北上「来月、前線に行ってくるねー」 ショタ「お土産は?」 作:くれ
―ヒトサンサンマル 鎮守府廊下―
北上「そうねー。ショタっちは何が欲しい?」
ショタ「え、これから買いに行くの? それとも作るの?」
北上「・・・・・・あのね-」
北上「お土産ってのは普通、出先で買ってくるものなのさ」
北上「行く前に買って渡すのは、お土産って言わないわけよ」
ショタ「でも・・・・・・」
摩耶「よ~、ショタ」ガシッ
摩耶「元気してっか?」グリグリ
ショタ「ま、摩耶おねーちゃんっ。目が回るから、僕の頭を掴んで振り回すの止めてよ~」グワングワン
摩耶「固いこと言うなよー。アタシとショタの仲だろ~」グリグリグリグリ
鳥海「摩耶、その辺で」
摩耶「へーい」パッ
ショタ「はあはあ・・・・・・ありがとう、鳥海おねーちゃん」
鳥海「どういたしまして、ショタ君」ニコッ
鳥海「・・・・・・・」
鳥海「ところでショタ君」
鳥海「これ、貰ってくれませんか?」スッ
ショタ(ピンクの四角い箱)
ショタ(赤いリボンでラッピングされてる)
ショタ「これは?」
鳥海「これはですね・・・・・・」
鳥海「ショタ君が大好きなネバネバ食品詰め合わせです」ニコッ
ショタ「好きじゃないよ。うわーん」ポイッ
鳥海「ああっ、投げちゃダメですよっ」
北上「・・・・・・うわー」
摩耶「鳥海、その嘘アタシの頭グリグリよりエグいぞ」
ショタ「・・・・・・・・・・」ガクブルガクブル
北上「おー、よしよし」
北上(あたしの背中に隠れて、出てこなくなっちゃった)
北上(初めて納豆食べた時から、この子ネバネバの食べ物苦手になっちゃったのよねー)
北上(まあ、まだ6歳だし。苦手な食べ物があるのは仕方ないかなー)
北上(・・・・・・)
北上(果たしてこの子が納豆食べられるようになるのを、あたしが見られる日は来るのかねー)ナデナデ
摩耶「あーあ、箱潰れちゃったじゃねーか」ヒョイ
摩耶「まあ、中身は大丈夫だろ。ほら、鳥海」スッ
鳥海「ありがとう」
鳥海「・・・・・・」
鳥海「ショタ君」シャガミ
鳥海「中身がネバネバ食品って言うのは嘘なの」
鳥海「ショタ君が可愛いからついついからかっちゃったのよ。ごめなさい」ペコリ
鳥海「本当の中身は私と摩耶が作ったクッキーよ」
鳥海「鳳翔さんに教えてもらいながら作ったし、味見もしたから」
鳥海「よかったら後で食べて?」
ショタ「・・・・・・ほんと?」
摩耶「ああ、本当だよ。アタシ達が頑張って作ったんだ。食べないってことはないよな?」
ショタ「ありがとう、ふたりとも」
ショタ「あとでお父さんと一緒に食べるねっ」
北上「ねーねーあたしはー?」
ショタ「北上おねーちゃんも。あ、あと金剛も呼ぼうねっ」キラキラ
北上「そうねー。呼ぼうねー」
北上(ああ、なんていい顔)
北上(でもあたしは知っている)
北上(この満面の笑みは金剛その人ではなく、彼女がおやつタイムに出すショタっち用の高級グレープジュースに向けられているものなのだということに)
北上(哀れ金剛)
~~~
金剛「atishoo(ハクショイッ)!」
金剛「Ah~、コレはきっと今頃提督と提督ジュニアが私を巡って言い争いをしていますネー」
金剛「なんて罪作りな女なんでショー・・・・・・」ズビズビ
~~~
鳥海「喜んで貰えたようで良かったですね、摩耶」ヒソヒソ
摩耶「そうだな。慣れないことをした甲斐があったってもんだ」ヒソヒソ
鳥海「まあ、私はもう少し手の込んだ物を作っても良かったんですけど」ヒソヒソ
摩耶「・・・・・・ああ、そーだな」ヒソヒソ
摩耶(あの箱の中身ほとんどアタシの焼いたのだけどな。誰かさんがほとんど黒焦げにしたから)
北上「・・・・・・」
北上「ところで、その背中の荷物」
摩耶「ああ、これかい?」
摩耶「そうそう、今から出発するんだよ。例の最前線に向けて」
鳥海「午前中に姉さん達をはじめとした鎮守府の皆さん、そして先程司令官さんに出発の挨拶をしてきました」
鳥海「お二人で最後です」
北上「・・・・・・そっかぁ」
鳥海「北上さん」
鳥海「お世話になりました」ペコリ
摩耶「ショタと提督のことよろしくな」
摩耶「特に提督の方は・・・・・・無愛想で誤解されやすいから」
摩耶「新しいのが来たら、フォローしてやってくれ」
北上「あー、うん。任せといてよ」
北上(とは言っても、来月にはあたしも二人と一緒の戦線に行くんだけどね)
北上(ここであえて口にする必要もないし。黙っとこ)
摩耶「おーし、ショタ。こっち来なっ」
ショタ「なに?」
摩耶「いいからいいから」
ショタ「うん」テトテト
摩耶「そりゃっ」ギュ
ショタ「ぐむっ」
ショタ「く、苦しいよぉ。摩耶おねーちゃん」ジタバタ
摩耶「へっへ-、逃がさないぜー。ショタぁ」ムギュウー
ショタ「ん~~っ」
摩耶「・・・・・・」
摩耶「なあ、ショタ」
摩耶「アタシの身体、ちゃんとあったかいか?」
摩耶「アタシの心臓の音、ちゃんと聞こえてるか?」
ショタ「どうしたの急に?」
ショタ「・・・・・・」
ショタ「うん、あったかいよ」
ショタ「心臓の音もドクンドクンって。とっても早くて大きいよ」
摩耶「そっか、良かった」
摩耶「・・・・・・・アタシ、生きてる」
摩耶「まだ、生きてるんだよな。アタシ」
鳥海「そうよ、摩耶」ギュ
鳥海「摩耶もショタ君も、私だって生きてる」
鳥海「生きてるから、こうやって抱きしめ合えるんだよ」
ショタ(鳥海おねーちゃんも背中に)
摩耶「・・・・・・」
鳥海「・・・・・・」
ショタ「・・・・・・」
ショタ(どうしよう、動けない)
北上「いいねぇ、その天性の女ったらしぶり、しびれるねぇ」
北上「この歳から美人ふたりをはべらすなんて、将来は大佐か元帥様かねー」
北上「偉くなったらあたしを養ってね、ありがとね」
ショタ「そんなんじゃないよっ!」
ショタ「いいから、助けてよぉ」
鳥海「あら、私はショタ君の女になるのも満更じゃないわよ」チュッ
ショタ「なっ///」カァ
ショタ(鳥海おねーちゃん、今僕のほっぺにチューって)
摩耶「おっと、じゃあアタシも唾つけとこ」チュッ
ショタ(摩耶おねーちゃんまでっ)
ショタ(本当にふたりともどうしちゃったんだろ・・・・・・)
北上「はいはーい、そこまでー」
北上「そろそろ出発しないと、日が暮れるまでに中継地点の泊地に着かないよー」
摩耶「それもそうだな。他の鎮守府の艦娘と合流しなきゃだし」パッ
鳥海「遅れるわけにもいきませんからね」パッ
ショタ「ぷはっ」
ショタ(助かった、ようやく解放された)スーハー
摩耶「じゃあ、ショタ」
鳥海「北上さん」
摩耶 鳥海「「いってきます」」
摩耶「アタシ達の“お土産”」
鳥海「楽しんで食べてくださいね」
ショタ「行ってらっしゃーい」フリフリ
北上「頑張ってねー」フリフリ
ショタ「・・・・・・」フリフリ
北上「・・・・・・」フリフリ
ショタ「・・・・・・」
北上「・・・・・・」
ショタ「・・・・・・行っちゃったね」
北上「そうねー」
ショタ「・・・・・」
ショタ「ふたりとも、なんかちょっと変だったね」
ショタ「それにギュッとされたとき、震えてた」
北上「まー、しょうがないんじゃない?」
北上「これから行くのは深海棲艦との戦いの最前線」
北上「敵もflagship級ばっかりらしいし、この辺りでは見かけない最新の航空機や装備なんかもあるだろうし」
北上「さっきまで話をしてた艦隊の仲間が、次の瞬間轟沈してる、なんてことも珍しくないって」
北上「おまけに、物資の補給も不定期。豪雨じゃない方のゲリラもしょっちゅう」
北上「あー、怖い怖い」
ショタ「でも、おねーちゃん達なら、きっと大丈夫だよっ」
北上「んー、どうして-?」
ショタ「だって、摩耶おねーちゃんは、演習で飛んでくる艦載機をいっぱい打ち落としてたし」
ショタ「鳥海おねーちゃんは、夜戦で光って、バンバン砲撃を当ててカッコいいんだ」
ショタ「それに知ってるでしょ?」
ショタ「数週間後にはみんな、元気に帰ってきてるって!」ニコ
ショタ「ウチの鎮守府の艦娘は強いから、絶対絶対無事に帰ってくるんだ!」
北上「・・・・・・そうねー」
北上「その通りだね、ショタっち」
北上「そんなしびれる発言が出来るなんて、いつの間に男を磨いてたのさー」
北上「勝手に成長しないでよ、寂しいじゃんかー」ウリウリ
ショタ「ちょっと、お姉ちゃんまで止めてよ」
北上「つれないなぁ」スッ
ショタ「じゃあ僕、金剛探してくるね」
ショタ「おねーちゃんは、お父さんを探してきて。一緒に摩耶おねーちゃんと、鳥海おねーちゃんのお土産を食べ・・・・・・ああっ」
北上「んー、どしたのー?」
ショタ「ほら、お土産。ふたりとも行く前にくれたよ。前に行ったおねーちゃんたちも同じだった」
ショタ「やっぱり僕の言った通り。お土産は出かける前に渡すものなんだよ、分かった」フフン
北上「あー、うん」
北上(この、“お土産”はこの鎮守府だけのものだと思うんだけど・・・・・・)
北上「そうだね、ショタっちの言うとおりだねー。あたしが間違ってたよ」ナデナデ
ショタ「えへへ、もっと褒めて褒めてー」
北上「よーしよしよし」ナデナデ
北上(欲望に素直だなぁ)
ショタ「じゃあ、改めて金剛探してくるねっ」
北上「うん、急ぎすぎて転ばないでねー」
ショタ「うんっ」ピュー
北上「元気だなぁ」
北上「・・・・・・」
北上「で、何か用?」
提督「・・・・・・気付いてたのか」
北上「まね。このハイパー北上さまが、何年一緒にいると思ってるのさ」
提督「・・・・・・」
提督「摩耶と鳥海はもう行ったか」
北上「うん」
北上「ねえ」
北上「司令室でふたりになんて声をかけたの?」
提督「いつも通り声を掛けたさ」
提督「作戦と海域の説明をした後」
提督「『暁の水平線に勝利を刻め』と」
北上「・・・・・・はぁ」
北上「変わらないねぇ」
北上「せめて一言くらい、本心を伝えてもいいんじゃないの?」
提督「勝て、というのが私の本心だ」
提督「それに、変わるつもりもない」
提督「そういう人間だということは、会ったその日に分かっていたはずだが?」
北上「そうだねー」ゴソゴソ
北上「そうだったねー」ペリペリ
北上「・・・・・・うまうま」チュポ
提督「上官と喋っている最中に、口に食べ物を含む、か」
提督「随分と偉いご身分じゃないか。北上」
北上「ふかしてもいいなら、そうするんだけどねー」タバコを指に挟むジェスチャー
提督「この鎮守府は全面禁煙だ」
北上「知ってるよー。提督がこの鎮守府を引き継いで初めてしたのが禁煙宣言だったよね-」
北上「それまでは特にお咎めなしだったのに。世知辛いよね-」
北上「前提督と一緒に一服したあの時間は、思えば何気にわびさびだったよねー」
北上「あ、そだ」
北上「食べる? さくらんぼ味だけど」
提督「遠慮しておく」
提督「甘いものは、あまり好きではなくてね」
提督「それでは失礼する。今日中にこなさなければならない業務がまだ残っているのでね」スタスタ
北上「じゃあせめて、おやつの時間はショタっちと一緒に過ごしてあげてよ」
北上「さっきふたりから貰ったクッキー、ショタっちが一緒に食べたいってさ」
提督「・・・・・・」ピタッ
提督「今日は終業まで司令室にいる」
提督「扉も開けておこう」スタスタスタスタ
北上「・・・・・・」
北上「・・・・・・・今更甘党ってことも隠す必要ないのに」ヤレヤレ
北上(禁煙の理由が、嫌いな父親がタバコを吸ってたからってこと)
北上(そして当時生まれたばかりの、息子のショタっちの健康を害するからってこと)
北上「前半だけだったら、隠れて吸ってやったんだけどなぁ」ヤレヤレ
\ワー、キャー/
北上「ん? 外が騒がしい」チラッ
『今度は暁の出番ね。レディーとして務めさせていただくわっ』
『はわわっ、ピンクは電がやりたいのです』
『なら、私は暁と電のお母さん役ね。響は飼い犬のハラショー、いい?』
『・・・・・・ハラショー』
北上「駆逐艦? ああ、ウザい」
北上(けど、見てる分には微笑ましいかな、たぶん。わかんないけど)
北上「さてさて、そろそろショタっちが金剛を捕まえてるころだろうし」
北上「北上さまも、司令室に向かいますかー」トコトコ
―ヒトゴーマルマル 司令室―
北上「重雷装巡洋艦、北上! 入りまーす」ガチャリ
ショタ「あっ、おねーちゃん来た」
金剛「Oh、北上! Well come! よく来たネー!さあ、こっちにドーゾ!」
北上「それでは、失礼おば」
北上(しかし、いつ見ても金剛のティーセットは豪華だよねー)
北上「……」チラッ
提督「……」
北上(……よしよし、ちゃんといるねー)ニヤリ
ショタ「どうしたの? 座らないの?」
北上「ああ、うん。失礼しまーす」
金剛「北上―、紅茶はsugarナシでいいですカー?」
北上「おねがーい」
金剛「提督ジュニアはグレープジュースですネー」
ショタ「うんっ、お願い」キラキラ
提督「……」
提督「金剛、私には聞かないのか?」
金剛「ノン、提督のことは聞かなくても分かりマース」
金剛「sweetなお菓子の時は、sugarなし、ですよネー?」
提督「……」
北上「おお、いいねー。以心伝心ってやつ? 妬けるねー」
北上「どうよー、提督。浮気相手に見目麗しい帰国子女の艦娘は」ニヤニヤ
提督「やめてくれ、私は既婚者」
提督「そして結婚相手は一般女性だ」
提督「それに、いくら見た目が若いとはいえ、この金剛は前提督が着任当初建造した艦娘で、私よりも年上d金剛「提督?」」
金剛「Ladyの年齢を話題にするのは、あまりにdelicacyに欠ける行為だと思うネー」ニコニコ
提督「……っゾクッ
提督「す、すまない。浅慮だった」
金剛「分かれば良いんデース」
金剛「提督はお利口さんネー」ナデナデ
提督「金剛っ、私は君の上官で……」
金剛「それはそれデース。今はBreak time、家族の団欒に上官もへったくれもないネー」ナデナデ
ショタ「お父さんと金剛って、仲良いよね。お姉ちゃん」
北上「そうねー、金剛が建造されてからすぐに提督が生まれたらしいからねー」
北上「感覚的には姉弟みたいなもんなんでしょ、ほほえまー」
北上(まあ、フツー男女逆だと思うんだけどねー、この光景)
金剛「Hi!それじゃあ皆さん、自分のdrinkはありますネ。提督ジュニア、このお皿にクッキーをお願いしマース」
ショタ「うん」カラカラ
北上(所々焦げて、形も歪。でも……)
金剛「Wow! これはとてもおいしそうデース!まごころを感じるネー!」
提督「ミントも混ぜ込んであるのか。香りもいい」
金剛「my sisterたちにも食べさせてあげたかったけど……数が少ないので今回はsorryネ」
ショタ「ねえねえ、早く食べよ!」
北上「んと、数は」
北上「ひい、ふう、みい……19枚か」
提督「……19枚」
金剛「……nineteenth」
北上 提督 金剛「「「……」」」
ショタ「?」
ショタ「どうしたの?早く食べようよっ」
ショタ「でも、4人じゃちょうど分けられないから、一枚ずつ配って、4枚より少なくなったら、残りは一番子供の僕が貰ってもいいよね?」
北上 提督 金剛「「「ショタっち(ショタ,提督ジュニア)は4枚ね(な,デース)」」」
ショタ「なんでさっ!?」ガビーン
北上「いやいや、どうして人にあげるクッキーの枚数をわざわざ素数にする必要があるのさ。嫌がらせ?」
提督「せめてあと1枚食べておくべきだったな」
金剛「ひとりで11枚も食べるなんて、とんだいやしんぼデース」
北上「ほんと、誰に似たんだろうねー」チラッ
提督「どうしてそこで私を見る? 北上」
ショタ「ぼっ、僕は11枚も食べてないよっ。食べたのは1枚だけ……あっ」
金剛「誘導尋問に引っかかりましたネ、提督ジュニアー」ニヤニヤ
北上「分かりやすいし、引っかかりやすすぎ。ほんと、誰に似たんだろうねー」
提督「だからそこで俺……私を見るな、北上」
ショタ「ううっ」
ショタ「だって、待ちきれなかったんだもん」ウルウル
ショタ「ごめんなさい。誤魔化そうとして」
北上 提督 金剛「「「……」」」
北上「まあ、食べちゃったのは仕方ないし。ショタっちだけは4枚ね」テキパキ
北上「・・・・・・で」
北上「はい、あたしの分、一枚ショタっちにあげるね」ヒョイ
金剛「私のもあげますヨー」ヒョイ
提督「まあ、私もこんなにいらないしな」ヒョイ
ショタ「みんな」
ショタ「ありがとう」ゴシゴシ
金剛「ソーソー、日本男児はEasyに女性へ涙を見せちゃNoなんだからネー」
北上「じゃあ一段落ついたところで」
提督「そうだな、では」
「「「「いただきます」」」」サクッ
北上「んー」
金剛「Oh―これは・・・・・・」
提督「何というか」
ショタ「うん、なんか不思議な味だよね」
ショタ「甘いけど、ちょっとしょっぱいんだ。何でだろ」
北上「・・・・・・そーね」
北上「無塩バターじゃなくて、普通のバターを使っちゃったとかじゃないかな?」
ショタ「えっ、普通のバターじゃ、クッキー作れないの?」
北上「そりゃ、作れなくはないけどさ」
北上「普通のバターは塩分が多いから、クッキーがこんな風にしょっぱくなっちゃうらしいよ?」
北上「ねっ、提督」
提督「・・・・・・さあな」
提督「金剛」
金剛「? なんですカー?」
提督「角砂糖を貰えるだろうか」
提督「私には少しこのクッキーは塩辛くてね」
金剛「Yes、今入れるヨ。1個でイイ?」
提督「······2個たのむ」
北上(提督はクッキーを口に運びながら、振り返って窓の外を眺めていた)
北上(だからそんな提督がどんな顔をしているのか、あたし達からは見えなかったけど)
北上(提督の肩越しに見える、雲ひとつない空はあまりにも眩しくて)
北上「・・・・・・」サク
北上(彼女達の置いていったお土産の二口目は)
北上(一口目よりもずっと、しょっぱく感じた)
北上「提督―、ケッコンカッコカリしよー」提督「ん?」 につづく