青年放浪記   作:mZu

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第126話

その後、射命丸 文の書く文々。新聞によってその騒動は報道されていた。異変としては報道をされるような事はなかったが騒動があったと言う感じで今まで博麗神社の存在を知らなかった人里の若い人たちはそこで初めて知ったと言う。

 

その後博麗の巫女とその関係者によって鬱蒼とした森の中に一本の道が出来たというが誰も行きたくないのか未だに閑古鳥が鳴いている始末である。その中でも博麗の巫女である黒髪の赤いリボンをつけた博麗 霊夢は今日もそのような事は気にする理由もなく不味い茶を飲んでいた。夏と言うこともありここでは雲もなく日照りによってとても夏らしい気候となっていた。そこへ来るのは大きな唾のある黒い帽子を被った魔法使いである霧雨 魔理沙だった。その格好は厚手で夏には似つかわしくないほどの服装をしている。手には手袋をして首にはマフラーを巻いていて足にはタイツを履いている。顔以外の肌が見えない霊夢からすれば雪だるまのような格好をした魔理沙が霊夢のいる母屋へと箒で降り立った。

 

「暑くないの?」

少しばかりか霊夢は呆れ返っていた。魔理沙のその格好は季節的に似合わないので遂に頭でもおかしくなってしまったのかと思ってしまった。それでなんとかなるのかと言えばならないだろう、元々魔法使いとは頭がおかしいと霊夢は勝手に思っている。

 

「ここは暑いが魔法の森ではこれでも寒いくらいだ。」

霊夢は最初やはり頭がおかしくなったのかと思った。それか無駄な修練とか言うものなのか。だが魔理沙は至って真面目に答えているのでそれは真実なのだろうと思えた。

 

「魔法の森では雪でも降っているのかしら。」

少し可笑しそうに霊夢は聞いてみるが魔理沙はやはり真面目に答える。

 

「確かに雪が降りそうな気温ではあるが雲はないのでただ寒いだけだな。」

魔理沙は今着ていたものをポンポンと脱ぎ捨てていくとそれは小さな山となっていた。その大きさからしてどれだけ着込んでいたのかはよく分かる。そしていつも通りの格好に戻った魔理沙は先ほどの格好とは裏腹に袖をまくって涼しそうな格好をしているが色合いが悪いのかやはり暑そうなのである。

 

「魔理沙、これって」

 

「「異変だな(よね)」」

二人の声が揃った時、何となく霊夢は魔法の森へと出向こうとしていた。霊夢は立ち上がるとふわっと空を舞って無言で魔理沙を待っていた。魔理沙は一瞬だけ何をしたいのかは理解出来なかったがやがて分かった。

 

「着ていけよ。流石に寒くなるぞ。」

魔理沙は少々馬鹿にするように笑ってから霊夢に上着を投げ渡した。霊夢は華麗に受け取ると右腕に掛けるだけで今は着るつもりはないらしい。魔理沙はその姿を見るだけで何も話すような事はなく箒にまたがってから空へと浮き上がる。その姿を見て霊夢が空を滑空し始めるとその横につくように魔理沙は箒を操作して近づく。

 

「それで他の地域はどうなっているのよ。」

霊夢は巫女として魔理沙に聞いてみることにした。霊夢の周りはとても明るくなっているが魔理沙の方は少しだけ暗くなっているように見えるが何か纏っているかのようになっているがそれが異変という類になるのだと思われる。

 

「他には行っていない。なぜかとても寒くなっていたから何か知っているかと思って神社に行ってみただけだからな。」

 

「そう。なら他を見るべきよ。先ずは魔法の森辺りよね。」

霊夢はそうするらしいが魔理沙は何となく人里の周りを一周するほうがいいように思えた。しかし魔理沙は奥の方まで向かって詳しく調べるつもりなのだろうと思ってから何も気にならなくなった。

 

「そうだな。そうしてくれ。寒くてたまらん。」

魔理沙が珍しく弱音を吐いたところで霊夢は下を見ていた。そこは人里となるわけだがその場所だけは何も起こっているようには見えなかった。それだけは何となく不思議に感じるのだがそれ以上は調べられる気にはならなかった。何も起こっていなさそうなところよりはもう既に起こっている方が異変としては調査をしやすいからだ。もちろんそれでは遅いわけだが犯人の意図も理解せずに未然に防ぐことはできない。その事だけは流石の魔理沙も理解していた。

 

「なら急ぐわよ。」

霊夢は更に速度を上げて空を滑空する。それについていく魔理沙はデットヒートしているレースを見ているようなのだが早々に霊夢は止まった。急に止まった霊夢を箒を止めて反転しながら向いた。急な出来事に驚いたようだが霊夢はあることに気づいた。

 

「寒いわね。どうしてこんなになっているのかしら。」

霊夢はようやく気付いたらしく魔理沙からもらった上着を羽織るがそれでも寒いらしく魔理沙から更に貰うことにした。

 

「家に入るまでは我慢した方がいいぜ。ここで止まっていると凍え死んじまう。」

魔理沙は至って冷静だった。それはもうこの寒さに慣れているからなのだが霊夢はもちろん慣れてなどいないので魔理沙よりも余計に騒ぎ立てるのである。

 

「そうね。早く温まりましょう。」

霊夢は魔理沙から貰った防寒着を両手で強く握りながら冬のような気温の中を突き進んだ。その速さには魔理沙でも本気を出さないとついていくことは出来ずに当たる風は刃物のように皮膚に痛みを当てるがそれよりも早く暖炉の前に行こうと霊夢は飛行していた。それが功を奏したのか素早く魔理沙の家に着くと歯をガタガタ言わせて体を震わせていた。対して魔理沙はモコモコの服装で平然としていた。

 

「早く付けなさいよ。」

霊夢は魔理沙を急かした。

 

「はいはい。好きなものを適当に羽織っとけ。」

魔理沙の家の中はとても汚かった。床には脱ぎ捨てた服が置いてあってどこに何があるのかは見当がつかなかった。それでも必死に漁って霊夢はコートや手袋を身につけるとひざ掛け代わりに何かの上着を乗せていた。それでも体を震わせているので相当な寒がりであるらしいが魔理沙には到底分からぬものだった。

 

「さて、暫くしたら暖かくなるから待っていてくれよ。」

パチパチと音を立てる木の音に静かに耳を澄ませながら霊夢は暖かくなるまでその場所にいた。その姿は博麗神社で魔理沙に思っていた姿とあまり変わらない姿となっていた。

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