大地からは白というものが溶けて桜も舞い散る春の麗らかなある日、神霊を見つけた欲深い人たちはその正体を探す為に大きく動き出そうとしていた。その原因を探るため、はたまた面白そうとか言う理由から好奇心であったりそれとはまた別の理由で巻き込まれる形になっている人も居た。
実はこの日のだいぶ前に神霊というのもが発見されていた。朝早くある場所へと行ってみる事にした男はその途中に近づいてきた霊のような丸いものに懐かれていた。本来なら怖がるのだろうが白玉楼によく通っているので恐怖におののく必要は無い。暫く様子を見てみる事にしたのだが特に害のあるようなものでもなさそうだった。別にそれ以上気にする気もなさそうなので黒髪の後ろに結び目をつけた青年はその場を歩いていた。ある庭師のような雰囲気があるがあっているかもしれない。
「霊夢、これは何だろうか?」
薄汚れた赤い鳥居に整備されていない境内は悪く言えば廃れた場所になっていた。だが人は住んでいる、そうでもないと青年が恥ずかしくなるのだろう。
「アンタ、神霊に懐かれるなんてどんな人物なのよ。それでどうして気になるのよ。」
博麗神社の巫女、博麗 霊夢は神主のいないこの神社で一人で過ごしている。それだけの影響力とカリスマ性を持ち合わせている霊夢だが基本的に面倒くさがりな性格の為に掃除はたまにしかやらない。そうでもなければこうも汚くはならないのだろう。
「冥界によくいるものとは違うような気がした。それだけだ。」
「で、どうして此処に来ようとしていたのよ。」
「何と無くだ。元々は来るつもりはなかったが急遽進路を変えたという事だ。」
「そう。で、何か知っている事があったら教えて欲しいわけね。」
霊夢は仕方がなさそうにしていた。それとも他人のことなので興味というのはとても薄いものなのか。そのどちらかと言われると果たしてどうなるのだろうか。
「そうなる。」
「簡単に言っておくけどそれは神霊ではないわよ。特に何か力を感じるわけでもない。どちらかと言えば認められたわけではないわ。」
「そうか。それで何かもう知っていることはないか。」
「言えることはね、誰かが暗躍しているだけよ。異変にもならないから私は何もしないわよ。」
霊夢はきっぱりと言い切り、青年を追い出すような素振りを見せていた。それだけではない。
「他を当たってみる事にしよう。」
青年はその霊夢からの言葉を聞いてからまた別のところへと向かってみる事にした。