青年放浪記   作:mZu

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第99話

青い空であるが砂を適当に振り散りばめたような雲の形をしていた。

 

とても大きい雲があったり、全くなかったりと日の当たり方が段々変わっていく様を何となく見つめていたが季節外れと言えるような場所を黒のとんがり帽子を被った魔法使いが見つけると箒をその方向に向けて降りていく。

 

それが興味なのかどうかは知らないがその速さは童のそれであり灰色の着物を着た青年はついていくのに必死となっていた。

 

「此処は夏の花が咲いているんだな。」

その場所には太陽がたくさん咲いていた。その背丈は人を隠すのには十分で迷路かと思われるほど入り組んでいそうな気もするがそれよりも気になるところがあった。地面に生えているはずの草が抜けているがそれが道のように整備させれている点だ。

 

きっと誰かが手入れをしているのだろうと思うが幻想郷の人里を中心と考えると北西の遠い場所にある小高い丘にわざわざ来る人は居るのだろうかと青年は考えた。少なからず居るとしか言えないこの状況だが魔理沙はまた別の視点を持っているようだった。

 

「何か妖精でも居るのかね。」

魔理沙はまるで当たり前のように話しているが今は肌寒くてとても向日葵が咲くような季節ではなかった。一層の事雪でも降りそうな気温ではある。

 

この幻想郷には青年はまだ染まりきっていないようにも感じたが魔理沙のように感じるところもあったりはするので微妙な感じで一人で葛藤していた。

 

「妖精か、この時期に咲かすにはかなりの力が要るように感じるな。」

青年は取り敢えず予想の1つとして魔理沙の言葉に乗っかる事にした。別に他意はないがそれは違うと女将のいる屋台の時の話からそう思えた。

 

小町の流しきれなかった魂が此処に居座っているだけでその魂が好きな花でも咲かせているのだろうが此処では向日葵が好きな魂が多く存在しているだけだろうと思えた。

 

それにこの整備された道は妖精の仕業ではない事を何となくではあるが青年は感じ取っていた。が、それが確証とまではいかないので青年も悩ましいところではある。

 

「まぁ、な。でも誰か居るのは確かだぜ。」

そうだろうな、とだけは青年は思っていた。そのつもりで居るので青年もなんとも言えないような気分であった。

 

「道が整備されている点で何となくその事は察していた。だがそれをする意味がどうしてもよくわからない。もしかしたら誘われているようも感じる。それとも趣味でしているだけなのか。いずれにせよ警戒を怠るのは良くない。」

それだけ魔理沙に伝えると右手を腰にある剣の柄に触れていた。いつでも抜けるようにしているが周りの視界はまるでないに等しい。これでは見つけれても対処は難しいだろう。

 

「なら上から見れば襲撃に遭いづらいからいいとは思うんだがな。こっちの方が敵を誘い出しやすそうだからこうしているだけだぜ。」

何故か自信ありげに答える魔理沙だが別に上からでも良いのではないかと青年は思っているので首を振るだけの微妙な反応しかしなかった。

 

魔理沙はそんな青年の様子を不審に感じたが人の事は気にしないらしく気楽にしていた。何となくその点では青年と共通しているようにも感じる。

 

「しっかし、ご親切に看板も立てかけられているのが何とも言えないな。」

目の前には木で簡易的に作られている道案内用の看板があった。左側は湖と書いてあり右側には家と書かれていた。右側はきっと此処を管理している人の住まいがあるだけだろうが左側の湖というのはだいぶ距離があるように感じる。

 

つまりは紅魔館のある霧の湖だろうと何となく青年は思ってしまったからだ。しかしもし方向感覚を狂わされていたなら実際にあるのかもしれない。

 

「これに従えば意外とすんなりと行けるのかもしれない。何かしらの人には会えるだろう。だが罠の可能性もあるが行こうか悩むな。」

青年はその看板の文字をまじまじと見ながらその先にどのようにするか迷っていた。

 

あまりにも分かりやすいのだ、罠としては簡易的なのであまりにも馬鹿馬鹿しく思えてくる。

 

「まぁ、行ってみないと分からないからそん時は何とかしようぜ。」

根拠のない自信からくる強気な発言ではあるがその無鉄砲さも時には必要だとふと感じてしまった。

 

少し横を向いて口から息を吐き出すように笑うと行く事にした。その先はどうやら下り坂になっているようで丘からは降りるらしいがそもそも上から来ているためにどの程度降りるのかは想像はつかなかった。

 

青年は仕方がなしにそちらへ足先を向けると渋々ながら歩いて行った。

 

「ほら、早く行こうぜ。」

魔理沙は何故か無駄に張り切っているように感じるが青年は致し方がなく付き合う事にした。

 

そもそも此処に連れてこられたのもそれが理由である。

 

魔理沙には敵わないらしいと思えた青年は紅魔館の図書館から引っ張り出される形で此処まで来たのだ。

 

「少し待て。此処からは横から何が飛んできても対処できるようにしておけ。」

青年の姿は明らかに警戒心丸出しであるようで魔理沙も流石の変わり様に一瞬たじろぐもいつも通りの調子に戻るとその足でどんどん奥へと進んでいった。

 

青年はそんな無警戒な魔理沙の横について代わりに周りを見渡していた。

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