青年放浪記   作:mZu

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風神録
第102話


その後射命丸の新聞によって幻想郷にいろんな場所に花が咲く異変は「咲花異変」として取り扱われる事となった。

 

その名称は別に良いのだが暫くなかった宴会を博麗神社で行うらしいので青年にも招待状は送られてきていた。しかし別に行くつもりもない。

 

実際霊夢は異変の主として三途の川まで辿り着いた挙句片っ端からそこで待っていた魂を成仏させて倒していった。

 

そしてそこに居た船頭をしばき倒してからその先まで進んで異変を解決したつもりでいるらしいが何がしたいのか青年にはよく分からなかった。

 

それで宴会を開いているのだから青年は余計に行きたくないのである。それでも主人と咲夜は参加を決めているらしく猫が背中を掴まれているような気分でついて行くだけなのである。

 

青年はその下らない催しに参加する為だけにここに足を運んできた。

 

「よく来たわね。」

いつもとは違い笑顔で埋め尽くされている霊夢に対して青年は不機嫌の塊だった。

 

青年は小町がどれだけ大変な思いをしているのかを知っている。それは映姫に対してもなのでとばっちりも良いところであるこの異変の解決の仕方は如何にも青年には納得のいかない感じであるらしい。

 

「今日はお招きいただき有難うございます。」

レミリアは上品にスカートの裾をあげて挨拶をする。それに合わせて咲夜も頭を下げて敬意を示すが青年は棒立ちのままこっそりと踵を返していた。

 

その事に気づいたらしい霊夢が一言言うがそのまま帰っていく。

 

「待ちなさい。貴方は本当に礼儀をわきまえることが出来ないのかしら。」

レミリアは青年に対して怒りをぶつけていたがそんな事で振り向いたりする程青年も従順では無かった。そう言うなら立場が逆になる可能性もあったりする。

 

「今回の宴会は不純な理由で行われているから参加はしたくない。その事は何回か伝えているはずだ。」

青年は届けられた招待状をレミリアと咲夜に見せてから自分はいかない趣旨を伝えていた。

 

それなのにも関わらずレミリアは青年を引っ張り出してきたわけである。

 

確かに招待された人間が行かずにその関係者が行くのはどうかと思うが青年にもそれなりの意思があっての行動であるために困惑することとなった。

 

「それはどう言う意味よ?」

霊夢は遂に不機嫌そうにし始めていた。青年は始まってもいないのに帰ろうとしているのでそれは主催としては由々しき事態であるので何とか対処をしたいと考えているがそう易々と事が進むとは思えないので此処は話を聞くだけに留めるらしい。

 

「なら聞くが霊夢がその三途の川に向かった時はどんな様子だった。」

 

「それは魂が沢山浮いていたから必至に札で成仏して回ったわよ。それを妨害してきた船頭たちを倒して回ったわよ。何か問題でもあるのかしら。」

 

「ある。小野塚 小町という船頭役の死神にあったか。赤い髪をした少女だが。」

 

「会ったわね。」

 

「あの人はあまりの仕事の量に一旦は怠業をかましたがそれ以降はそのような事はしていないと思われる。その仕事を妨害したのは誰だと思う。」

 

「私と言いたいの?逆に感謝されるべきよ。」

 

「そう思うならそうなのだろう、霊夢の中ではな。魂というのは一旦閻魔の元で然るべき報いを受ける必要がある。その報いも関係なしに霊夢は魂を成仏させた。その意味は分かるか?」

 

「いいえ。」

 

「転生しないんだ。つまり数多の魂に来世が来る事はなくなった。輪廻から弾き出した奴の開く宴会などに参加したくない。」

青年は何とも言えない怒りの中でかろうじて残る自我を頼りに話を進めていた。

 

霊夢のした事は転生をさせないようにした、つまりは間接的に永遠の死を与えた事になる。実際に見た事はないがどのような事になるのかはよく分かる。少なからず均衡が崩れるようになるのだろう。

 

青年は何方が異変を起こすのかは見なくてもよく分かる。しかし転生しないのかは知らないので変な事を口走った気がする。

 

「というぐらいの事があるかもしれない。小町にも映姫にも一回だけだが会ったことがあるが雑用係の死神まで使って魂を運んでいるのは知っている。徐々に数を減らしていたのを霊夢が邪魔したのは言うまでもない。」

青年は吐き捨てるように博麗神社の石段を降りていく。その背中には話しかけてほしくないようでそんな感じのオーラを感じた。

 

霊夢はそれ以上に話しかけるような気は起こらなかった。それに今回は魔理沙も欠席しているのでもしかしたらそのような事があるのかもしれない。

 

「それにしても主人の顔を立てれないのかしら。」

レミリアは毒吐いた発言をしてみるがそれが此処ではまるで意味をなさないのは重々承知していた。

 

それだけ青年は自我を貫いたのだ、それが今のところ間違ってもいない。それを試す方法はないしろあれだけ強気に来られると何も言い返せないようにも感じる。その気持ちのはけ口は今の所何処にもない。

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