冥界の奥にある霊の多くいる場所、その場所は今から生まれ変わる為に待機をしているだけで入れ替わり立ち替わりで居たり居なかったりする。
そして此処にはそれは全く関係ないほどに綺麗に整えられた庭がある。海を上から見ているような波のうねりがありそこに置かれている石畳の道を歩いていく事である館へとたどり着いた。
「幽々子、一つ聞きたい事がある。」
従者の服装をしている青年は目の前にいる青い服装をしていてピンク色の髪を帽子から出している麗しい雰囲気のある女性に話しかけた。
「山本さん、挨拶もないなんて珍しいわね。何かそんなに困ったことでもあったの?」
「いや、この纏わり付いている霊のようなものが何か聞きたくてな。」
何か不気味であるのには違いないがそれ以上もそれ以下でもないのであまり気にしないという事にした。青年はそう深くは考えていないが何か思うことはあるらしい。
「それで幽霊である私に話を聞きに来たのね。」
幽々子は扇子で口元を隠してくすくすと笑っているのだが青年はどこ吹く風かのように何も反応は見せなかった。幽々子もちょっとした冗談のつもりなのでその反応は悲しいものがある。
「いや、ここに来る途中で付いてきたので博麗の巫女のところに行ってここに来たというわけだ。目的は変わったが来る場所は変わらない。」
「それは嬉しいものね。どちらに会いに来たのかしら。」
「幽々子。」
幽々子はその返答とその速さには如何しても驚かざるを得なかった。それだけにどうしたらいいのか迷っていた。
「それはどういう意味かしら?」
「こういう反応を見せてくれるから。」
「山本さん、私ではなくて妖夢にしなさい。」
「それはひどいものだ。で、話を戻すがこれはどのような物なのだろうか。」
青年もあまり関心というものはなかったがそれでも気になるものは気になるらしい。幽々子との戯れとはまた別の話になるが。
「神霊の子供のようなものね。人間の欲によって作り出された物なんだけど山本さんに何か付いて来る必要があるのかと言われるとどうなんでしょうね。」
「子供になるのか。それはどのように生まれている。」
「欲深い人間が何かを祈るときにこのような儚い思念が生まれる事があるのよ。」
幽々子はうーん、と唸っているかのような声を上げていたので青年は気になるらしいので聞いていた。
「でもそれが本物というわけではないの。少しだけ模造されているように思えるわ。それとここでもこのようなものは現れているのよ。」
「白玉楼でも居るのか。そう考えると難しいこともあるものだな。」
「それでこれからはどこか思い当たる節はあるかしら。」
「別に。幽々子が気にする必要はないが思い当たる節はある。」
幽々子はそれからは聞くことはなかった。決意の固めている青年のその目に何か別の事を言っても無駄なように感じる。幽々子はもう何も言うようなことはなかった。
「山本さん、一つ聞きたい事があるの。そのまま解決する気はあるのかしら。」
「別に。無理矢理にもするつもりはない。せめてこの神霊らしきものと会話をする事が出来たら少しは判断しやすいのだが。」
「それは仕方がない事よ。私と話せるのはそもそも私の霊気が強いからよ。貴方に付いているその神霊の子供はいつ消えても可笑しくない様な状態なの。話す余裕なんてないわよ。」
幽々子も行きたそうにしているが青年は右手を前に出して来るのを拒んだ。理由は何も話さないが仕方がなさそうに指を咥える幽々子、それを見て無表情に見ている青年。
踵を返して白玉楼を後にする青年の背中には一体の神霊が右肩に乗って休憩している姿が見えていた。幽々子も別に止めるつもりはない。それだけの素質があるのだから。