俺は中学生ゲーマーの覆面常寺‼
顔なじみでパーティーのセントワイズ達と王女様を見に遊びに行って……。
混乱したプレイヤーによる怪しげな暴走を目撃した‼
その暴走を見る事に夢中になっていた俺は…
背後から近づいてくる夢女子の一団に気付かなかった…
俺はその夢女子にノリでキルされ…目が覚めたら…
……新大陸行きをオススメされていた‼
王女が存在してるのをセントワイズが見れば……また命を狙い……
周りの人間に危害が及ぶ……
あるプレイヤーの魔法で新大陸へ渡ることにした俺は……
世紀末防具を渡されて、咄嗟に「ありがとう」と返し……
樹海の中へと転がり込むのだった……
何話書いても最後は同じ!
生存ナシの迷短編!
オチは……いつも1つ‼
●
なお魔法の数字の秘密が知りたければ、「赤いジャギ」もしくは「QMZ」でググろう!
ところで新GHC編の一番の被害者(?)グレイブバーサスの設定…感想返しで見つけたけど魚臣とのシナジー高くない?
ヤツが来る。
その事実を知った時に感じたのは絶望と虚無……そして納得だった。
考えてみればあり得たのだ。
相手は自力でクソゲーから脱出するような、掛け値なしの怪物。
旧大陸を飛び出て新大陸に来るなど出来てあたり前の児戯。
その可能性に気付けなかったのは……こちらの落ち度。
ソレを自覚した時、あの日知り合いフレンドになった同志たちと連絡を取り合っていた。
自分達は逃げるように新大陸に来た。しかし、ヤツもまた新大陸に来た。
此処で別のゲームに来ても……きっとやって来るだろう。
逃げ切る事は出来ない。乗り越えるしかないのだ。
希望はある。
アンチ(攻略)スレに流れた素手覆面海パンという小さな光。
その光に縋って、前へ進むのだ。
必ずやラスボスを倒し、トラウマに打ち勝つ。
そう、決意を胸に秘めたプレイヤー……セントワイズは覚悟に口を結び、「フェアリア・クロニクル・オンライン 〜妖精姫の祈り〜」を起動する。
全ては、最後の3分のため。
また1人傷を負った戦士が……伝説の世界へと舞い戻った。
●チャットグループ【フルフェイスヘルマー オススメ部隊】●
常寺 :というわけで、セントワイズはしばらくお休みだってさ。
常寺 :息つく間もない3分を、とかポエミー入ってたね。
異端者:まあ「窓に! 窓に!」案件だったらからなあ。
常寺 :あんなカワイイ王女ちゃんなのに、クトゥルフ扱いは解せぬ。
異端者:「んほった案件」のレジェンド級は凄いや(遠い目)
異端者:クソゲーを覗く者は クソゲーに覗かれるんだね。
常寺 :そういうもんかー……? 異端審問も他ゲーでイベントだって?
異端者:そーなんだよ。常寺が真人間なのが本当に残念。
異端者:適性があれば速攻でオススメしていたのに。
常寺 :うーん、敷居が高そう……。
常時 :他ゲーやるならもうすぐ出るGHCかなぁ。
常寺 :まあしばらくはシャンフロで野良パで頑張るよ。
異端者:それもまた良し。
常寺 :ただなあ、皆で造る新拠点がなぁ。
常寺 :滅んだ町の蘇生に失敗した感がなぁ。
異端者:文字通りの骨組みで完成に持ってく流れだしねえ。
異端者:悪の中ボスの拠点を作ってる感あるよね。
異端者:…世紀末感がわりとマッチしてるとか常寺には言えないや。
常寺 :異端者ー! 思考入力ー!!
異端者:……世紀末感がわりとマッチしてるよね!
常寺 :開 き 直 ん な
異端者:ま、まあでも? 拠点完成は早い方が良いとは思うよ?
異端者:王女ちゃんが新大陸に来るわけだし。
異端者:新拠点だけでも何かしらイベントのトリガーになりそうだし?
常寺 :あー…プレイヤーメイドだからこそのイベントもあり得るのか。
常寺 :……うーん、まあ今なら建築資材集めに野良パが乱立してるし。
常寺 :しばらくはプレイヤースキルを磨くか。
「……ははは、やる気だなぁ」
異端審問の名で知られたプレイヤー、その覆面の中身である男は、仕事の休憩時間に流れてきたチャットのメッセージを眺めていた。
GHC以降の常寺の伸びには目を見張るものがある。
ただレベルも上がった以上に、スキルのタイミングや使い方、位置取りなどを工夫するようになったのだ。
今の新大陸はプレイヤースキルがあって当たり前というある意味での魔境だ。
野良パを組んで他プレイヤーと話す事は常寺の更なる成長につながるだろう。
「教授いわく、次のイベントは大規模な全員参加型の可能性が高いらしいからな」
今からプレイヤースキルを磨こうとするのはきっと戦いの一助となるはずだ。
「……なら、こっちも新ネタ仕入れるかな?」
後輩が頑張ろうとしているのだ。シャンフロの新イベントに向けて、日課仲間の誰か知り合いからテクニックを聞き出したい気分にもなる。
そう考えた異端審問はヘッドギアを付け、「日課」のゲームを起動する。
……でもまあ、シャンフロイベの前にまずはこっちのイベだよね!
「今からワクワク楽しみデス ゲームイベントォ……!」
公式からイベント予告があり……地味に界隈を騒がせているそのゲームの名は『辻斬・狂想曲・オンライン』。
和気藹々とした公式・攻略サイトが楽しさをアピールする和テイストなにこやかゲームである。
「この時間ならランカーは誰がいるだろうか……」
イベントまでに火薬の確保と武器の補充はしておきたい。
近接武器を持つとつい天誅に走るクセが付き、他ゲーでつい天誅荒らしをしたため以前ランカー達による粛清を受けたプレイヤー。異端審問。
近接武器を持つと発作が出るせいで魔法職に甘んじる彼も……また他のゲーマーたちと同じように、来たるイベントに向けた活動を開始するのだった。
●
その頃、常寺は密林の木々の間をスキルを使って飛び回っていた。
木を蹴り、幹を掴み、崩れた姿勢を移動スキルで繋ぎ、攻撃の体制を確保する。
相手はドラクルス・ディノコアトル。
ついこのまえ常寺を空中へと攫い、落下死の原因となったにっくき敵と同じ、二刀の頭を持つプテラノドン的レックスである。
だが今回は前回と違い、一方的な戦いではない。
新拠点の素材を集めるため、野良パの面々と連携して、相手の動きを制限しながら戦っているのだ。
スキル、アクロバットからのライオットアクセル。
空中でのスタミナ消費を軽減した上でHPを代償にSTRとAGIに補正を入れ、跳躍。
ライブラリの水走忍者がヘイトを稼いだ隙を突き、ナックルラッシュを小さく、素早く当て続け、反撃の翼をレペルカウンターで迎撃して手ごろな木の枝に着地。着地でたたんだ膝に力を入れ直し、今度はスキル、一艘跳びも使って再び空へと跳躍する。
そして……。
「クリティカルアシスト! エンチャント・ヴォーパル!」
次の一撃に合わせたバフの重ねがけ。
「よし、良いぞ! 決めろ常寺!」
そう叫ぶ水走忍者がヘイトを稼いでからの変わり身で隙を作り。
野良パの仲間がソレに合わせて常寺にさらにエンチャントを掛ける。
そうして、拳を今できる限界まで強化された常寺は目の前のドラクルス・ディノコアトルに止めを刺すべく、しかし自身のスキルではなく装備のスキルを発動した。
そのスキルこそ常寺がトドメを任された理由。
建築素材の回収に特化した、簒奪者の手甲の特殊スキル。
……赤く光る籠手は欲望の証!
「俺のこの手が真っ赤に燃える! 素材を掴めと轟き叫ぶ! 簒奪! 「ユザパフィンガーアアアアアア!」
装備「簒奪者の手甲」。
この装備は装備者のMPの1割を消費してスキル「簒奪者の盗指」を発動する。
この装備のスキルで止めを刺したモンスター、ドロップ素材の個数+1。
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「いやー、ドラクルス・ディノコアトルは強敵でしたね」
数時間後。シャンフロから現実に戻った常寺は、攻略サイトのスキルビルド板を見ながらホクホク気分でライオットブラット・アンデッドを飲んでいた。
周りのプレイヤーを手本にスキルのつなぎ方も上手くなってきたし、自分のスタイルも見えて来た。おまけにもうすぐライオットブラッド・リボルブランタンの発売となればそりゃあテンションも上がるというものである。
「……だけど、ちょっと寂しい気もするかな」
いつもの面子がいない。そのせいで仲のいいクラスメイトが風邪で休んだような、何とも言えない物足りなさを感じてしまう。
ならば彼らのやっている別ゲーに顔を出してみようかとも思ったが……セントワイズのやっているであろう、やたらと優秀な敵AIとそこらへんの木を両親の仇(存命)とでもいわんばかりに攻撃し続ける味方AI、そしてやたらとエグく救いがあってないようなシナリオと、フェアカス好感度の低下によって強制介入してくるクソお使いクエスト。これらの要素を始めとしたレジェンドオブクソゲー『フェアリア・クロニクル・オンライン 〜妖精姫の祈り』をやる気には流石になれない。
ならば異端審問のやっているゲームに顔を出すか? とも考えたが……。
「多分適性が無いからやめとけ、って言われたもんなあ」
……でもまあ、少し興味が勝つ。
シャンフロの攻略サイトを閉じて、異端審問のやっているらしきゲームを調べれば……。
「……あれ?」
和気藹々としたスクショの貼られている公式サイト。
幕府側と維新側という二陣営のPkコンセプトの割には普通に和風ゲームである。
新規歓迎の文言に新イベントの告知、公式スクショから見て取れるグラフィックも思った以上にちゃんとしている。
流石にシャンフロと比べるのは酷だが……公式サイトに残っているログ、そのイベントの頻度から見ても寂れたゲームという感じはしない。
有志が作った攻略サイトにも『今週のお天気は一面の花火!』と華やかなスクショが更新されている。
夏の終わりの風物詩とも言える花火が鳴り響く様子は、時期に合わせたミニイベントが起こったであろうことを初見の常寺にも悟らせてくれた。
何枚かのスクショには花火にプレイヤーが吹き飛ばされるコミカルなシーンもあったが……まあ「花火イベントあるある」だろう。花火で攻撃。というのは割といろんなゲームの夏限定装備で見る気がする。
つまるところ……。
「……おもしろそう! ちょっと起動するわ!」
シャンフロが西洋ファンタジーなとこもあって、無意識に和モノを欲していたのだろう。
そういうや否や、ネットでDL販売されたソフトを購入した常寺は「まずはチュートリアルからだ!」と買ったゲームを起動する。
そのゲームのタイトルは『辻斬・狂想曲・オンライン』。
幕末と称される……電子の金魚鉢だった。
「ウェルカム天誅ァーッ!」
「余韻天誅ァーッ!」
「鍋蓋ガード天誅ァーッ!」
「……ってオイ! 花火が来るぞ!?」
「は!? 何でこっちに!? 普通街中だろ!?」
「ああ! あそこに戦争屋が! アイツこっちに走って来るぞ!」
「……野郎! 生かしちゃあおけね……いやたった今死んだわ」
「なのに花火はこっちに来るんだよなあ……」
「オイ、散れ! まとまってると的になるぞ……おっと、隙あり天誅!」
「……いや、チュートリアルは?」
……あっ、花火の玉が……。
「キャアアアアアアアー!!!」
……常寺は死んだ。
幕末適性が足りなかったのだ。
天気が花火なのも悪かった。リスポン地獄にカラフル爆心地がプラスされてしまったからだ。
渋い顔でリアルに戻った常寺は一体何が起きていたのかと首をひねる。
事前に止めとけと言われていた手前、異端審問に文句を言うわけにもいかず……。
「GHC-! 早く発売してくれー!」
思わずそう叫んだ常寺は数分後、GHCのネット先行予約が始まっているのを見つけ、即予約を決め打つのだった。
・オマケ
しばらく更新休んでる間にガトリングドラム社の新設定(!?)が生えていて草ア!
割りと感想欄も魔境なので、シャンフロウィキの感想返しを読んでない人はぜひ。
それはそうとしてアメリア戦も良かった……。
一気読みし直すとなお良しでテンションホクホクですわ。
へへへ、チャット回は何書こうかなあ。
とりあえず掲示板回を待ってネタかぶりを避けつつネタを盛り込みたいですね。
いや楽しみ楽しみ。
……竜災編、適度にユザパって1話でまとめるかも……。