仮面ライダー&ジャンプフォース 平成ジェネレーションズHeaven inきららファンタジア 作:玄武Σ
そしてワートリ側は18巻の生駒隊&王子隊戦の後になっています。ONE PIECEと違って、劇中で説明する機会がないのでこっちで説明しました。
(さて。ドクターライダーの中でも規格外の存在である、エグゼイドがどれほどの物か、見させてもらいますか)
セサミの部下の女性をゲーム病に感染させたカイは、そのままバグスターユニオンから離れた場所で、観察を始める。どうやら、エグゼイドの力を見極める目的もあるらしい。
【ガシャコンブレイカー!】
その一方で、エグゼイドは胸を叩くと同時に現れた、ピコハンのような武器を手にバグスターユニオンを見つめる。
「ここは狭いから、上手く戦えねぇ。だから……」
そう言い、エグゼイドはベルトを操作しようとするが、そこでカイが声をかけて来る。
「一つ忠告ですが、今この町全体に特殊なバリアを張っていますから、ステージセレクトは使えませんよ」
「なんだと!? なら、仕方ない。広い場所に出るまでだ!」
カイの言葉の最中、操作を受け付けないのを確かめたエグゼイド。代わりに全力疾走、窓をぶち割って野外に飛び出す。さっきまでバグスターユニオンは警戒していたのか動かなかったが、エグゼイドの疾走に合わせて走り出した。
「か、壁が……」
「まあ、あんなデカイのが暴れたら当然、ですよね……」
「……もう、訳がわかりません」
バグスターユニオンは集会所の壁をぶち抜いて、エグゼイドを追いかけていく。その様に青葉も修も騒然とし、セサミは再び膝をつく。
「それでは、私は他に用があるので一旦失礼しますね」
「な!? 待て…」
『あと、バグスターはトリオンによる攻撃は効くようなので、君たちのトリガーで戦いに支障は出ませんよ』
その一方で、カイは監視用のドローンのようなものを置いていって、そのままワープ装置のようなもので消えてしまった。修が追いかけようとするも、間に合わずに転移してしまう。そしてそのドローンも、カイからなぜかアドバイスを伝え、そのまま飛び去ってしまった。
「アイツの動向も気になるけど、エム先生を追いかけねぇか? 巻き添えを出すようには思えんけど、あんなのが町で暴れてたら、みんなパニクるんじゃね?」
「って、それもそうだ! みなさん、行きましょう!」
「青葉ちゃんに賛成! 戦えないにしても、避難誘導くらいは出来るはずだ!」
そんな中、ただ1人冷静だった遊真の言葉に我に返った一同は、真っ先に声をあげた青葉と、すぐに賛成したはじめを先頭に、町の住人の避難に乗り込む。それに真っ先に遊真が付いて行き、あっという間に青葉を追い越して先頭をはしるのだった。
そんな中、ひふみが修に声をかけてきた。
「修、君…さっきは驚いたけど…遊真君が、悪い子じゃないの…わかってるから、安心…してね」
「ひふみさん……ありがとうございます。空閑の件については、後で説明します。今は町の人の避難に専念しましょう」
そして2人も続き、セサミが1人残っていたが……
「……って、部下の危機に動かないのは、七賢者の名折れです!」
すぐ我に帰り、そのまま一同の後を追う。
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「おらよ、こっちだ!」
エグゼイドは町の外れにある林にバグスターユニオンを引きつけ、そこで戦っていた。割とすぐ、人のいない方に誘導できたらしい。
『『キィイイイイイイイイイイイイ!!』』
しかし、何故かバグスターユニオンは二体に増え、新しい方は首のない人型をしている。そして二体同時に、甲高い鳴き声をあげながらエグゼイドに襲いかかった。
「上手いこと引きつけてくれてたみたいだけど……」
「もう一体いたのか?」
「どうやらアイツ、集会所に来る前にもう一人感染させてたらしい!」
青葉達もその様子に驚いていたが、エグゼイドが攻撃を回避しながら説明する。セサミの部下が変じた個体はエネルギー弾による射撃攻撃で、もう一体の方は巨大な拳を叩きつける力押しの攻撃で、エグゼイドを狙っていた。
のだが……
「すごい…ピョンピョン飛び跳ねてるよ」
「グラスホッパー使ってるみたいだな、あれ」
「ああ。でも恐らく、純粋な身体能力だけなんだろう」
はじめの指摘通り、エグゼイドはそのずんぐり体型からは想像できない俊敏さで、バグスターユニオンの攻撃をかわしていた。ひとっ飛びで数メートルの高さを上昇し、手にしたガシャコンブレイカーを落下と同時に叩きつける。すでに歴戦の勇士と化していた彼にとって、これはお手の物だろう。
しかし、二体同時に相手取らないといけないため、ヒットアンドアウェイでチマチマと攻撃せざるを得ない。ドクターライダーの戦いは医療行為であるため、急ぐ必要があるからこれは良くない。
「やっぱ、二対一じゃ効率悪りぃな。強化アイテムが……あった!」
そんな中、エグゼイドが辺りを見回して見つけたのは、板チョコのような模様のブロックだ。それを目にした直後、エグゼイドはバグスターユニオンから離れて、そのブロックに向かっていく。
「永夢さん、いきなりどうしたんですか!?」
「俺はゲームの力で戦ってんだ! だから、ゲームと同じで強化アイテムでパワーアップ出来んだよっと!!」
いきなりのことに驚いた青葉に、説明しながらブロックのそばに駆けつけるエグゼイド。そしてブロックをガシャコンブレイカーで破壊すると……
「アイテムゲット!」
【高速化!】
中から飛び出した、走っている人間の描かれた黄色いプレートを手にした瞬間、エグゼイドが超スピードでバグスターユニオン達に向かっていく。その速度に相手は攻撃する隙を与えられず、エグゼイドに一方的に嬲られていく。
しかし一同には、それ以上に気になるものがあった。
「ゲームの力で戦う……そう言ってたよね、永夢さん」
「だね、ねねっち。じゃあさっきから見えてるアレは……」
「幻覚だと思ってたんですが、青葉さん達にも見えてたんだ。よかった…」
エグゼイドが攻撃するたびに、バグスターユニオンの体からHITやGREATといった字が浮かび上がるのだ。変身するときにベルトに差し込んだツール"ライダーガシャット"は、永夢のいた世界にある幻夢コーポレーションという会社のゲームをモチーフにしている。この幻夢コーポレーションがバグスターウイルスの生まれたというゲーム会社で、それ故かガシャットをはじめとしたドクターライダーの装備も、幻夢コーポレーションで作られたのだ。なので、この仕様というわけである。
「さて、これでトドメだ!」
そして天高く飛び上がったエグゼイドは、そのままセサミの部下が変じた方のバグスターユニオンに落下。ガシャコンブレイカーを叩きつける。
『キィイイイイイイイイイイイイ!?』
断末魔をあげて爆発するバグスターユニオンだが、エグゼイドはその爆風になってさらに大ジャンプ。
「お前も、終わりだ!」
『キィイイイイイイイイイイイイ!?』
そして再び、落下の勢いでガシャコンブレイカーをバグスターユニオンに叩きつけ、もう一体も撃破した。
そして爆風が晴れた先には、ゲーム病に感染した人間達が解放される。片方は当然セサミの部下だが、もう片方は意外な人物だった。
「あ、あの子!?」
「俺たちが最初に会った……」
遊真の指摘通り、最初に修と二人で出会った迷子の子供だった。手にはまだマイティのストラップが握られており、あの後すぐにゲーム病に感染させられたのが伺える。
「元に戻っている……よかったです」
「坊や!」
すると駆けつけてきたセサミと、町からバグスターユニオンを追いかけてきたらしい子供の母親が、二人の姿を見て安心する。そして駆け寄って起こそうとするのだが……
「え?」
「嘘、すり抜けて……」
「まだオペは終わってねぇ。パターン通りなら……」
解放された二人は、手で触れてもすり抜けてしまい、よく見ると体も若干透明になっている。
そしてエグゼイドがセサミ達の前に躍り出ると、異変が起こった。
「見て! さっき倒したやつの肉片が集まっていくよ!」
「このパターン、嫌な予感がするな……」
ねねの指摘通り、バグスターユニオンの残骸が寄せ集まって、何かの形を作っていく。修は以前、三門市への大規模侵攻を阻止する任務で、大型トリオン兵の体内から新型のトリオン兵が現れるということを経験している。そこから二段構えを思わせるこの様は、彼の警戒を強めることとなった。
「ドクターライダーめ。相変わらず、しょっぱいことをしてくれる」
「だが、この異世界こそがお前の墓場となるのだ」
そこに現れたのは二体の怪人だ。片方は青い体にマントと塩の塊でできたハットを身につけ、片腕が電気プラグのようになっている。
もう片方は赤を基調とした、魔法使いの杖を持った奇怪な姿だ。
そしてその周囲には、オレンジの頭の異形の集団・バグスターウィルスがいる。
「これが、バグスターの真の姿?」
「ああ。バグスターはゲーム会社から生じたコンピューターウィルスって言ったよな? だからか、俺の世界のゲームの敵キャラクターの姿をとる傾向にあるみたいなんだ」
青葉の疑問に答えるエグゼイド。そして次は、バグスターの詳細について語り始めた。
「青い方はソルティ、マイティアクションXのボスキャラでソルティ伯爵を模している。もう片方の赤いバグスターは、アランブラ。タドルクエストってRPGに出てくる、悪の魔法使いだ」
「マイティの敵? マイティって、ゲームのキャラだったんだ」
「ファンタジーの世界にRPGの怪人……送り込んだやつって、結構悪趣味?」
「言うとる場合かい! 先生、あれウチらで勝てるんですか!?」
ねねとはじめのリアクションにツッコミを入れるゆん、そして同時にエグゼイドに勝算について尋ねることにしてみる。
「さっきのバグスターユニオンは分離させるのに、このレベル1の姿を取らねぇと駄目だが、倒すだけならガシャットで変身したライダー以外でも出来るぜ」
「なら、俺にもひと暴れさせてもらうぜ」
「さすがに、もう見てるだけは我慢できないかな」
「遊真もはじめさんも、やる気十分だね。じゃあ私もやるぞ!」
そこに前衛3人がエグゼイドの隣にならび出て、臨戦態勢に入る。
「異界の科学技術にファンタジー世界の魔法か……相手にとって不足なし!」
「我が偉大なる魔力に、ひれ伏すがいい!!」
「観念するのはお前らだ! 天才ゲーマーMの名にかけて、患者は俺が救う!!」
ソルティとアランブラの二体のバグスターを前に、啖呵を切るエグゼイド。そして、ドクターライダーは次のステージへと突入した。
そしてエグゼイドはポーズを決めると同時に、ベルトの中央にあるピンクのレバーを倒した。するとレベルアップという掛け声と同時に、エグゼイドの体に変化が生じた。
「「えぇえええええええええええええええ!?」」
その変化に、修と青葉は同時に絶叫した。なんとエグゼイドの体が弾け飛んだと思いきや、残ったゴーグル部から、体が生えたのだ。
ピンクの髪や瞳の描かれたゴーグルといった面影は残っているが、頭身が上がってシュッとした、よりヒーロー然としたフォルムと化している。
これこそ仮面ライダーエグゼイド・レベル2。バグスターを患者から切り離すことに特化した先程の姿、レベル1から戦闘特化形態に移行した姿である。
「痩せた……というか、どないなっとるん!?」
「ゆんちゃん…たぶん、真面目に考えると…怖いよ…」
「いやいや、これは流石にないだろ…」
ゆんもひふみもあまりの変化ぶりに驚愕するしかなく、珍しく遊真も驚いている様子だ。しかし当のエグゼイド本人は周りの様子も気にせず、再びガシャコンブレイカ-を手に突撃していく。
「って、こんなことしてる場合じゃない! 私たちも行こう!!」
「そうや! ウチら、そもそも戦闘中やし!?」
「それなら俺も、トリガー起動」
そして残っていた面々も先頭に乗り出し、遊真もトリガーを起動して戦闘に乗り出す。修とお揃いの隊員服に、レイガストと異なるブレード、”スコーピオン”を手に立ち向かっていく。
「攻撃が効くなら、僕たちも行きましょう!」
「だね! セサミさん、悪いですけどその人たち見ててください!」
「あ、ちょっと……仕方ない。今回は譲りましょう」
そのまま修達も向っていくのだが、同時に青葉はセサミに指示を出していく。あまりの事態についていけないため、青葉の指示を素直に飲むことにするしかないセサミであった。
そして隣に並び立つイーグルジャンプ組とボーダー組に、エグゼイドから指示を出す。
「永夢さん、あのカイという男がトリガーでバグスターを倒せると伝えてたので、僕達も手伝います」
「成る程……なら、ここからは超強力プレイといくか。アランブラは回復を含めた多彩な魔法を使うから、俺が相手になる。それと青葉とはじめ、ゆんは手伝ってくれ。ソルティの方は単純な格闘戦タイプだから戦いやすい。修と遊真、ひふみとねねで頼む」
「よし。指示はあいつらと戦いなれてるエム先生に任せよう」
「だな。よし、皆さん行きましょう!!」
「それじゃあ、私たちも行こうか!!」
そしてエグゼイドのチーム配分に乗り、一同はそのまま散会、二体のバグスターに立ち向かっていく。
「くらえ!」
「おっと!」
ソルティは左腕のプラグに電撃をまとわせて、遊真に殴りかかる。しかし遊真は先ほどのクロモン戦同様に、小柄な体躯を活かして回避する。そしてスコーピオンのブレードで切りかかった。
「くっ!?」
「お、マジでトリオンが効いてるな。これなら難なく勝てそうだ」
ソルティは腕を切りつけられ、ダメージを負う。遊真はトリオンによる攻撃が効いている様子から、先程のカイの忠告が事実=勝算ありとみて戦闘を続行する。
しかしその一方、ソルティはあることを遊真に話しかけてくる。
「小僧、殺傷力のないそのトリガーが我々に効くということは、同時に何を意味しているかわかるか?」
「妥当なところで、お前の攻撃もこの体に効くってところか?」
「!? 感のいい小僧だな。しかし、それは同時にお前の優位性は、私には効かんといういうことでもあるのだよ!」
「嘘は言ってないな。でも、その前にお前を倒せば、解決だろ」
そしてそのまま、遊真とソルティのチャンバラが始まる。スピード重視の一撃必殺タイプの遊真と、体格と電撃によるパワー型のソルティ。タイプの異なる二人だが実力は拮抗しているようだ。
「遊真、やるみたいだね。それじゃあ私とひふみ先輩は、雑魚を片付けちゃいますか!」
「うん…修君の準備のためにも…頑張ろう」
その一方、ねねは周囲に群がるバグスターウィルスの軍団、つまり戦闘員を切り伏せていく。なぜか兵士やパティシエの格好をしているが、そんなに強くないようなのですぐに倒せていた。そしてひふみも、魔法で敵を狙い撃ちしていく。どうやら二人は、今この場にいない修から作戦を聞いているらしく、その準備のために雑魚を引き付けているようだ。
「そういえば、お前らって何の目的でこの世界に攻撃仕掛けてるんだ?」
「別の世界から迷い込んだらしい、聖なる遺体という代物を追ってきた、とだけ言っておこう。それが何かは教えてやらんがな」
戦いの最中、遊真はソルティから財団Xの狙いを尋ねる。やはり聖なる遺体が目的のようだが、ソルティはそれ以上の情報を明かさず、戦闘を続ける。
(未だに決定打を与えられないのは、流石に拙いな……修の準備までこいつを抑えないと…)
そして思案する遊真は、ある策を思いついて乗り出した。
「グラスホッパー!」
「何!?」
遊真が叫んだ直後、その背後の地面が発光する。そしてそれに飛び込むと、トランポリンのように遊真を天高く打ち上げた。
「からの!」
「ぐわぁあ!?」
直後、遊真のブレードが鞭のようにしなり、ソルティの顔面に斬撃を入れることに成功した。
グラスホッパーは先ほど使用した通りの、トランポリンを仕掛けるオプショントリガーだ。遊真は元から高軌道戦闘タイプのため、存在を知ってからは愛用している。
そして遊真のブレードであるスコーピオンは強度が低い代わりに、軽い&形状が自在に変えられるという特性がある。そして今の技は二つスコーピオンを装備し、繋ぐことでリーチを伸ばした"マンティス"という技だ。かつてボーダーのランク戦で戦った、B級2位の影浦隊が考案した技である。
「空閑、準備完了だ! 畳みかけろ!!」
「よし、来た!!」
「何をする気かは……な、なんだこれは?」
修の声が聞こえたと同時に、ソルティは体勢を整えなおす。しかしあたりを見回すと、林の木々にいつの間にかワイヤーが無数に張られている。その様子にソルティが困惑するも、これこそ修率いる玉狛第二の必勝パターンだ。
「ほいっと」
「ぐわぁあ!?」
直後、遊真がワイヤー伝いにソルティの背後に回り、一撃入れる。そして先ほど使ったグラスホッパーで離脱した。
そして離脱の最中に再びマンティスを使って、ソルティにもう一撃入れる。
「よっと!」
「ぎゃああ!?」
そして再びワイヤーから飛び掛かって、切りかかる。そしてまたグラスホッパーで離脱、といった具合でソルティを完全に翻弄している。
「くそ、なんてしょっぱいことを!? なら、クリエメイトとやらを先に片付ければ…」
このままでは埒が明かないと判断したソルティは、ねね達に向かっていく。しかし、それは失敗だった。
「ぐえ!? 何が……!」
ソルティはそのまま顔面に何かに引っかかって、潰れたカエルのような声を上げる。見てみると、見えにくい色のワイヤーが仕掛けられていた。
「そっち行ったのが失敗だったな」
「ぎゃあ!?」
そして遊真がソルティの正面に回り、再び切りつけ、その隙をついて蹴り飛ばす。しかも…
「なに…うわぁあああああああああああ!?」
すると、ソルティの吹っ飛んだ先にグラスホッパーが仕掛けられていて、今度はソルティが天高く打ち上げられたのだ。その様子を、雑魚を片付け終わった一同が見上げている。
「うわぁ、相手が防戦一方……なんか、惨いね」
「ええ。でも、僕達はランク戦を勝ち抜いてチームのランクを上げないといけないんで、手段は選びませんよ」
「それも…遊真君の、秘密と…関係あるの?」
「はい。後で、その秘密と一緒に説明します」
修が少ないトリオンと低い戦闘技術を補うため、縁のあったA級部隊の一つ"嵐山隊"の隊員・木虎藍から指南を受けた"エースを活かす戦闘法"とし、玉狛第二のエースである遊真のスタイルを活かした高軌道フィールドを準備するというものだ。しかもワイヤーは色を自在に変えられるため、派手な色と景色に溶け込む色、挙句には中間の色を濃淡順で複数使い分けることで、視覚に訴える罠も仕掛ける、という徹底ぶりだ。
「よし。そろそろとどめと行くか、ねね先輩」
「オッケー! 行こう、遊真!!」
そして遊真は再びグラスホッパーを使い、ねねと二人で飛び上がる。そして
「でぇええええええええええい!」
「おらよっと!」
「ぎゃああああああああああああああああああああああ!?」
落下してきたソルティに、すれ違い際に二人で同時攻撃を叩き込んだ。ぶった切られたソルティは、そのまま爆発四散、GAME CLEARの文字が浮かび上がった。勝利したようである。
「ほい」
「おう!?」
そして遊真は落下しながらねねをキャッチし、そのまま地面に着地した。
「なんとか、勝てたな」
「うん…二人とも…お疲れ、様」
そして修とひふみが、着地した二人に労いの声をかける。
「オサム、ひふみ先輩、両手上げてくれ」
「え?」
「あ、あれか」
すると不意に遊真から言われるも、修が意図を理解して実際に上げる。そしてそれに、ひふみも従う。
「イェイ!」
遊真が修にハイタッチ
「イェイ!」
そしてねねがひふみにハイタッチ
「「イエーイ!!」」
最後に遊真とねねが肩を組んで終了。ワイヤー戦法を初めて使用したランク戦でも、こんな感じで勝利のポーズを決めたのだった。
「オラオラ! 俺たちがこんな程度で止まるわけねえだろ!!」
エグゼイドは群がるバグスターウィルスを、ガシャコンブレイカーで蹴散らしまくる。大きさがピコピコハンマー程度なこともあり、至近距離で腹や胴などを直接叩けるのが売りだった。
「おらよ! くらえ!!」
更に一跳びで数メートル上昇し、落下の勢いで振り下ろす。それにより衝撃波が地面に走り、十数体のバグスターウィルスがまとめて吹き飛んだ。
「やっぱり、すごいな…」
「えい! 戦い慣れしてると、ちゃうんやな」
はじめが敵の攻撃を盾で防ぎながら呟くと、ゆんがフラスコをその敵に投げつけて倒し、視線を移す。エグゼイドの戦闘能力に、自分達との差を実感することとなる。しかし意外にも、ここで折れない人物が一人いた。
「メガ粒子レクイエムシュート!!」
青葉が先ほどクロモン戦で使った魔法で、数体のバグスターウィルスを撃破する。
「永夢さ……じゃなくて、エグゼイド! 私だって、足手まといじゃないから、力はつくします!」
「青葉……サンキューな! よし、このままいくぜ!!」
そして青葉の頑張りにエグゼイドも激励を受け、さらに攻撃が加速していく。無双アクションの如き勢いで群がる雑魚を倒していったのだ。そしてその打ち漏らしに、青葉が追撃をかけていく。ほどなくして、バグスターウィルスは全滅した。
「青葉ちゃんがあんなに頑張ってるんだ、先輩の私らが頑張らないでどうすんの!」
「それもそうやな……なら、いくで!」
「ふん。たかが人間如きが、我が偉大なる魔力に勝てると思うか!」
そしてその様にはじめとゆんも熱が入り、一人残ったアランブラに立ち向かっていく。
『ジャ・キーン!』
そしてエグゼイドは雑魚の全滅を確認したところで、ガシャコンブレイカーについているAボタンを押す。なんとそれによってハンマーから刃が生え、そのまま剣になったのだ。
「ジャッキーン!」
そしてエグゼイドはその剣となったガシャコンブレイカーを構え、同様にアランブラに立ち向かっていった。
「我が魔法、喰らうがいい!」
「うぉ!? 危な…」
アランブラが杖を振りかざすと、初めの目の前に魔法陣が浮かび上がり、そこから火柱が上がる。咄嗟に飛びのいたおかげで回避できたが、不意打ちに近いタイプの魔法なため、かなり避けにくい。
「はじめ! 二人がかりで畳みかけるぞ!!」
「そうか、二人同時なら隙も作りやすい! 行きますか!!」
「そんな足手纏いの小娘どもなぞ、何人来ようと一緒だ!」
そしてエグゼイドとはじめは二人がかりでアランブラに飛び掛かり、剣と槍で同時に切りつける。
「甘いな」
「うそ!?」
「防御魔法だと!?」
いつの間にかアランブラは新しい魔法を手にしていたらしく、二人の攻撃をシールドを張って防いでしまった。そして杖での近接攻撃で、二人を吹き飛ばす。
しかし、エグゼイドは咄嗟に飛びのき、はじめも盾で防いだことで大きなダメージはなかった。
「隙ありです!」
「うぉお!?」
「ウチも忘れたらあかんで!」
そしてすかさず、青葉とゆんが追撃をかけ、アランブラにダメージを与える。
「ちぃ、何のこれしき!」
しかしアランブラが新しく魔法を使うと、自分に向けられた魔法陣から光の粒子が放たれ、アランブラのダメージが消えてしまった。本当に回復魔法を使えたというわけだ。
「ふん。貴様らごときにはもったいないが、我が新しい魔法を使わせてもらう!」
するとそれにより、アランブラの周囲の地面にいくつも魔法陣が描かれる。そしてそこから、なんとバグスターウィルスが新たに召喚されたのだ。
「うそ、増援!?」
「どうだ、我が偉大なる魔法は? 戦闘の素人が急に使えるようになった魔法などより、遥かに強いだろう」
「それがどうした!? 俺が何度、お前たちを倒してきたと思っている!」
まさかの事態に驚くが、エグゼイドは啖呵を切りながらバグスターウィルスを蹴散らしていく。しかしすぐさまアランブラは召喚を行使し、軍勢を次々と増やしていった。
「流石に、このままじゃジリ貧だな……」
どうしたものかと思案していると、エグゼイドに青葉が再び声をかける。
「エグゼイド。ちょっととっておきの魔法を使うので、準備の時間を稼いでもらってもいいですか?」
「青葉……それで、雑魚を吹っ飛ばせるわけだな?」
青葉の提案に、エグゼイドが確認をとる。
「ええ。はじめさん達もいいですか?」
「確かにあの魔法なら、いけそうだね」
「うん。きっとあれなら、雑魚は片付くはずや」
「わかった、まかせろ」
青葉の策に乗り、そのままエグゼイドはバグスターウィルスの群れに突撃していく。
「おらよ! おりゃあ! ぜやぁあ!」
そしてバグスターウィルスの群れをかき分けながら、アランブラのもとに飛び掛かる。しかし切りつけると同時に、先ほどの防御魔法で防がれてしまう。
「いくぞぉお!」
「喰らいや、怪物!」
そしてその隙をついて、はじめの槍とゆんのフラスコが同時に飛んでくる。
「盾になれ、我がしもべよ」
「しまった!?」
しかしアランブラが召喚したバグスターウィルスが割って入り、代わりに攻撃を受けて爆散した。そして新たに、召喚で数を増やしていく。
「隙をつくより、防御を破る威力で一気に畳みかけるしかないか…」
「無駄だ。我が防御は、必殺技クラスの一撃をぶつけないと破ることは不可能だ。しかし、このしもべどもを盾にすればそれも防げるのだよ」
「なら、下手な鉄砲数撃ちゃ当たる作戦で!」
「はじめ、使い方おかしいで!!」
アランブラの防御を破る策は現在難しいので、ひとまず青葉の準備が終わるまで時間を稼ぐことにする。はじめがゆんにツッコミを入れられるも、無視してアランブラの懐で槍を振り回す。
「愚かなり。鳥頭の小娘よ」
「誰が鳥頭だ、誰が!!」
「はじめ、落ち着け! そろそろ、青葉の準備が…」
「今だ!」
エグゼイドが初めに生死をかけた直後、青葉の魔法の準備ができた。
青葉の周囲に浮かんだペンが、彼女の動きに合わせて何かを描き出す。
「……雪だるま?」
「ふざけてるのか、小娘?」
エグゼイドもアランブラも、突然の事態に困惑するが、この雪だるまの絵が完成した直後、それは起こった。
なんと、描かれた四体の雪だるまは、青葉が技名を叫ぶと同時に吹雪を放ったのだ。その風圧と冷気の合わせ技により、アランブラは防御に徹するしかない。しかも超高範囲攻撃のため、周囲にいたバグスターウィルスもまとめて攻撃されてしまう。そしてアランブラ自身も防御魔法を使うが……
「ぐぉお、防御が!?」
防御障壁は砕け、そのままアランブラはダメージを受ける。そしてバグスターウィルスも次々に氷漬けになり、撃破された。
「な!? 杖が…」
更にアランブラは魔法の触媒である杖を、今の吹雪で凍らされてしまい、魔法も封じられてしまう。そしてエグゼイドは、このチャンスを見逃さなかった。
「青葉、お前の必殺技すごかったぜ! だから、今度は俺が必殺技を見せてやる!!」
【ガシャット! キメワザ!!】
エグゼイドは青葉に称賛の言葉を送りながら、自身も必殺技の準備に入る。ガシャットを抜いて、腰のスロットに入れ直す。そしてそこにあったスイッチを押すと、エグゼイドの右足にエネルギーが収束される。そんな中でエグゼイドは構えを取り……
そしてもう一度スイッチを押すと、エグゼイドはアランブラへと飛び掛かった。
「ぐはぁ!? うぐぅう……ぬぉお!?」
そして飛び蹴りを叩き込んだと思いきや、そのまま上空で縦一回転してもう一発キック、今度は横一回転してキック、そして止めに左右の足で二連続キックをぶつけ
【会心の一発!!】
「ぎゃあああああああああああああああ!?」
ベルトからの音声に合わせて、アランブラは断末魔を上げて爆発した。そして
同じくGAME CLEARの文字が浮かび上がり、エグゼイドの勝利は明白のものとなった。
はい、NEW GAMEがきらら系で一番好きです。青葉ちゃん大好きです。なので戦闘面で優遇させてしまいました。贔屓したが、私は謝らない!
次回は遺体の回収やらでもう一波乱、その次は新しい参戦組の回になります。