ある場所の桜も満開となり幻想郷では宴会というものが始まりを迎えていた。博麗神社で巫女をしている博麗 霊夢はあらゆる場所へと宴会の招待状をその保護者のような立場の人を通してその人達へと渡されていた。それは紅魔館や白玉楼、妖怪の山や人里へと散らばっていく事になった。
「今年も妖怪ばかりなのね。」
粗布を敷いて座る場所を確保していた霊夢はあらゆるところから笑いが聞こえてくるその宴会場と化した博麗神社の境内で気怠そうにしていた。
元々は人里からの信仰されるべき場所であるが守矢神社という妖怪の山にある神社と命蓮寺という寺が建立して更に分散してしまった。その事は大きな打撃となっているのだがどちらもそれなりの努力は積んでいるので当然と言えば当然の事である。その事をどうにかしたいとこうやって宴会を開くのだが一向に人間が集まる気配はなく妖怪が集まるばかりである。
「仕方がないさ。毎年のように来ているんだからな。」
魔理沙は赤色のした盃に透明な液体を入れて霊夢の前へと現れた。紅く頰を染めている魔理沙だが酔っ払っていているはずだが少し落ち着いているように見える。
霊夢はギラリ、と魔理沙の方へと視線を向けると不機嫌に鼻を鳴らすだけで何か言葉をかける事はしなかった。其処で魔理沙は宴会の騒ぎの渦の中へと飲み込まれていき霊夢の周りには新たな客が挨拶に来ていた。
「今日はこの宴会に誘ってもらえた事を感謝するわ。」
白色のスカートの裾をあげて頭を下げる青紫色の髪をした吸血鬼、レミリア・スカーレット。その人は夜の帝王であり陽の光には弱いが今日は傘を持っているメイドがいるのでその事は気にしていなさそうだった。
「それで、アンタとそのメイドだけのようだけどあの青年は何処にいるのよ。」
霊夢はその他の人を探していた。人間である青年が増えてくれる事は嬉しく感じるようだが今回も居なかったのでそろそろ顔を見せて来い、と言いたそうな表情を浮かべていた。だがその事はレミリア自身も困っているようでそれ相応の表情をしていた。
「今回は行きましょうと強く誘ってみたんだけど行きたくないらしいわ。咲夜からお願いしてみたけどそれでも効果はなかったわ。」
手を焼いている様子であるので何も言えなくなった霊夢は唇を尖らせていた。不満気であるようだがそれを本人がいないのでどれだけ溢そうとも意味がない。
「ま、いいわ。今日は楽しんでいきなさい。」
左手で人払いをした霊夢は右手に持っていた主催用の大きめな盃を口元へと運んでその中に入っていた透明な液体を喉へと通していた。しかしそれをしていても何も起こらないという事は言うまでもない。しかし今は飲む事でしか解消させる事はないのだろう。