青年放浪記   作:mZu

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第176話

霊夢はその様子に唖然としていた。勝てるのかよく分からなくなっていたからだ。青年の打ち上げた花火は大きな音を立てて爆破としていた。そこから発生している風がどうしても受け止められるようなものではない、と感じていたからだろう。

 

「これをどうすればいいのよ。」

霊夢はその様子に慄いていた。何をすれば良いのか、それがどうしてもよく分からない。

 

「どうにかするしかない。最後の決め手は貴方達だ。」

地面に片膝をつけていた青年は素早く立ち上がると霊夢の横に並んだ。多少なり疲労があるようだがそこは別に大丈夫らしい。

 

「しっかし、また変な事になったな。」

 

「魔理沙、誰のせいだと思う。」

青年は低く冷たい声をして言い聞かせるような言い方をしていた。確実に怒っているのだがそれは表には出さない辺りは本当にありがたいものではある。

 

「それは済まなかったぜ。」

ヘラヘラとしている魔理沙だがそれを怒る気にはならないらしい青年は冷静にこの今の状況を分析していた。

 

「現状、お空の核のエネルギーは暴走している。そしてそのストッパーは外れている。そしてあの威力だ。本気でやるしかないだろう。俺は適当にやってくる。後は決めておけ。」

このような絶望的な状況でも諦めると言う事はしなかった。ベストを尽くすなんて言葉はあるが今の青年にはとても合っていることだろう。

 

「魔理沙が錯乱させなさい。私は札で力を弱めていくから。」

青年はその言葉を聞いてゆっくりと踏み出した。やるしかない、その一心で致し方がなくする訳なのだがその目は確かな迫力を持っていて誰も話しかけるような雰囲気は出していなかった。それ程気合を入れていると言うことなのか。

 

「分かったぜ。任せておけ。」

魔理沙は箒に跨り小さな缶から詰め込んでいたのであろう魔法を出してお空を誘い出した。ふと上を向いたお空に音もなく近づいた青年は静かに砲塔を押さえていた。

 

振り払うのを抑えながら青年は他の二人には当てないようにしていた。札の力で力を抑えていく霊夢、上で撹乱している魔理沙、砲塔を押さえつけている青年にお空はその持っている力を振るった。左足で地面を強く踏みつけたところから地割れが起こる、赤い液体が噴き出す。青年は咄嗟の判断で後ろへと飛び退き、上空へと逃げ込んだ。それは恐怖というものではない、人として自分の命を繋ぐための本能というものだった。

 

「霊夢、早く抑えてくれ。」

焦っているかのような青年だがそれだけの威力は持ち合わせていた。噴き出した溶岩が地面を覆い尽くそうとしている。力尽きて落ちれば助かる手段はないように思える。青年は悔しそうな表情をしながら次の作戦を頭の中で考えていた。

 

「言われなくてもやってるわ。」

 

「どうしたらこうなるんだろうな。」

他人事かのように話し始める魔理沙の目の前にはお空の弾幕が一面に広がっていた。拡散弾のように放たれた莫大な力を持つものに唖然としながらも攻撃の手はやめない。最後の一撃までは耐えてほしいが無知数の相手にどこまで二人で援護出来るのかは判断つかなさそうだ。

 

「口に開くなら避けなさい。」

霊夢の叱責が飛ぶが一言だけで終わらせていた。それ以上は言うつもりもないのはそれだけの信頼関係があるのかそれとももう行っても無駄であると言うこと知っているのか。

 

「此処からは二人に任せる。俺はまだ慣れないからな。」

 

「ええ、分かったわ。」

青年はその言葉を聞いてお空には背面を向けて霊夢よりも後ろへと下がった。その理由は戦闘でなんとかならないと言うことと青年の飛行の精度がまだ完璧とは呼べないと言うところがある。

 

それもあるが遠くまで離れていないと急接近されたりすると対応出来るかはまだ判断が付かない。その意味では戦略的撤退という言い方が一番似合うが、さてどうなのだろうか。お空の持っている砲塔をよく観察していたがあれがお空の力を制御していると思われる。

 

あの金属の棒がプラズマが発生している頻度や威力が高まるとそれだけ解放していると思われる。青年はその様子を見ているが何か起こるのかはやってみないと分からない。白い玉や赤い玉、それが交互に大量の弾を満面なく広げていた。霊夢や魔理沙はその弾幕でも簡単に避けていた。

 

打って変わって青年はゆっくりとした初動で急速な動きを見せていた。まだそのあたりのコントロールはまだ完了していないので高速状態で避けているのだがそれでも案外避けているのは青年の運が良いのか、それとも偶々そうなってしまったのか。

 

「堀田さん、ちょっと。」

青年はその場で縦に大きく回転してその声がしたところで上手く止まれるようにしていた。

 

「何だ?」

青年を呼んだ人は黒い猫耳をしている黒と緑の色をしているドレスを着ている火焔猫。その人はお空の友人で助けて欲しいと言ってくれた人だ。

 

「実は彼処まで暴走しているのは見た事はないけどそれでも皆が分散させているからとても有利に進めているだけど心配があるんだ。」

 

「それがどうした。」

青年はとても冷たかった。今更そのような事は聞きたくないと言いたいのか青年はそれ以上は語らなかった。

 

「ちょっと待って欲しいんだ。一旦落ち着かせようよ。」

 

「それは無理だな。あの二人は燃えている。冷ますだけの労力を使うだけ無駄だ。」

 

「もう何になるのか分からないよ。」

 

「今はお空を倒すことを考えるべきだ。して、聞きたいことがある。」

青年は今の状況を見ていた。

 

「もう協力するよ。だから何かな。」

 

「お空のあの力を大きく削ぐ方法が知りたい。何か知らないだろうか。」

青年も楽しくやれるようなものではなかった。これは真剣に取り扱う必要がある。それだけで何かあるとも思えなかった。

 

「あるにはあるよ。」

火焔猫は少し小さい声で話している。遠くからのお空の叫び声でその声が霞むようなくらい。だが、青年は全てを聞き取り、その作戦に賛成して自分が何をできるのかを考えていた。

 

「なら二人に話しかけてくる。それまでにお空の力を大きく削いでくれ。頼んだ。」

素早く飛び去る青年の背中を見ていた火焔猫には確かな確信へと変わっていた。

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