仮面ライダー&ジャンプフォース 平成ジェネレーションズHeaven inきららファンタジア 作:玄武Σ
今回の参戦作、ジャンプ側に固有名詞が多すぎるので説明してたらただでさえ長い文章がさらに長く……
あと、今回から組み合わせた作品の意図も載せます。
それでは、どうぞ。
p.s,アルシーヴのガチャ実装が決まったようですが、一応メインクエスト7章までに、独自設定絡めた内容にしています。ストーリー上でおいおい説明する予定なので、お楽しみに。
とある町を訪ねて来た、五人のクリエメイトがいた。その中でも小柄な二人組が、町の人から何か話を聞いている。
一人は熊のフードを被った明るい紫の髪色、もう一人は鮫を模した袖が特徴的な服を着た金髪少女である。それぞれ涼風青葉と桜ねねといい、なんと二人とも19歳なのだ。
「なるほど、ありがとうございます! じゃあ行こうか、ねねっち」
「オッケーだよ、青っち」
青葉は元居た世界ではイーグルジャンプというゲーム会社に勤めており、そこでグラフィック班に属している。ねねは青葉と幼馴染で大学生であるが、夏休みを利用してデバックのアルバイトに来ている。そんな彼女達は、同社に勤めている先輩達とこの世界に召喚された。
今回はその先輩の内3人、滝本ひふみ、飯島ゆん、篠田はじめと共にある依頼を受けて、里から離れたところにある町へとやってきたのだ。
「しかしまた召喚されて、しかも今度はきららちゃんやクレアちゃんのお陰でいつでも帰れるってのが良かったよ」
「だよね。私は前の召喚のことは知らないけど、そこの所はすごいご近所感覚な異世界だよね。フロ◯ャルドといい勝負だよ」
青葉と話しながらねねは異世界召喚についての感想を漏らす。その際、彼女が過去に視聴した深夜アニメの舞台となった異世界を比較にするのが、ご愛嬌である。
「うわああああああん! おかあさあああああああん!!」
「えっと、どうしたらいいんだ……空閑は子供の相手って…」
「いや、全然。ヨウタロウ位しか出来そうにないな」
「だよな……」
そんな二人の視線に飛び込んだのは、泣いてる子供をあやそうとするも、勝手がわからずにしどろもどろな状態の少年二人がいた。二人ともセーターにジーンズといった現代ファッションで、それぞれメガネの優等生タイプと、小柄で白髪とかなり特徴的なコンビである。
ひとまず力になれないかと思い、青葉とねねも声をかける。
「君達、どうしたの?」
「あ、すいません。ちょっと、迷子みたいなんですけど、子供の扱いに慣れてなくて…」
「? オサム、この人達同い年くらいじゃないのか?」
「な!? ちょっと、私19歳だよ! 何、この失礼な小学生!?」
白毛の少年に年齢について勘違いを受け、ねねは思わず怒ってしまう。しかし少年はかなり冷静だった。
「いや、俺ちっこいけど15歳、春から高校生。それと知らずに、失礼しました」
「あ、そうなの……私こそゴメン(やりづらいな、この子…)」
「うわぁあああああん! お゛があ゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!」
「って、ねねっち! 騒いだから余計に泣いちゃったよ!」
ねねと少年は喧嘩に発展せずに済むも、迷子を刺激してしまい、余計に収拾がつかなくなってしまう。
「あれ? そこの君達、どうしたの?」
更にそこに、新たな人物が加わった。二十代半ば程の青年だが、顔は童顔で温和そうな雰囲気をしている。そして服装はシャツの上に大きな白衣を着ていて、何故かバイクを押していた。バイクも特徴的で、白と赤を基調とした車体に赤い字でAIDと刻まれている。
((え? まさか、この人って日本人?))
(格好からして、まさか医者なのか? )
「いい所に人が来たな! 実は迷子がいまして、どうすればいいか困惑していたところです」
青葉とねね、そしてメガネの少年が目の前の青年の正体について察するが、その間に白髪の少年が事情を説明する。
「成る程……よし、任せておいて」
話を聞いた青年は、子供の方に近寄って、目線を合わせようとしゃがむ。
「ボク、大丈夫かい? お父さんかお母さんと、はぐれちゃったのかな?」
「ひっく……うん。おかあさんとおかいものに、いったら……」
「そっか…でも、君が泣いてたらきっと、お母さんも悲しくなって、泣いちゃうかもしれないよ。辛くったって、泣かないで頑張れ」
「ひっく、でも……うわぁあああああん!」
青年の励ましも効果はなく、子供はまた泣き出してしまう。しかし、すぐに青年は何かを思いついたようだ。
「そうだ。お兄ちゃんがお守りをあげるよ」
そう言い、青年がポケットから取り出したのは一つのラバーストラップだ。ピンクのボール型ボディに逆立った髪、そしてゴーグルをしたつぶらな目と、かなり記憶に残りそうなデザインをしている。
「ひっく……なにこれ?」
「これはマイティって言って、僕の故郷で人気のヒーローなんだ」
そして青年はそのまま子供に、そのマイティというキャラクターについて話し続ける。
「マイティはお菓子の国をしょっぱくしようと企む、ソルティ伯爵を倒すために冒険をするんだ。マイティはお菓子を食べて強くなる不思議な力があるんだけど、それでもたった一人でソルティ伯爵とその部下たちをやっつけたんだよ」
「ひとりで…マイティはこわくなかったの?」
「怖かったと、僕も思う。でも、マイティはヒーローだから怖くても泣かない。そう思って戦って、ソルティ伯爵に勝ったんだよ」
青年からマイティの話を聞いている内に、子供も涙が引いていく。どうやら、届いたらしい。
「君だって辛くても悲しくても、あきらめなければマイティに、ヒーローになれるんだ。だから頑張れ、僕も応援してるよ!」
「……うん!」
最後にその言葉を聞いて、子供も完全に泣き止んだ。するとその直後、必死そうに駆け寄る女性が目に入った。
「あ、見つかった!」
「おかあさん!」
案の定、女性は子供の母親だった。親子は再会を喜び、抱き合う。そしてそれを済ますと、青年に向き合って礼を言った。
「ウチの子がお世話になりました。ありがとうございます!」
「いえいえ、職業柄子供の相手には慣れてるもので。それよりボク、頑張れよ」
「うん。おにいちゃん、ありがとう! ぼくもマイティみたいなヒーローになるよ!」
そして子供は母親に手を引かれながら、笑顔で帰っていった。
「ふぅ…一時はどうなるかと思った。ありがとうございます、僕達ああいったことは慣れてなくて……」
「その格好、もしかしなくてもお医者さんですよね? それで子供の相手って…」
「担当が小児科なものでね。趣味もテレビゲームだから、割と子供の相手は得意なんだ」
小児科、ゲームとエトワリアに無い単語を耳にした青葉は、確証を持って青年に問いかける。
「あの、まさかとは思いますけど、お兄さんって日本人ですか?」
「え? じゃあ、君も日本人なの?」
「? 日本人も何も、日本の三門市だろ、ここ」
すると隣で聞いていた白髪の少年が、反応する。まだここを日本だと思っているらしい。
「あ、この子気づいてない……ここ、日本どころか地球じゃないんだ。異世界ってわかる?」
「異世界?
すると今度はメガネの少年から、謎の固有名詞が飛び出してくる。
「な、なんかそっちの彼、すごい世界から来たみたいだね……」
「……まさか、君達って平行世界のことを認識して……」
「へ? まさか貴方も、異世界とか平行世界のことを…」
青葉と白衣の青年は、共に驚愕する。異世界や平行世界という、普通に生きていればまず出くわすはずのない物を認識していたのだから、当然だろう。
「……なんか、のっぴきない状況みたいだな。僕達、急にここにいたんで訳がわからないんですけど、詳しい事情を聞かせてもらってもいいですか?」
そして唯一ついていけなかったメガネの少年に頼まれ、青葉達は自分達の止まっている宿に3人を案内する。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「で、この3人がその新しい異世界人?」
「ウチらもちょっと聖典読んでみたけど、見たことないで」
(男の子、ばっかり…ちょっと、恥ずかしい……)
宿で紹介された青葉の先輩達。白いスリットの入ったドレスの魔法使い風衣装の女性が、滝本ひふみ。コスプレ好きなので異世界スタイルが様になっているが、本人はシャイで人見知りだったりする。
赤いケープを羽織った関西弁の女性が飯島ゆん。普段からフリル付きの衣服を好む傾向にあるため、あまり違和感もない。
長身でスタイルもいいが、ボーイッシュな印象の女性が篠田はじめ。オタク趣味でオモチャに給料の大半をつぎ込むだらしない一面も。
青葉達が自己紹介を終えたところで、3人もそれぞれの名と立場を明かす。
「僕は
「僕は
「同じく
「防衛機関? 修くんって、中学生だよね?なんか矛盾してない?」
「ああ、実はボーダーの前線で戦う隊員は、10代から20代が基本なので、学生との兼業が多いんです。ひとまず、僕達の世界とボーダーについて、まずは話させてもらいますね」
聞けば、修と遊真のいた世界の日本にある三門市には、
ボーダーはその近界人の攻撃に対抗する防衛機関で、近界人のテクノロジーを解析して量産した戦闘用トリガーを使い戦っているという。因みに、トリオン兵にはトリオンによる攻撃以外は効かないらしく、事実上ボーダーが居ないと近界人とは戦えないとのことである。
また、トリオンも20代前後で生成する器官の成長が止まるため、戦闘隊員は必然的に20代までとなってしまうのだとか。
「異世界から侵略……なんか、凄い世界から来たんだね二人とも」
「異世界が、ファンタジーじゃなくてSF……最近じゃ…あんまり聞かないかな?」
青葉とひふみは話を聞いて、結構びっくりしている。やはり大多数が敵や特殊な力のない世界から来たクリエメイト達は、そういったものと無縁なので驚くのも仕方はなかった。
「特定の攻撃でしか倒せないか……僕も趣味はゲームだし、そういう設定とかもよく聞くけど……そうか、平行世界にはそういう敵が…」
「あれ? 永夢さん、今なんて…」
「ああ、ごめんごめん何でもない! それで、涼風さんや三雲君達は、これからどうするつもりで…」
永夢が急にボソボソと呟きだし、しかも気になることを言っていたためつい聞き返す青葉。しかし、当の永夢自身は慌てて否定してしまう。そして今後の指標について聞いてみることにした。
「私たち、ちょっと依頼があってこの街に来たんですけど、これからその依頼主の所に行くんです。RPGのギルドみたいな、あんな感じの」
「なるほど……僕もこの世界について何も知らないので、よければ同行させてもらってもいいですか?」
「オサムに賛成だ。情報も手に入るし、俺も仲間が来れるかわからんし、帰り方探すのにもちょうどいいかもな」
「あ、そうか! 二人とも戦闘慣れしてるってことだし、依頼が魔物退治とかなら助かるかも!」
話を聞いていた修と遊真の提案に、はじめが意気揚々と乗る。しかしそれを横で聞いていたねねは、少し疑いの目を向けていた。
「でもさ、話だけ聞いても厨二病の妄想にしか聞こえないんだよね、正直。何か証拠ってないの?」
「まあ、それもそうですね。本当は隊務違反なんですけど、状況が状況なので、トリガーを実際に見せてみますね」
ねねの言葉に同調した修は、早速立ち上がってポケットからトリガーを取り出す。スマートフォンほどの大きさの装置であるそれを手に、修は叫んだ。
「トリガー
直後、修の体を光が包んだと思いきや、服装が変化した。青と黒を基調とした、SF映画の戦闘要員が着そうな衣服を纏った姿になり、手にはビームソードと思しき武器を持っていたのだ。
そして左肩には、彼が隊長を務める玉狛支部のエンブレムがある。中央に『BORDER』と刻まれた六角形、上部に丸が三つ、下部に大きな丸が一つ描かれているのが特徴だ。
「おお、変身……いや、この場合は装着の方が適任だ!」
「はじめ、そういう問題? まあでも、流石に驚いたわ…」
「うん…ちょっと、かっこいい…」
はじめ達先輩組は、修の変身を見てなかなか好評なようである。特にはじめやひふみは、オタク趣味もあって好印象なようである。
「正面から言われると、結構恥ずかしいな……ちなみに今の僕の体は、トリガーに圧縮して格納されていて、これはトリオンで出来た分身みたいな物なんです」
「え!? 異世界の超科学、何でもありだね……」
「ええ、本当に…ちなみに、五感がリンクしてるんで痛みも感じるし、飲み食いした栄養も供給されるらしいです」
横で見ていた永夢が、修の解説を聞いて驚愕する。ちなみにもう一人、目を輝かせていた人物がいた。
「……!」
「あれ? どうした、ねね先輩?」
「いや、証拠が思った以上にカッコよくて…って、先輩!?」
その本人であるねねは、いきなり遊真に先輩呼びされて驚く。するとそのまま遊真から理由が説明された。
「ひとまずこのエトワリアだっけ? 近界でも把握されてない世界に関しちゃ、俺は素人だからな。少しはここについて知っているあんたは、しばらく一緒にいる俺にとっちゃ先輩ってわけだ。というわけで、よろしくお願いします」
最後に遊真は言いながら、お辞儀をする。やはりねねも人の子故か、すぐに気を良くするのだった。
「そっか、そうだね! よし、先輩がじっくり教えてあげるから、一緒に頑張ろう!」
そして早速、二人は先行して宿を後にするのだった。
「なんというか、桜さんって見た目通りに子供っぽいですね」
「あはは…でも、ねねっち意外としっかりしてるから、いざってときは頼れるよ」
「空閑の奴、変におだてすぎて面倒なことにならないといいけど…」
横で見ていた永夢、青葉、修は口々にそんなことを口にする。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「みなさん、ようこそいらっしゃいました」
依頼主がいるらしい、町はずれにあるという集会所にやってきた一同。するとそれらしき女性が出迎え、中に一同を招き入れた。そして応接室と思しき場所に案内される。
「今回の依頼を受けてくれて、ありがとうございます。それでは、さっそく話をさせてもらいたいのですが……」
そして依頼について話がされ………
「おまえ、つまんないウソつくね」
なかった。なんと遊真がいきなり女性に対して、そんなことを言ったのだ。
「ゆ、遊真君?」
「いきなり、何を言い出すんだい?」
突然の遊真の物言いに、思わず青葉も永夢も聞き返してしまう。
「この人の依頼があるって話、ウソだな」
「か、開口一番になにを言って……何か証拠でもあるんですか?」
「いや、何も」
遊真のありえない物言いに、当然女性も反論する。しかし遊真はあっけらかんとした様子で言い、「でも…」とそのまま続けた。
「俺にはちょっと特別な力があるんだ。それのおかげでウソがわかる」
「な……私が一介の冒険者さんを騙す理由でも、あるんですか?」
「知らないな。この力さ、ただ人の言うことが漠然とウソかどうかわかるだけで、何を企んでいるのか、とかは全くわからん。でも、百パーセントあんたの言う依頼の件がウソだって、言い切れるぜ」
遊真の特別な力とやらに、それを合わせた暴論をぶつけられ、女性は唖然としてしまう。その横で、青葉はさっそく修に聞いてみるのだった。
「修君、本当なの?」
「はい。トリオンの影響で生じる、サイドエフェクトと呼ばれる特殊な力があります。空閑の言うあれも、それによるものです」
修からの裏付けも取れた青葉も、女性に疑いの目を向け始める。しかしいきなりのことだったため、同時に困惑もしていたのだが……
「はぁ……もういいですよ。この作戦は失敗のようです」
そんな中、奥から別の女性が現れて、このウソの件を認める発言をした。
「あ、この人!?」
「「うぇええ!?」」
現れたのは、エルフ耳にモノクル、青い髪という目立つ容姿の女性だった。しかしそれ以上に驚くことに、水着のような格好にローブを羽織るだけというかなり破廉恥な服装をしていたのだ。思わず永夢と修は顔を赤らめながら仰天し、目を背ける。
そんな彼女に、ねね以外のイーグルジャンプ組には見覚えがあった。
「私達が初めて召喚された時に会った……」
「ええ。みなさん、お久しぶりです。そしてそこの初めて見るお方達、私はアルシーヴ様に仕える七賢者の一人、セサミと申します」
そう、彼女は七賢者の一員であると同時に、アルシーヴの秘書を務めるセサミであった。つまり、この依頼そのものが罠ということだ。
「セサミ様、申し訳ございません!」
「いえ。あんなことをいう人物自体、私でも想定できませんでしたし、今回は不問にしておきます。下がっていなさい」
セサミの部下だったらしい女性は、そのまま部屋から下がっていく。
「私たちを狙うってことは、やっぱり……」
「ええ。しかも今回は召喚士や協力者のおかげで、クリエメイトの人数も増えたということで、より多くのクリエを得られると考えました。だからわざわざ、依頼という偽装工作でおびき寄せようと思ったんですが……」
青葉の推測に答えるように事情を話すセサミは、そのまま遊真を睨むように見る。それに対し、遊真自身も聞き返した。
「でもさ、もしアオバ先輩達じゃなくて、初めからこの世界の住人が依頼受けてたら、どうするつもりだったんだ?」
「その場合は適当な依頼を出して、報酬でも払うつもりでしたね。あとは同じことを繰り返す根気の作業、という予定だったので問題もないですよ」
遊真が当然の疑問をぶつけるも、権力者だけあって金に色目はつけない方針だったらしい。
「しかしバレてしまった以上は、不得手ですが力ずくという手段を取らせてもらいます」
そう言い、セサミが指を鳴らす。
「「「クー!」」」
「「「クー!!」」」
すると、部屋の中に大量のクロモンが入り込んできた。中には剣と兜を装備したクロモンナイト、魔女のような帽子と杖を持ったクロモンヌ、といった上位種も紛れ込んでいる。
「うわぁ、こんなにいっぱい!?」
「ダメ…逃げられ、ない…」
「仕方ない。迎撃するぞ!」
「修君に賛成、行くよ!」
「まさか、こんな形で戦うなんて、聞いとらんわぁ…」
「でもどっちみち、戦わないとまずいですよ!」
修が啖呵を切って、そのまま戦闘態勢に入る。ねねは剣、はじめは槍と盾と前衛用の装備であるため正面から乗り出す。
「オサム、確かボーダーのトリガーは生身の生物には……」
「あ……でも、無力化できれば一緒だろ!」
「なら、オサムはトリガー使え。どっちにしろ、生身じゃ上手く戦えんだろ」
実は道すがらで青葉達に説明したのだが、ボーダーが使う戦闘用トリガーには生身の生物には激痛による気絶こそあるが、外傷を与えないように調整されている。ボーダーはトリオン兵や近界民との戦闘以外に、一般人の保護も行う。そのため、逃げ遅れた一般人やトリガーを解除した隊員への巻き添えを防ぐためだ。
そしてトリガーを起動した修は、さっそくクロモンの群れへと突撃していった。
「くっ…このぉ!」
修は手にした剣、レイガストをクロモンナイトに振り下ろし、鍔迫り合いになる。
「喰らえ、アステロイド!」
直後、空いている手からエネルギー弾が生成されて撃ち出すと、クロモンナイトに命中して吹っ飛ぶ。そして、別のクロモンナイトに向かっていった。
ボーダーの隊員には兵種が存在し、修は
ちなみに游真は近接要員の
「この!」
「クー!」
「って、しまった!」
新しいクロモンナイトと戦っていると、背後から通常のクロモンが飛び掛かってくる。明らかに正面の敵に気を取られていたのだ。
「おっと、危ない!」
「あ、ありがとうございます…」
そこにねねが割って入り、手にした剣でクロモンに一閃を放つ。そしてそのまま修と背中合わせになった。
「修君、明らかに直線的な戦い方だね……もしかして、結構弱い?」
「あ、はい。実は僕、トリオン自体も量が少なくて、メインは作戦立案とサポートなんですよね…」
修自身は、一度トリオンの総量が少なくて試験を落ちたことがあるのだが、そこから子紆余曲折を得てボーダー入りしたのだという。
「ま、いいか。その剣って盾になるって聞いたし、飛び道具も使えるから、そのサポートお願いね!」
「了解です!」
そしてねねの指摘通り、修はレイガストをシールドモードに移行、ねねを攻撃から守る側に徹する。
「ほい、ほい、ほいっと!」
「グゥー!?」
一方の遊真は、クロモンナイトが振り回す攻撃を小柄な体を活かして巧みに回避し、懐でアッパーカットを叩き込む。すると小柄な体からは想像できない腕力を発揮し、クロモンナイトは天井にたたきつけられた。
「メガ粒子レクイエムシュート!」
「「「クゥウーーー!?」」」
そして青葉がクロモンナイトの後ろにいた通常クロモンの群れに、魔法を叩き込む。特大の魔力弾が生成され、一気にクロモンたちを吹き飛ばした。
「アオバ先輩、けっこうやるじゃん」
「私だって、魔法の特訓したからね! でも游真君、生身なのにすごい強いんだね…」
「……まぁ、俺はガキの頃から親父と戦場にいたからな」
「え?」
「おっと、なんでもない。そういえば、エム先生は……」
一瞬、遊真が気になることを言ったため気を取られる青葉。しかしすぐにはぐらかし、そのまま永夢のほうを気にする。実際、医者でゲーム好きという戦闘からかけ離れたイメージの彼の安否も気になった。
しかし、そんな二人の目に飛び込んできたのは、驚きの光景だった。
「てやぁあ! とぅ! おりゃあ!!」
なんと永夢は素手でクロモンの群れを蹴散らしていたのだ。
飛びかかって来た個体をサイドステップで躱し、回し蹴りを叩き込む。そして足元から襲って来たクロモンの攻撃をバク転で回避し、続けて蹴り上げる。更にクロモンナイトが剣を降って来たときは上手く仰け反って回避し、拳を叩き込む。
明らかに戦い慣れているのだ。
「え、永夢さん!? ゲーマーでお医者さんって言ってましたけど、なんか戦い慣れてませんか!?」
「実は僕、とぉ! かなり特殊な部署にいてね、はぁ! おかげで、荒事慣れ、してるんだよね! って、おりゃあ!」
「おぅ。こいつはびっくり」
青葉と遊真も、これには驚きだった。しかも話しながら、クロモンヌの魔法攻撃を避けて、挙句の果てに攻撃まで加えている。
「いやぁ、私らも総出で援護しようと思ったんだけどね……」
「あれ、うちらよりも強いんとちゃう……」
「うん……傍から見ても…そうだと、思う…」
襲ってくるクロモンの群れを抑えながら、合流してきたひふみ達が口々に告げる。彼の属する特殊な部署こそが、その戦闘力の由来であった。
「まさかクリエメイトでもない、よくわからない二人がここまで強いとは……仕方ありません」
そんな中、静観していたセサミがどこからか杖を取り出し、それによって魔法を行使しだした。
「ディープレイン!」
直後、セサミの掲げた杖から水の塊が打ち出され、それが部屋一帯に降り注いでいく。
「危ない!」
「きゃあ!?」
「まずい! 皆さん、こっちに!」
永夢がとっさに声を上げると、一斉に回避に入る。そして一斉に修の周りに集まる。
「シールド、展開!」
修はそのまま、レイガストだけでなく単体でシールドを張るトリガーを使用。永夢や青葉たちを守る。しかし、ここで一人攻撃に専念しすぎて気づかなかった者がいた。
「修君、遊真君がまだ!」
「空閑、こっち来い!」
「お?」
青葉がそれに気づいて、修が呼びかける。しかしその時にはもう遅く、游真は魔法を諸に食らってしまう。
「今です。ハイドロカノン!」
そしてセサミがチャンスとばかりに、ジェット水流を杖の先から放つ魔法で游真に追撃をかける。立て続けに攻撃を受けてしまった遊真が、無事で済むとは考えにくかった。
「おっとしまった。攻撃に夢中で回避失敗、初歩ミスすぎだろ……」
「「「「「「「え?」」」」」」」
しかし遊真は、何事もなかったかのように立ち上がった。しかし腕は欠損し、顔にも傷があったが、血の一滴も流れていないのだ。
代わりに、光る霧状の何かが傷口から溢れ、顔の傷も陶器やガラスのひび割れを彷彿とさせていた。しかも驚くことに、それが徐々に修復されて何事もなかったかのように元の姿となったのだ。
あまりにも現実離れした姿に、修以外の面々は戦慄する。セサミも攻撃の手を止めてしまうのだった。幸いだったのは、この空気が伝搬してクロモンの攻撃も止んだことだろう。
「え? 傷が、一瞬で……」
「ウソ…遊真君、どうなってるの?」
「……あとで詳しく説明しますが、実は空閑は…」
修が簡潔に事情を説明し、状況を落ち着かせようとするも、直後にそれは起こった。
「おやおや、ボーダーにクリエメイトの皆さん。そしてCRの宝条先生、おそろいでどうも」
聞き覚えのない男の声が聞こえたと思いきや、その声の方には白尽くめに七三分けの髪の、胡散臭い優男がいた。しかも、先ほど下がったセサミの部下の女性、その首根っこをつかみながら立っていただ。
「!? 何ですか、あなたは!」
「私、財団Xの研究員カイ・キジマと申します。本日はオーバーヘブンショッカーに出向の任務で、このエトワリアに足を踏み入れさせてもらいました。以後、お見知りおきを」
「財団Xにショッカー!?」
セサミに問いかけられた男は律義に自己紹介し、その所属に永夢は驚きを隠せずにいた。
「永夢さん、財団Xって?」
「僕のいた世界の裏社会で暗躍する、いわば死の商人です。ショッカーも、悪の組織と思ってもらえれば……」
「流石はCRのドクターライダー、天才ゲーマーM。よくご存じで」
「そういうのはどうでもいいです! 彼女に何をする気なんですか!?」
永夢が財団Xやショッカーについて簡単に説明すると、カイが永夢に称賛を送る。その一方で、セサミが激高しながら問いかける。
「我々のこの世界に対する、宣戦布告と実験ですかね。その為に……」
「それは!?」
カイが告げながら取り出したのは、携帯ゲーム機のような奇妙な装置だった。ボタンがAとBと二つだけで、十字キーも無いため、ゲーム機ではないのは分かった。
「ひぎぃ!?」
そしてカイは徐に、それを女性に突き刺した。そして女性が苦しみだした直後
「発症ですね」
体がコンピュータ画面が乱れたかのように、彼女の身体がブレ
「きゃあああああああああああああああああああああああ!?」
断末魔を上げて体がオレンジの物体に覆われる。そして現れたのは、バクテリオファージを思わせる、巨大な節足動物のような何かであった。
「な、なんですかあれ!?」
「バグスターユニオン……なんで」
「バムスター? トリオン兵には到底見えないけど」
バグスターという単語を聞き、遊真はトリオン兵のバムスターと聞き間違える。しかしすぐに永夢が訂正し、そのバグスターについて説明を始めた。
「バムスターじゃなくてバグスター……僕達の世界で突如出現した、人間に感染するように進化したコンピューターウイルスです」
「え!? コンピューターウイルスが人間に?」
「所謂2000年問題でとあるゲーム会社から生じたコンピューターウイルスが、進化の果てに誕生したんですが、それに感染するとバグスターに体を乗っ取られて、あのようになります」
「つまり、病気であんな怪物になっちゃったんですか!?」
「つまり、彼女はもう……」
修も青葉も、あまりにもとんでもない事実に驚嘆する。周りの面々も何も言えなくなり、感染者の直接の上司であるセサミも膝をついてしまった。
しかし、ここで光明を出したのが、他でもない永夢本人であった。
「安心してください。僕のいる特殊な部署、CRはバグスターウイルスとそれで生じる病、通称ゲーム病の治療のために作られた部署です」
「え? じゃああなた、医者なんですか?」
横で聞いていたセサミが永夢の発言に驚いていると、すぐに行動に出た。
「はい。そしてこれを使えば、治療のためのオペが可能です」
永夢はまたゲーム機のような装置を取り出す。腹部に当てると、そこからベルトが伸びて装着される。そして懐から、何かを取り出した。
《マイティアクションX!》
永夢が取り出したそれは、どこかカセット式のゲームソフトに似た雰囲気の小さな装置だった。見てみると、先ほど話していたマイティの姿が描かれている。そしてスイッチを押すと、直後に高らかな掛け声が発せられる。しかしその直後、修や青葉は永夢の表情に視線を奪われてしまう。
「え、永夢さん? 何か様子が……」
「どうして、急にそんな笑みを……」
なんと永夢は先程までの温厚そうな雰囲気が嘘のように、勝気な様子の不敵な笑みを浮かべて居たのだ。
「患者の運命は、俺が変える!」
「「お、俺!?」」
しかも一人称まで変わっているのだ。明らかに何かおかしい。だが永夢は気にせず、構えをとって、あのセリフを口にしたのだ。
そしてそのカセットを左手に持ち替えながら、ベルトの差込口に勢いよく差し込んだ。するとまた音声と同時に、今度はゲームの選択画面のようなものが永夢の周囲を舞う。
そして声高らかにベルトから流れる、歌のような電子音声の中で永夢は画面の一つに手を触れる。するとそこが発せられたピンクの光に永夢が包まれ
俺は仮面ライダーだと主張する掛け声が上がり、光も晴れる。そしてそこに立って居たのは……
「「え? ゆるキャラ?」」
「こんな時に、何をふざけているんですか!?」
修も青葉も目が点になりながら、呟いた。現れたのは二頭身ボディにピンクの髪、極め付けに目が複眼ではなく瞳の描かれたゴーグルと、仮面ライダーからかけ離れた容姿だったのだ。
二人の口にした、ゆるキャラという方がまだ説得力があった。セサミも憤慨している。
「俺は仮面ライダーエグゼイド。ゲームなら俺に任せておけ」
しかし永夢が変身したエグゼイドは、先ほど同様に勝気な発言をした。そして、彼の決意の言葉が発せられた。
「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!」
オリジナルキャラ
カイ・キジマ(CVイメージ:千葉雄大)
財団Xの研究員で、オーバーヘブンショッカーのエトワリア侵攻と聖なる遺体確保のために送り込まれた青年。見た目は七三分けの髪形の優男だが、人一人片手で持ち上げるだけの膂力があるなど謎の多い男。ボーダーのことを知っているなど、財団がトリガー技術に手を出していることをほのめかしている。
組み合わせた理由。
当初、ジャンプ側はゲーム繋がりで遊戯王(バイク要素を入れるために5D's)の予定でしたが、モンスター使役系はライダーと並べても違和感がある&デュエルから十年は離れているので上手く描写できない、といった理由で没にしました。
結果、主人公が組織に属するつながりで血界戦線と比べた結果、パワーバランス的に良かった&ワートリの連載再開があったので、こちらをチョイスしました。