北上「来月、前線に行ってくるねー」 ショタ「お土産は?」 作:くれ
―ヒトサンサンゴー 鎮守府廊下―
ショタ「えーとね、前どこかで聞いたんだけどね」
ショタ「艦娘の制服って、それぞれに思い入れがあるから」
ショタ「滅多に自分の制服のデザインを変えないんだって」
ショタ「でも、ふたりとも前線から帰ってきたら制服が変わってるから」
ショタ「どうしてだろうなーって」
ショタ「ねえ、どーして?」
鳥海「ええっとね、ショタ君」
摩耶「それはだな、その・・・・・・」
北上「あー、そっかぁ」ポンッ
北上「ショタっちは知らなかったんだったねー」ウンウン
北上「いい? ショタっち。艦娘はね」
北上「デジ○ンと同じなんだよ」ビシッ
ショタ「えっ」
摩耶「えっ」
鳥海「えっ」
ショタ「あれ、なんで摩耶おねーちゃん達まで驚いてるの?」
摩耶「ああ、いや。北上があまりにも当たり前のことをいきなり言うからさ」アセアセ
鳥海「ビックリしちゃったんだー」アセアセ
ショタ「ふーん」
摩耶「・・・・・・なに言ってんだ、北上のやつ」ヒソヒソ
摩耶「そんな話、建造されてこのかた1度だって聞いたことねーぞ」ヒソヒソ
鳥海「まあ、北上さんはこの鎮守府の古参だし」ヒソヒソ
鳥海「ショタ君の扱いにも慣れているようだから、ひとまず任せてみましょう」ヒソヒソ
北上「ショタっちは、デ○モン知ってるよね?」
ショタ「ナゲットのやつ?」
北上「そうそうー」
摩耶 鳥海((デ○モン認識の仕方がヒドい))
北上「ふたりはねー、前線に行く前は完全体だったんだよ」
北上「だから凄く強かったでしょー?」
ショタ「うん」
北上「で、前線に行って戦って、活躍して」
北上「力を使い果たして、幼年期に戻っちゃったの」
北上「それで制服も完全体から、幼年期のものに戻っちゃったんだよ」
北上「わかった?」
ショタ「へー」
ショタ「そーなんだー」ポケー
北上「ショタっちは理解が早くて助かるなー」ナデナデ
鳥海(理解したっていうよりは)
摩耶(理解するのを放棄したって言った方が正しい気もするけどな)
摩耶(まあ、ひとまずこの話に乗っておこう)
摩耶「まっ、そーいうことだ。ショタ」
摩耶「前よりちょっとばかし、弱くなっちまったけどよ」
摩耶「すぐ練度を上げて、またカッケー摩耶様を拝ませてやっからよ」
摩耶「楽しみにしてな」ニカッ
北上「へー、言うじゃない」ポンッ
北上「あたしもさー、練度あげしてるところなんだよねー」
北上「今から訓練、いってみよっか?」ニカッ
摩耶「」
鳥海「じゃ、じゃあ私は失礼しまs」
北上「いやいや、みんなでやった方が、効率いいからさー」ガシッ
鳥海「」
北上「れっつごー」ズルズル
ショタ「ゴー」
―同ヒトサンサンゴー 応接室―
金剛「提督の紅茶デース」コトッ
提督「ありがとう、金剛」
提督「さて、待たせてすまないな。大佐」ポスッ
大佐「まったくだ」
大佐「これ以上、俺の時間を奪ってくれるな」
大佐「わざわざ俺が前線を離れて、この寂れた鎮守府を訪れたのは」
大佐「練度の艦娘の護衛をするためではない」
大佐「ましてや」
大佐「貴様らのくだらん漫才を見にきたのでは断じてない」
提督「・・・・・・」
大佐「俺と貴様の仲だ。前置きは省こう」
大佐「用件は、この鎮守府からの前線支援についてだ」
提督「・・・・・・支援なら、十分しているだろ?」
提督「ここ2,3年の前線への物資支援は、燃料、弾薬、鋼材、そしてボーキサイト」
提督「大本営からの支援を除けば、どれをとっても我が鎮守府が一番の供給元のはずだ」
提督「それも供給は不定期ではなく」
提督「3日に1回は、前線に供給出来るように、輸送艦隊を送り出している」
提督「これでもまだ足りないと?」
大佐「・・・・・・」
提督「まあ、前線が大変なのも分かる」
提督「心中、お察しするよ」
提督「予期せぬ事態に対して、常に気を張っていなければいけない極限状態で」
提督「心配事はなるべく減らしておきたいのだろう」
提督「金剛」
金剛「ハイ、提督」
提督「前線への供給回数を増やす」
提督「それにあたり。追加で輸送に必要な装備を工廠で揃えてくれ」
金剛「Okネ。明日中には開発しておきm 提督「金剛」」
提督「今すぐ、作ってきて欲しいんだ」
提督「明日の朝一、使うことになるからな」
金剛「・・・・・・・Yes」
金剛「分かったヨー提督」スッ
金剛「じゃあ、行ってくるネー」ヒラヒラ
バタンッ
大佐「・・・・・・ふんっ」
大佐「時雨」
時雨「何かな? 大佐」
大佐「あの金剛についていけ」
時雨「え?」
大佐「開発の手伝いをしてやれと言ったんだ」
大佐「この開発は、俺達にも関係することだからな」
大佐「前線への供給物資をすべて開発に使われでもしたらたまらん」
時雨「・・・・・・・まあ、僕は」
時雨「大佐の命令なら、なんでも従うけれど」チラッ
提督「ああ」
提督「金剛と一緒になら、工廠に立ち入ってくれても別に構わない」
提督「戦艦では作りにくいものもあるからな、むしろ手伝ってくれた方が私は助かる」
大佐「だ、そうだ。時雨」
大佐「それと、時雨」
大佐「・・・・・・・、・・・、・・・・・・」ボソボソッ
時雨「!」
時雨「・・・・・・了解、出来る限りのことはやってみるよ」
時雨「それじゃ、行ってくる」スッ
バタン
大佐「・・・・・・」
大佐「・・・・・・いつまで経っても甘ちゃんなのは変わらない、か」
提督「何の話だ?」
大佐「いや、こっちの話だ」
大佐(艦娘に対して、いつまでも情を捨てきれない、脆弱な男)
大佐(そんな甘ちゃんの意図を分かってしまう、自分自身の不甲斐なさのな)
―ヒトサンゴーマル 鎮守府廊下―
金剛「burning~♪,burning~♪,burning loooove~♪」フンフフフー
時雨「待ってよ、金剛」
金剛「時雨? どうしたネー?」クビカシゲ
金剛「大佐に君の手伝いをしろと言われてね。勿論、君の提督にも許可はもらってある」
時雨「同行しても構わないだろうか」
金剛「Really? それはとーっても助かりマース!」ガシッ
時雨「・・・・・・っ」
金剛「Thank Youネ、時雨―っ」ブンブン
時雨「・・・・・・」
時雨「わ、分かったから、僕の両手を解放してくれないかい?」
時雨「すごく痛いんだけど」
金剛「Oh! Sorry,Sorryネー。ついtensionが上がってしまいましター」パッ
時雨「いや、いいんだ。分かってくれれば」
時雨「じゃあ、工廠に急ごうか」
金剛「そうしまショー」
時雨「・・・・・・」スタスタ
金剛「・・・・・・」スタスタ ニコニコ
時雨「・・・・・・」スタスタ
金剛「・・・・・・」スタスタ ニコニコ
時雨「・・・・・・・」
時雨「なんだい、さっきから」
金剛「いえ、時雨は優しいなーと思ってネー」
時雨「優しい?」
時雨「僕が?」
金剛「Yes。だってさっき、無理矢理手を解こうとせずに」
金剛「一言声をかけてくれたでしょ? 私を傷つけない為に」
金剛「嫌なら振りほどいてくれても良かったんですヨー?」
時雨「別に、そう言うつもりじゃなかったんだけどね」
時雨「・・・・・・」スッ(背中に腕を隠す)
時雨(単に出来なかったのさ。両手が痺れてね)
時雨(今でもまだ、痺れたままだけれど)ビリビリ
時雨(それに・・・・・・)
『金剛「Really? それはとーっても助かりマース!」ガシッ 時雨「・・・・・・っ」』
時雨(手を掴まれるまで、反応出来なかった)
時雨(常に戦いの前線で、感覚を研ぎ澄ませている僕が)
時雨(手を掴まれて初めて、そのことに気が付いて)
時雨(そして気がついてもなお、その握力に僕は為す術がなかった)
金剛「~~~♪」フンフフフフーン
時雨「ねえ、金剛」
時雨「君は昔、“鬼神”って呼ばれてたんだよね」
金剛「What? キシン?」ウーン
金剛「キシン、きしん・・・・・・Oh! “鬼神”、もしかして、Demonのことですかーっ!?」
金剛「No Way! こんなprettyな艦娘を捕まえて、Demonだなんてあんまりデース!」ヨヨヨ
金剛「ああ、そうデース。Rememberしまシタ」ハッ
金剛「“Princess”! 姫と書いて“姫神”となら、呼ばれていたかもしれまセーン」ウンウン
金剛「Hey、時雨―! 私のことはこれからプリンセスと呼んでくれてもいいんですヨー?」
時雨「・・・・・・」
時雨「そうか、分かったよ」
時雨「プリンセス」ニコッ
金剛「はうっ///」ピクッ
時雨「どうしたのプリンセス?」
時雨「顔が真っ赤だよプリンセス」
金剛「Stop! ストップ、時雨っ!」
金剛「Let's forget! 私が悪かったデース! 忘れてくだサーイ////」パタパタ
時雨「うーん、そうだな」
時雨「じゃあ勝負をして、金剛が僕に勝ったら」
時雨「さっきのは忘れてあげる」
金剛「Thank You! 時雨、感謝デース!」
時雨「決まりだね」ニコッ
時雨「じゃあ、工廠に行こうか」
時雨「早く開発を終わらせないと、勝負の時間がなくなってしまうからね」
金剛「Umm? 開発結果で勝負するんじゃないんですカー?」クビカシゲ
時雨「まさか」
時雨「勝負といったら勝負、“Fight”に決まってるだろ?」
金剛「時雨、それは・・・・・・」
時雨「大丈夫だよ、本気でやりあおうって言ってる分けじゃない。僕が言ってるのは演習さ」
時雨「ただの戦闘練習。もちろん先輩として、胸を貸してくれるよね?」
時雨「もしかして、駆逐艦の僕を気遣ってくれてるのかい?」
時雨「優しいね、金剛は。やっぱり上司が優しいと、その艦娘もいい子なんだね」
時雨「英国ではそんな人をなんて言うんだったかな・・・・・・そうだ」
時雨「Spoiledだったっけ? それともWussの方が合ってるかな?」
時雨「ねえ、金剛、棄権でもいいけどさ。それなら君の提督のあだ名、どっちがいいか選んでよ」ニコニコ
金剛「・・・・・・」
金剛「・・・・・・good grief(やれやれ)」フゥ
金剛「LadyがそんなDirtyな言葉を使うものじゃないネー」
金剛「OK。演習でも何でも付き合いマース」
金剛「開発、早く済ませてしまいまショー」
時雨「ありがとう、金剛」ニコッ
時雨「あ」
時雨「勿論、加減はしなくてもいいからね」
時雨「僕は駆逐艦だから、ひょっとしたら、手加減してくれようと考えてるかもしれないけど」
時雨「僕は前線を支える現役の艦娘で」
時雨「金剛は戦艦とはいえ、何年も戦闘から離れてる、もはや秘書艦にして雑用をさせるしか使いようがない、置物同然のロートルなんだからさ」
時雨「ちょーしこかずに、全力で来てね」
時雨「片手でぶっ潰してあげるからさっ♪」エヘッ
金剛「・・・・・・」
金剛「イヤー、時雨は凄いネー」
金剛「難しい日本語もいっぱい知ってるし、英語もとっても詳しいネー」
金剛「きっと大佐サンの教育が行き来届いてるんですネー」ウンウン
金剛「私、とってもとってもRespectデース」パチパチ
金剛「私たちの鎮守府では、あまり勉強をさせてあげれてないので」
金剛「前線指揮で忙しいのに、そうやって時雨たちをかまってあげられる大佐サンは」
金剛「1度にひとつのことしか出来ない、私たちの提督とは違いますネ」
金剛「そんな大佐サンみたいに、女性からRespectされる男性を英語ではですネ・・・・・・」
金剛「親愛を込めて、“Tom cat”と呼んでマース!」
金剛「だからネ、時雨」
金剛「私がWinnerになったときは、大佐サンのことをこれから一生、トムって呼んでもらいマース!」
金剛「私との約束ダヨ。破っちゃノーなんだからネ!」ニコッ
時雨「・・・・・・」ゾクッ
時雨「ああ、約束するよ」ゴクリ
時雨(物腰は柔らかいままなのに、一瞬背中に奔った悪寒)
時雨(これが“鬼神の金剛”)
時雨(かつて対抗演習で数多の大和型や外国戦艦を圧倒し)
時雨(数々の大規模作戦で、MVPを欲しいままにしてきた艦娘)
時雨(カッコカリ制度が出来た時期を境に、前線から離れ)
時雨(その名声は次第に薄れていったけれど)
時雨(さっきの彼女の背中に、僕は鬼を見た)
時雨(その気迫は本物だ。ちっとも衰えを感じない)
時雨(彼女を相手にするくらいなら、前線で戦艦flagship級とサシで対峙方がまだ気楽
ってものだ)
『大佐「たきつけて相手をして貰えいい経験になる、とはいえ、別に勝ってもかまわんぞ?」ボソボソッ』
時雨(・・・・・・でも)
時雨「僕は勝つよ。大佐」ボソッ
時雨(彼女に勝てないようじゃ、僕は僕の願いを果たせない)
時雨(この薬指の指輪に誓ったんだ)ギュッ
時雨(いつか、大佐の止まない雨を止めるって)
北上「で、今練度はどれくらいなの?」 摩耶「・・・・・ご」 につづく