青年放浪記   作:mZu

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ある意味グロ注意。


第47話

男の子は父親と母親と三人で一軒家に過ごしていた。決して裕福ではないしろ男の子にとっては幸せだった。

 

男の子はいつものように友達と公園でサッカーをして遊んでいた。

 

子供としては小学校低学年なので少し遊戯みたいものでボールに皆が集まってわちゃわちゃしている微笑ましいサッカーをした帰りだった。男の子は上機嫌で家に帰りながら今日の晩御飯のことを考えていた。そして家の扉を開ける。

 

「ただいま。」

いつも通りの挨拶をしたが返事が返ってくることはなかった。その代わりにある男がお茶を飲んでいつも家族で食べているテーブルに座っていた。

 

「やあ、坊主。此処の息子かな?」

その男は客ようだと男の子は思っていた。専業主婦である母親はこの時間は夕食を作っている時間でもある。何処かに行くような事もなかったので男の子はこんばんは、とだけ言って母親を探してくる。

 

その前に怒られるので手洗い、うがいをしておいた。母親には口うるさく言われているので病気の予防のためにいつもしている。そう学校で教わったので忠実に守っていた。

 

男の子はサッカーボールを玄関の自分の物を入れるところにしまっておいた。色々と順序が逆な気もするがそこは目を瞑ってほしい。

 

それから男の子は階段を登って二階へと上がった。一階を先に探さないのは先程の男がいるので少しだけ席を外しているだけならすぐに話し声を聞こえるだろうと考えていた。

 

近所では声が大きいと噂される母親である。男の子はその事をよく知っているので一つの自慢としている。二階にある自分の部屋は綺麗に整えられていたが母親の姿は居なかった。そして父親と母親の寝室にも男の子は入ったがやはり電気も付いていないので誰も居なかった。

 

その部屋からいけるベランダにも既に洗濯物が干していなかったので此処にもいないのだと思った。最後に物置として使われている空き部屋を見てみた。もちろん人などいるはずもなかった。それでも男の子は電気のスイッチを押して中を確認した。偶に親が居ない訳でもなかったからだ。

 

だが、そこには母親が居た。男の子は声も出さずに床に伏せられている母親を見ていた。子供ながら母親の安否が心配になって近くまで寄った。男の子は母親の身体を赤い液体がつくことを厭わないで揺らした。ここまで一切声を出していない。

 

びっくりした、と感じる子供としてのメーターを振り切るような事が此処では生じていた。

 

「ーー、ー!。」

その姿はもう誰か分からないほどにぐちゃぐちゃにされていた。まぶたが開くような事はなく、首筋には一本だけ傷が付いていた。母親からは空気の漏れる音が聞こえた。多分大きな声で叫んでいるのだろうが男の子には息が漏れるひゅー、ひゅーとしか聞こえてこなかった。

 

「ママ、死ぬの?」

男の子は常識というのが通じないのが伝わる。男の子はその状況を見て思った事を子供ながらに述べた。

 

それがその言葉である。男の子は母親のまぶたを触って強引に開けた。其処には赤い液体がトロトロと出てきていた。そしてぽとりと丸いものが落ちてくる。

 

男の子はよく分からないが赤く染められているその丸いものを持ち上げて電球に照らしてみる。子供にはこれがどういうものなのか分かってはいなかった。後から考えればそれは眼球と呼ばれるものである。

 

男の子は床にコロコロと転がすと別の部位に移る。母親の左腕は軽々しく折れた腕とダラダラと垂れている赤い液体のプールが辺りに広がっている肩を見ていた。其処は綺麗な切り口であり何かの道具を使っているのは見て分かる。男の子は更に反対の腕へと移った。

 

右腕は折られた後に肘からプールが出来上がっているのは見て取れた。男の子はそれをどう思ったのかは別だが冷静な判断ではなかった。右腕だけは手の甲しかなかった。

 

そして男の子は脚の方へと移動した。其処には何かを切るのに使ったのか台所によく置かれている包丁が母親のくるぶしを刺していた。それは両方ともしてある。それが何を意味しているのかはよく分かってはいなかった。男の子は母親の太ももにロープのような黒いものが付いているのが見えた。

 

四角いところに片面にギザギザしているものが通っているのが見えた。母親の太ももにめり込む程きつくしてあり、其処から下は紫色をしていた。男の子はどうして紫色になっているのかよく理解はできずに下にいる男に聞いてみようと思っていた。

 

「ーー、ー!」

また声にならない母親の声は男の子を気付かせるだけの声量は出ていた。

 

男の子は母親の元へと行き、右肘で上半身を起こした母親は声にもならない声を出して男の子に伝えようとしていた。何かを男の子に伝えた後にそのままその場に倒れたのである。

 

男の子は其処で母親が絶命しているのは知らなかった。兎に角男の子は下にいる男に話を聞いてみることにした。階段を降りていつも家族でご飯を食べるところでお茶をすすっている男に男の子は聞いてみることにした。男の子は男の袖を掴んでいた。

 

「ねぇ、おじさん。ママが上で倒れているんだけど如何してか知っている?」

男の子は子供ながらに聞いてみた。男の子はここまでの状況がどのようになっていたのかは気付けなかったのだろう。男はお茶をすすってから菓子を男の子に勧めた。

 

「じゃあ、おじさんが見てくるから。君はこれを食べてて。固い部分は抜いてあるよ。」

男の子は棒状のフライのようなものがテーブルの上に置かれていたのを見つけた。男の子は軽い食感のするその菓子を美味しく食べていた。子供ながらにおじさんは父親か母親の知り合いだと思っていた。

 

男の子はその棒状の菓子のふっくらとした食感を口の中に空気を送り込みながら食べていた。その熱さは作り立てであるのを母親の料理の手伝いをしている男の子はそう感じていた。おじさんはもしかすると何か作っていたのかもしれない。男の子は一本を食べ終わるともう一本食べようと手を伸ばす。

 

横には何らかのソースが置かれていたので男の子は少しだけ付けてから一口食べた。その味は初めて味わうもので何か鼻に付く匂いがして金属の味がしていた。

 

その赤いソースに付けないでおこうと男の子は思って一人で食べていた。残りは二つだった。男の子は頭の中で考えて自分が食べたのは何本か考えておじさんと父と母で四つであることに気づいた。其処におじさんが現れる。

 

「おじさん、間違えて余分に食べちゃった。どうしよう。」

男の子はわけわけという言葉を思い出していた。友達と何かを分ける時に先生が言っていたことだ。数人の友達と平等に分け合うことであると男の子は知っていた。

 

「そんなに美味しかったかい?おじさんの分をあげるから気にしなくても良いよ。」

おじさんは優しく笑って泣きそうだった男の子を慰めた。男の子はおじさんの優しさに感謝して逆に泣きじゃくってしまった。おじさんは男の子を抱きかかえるとよしよし、と言って慰めた。

 

「落ち着いたかい?」

おじさんは男の子を椅子に座らせた。

 

「それじゃあ、私はお父さんを連れてくるよ。」

椅子には俯いた男の子が居た。その目は死んでいた。

 

誰も居なくなった家で男の子は自分で首を絞めていた。おじさんからはソースの鼻に付く匂いがした。そして物置と使われている部屋に入った時に男の子が感じた匂いと変わらなかった。男の子が気づいてしまったのだ。誰が殺めたのか、それは言うまでもないだろう。

 

その後警察により二人の遺体が見つかった。一人は物置部屋で、もう一人は玄関先で紙と一緒に。

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