしたものか。

 

 

 

俺は悩んでいた。

 

 

 

先日の吉沢まどかにした告白紛いのアレ、あの件について一度きちんと吉沢と話さなければと思っていたからだ。

 

 

 

だがことはそううまくいかないもので…。

 

 

 

俺と吉沢はクラスメートだ。

 

 

 

だから当然、朝も昼も放課後にだって話すチャンスはある。

 

 

 

だからこそ俺から吉沢にアプローチを仕掛けようとするのだが…。

 

 

 

 

 

『吉沢、今、ちょっと良いか?』

 

『ふみゅ!?い、いまは、あの、ぉ、おトイレ行かなくちゃいけないからぁっ!』

 

 

 

 

 

バビュンと走り去る吉沢。

 

 

 

 

 

『吉沢、一緒に飯でも食いに行かねぇか?』

 

『え゛っ!?あぁぁあの!あたしその、だ、ダイエット中だからぁっ!』

 

 

 

 

 

バビュンと走り去る吉沢。

 

 

 

 

 

『吉沢、俺ら帰りに駅前のゲーセン行くんだけど、よかったらお前もどうだ?』

 

『いk…~っ!ごめんなさぃっ!ぶかち、部活いかなくちゃいけないからっ!』

 

 

 

 

 

バビュンとry

 

 

 

 

 

誤解を解いて友達になる以前に、俺って吉沢に嫌われてるんじゃ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~…。」

 

「最近溜息が多いな、良。」

 

「きっと男の子の日なんだよ。」

 

「だから男の子の日ってなんだよ!?」

 

 

 

 

 

日は巡り巡って数日が経ち、今は平日昼飯時。

 

 

 

購買でパンを買ってから教室に戻り、俺、彰人、伊織の三人で机をくっつけてダベるのが、いつもの昼飯の流れ。

 

 

 

俺は焼きそばパン、彰人はメロンパン、伊織はカツサンド、それぞれの味の好みがはっきりと認識出来ることこそ購買パンの凄み。

 

 

 

っていうか、俺が前にいた世界では伊織と彰人の食うパンは逆だったんだけどな。

 

 

 

見た目と性格的に変化がないと思ってた彰人にも、少なからず影響があったみたいだ。

 

 

 

おまえ、甘い物全般苦手だったのにな。

 

 

 

伊織は少食甘党だったのに、なんていうかこっちではガッツリ濃い味系を好んで食べている。

 

 

 

その身体のどこに分厚いカツサンドが吸収されているのだろうか。

 

 

 

 

 

「何に悩んでいるのか当ててやろうか?」

 

「…別に悩みなんてねぇっつーの。」

 

 

 

「吉沢。」

 

「ぶほっ!?かはっ!はぁはぁ。」

 

「うっわ、なにそのわかりやすい感じ。ほら良、お茶飲みなよお茶。」

 

 

 

「お、おうサンキュ、ってあっつ!?なんでホットなんて飲んでんだよ!?」

 

「ボク冷え性なんだよね。ささグイーッと。」

 

 

 

「あっついわ、いらん!」

 

「…で、当たりだろ?ここ最近、やけに吉沢まどかにご執心だもんな、おまえ。」

 

 

 

「へぇ、良ってば吉沢さんみたいな娘が好みなんだぁ。…まぁボクには関係ないことだけど。」

 

「あのなぁ、そういうのじゃねぇからな。…ただ、ちょっと吉沢となんつーかその。」

 

 

 

「喧嘩しちゃったとか?」

 

「喧嘩、とかじゃねぇよ。まぁちょっとした誤解を与えちまってさ。」

 

 

 

「誤解ねぇ。」

 

「…吉沢さんになにしたのさ、良。」

 

 

 

 

 

なにもしてねぇよ、っていうかなんでむくれてるんだ、おまえは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺は大好きなんだっ!そんな吉沢まどかが!』

 

 

 

 

 

誤解、確かに誤解されているかもしれない、…だけど。

 

 

 

誤解ではあるが、あれは俺の本心だ。

 

 

 

俺は吉沢まどかが好きだった、女性としてというよりはひとりの人間として。

 

 

 

老若男女、誰ににでも別け隔てなく優しさを与え、笑顔で照らし、人の心を暖かく包む、吉沢まどかはそういう人間だった。

 

 

 

たとえ、こちらの世界ではそうではないとしても、吉沢まどかは吉沢まどか、人として憧れた彼女の、落ち込む顔なんて見ていられなかった。

 

 

 

自信を持って欲しいと思うし、なによりも吉沢には明るい笑顔が似合うから、彼女には笑っていてほしい。

 

 

 

これは俺の自己満足なのかもしれないし、もしかしたら欺瞞になってしまうかもしれない。

 

 

 

それでも俺は、彼女がひとりで落ち込む姿なんて見たくはない。

 

 

 

 

 

『あたしがボッチなことなんて、みんな知ってることだし。』

 

 

 

 

 

俯いたときに見えた彼女の表情を、俺は覚えている。

 

 

 

どこかあきらめたような暗いつくり笑いだった。

 

 

 

 

 

「…なぁ、俺たちってどうやって今みたいに話すようになったんだっけ?」

 

「なんだよ急に?」

 

 

 

「良いから、いつからだったっけ?」

 

「う~ん…気づいたらこうやって一緒にいたよね?幼稚園くらいだったっけ?」

 

 

 

「…きっかけはおまえだよ、良。」

 

「俺?」

 

 

 

「そうだ。おまえが俺の作った砂山に寄ってきてトンネル掘り出して、面白そうだって見に来た伊織も含めて遊び始めたのが最初だよ。」

 

「あ~、そういえばそんなことあった気がする!」

 

 

 

「あぁ、それで伊織、おまえが」

 

「またいっしょに遊ぼうね、ボクたち友達だもんね、だったか。」

 

 

 

「…良も覚えてたんだねぇ。」

 

「彰人のを聞いて思い出しただけだ。…だよな、友だちになるきっかけなんて何でもないような簡単なことなんだ。」

 

 

 

 

 

小難しい会話も、感情の読み合いも必要ない、ただ正直に相手に伝えれば良いんだ。

 

 

 

吉沢まどかがこのまま独りでいることを選ぶ、というのならば俺は何もするべきじゃないのかもしれない。

 

 

 

だけど、あの表情を見てしまったからには、俺は彼女をボッチのままでいさせられない。

 

 

 

 

 

「…彰人、伊織、俺は…吉沢と友達になりたいんだ。おまえらみたいな、女とか男とか関係なく、心から打ち解けられる関係を築きたいと思ってる。」

 

 

 

 

 

自己満足でもなんでもかまわない、彼女が望むのなら、俺は吉沢まどかの友達になりたい。

 

 

 

 

 

 

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