人里離れた異国間の溢れる木々に囲まれた一軒の店。香霖という店主がいる雑貨屋だ。此処に来るのは昨日ぶりではある。魔理沙は堂々と入り、二人はよそよそしく入った。
「昨日ぶりだね。今日は何をご所望かな。」
「あいつの為に魔法道具を作ってやってくれないか。」
「ふーん、魔法道具ねぇ。扱えるか心配だけど。」
香霖はどの事に心配しているのか知らない。しかし渋っている感じはそのような脈があるように感じる。
「その点は大丈夫だ、八卦炉ででかい炎を上げた。」
魔理沙は自慢げに答えて、香霖を驚かせた。
「ふーん、なら何を媒体にするかだけど、剣で良いのかな?」
香霖は青年が装備している剣に目をつけた。確かにそれが一番良いだろう。
「使えるかどうかは知らないが、その方が良いだろう。」
青年も賛成していた。別になんでも良いと思っている青年にとって見れば、煙草でも良いと思っている、出来るかていて。
「よし、なら少しの間貸してくれるだろうか。それで何の魔法が良いかな?」
香霖は三人を困らせるような質問を投げかける。まだこれからなのだ、アリスと魔理沙は思った。青年はそもそも何も知らないのだ。
「あー、自然魔法全般を発動できるようにしてほしい。良いよな?」
魔理沙は青年に同意を求める。青年は首肯してその場で止まった。アリスはその不審そうな目で青年を見ていたのを香霖は見ていたが、頼まれ事だから、と気にする様子はなかった。
「少し待っていてくれ。出来るどうか試してみる。」
香霖は青年に刀を貸すように促した。青年はすんなりと二本とも渡すと、雑貨屋という事で昨日は見ていなかった品物をじっくりと見てみる事にした。
黒い箱のようなもので前面に網のようなものがしてある。真ん中には何か操作するものがあり、使えそうなものとは言えなかった。
そして長めの棒を青年は触る。上の方には板があり、黒と白で交互に色付けられている。あまり縁起がいいものではなかった。確かに流れ着いたものではあるようだ。その証拠として小さな折りたたみ式の上には画面が下にはよく分からないボタンに一から零までの番号と平仮名が振ってある。後はよく分からない記号だ。
青年は何となくガラクタであると感じたが、捨てないのには理由があるように感じた。青年はあまり物には触らずに店内を物色していた。魔理沙は香霖の座っているだろう椅子に座ってくるくる回していた。アリスはやる事がないのか持っている本を開いていた。青年はそれに気づいたが内容は聞くものではないので辞めておいた。此処には何でもかんでも新しいものも古いものも何でもあるので見飽きることはないだろうと青年は感じた。
「済まないね、一週間後に取りに来てくれないか。それまでには終わらせておくよ。」
香霖が裏から現れた時、青年は煙草を咥えていた。気怠そうな表情をして何とも面倒臭そうにしている。
「一週間か、それで出来ると言うならば仕方がないか。わがままだとは思うが小刀を貸してもらえないだろうか。」
青年はあまり気持ちがこもっていない言葉で淡々と話した。
「うん、大丈夫だよ。好きなものを借りていくといい。妖怪に襲われたら一たまりもないだろうからね。」
香霖は快く了承し、しかも好きなものを持っていくといいと答えた。とは言えど、この店に開かれている刀類は大きさも種類も違うと言うバラバラであった。錆び付いていそうなものもあれば、新しく輝いていそうなものもある。そこそこの物をもらおうと青年は武器が置かれているところまで向かった。それから剣を見て回っているがふと気付いた事を聞く。
「そう言えばお代とかは払えないがどうしたら良い。」
青年は不安そうに聞いた。それもそのはず、ここに来てから一切お金と言うものを見ていなかった。
「報酬制にしよう。出来を見て払いたい金額で良い。何だったら払わなくても良い。自己満足でしか作っていないから。」
香霖は商売として成り立ちそうにない事を言いはじめる。青年は勿論不審に思ったが、あまりその様な事を匂わせないので香霖はそのやり方が枠にはまっているのだろう。
「よし、成立だな。」
青年は香霖に後の事は任せると、アリスの所へと向かった。アリスは何かを感じ取ったのか本をすぐに閉じて青年の方を向いた。その表情は焦っている様で目が泳いでいる。青年は本の内容気づいていないかの様に振る舞う事にした。
「今日も魔道書の解読の手伝いしてもらえないだろうか。」
「ええ、やりましょう。早く使ってみたいんでしょ。」
アリスは快く了承した。魔理沙はその言動をよく思っていなさそうだった。