一狩り行くのも一苦労   作:焦げパン

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ざわめく森で皆さんわかると思います。


新人ハンターとざわめく森

「いいと思うよ」

 

 

 

モミジは言った。

 

 

「私も最初はそう思うこと、あったから」

 

 

「だからその命を無駄にしないで、生きていくの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺ハンターになるの100年早かった説

 

“狩った命を無駄にしないで”

 

意味はわかる。だが、ならそもそも狩らなければいい話であって…

 

 

「うーん…」

 

 

カヅキは一人唸る

 

言ってなかったが、今カヅキはモミジの家の倉庫で寝泊まりしている。

ゲームではなかったが、アイテムボックスに入らない植物や食料が大量に置いてあってよくわからない匂いがする。

自室でもいいとモミジに言われたが、俺の精神が持ちそうにないで、青汁飲むときよりも苦そうな顔して断った。

本気で心配されたんだけどその話はまた。

ハンターって難しいね…

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、俺はモミジといっしょに加工屋にきていた。

説明しよう!

加工屋とは、モンスターの素材を加工し、武器、防具を作ってくれる店である。もちろんタダではない。

 

「そんなこと誰でも知ってるよ…」

 

あきれた様子のモミジ。

俺だってしたくてしてるわけじゃないのだ。

体が勝手に…いや脳が勝手に。

 

「よくきたな!」

 

加工屋のオッチャンだ。

ゲームだと高齢の竜人族だったが違うのね。

あぅあぅ

 

「新しい双剣の作成をお願いします」

 

「ふむぅ」

 

モミジが代わりに言ってくれた。

するとオッチャンは見定めるようにこっちを見た。

…目と目が合う、瞬間好ーきだとー

 

「…最近ハンターになったのか」

 

…なぜわかった。

 

 

「体つきからな」

 

 

経験者は違うなぁ。

 

 

「おまえの体つきだと…」

 

 

そう言ってオッチャンはカタログを見せてきた。

 

乗っていたのは二つ

 

練習で俺が持った骨製のボーンシックル

 

実戦試験で使った木製のユクモノ双剣

 

どちらも軽さを重視した双剣だ。

 

 

「もう少し重い双剣ってないんですか?」

 

 

「む?軽いか?」

 

 

いやそんなことはない。ただ、威力が落ちるのではないだろうか。

アオアシラとの戦いでそう実感した。

あれでも最序盤のモンスターだ。

そいつでさえ、言い方は悪いが、ケツ切り裂いて怯みもしなかったのだ。

重みがある方がいいだろう。いやそうに違いない。

 

 

「ふむ…そんなに言うなら…」

 

 

っと、オッチャンは今度はカタログではなく実物の双剣を持ってきた。しかも変わった形の。

 

 

「こんな双剣見たことないよ?」

 

 

ここでモミジが興味を示す。

この双剣は確か…青熊双鉞って名前だったはず。

せいゆうそうえつ って読むんだ。

鉞はまさかりの意味。

要するに斧二振りだ

 

 

「これはまだ商品化してないもんで、アオアシラの素材を使って作ったんだ」

 

 

この世界じゃまだ商品化してないのね。

 

 

「へー!レアものじゃん!」

 

 

いいねその響き

 

 

「だが性能は十分のはずだ。試し振りしてみろ」

 

 

了解です。

こういう時は両手で思いっきり。

 

ブンッ

 

おお、空気を切る音が重々しい。

 

 

「なんかあったら言ってくれ。またすぐ修理する」

 

 

ただでくれんの!?

 

 

「んじゃ1500ゼニーな」

 

 

上げて落とすなよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…あかん、大事なこと忘れてた。

この武器斬れ味良くないんだった。

 

斬れ味とは、近接武器の強さを決める大きな要素。

斬れ味がよければ硬い部位も弾かれなくなり、柔らかい部位に対してもダメージが上がる。その逆も然り。

ゲームだと 赤 橙 黄 緑 青 白 紫 の7色に段階化されていた。

 

で、肝心のこの武器は…黄色

 

レアものって言葉にやられたわ。

 

 

「はぁ」

 

 

ため息ついても仕方ない。

もらった武器だ。大事にしよう。

とここで…

 

 

「重いのを選ぶなんて変わってるね」

 

 

「ん?なんで?」

 

 

「だって、双剣って手数の多さが売りでしょ?」

 

 

言われてみれば。

小さな隙にも攻撃できるのが、双剣の長所だ。

扱いやすさが最優先なのは間違いない。

 

だが曲者の方が俺は好みかも。

あくまで個人の意見だけどね。

 

 

「カヅキって変なこだわりあるよね」

 

 

うっせ

 

 

「じゃあ武器できたし、狩り 行こ?」

 

 

え、いやあれは同じぐらいの実力になってからという意味でして…

 

 

「いいから行く!」

 

 

そのまま俺は集会所に連れていかれた。

 

防具?金ないからユクモノ一式だってばよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集会浴場にやってきた俺たち。

モミジの装備は双剣のツインフレイムにリオレウス一式だった。

武器、防具共々リオレウス&リオレイアというオスメス火竜セット。

流石に上位装備のレウスsではなかったが、そもそもこの世界、上位ハンターも多くないのでかなりの実力者だって一目でわかる。

 

さてさて、ゲームじゃ人いなかったけど、こっちだとここはまあすごい賑わってるな。

しかも広くなってる。

 

 

「クエストボードは奥だよ」

 

 

クエストは奥のボードのものを受付に持っていくようだ。

どれにしようか。

 

 

「これにしない?」

 

 

モミジさんオススメのクエストは…

 

ドスファンゴ一頭の討伐

 

うん。まあ最初ならちょうどいいかも。

で、クエスト名はなんだろう。

 

…ざわめく森

 

なんか聞いたことあるなこの名前。

なんだったっけな。

うーん。

 

まあいいや

 

 

 

「ドスファンゴ一頭の討伐ですね。承認しました。よい狩りを!」

 

 

受付嬢に営業スマイルで送り出された俺は、ガーグァ車を選んでいた。

 

「グワッ」

 

「グワワ」

 

「ギョエエ」

 

 

どれも元気ありそうだ

てかなんか声変なのいるな。

 

 

「グワグワァ」

 

 

ん?お前確か…

 

そうだ、試験の時に世話になったガーグァじゃねーか!

俺のこと覚えててくれたのか!?

 

 

「判別できる君も相当だけどね…」

 

 

何をバカな。

ガー助(今命名)にはなら特徴的なアホ毛があるんだよ!

 

 

「よろしくな、ガー助」

 

 

「ガーグァ!」

 

 

「息ぴったり…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺たちは、渓流に向かった。

ついた頃には夜になっていた。

月明かりが綺麗だね。

あそうそう、今回は正式な依頼だから、ギルドから支給品が出てるんだった。

 

 

「支給品は持ってっていいよ」

 

 

モミジさん太っ腹。でも全部もらうのは申し訳ないな。

 

 

「半分ずつでいいよ。モミジもあった方がいいでしょ?」

 

 

「そうだけど…」

 

 

まあゲームでは礼儀みたいなもんだしね

 

支給品を受け取った俺たちは川に近いエリア7へと向かった。

もちろん徒歩で。

 

しっかし眺めいいな。道中も、昔の段々畑の後とか、雷光虫が蛍みたいで綺麗だったりとか、飽きない。

 

そんな中、エリアに着くと、奴はいた。

白いたてがみを持つ大猪。ドスファンゴだ。

その周りには取り巻くように一回り小さいブルファンゴがいる。

 

「カヅキ。作戦は決めてあるから、聞いて」

 

「オッケー」

 

「…おっけー? どういう意味?」

 

「ごめん気にしないでいいよ」

 

「…わかった。で、作戦なんだけど…」

 

俺が取り巻きのブルファンゴを、モミジがドスファンゴを攻撃するというものだった。

シンプルで、かつ効率的だ。

 

「ブルファンゴを片付けたら?」

 

「合流して罠を張って」

 

 

「了解です」

 

 

 

 

 

そして狩猟開始

 

とりあえず後ろを向いているブルファンゴにきりかかる。

 

 

「ブモォ!?」

 

 

流石に小型モンスターだけあって怯みはするようだ。

隙を与えずに斬りかかる。

 

ザクッ ザクッ

 

ブルファンゴが唸りながら倒れた。

すまん。

 

それにしてもやっぱ少し重めだな、この武器。

威力がある分扱いづらい。

でもそっちの方が面白い。

 

一頭終わり。あと二頭。

 

 

「ブオオォ!」

 

 

片方が突進してきた。

ギリギリで横に避けたが、風が結構きた。しかもだいぶ早い。

だがまあブルファンゴはブルファンゴだ。

突進も直進的だし、当たらなければどうということはn

 

ドゴォ

 

 

「ケホッ、ゴホッ」

 

痛い痛い。いや痛い。

人が油断してる時に攻撃するなんて。貴様らには血も涙もないのか。

この世界は生きている。

だがブルファンゴ、てめーはだめだ。

 

 

「死すべし、死すべし」

 

 

斬りかかった。

 

調和を保つものとしてやってはいけないことだ。

良いハンターは真似しないでね。

 

 

 

 

 

ちょっと時間かかったけど討伐完了。

突進は直線的で読みやすかった。

 

 

「おーいモミジこっちは…」

 

 

終わった。そう言いかけた瞬間固まってしまった。

なんかモミジがリ◯ァイ兵長みたいな動きしてるんだけど。

あれだろ。ガス噴射装置でもついてんだろ。

 

…まあ説明すると、あれはエリアルスタイルだ。

このスタイルだと、前転回避がエア回避(空中前転回避)になって、相手を踏みつけてジャンプできるようになる。

随分アクロバティックだが、双剣は頭一つ抜けて派手なのだ。

公式も某巨人漫画を参考にしたって言ってたし。

 

ドスファンゴが可哀想になってきた。

 

いや防戦一方ではないんだけど、あいつ火に弱いのよ。

モミジの双剣は火竜素材だから火属性な訳で。

今回俺の出番ないかも。

 

 

ってそうじゃなくて。

 

「こっちは終わった!」

 

これを伝えるの忘れてた。

 

「了解!」

 

モミジがそう言った瞬間、ドスファンゴが足を引きずり始めた。

タイミング良すぎかよ。

 

「エリア5に先回りして!捕獲する!」

 

そうゆうこと先に言ってくれませんかね。

 

説明しておくと、捕獲っていうのは文字通りモンスターを捕獲することだ。

やり方は簡単。

弱らせて、罠にはめて、麻酔玉を2個投げる、これだけ。

 

「わかった!」

 

そのままドスファンゴを追い抜いてエリア5へ。

おい、俺を睨むな大猪。

捕獲するだけだから。

あ、でも捕獲した後ってどうするんだろう。

解体?…

考えたくないな。捕獲しよう。捕獲。

 

 

 

 

 

 

罠張って待つこと2分

 

ノロノロドスファンゴがやってきた。

はやくかかれー罠に。

そうそう、そのままそのまま…

 

 

 

 

パキパキッ

 

 

 

森の方から木の枝の折れる音がした

 

ブルファンゴかと思った。

 

だけどその音は次第に大きくなって…

 

 

 

メキィ バギバキ

 

 

 

音を出した本体が森から出てきた。

 

思わず目を疑った。

 

 

 

「ウオオオォォォォン!!!!」

 

 

 

雷狼竜、ジンオウガだ。




戦闘は次回からとなります
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