青年放浪記   作:mZu

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第31話

西にある紅魔館から人里を遠ざけて南西の森へと近づいた。其処は少しだけ木々が多く、雪が未だに退けられていなかった。

 

誰も入ってこないと言うのが大分問題なのだろう。

 

「いっらしゃい。煙草かい?また流れてきたから貰ってくれよ。」

香霖は来てからすぐに青年に煙草の箱を渡した。青いパッケージで白い箱に入っている。

 

青いところにはmountainと白い文字で書かれている。まるで富豪が吸いそうな太めの煙草は紙が茶色となっていた。青年はそう言うところをよく見てから感謝して懐にしまった。

 

「それと魔理沙の八卦炉みたいな魔法道具を借りる事は出来るか?」

青年は厚かましい事は承知の上で香霖に頼んだ。香霖は少しだけ在庫を見てくると奥へと入ってしまった。青年は踵を返して何処かへと行く。

 

「此処には何でもあるんですか?」

咲夜は香霖がいなくなってから、口を開けた。青年は少し物色しながら受け答えをする。

 

「大体のものはある。が、用途が分からなければガラクタも同然だ。」

青年は折り重なった布類から服を取り出した。黒の無地で少し厚めの此処から出るには丁度良さそうな厚めの生地で出来ている。

 

青年はそれを目の前に広げてみた。

 

「そのような物がここには置かれているんですか。」

咲夜は少しだけ興味がありそうに辺りを見回した。青年はその姿を横目に写す。

 

「もしかしたら変わった皿とかもあるかもしれない。主人に渡すのも面白い。」

青年は服を擬似的に着てみる。サイズはピッタリとはいかないが、中々しっくりとくるものであった。青年は心の中で同じくズボンも探していた。着物よりかは防寒は出来るはずだ。

 

「そんな物もあるんですか。此処は楽しそうな場所ですね。」

物が乱雑に置かれており適当に何となくの店主の気分で集められたガラクタが所狭しと置かれていた。

 

青年はこの雰囲気に最初は全く慣れなかったが今ではそうでもないらしい。

 

「そうだ。気をつける事は物が無数にあるわけでもないし、同じ物があるとも限らない。それが楽しい点だ。」

青年はこれまた無地のズボンを見つけ出した。今来ている着物よりかはベストに合いそうな服装になりそうなので良いかもしれないが確実に浮くのは百も承知である。

 

なら下に履いておくのも悪くないと思った。そうすると金額を気にする必要があるがその点はどうするべきか。

 

「お待たせ。ちょうど試供品があったから渡してみるよ。」

香霖は裏から気になる物を出してきた。その代物は折りたたみ式の棒のようだった。白の杖のような長さだが折りたためば持ち運ぶことも可能。どのような原理はよく知らなかった。

 

「有難う。ちょうどいい物を持ってきてくれた。借りていく。あとで感想を聞かせよう。」

青年はそれだけを話すとその場を後にした。

 

流石に此処で服を頼むのは出来ないと感じていた。色々と世話になっていることが多い。貰うならまた今度にしよう。

 

「分かった。そうさせて貰う。」

香霖は商人としてあるまじき行為をしているがそれが此処の良さでもある。無理に崩すのもよくない。

 

青年は利害の一致を確認してからその店を後にした。咲夜は名残惜しそうにその場を後にした。

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