仮面ライダー&ジャンプフォース 平成ジェネレーションズHeaven inきららファンタジア   作:玄武Σ

14 / 49
投稿が遅れて失礼しました。3月に入ってバタバタしていましたが、ようやく上がったので投稿します。
シュガー実装されたけど、結局期間内に引けませんでしたorz
たぶんフェス限定ガチャ的な形で再登場するとは思いますが、果たしてどうなるか……

後あんまり関係ないことですが、ディズニーの禁止が無くなったとかでKHの作品も出てきたようですね。ある意味、きらファンと相性良さそうですが、誰かクロス書かねえかな……


第12話「冴える占い」

「はぁああ!」

「なに!?」

 

変身した響鬼は、そのまま脱兎のごとく駆け出し、ツェペリに殴りかかる。ツェペリ自身は咄嗟に跳躍して回避するも、殴られた石畳は小さなクレーターが出来るほどの衝撃を受けた。響鬼のパンチ力はなんと20tもの破壊力で、現行している仮面ライダー達の中でも、屈指のパワーファイターなのだ。

 

「おし。追撃行くか」

 

次に響鬼が腰にさしている二振りの棒を抜き取ると、先端の鬼の顔が彫られた部分に炎が灯る。

 

「はぁああ!」

「なんと!?」

 

そしてその棒を振ると、なんと灯った炎がツェペリをめがけて飛んで行ったのだ。

しかしツェペリも負けじと、空中で体をひねってその勢いで高速回転。回避と同時に一気に地上へと降りたのだ。

 

「ズームパンチ!」

「おっと!」

 

そして突撃しながら、右腕の関節を外して伸びるパンチを放った。だが響鬼も鍛え抜かれた動体視力で察知し、回避に成功する。

 

「何だ? 波紋戦士の話は渡達から聞いたけど、こんなビックリ人間ばっかなのか?」

「全ては修行により為せる技だ。しかし仮面ライダーの中でも屈指の実力者である響鬼、噂に違わない強さだ」

「そりゃどうも。でも俺、あんたを連れ戻さなきゃなんないから、遠慮なくのさせてもらうぜ」

 

そして互いの実力を認め合った響鬼とツェペリは、再び激突するのであった。

 

「もういっちょ、真空仏陀切り!」

「「「イー!?」」」

 

一方、オーバーソウルを発動した葉は、剣を振るうとその切っ先から飛ぶ斬撃が放たれ、迫ってきた戦闘員達をまとめて撃破して行く。技名から、臣を拘束していた戦闘員達もこれで倒されたようだ。

 

「な、なんかすごいね……」

「そりゃそうよ。ウチの旦那は逃しこそしたものの、シャーマンキングになるために修行してたんだから」

 

千矢が響鬼や葉の強さを目の当たりにしていると、そこに葉と一緒にいた美少女が声をかけてきた。

 

「あなた、さっきの?」

「そういえば自己紹介がまだだったわね。アタシは恐山(きょうやま)アンナ、葉の許嫁でイタコやってるの」

「イタコ……って何?」

「イタコって、あれですよね? 死者の魂を呼び戻して、自分に取りつかせて言葉を代弁する……」

 

美少女・アンナの名乗りに疑問を投げかける千矢。すると、紺がガクブル状態になりながら説明を入れてきた。一応、紺の得意な占いがコックリさんということなので、降霊術の類には知識的にも明るいようだ。

 

「あら、詳しいのね。その様子だと、この手の情報は怖がって仕入れていないと思ってたけど」

 

一応、アンナから褒め言葉が出てくる。そしてそのまま、千矢達うらら組に事情を説明し始めた。

 

「まず率直に言うわ。アタシ達は葉の兄で現シャーマンキングのハオから、ここに送り込まれたの。次に奴らオーバーヘブンショッカーは、このエトワリアという世界に侵略に来た。そして奴らは別の世界からここに飛ばされてきた、聖なる遺体とかいう代物を探しているわ。以上」

「し、侵略、ですか?」

「その遺体はあの人が言ってたけど……あんまり穏やかじゃないわね」

 

アンナからの話を聞き、紺と小梅が反応する。そしてそのまま、アンナは続けた。ちなみにハオの送り込んだディケイドの協力者とも、サラッと判明する。

 

「あと、あのツェペリっていうおっさんは、あいつらの親玉に洗脳されているだけで、元は善良な人間だったらしいわ。で、例の聖なる遺体を使えばその洗脳を解けるそうよ」

「え? そうなんですか?」

 

まさかの敵の狙いが、この状況を打開する鍵になるという情報。紺はそのまま聞き返すと、アンナは話の続きに入った。

 

「で、本題はここからよ。なんとか聖なる遺体を見つけて、手に入れてちょうだい。きっと遺体がこの世界に転移したのも、偶然なんかじゃないし、そうならクリエメイトの貴女達が鍵になるはずよ」

 

うららとは異なるが、神霊の力を借りるシャーマンの一人であるアンナの言葉。そして何より、現在進行形でエトワリアに脅威が迫っている。千矢の答えは、決まっていた。

 

「わかった。私に任せて」

「……そうね。私達になんとかできるなら、やってみましょう」

「このままマリに会えないまま人生終了なんて、ゴメンだわ。やってやろうじゃない!」

「わ、私だってみんなの力になりたい…」

「マツコモ、"ノノ"ノ為ニ頑張ルヨ」

「微力ながら、私も協力するわ」

 

マツコさんも含めた千矢達うらら組、彼女達が課題で作った店の名前にちなんで"チームなつみや"は、戦う気になってくれた。

 

「話が早くて助かるわ。最後に推測になるけど、遺体そのものに意志があるらしくて、だから貴女達の誰かを持ち主に選ぶ可能性があるの。近づけば、遺体そのものが場所を教えてくれるはずよ」

 

そしてアンナが最後に教え、千矢達が行動に移そうとする。しかしそれを黙って見過ごすはずのない、マライアであった。

 

「クソガキどもが、いい気になりやがって……奥の手を出してやろうじゃないか!」

 

口調の汚くなったマライアは、懐からお札のようなものを取り出し、それを地面に叩きつける。すると、地面が盛り上がり始める。

 

「出てきな!魔化魍・土蜘蛛!」

ギシャアアアアアアアア!!

 

マライアが叫ぶと同時に、地面から巨大な蜘蛛が現れた。その蜘蛛は節足動物ではあり得ない雄叫びを上げ、響鬼や葉、チームなつみやの面々を睨む。

 

「ま、魔化魍!? なんでこんな所に…」

「財団Xが作ってオーバーヘブンショッカーに卸した、人造魔化魍の試作品を封じた札よ。アンタ以外には倒せないから、他の場所で使おうと思ってたけど…しのごの言ってられないのさ!」

 

まさかの財団X経由に、流石の響鬼も驚きを隠せなかった。

 

「まさか、異世界で魔化魍とやり合うとは……仕方ねぇ、標的変更だ」

「それを容易くさせると思ったか!」

 

響鬼が土蜘蛛を優先して倒そうとするも、ツェペリの妨害が入り、上手く乗り込めない。状況は最悪だ。

 

「な、何あのでっかい蜘蛛!?」

「魔化魍。あの響鬼がもといた世界に出てくる、妖怪みたいなものだそうよ。彼を筆頭にした鬼にしか倒せないらしいから、アタシ達じゃ時間稼ぎが限界ね」

「え、 私たちじゃ勝てないの!?」

 

流石にここまでデカイ蜘蛛は千矢も見たことなく、アンナの説明とのダブルパンチで驚愕した。

 

「仕方ない、ハオから借りたアイツらを使うわ…」

 

そしてアンナは懐から人形(ヒトカタ)を取り出し、投げながら叫んだ。

 

「行きなさい! 前鬼(ぜんき)後鬼(こうき)!」

 

すると人形から二体の鬼が現れた。響鬼のような仮面ライダーではなく、トゲのついた球体に手足と複数の眼がついた外見をした、異形の姿をしていた。

ハオは元々、麻倉家の開祖とされる陰陽師の生まれ変わりで、その陰陽師である麻倉葉王の使役した式神が、この前鬼・後鬼なのである。アンナが一度手に入れ、ハオとの戦いで一度消滅するが、再生されて今回は貸し与えられたという事だ。

 

「こいつらでも倒しようがないけど、時間稼ぎはできる! だから、今のうちに遺体を探しなさい!」

 

アンナは式神を土蜘蛛に嗾しかけながら、千矢達に遺体捜索を促す。

 

「行こう、みんな。早くその遺体っていうのを見つけて、ヒビキさんたちを助けよう!」

「そうね。今こそ、修行の成果を見せる時よ!」

「探し物なら、私のユレールに任せてちょうだい!」

「マツコさん、がんばろう!」

「ウン、ノノ」

「紺、私は夢占いになるから、使うときはちゃんと守ってよね?」

「あ、そうだった。いいわ、任せて!」

 

そして千矢達は散開して、聖なる遺体を探しに行く。ちなみに、ユレールとは小梅が占いに使うペンデュラムに付けている名前である。本人曰く、ハーフの美幼女という設定だとか。

しかし、それを黙って見過ごすマライアではなかった。

 

「戦闘員ども、私はあの半裸娘を重点的に狙う! お前らは他の小娘どもを追え!」

「「「イー!」」」

「「「イー!」」」

 

マライアの命令に従い、戦闘員達は指令を出し、千矢達の捕縛に乗り出す。すると、必然的に葉が戦っていた戦闘員達も減っていくのだった。

 

「お、手薄になった。じゃあ、加勢に行くか」

 

結果、葉は響鬼と二人でツェペリに相対出来るとなり、そのまま向かっていった。しかし残りの戦闘員も、後を追ってツェペリに加勢する。

 

「おっちゃん、加勢に来たぜ」

「お、来てくれたか少年。あの旦那は洗脳を解かねぇとダメだから、俺じゃ力加減が難しいんだよな」

「成る程……おっし。じゃあ、さっさと済ましちまおう」

「なら、俺はあの戦闘員達を片付けておく。任せたぜ」

「戦闘中に作戦立案とは、呑気なものだな。しかし私は手加減してやるほど、優しくはないぞ!」

 

そして二人の戦士は、悪に操られた波紋戦士を救うべく、立ち向かっていく。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「zzz…zzz…」

「二人とも、臣が眼を覚ますまで凌ぐのよ!」

「あー、もう! ユレールを使う暇がありゃしないわ!」

「な、なんとかがんばらないと!」

 

まず、臣が地べたで寝息を立てているのを、紺達がショッカー戦闘員達から守っている。臣がどこでも寝落ちする理由となる得意な占い、それは夢占いだ。ざっくり言えば予知夢を任意で見る占いなので、無意識下で行われる。そのため最高難易度の占いとされているのだ。

ちなみにチョイスした理由は、下の兄弟の面倒を見ながら寝る間も惜しんで勉強した際にそれを知り、寝ながら仕事できるからお得だと思ったからだ。

 

「イー!?」

「こいつら、いくらなんでも多すぎるわよ!」

「一人一人がそんなに強くないのが、救いだけどね!」

「イー!?」

 

小梅が魔法で、迫ってきた戦闘員をぶっ飛ばしながら文句を言う。それに紺が答えながら、同じく戦闘員を斬り倒す。

紺の使う剣も小梅が魔法を撃つ為のオーブも、千矢のエトワリウム製武器には劣るが、伝説の鍛冶屋である父に弟子入りしたポルカが鍛えた高品質の武器だ。ショッカーにも有効なようである。

 

「きゃあ!?」

「紺ちゃん!」

 

しかし一瞬の隙を突き、戦闘員のナイフが紺の腕を掠める。思わず声を上げてしまい、ノノが反応する。

 

「やったわね!」

「イー!?」

 

しかし紺自身も黙ってはおらず、反撃して戦闘員を倒した。

 

「紺ちゃん、大丈夫?」

「ええ、掠っただけだから平気。でも、このまま続くと厳しいわね…」

 

ノノは心配して紺に声をかけるも、傷は浅いので問題はなさそうだ。しかし戦闘員はまだ数が多く、不利なのは変わらない。

 

「どうしよう、マツコさん…」

「落チ着イテ、ノノ。アレナラ、キット上手クイクヨ!」

「あれ? マツコさん、あれって?」

 

そんな中、ノノは人形占いでマツコさんに語りかけ、解決策を講じようとする。そんな中、マツコさんから案が出てきたので、詳しく聞いてみる。

そしてそれを実践するのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「語り継がれし形代(かたしろ)の♩

人形(ひとかた)語りものがたり♫

我が傍らのかたわれよ♩

知恵を授けてくれまいか♫」

 

突然、ノノが歌い始めた。うららは占いを行う際に、いわゆる祝詞を口にする。ノノは人見知りで喋り下手なため、祝詞を歌にするという形でそれを克服したのだ。

この天使の歌声とも称されるノノのヒーリングボイスは非常に強力で…

 

「あ、ノノの天使の歌声が……」

「ダメよ小梅、今寝たらアイツらにやられる……」

 

聞いた相手を眠らせてしまう効果があった。それにより、紺も小梅も猛烈な睡魔に襲われてしまう。

しかし、効果があったのは彼女達だけではなかった。

 

「イ、イィー………zzz…」

「zzz…zzz…」

「え、ウソ…」

 

なんとか睡魔に打ち勝った紺は見たのだった。目の前のショッカー戦闘員が、一人残らず熟睡しているのを。

ノノの天使の歌声は、奴らにも有効だったのだ!

 

「スゴイわ、ノノ! あの数を全員眠らせるなんて!」

「えへへ。マツコさんが私の祝詞が効くかもって、教えてくれて」

 

紺はこの危機を脱したノノに賞賛を送る。それに対して、ノノも流石に照れていた。

 

「zzz…」

「って、小梅! あなたまで寝ないの!」

「…ん」

 

しかしその横で小梅も熟睡している。大慌てで紺が起こしにかかると、ちょうど臣が目を覚ました。

 

「みんな。例の遺体だけど、ボンヤリとした場所ならわかったわ」

「え、本当!?」

 

小梅が目を覚ました直後、臣からの答えに3人は食いつく。しかし、返答はあまり望ましいものではなかった。

 

「どうやら千矢の近くにあるみたいなんだけど、あのマライアって人が邪魔して、思いのほか苦戦しているようね」

「あの人ね……美人のくせしてなんであんな性格悪いのかしら?」

「小梅、そこは重要じゃないわ」

「なら、早く千矢ちゃんを助けないと」

 

小梅が的外れな意見を述べると、紺がツッコミを入れる。しかしノノがすぐに救援を提案したため、そのまま4人は行動に移るのだった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「チョコマカすんじゃねえ、このビチグソがぁあああ!」

「おわぁあ!?」

 

ちょうど紺達が動き出したのと同じ頃、千矢はマライアから逃げながら遺体を探していた。当のマライア本人は、醜く表情を歪めてながら暴言を吐き、千矢を目掛けてナイフを投げて攻撃してくる。千矢は持ち前の身体能力の高さで回避出来たが、訓練された彼女の投げナイフは、速さも精度もかなりのものだ。

 

「あ、危ない!」

「チィッ!」

 

直後、千矢は足元にバステト女神のスタンド像であるコンセントを目撃、飛び上がって回避する。トラップ主体の戦い方をするマライア相手では、一切気の抜けない状況だ。

 

(この人、力も考え方もすっごい危ない…こんな人が何人も、この世界に来てるなんて、大変だ!)

 

そしてマライアの攻撃を避けながら、1人思案する千矢。初めて遭遇するであろう、明確な悪意と害意を持った敵の存在に、かつてない危機感を感じることとなったからだ。

 

(聖なる遺体……こんな人達が欲しがるなら、絶対に渡しちゃダメだ。私が見つけないと!)

 

そして千矢は、覚悟を決めて一人念じる。ショッカーの悪意を止めるために、完全に使いこなせていない、自らの得意な占いを行使することを決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「力を貸して、くろう!」

 

そして千矢が叫んだ直後、彼女の背後に何かが現れた。

 

「な、スタンド!?」

 

マライアが思わずそれをスタンドと呼んだが、そう思っても仕方のない姿をしていた。見た目は黒いマントを纏った人型の何かだが、顔は黒いウサギに似た何かという異形の姿であったからだ。

千矢が最初に迷路町に来た日、紺が得意な占いとしてこっくり占いを披露した際、それで千矢の得意な占いが何かを当ててほしいと頼まれた。そしてそれで、”くろう”という謎の単語が飛び出したが、この千矢の背後に現れた何かがくろうであり、その力を借りる”くろう占い”が千矢の得意な占いであった。

千矢は現在、水晶占いが出来るようになるも、紺が見つけてくれたからということでくろう占いに拘る所もある。しかし何故か祝詞も必要ない異質な占いなためか、成功どころか使えない時の方が多いのが実情だった。だが、くろう自身が千矢の危機に感づいたのか、今回は現れてくれたのだ。

 

「くろう、来てくれたんだ。今、私は聖なる遺体っていう物を探しているの。どこにあるか、一緒に探して?」

「……」

 

千矢は自分の目的を明かし、くろうに協力を呼び掛ける。くろう自身は無反応だが、何か千矢だけに通じる物が感じられる。そして…

 

「ありがとう。それじゃ、行くよ」

 

くろうから了承が得られたようで、千矢は意識を集中し始める。そして、千矢の赤い瞳が輝き、彼女の脳裏に何かが見え始めた。

 

(遺体はこの近くにある……崩れたレンガの家…引き千切られた看板の跡…まさかこれ…)

「私達が食べに来たお菓子屋さん! あの近くにあるんだ!」

 

見覚えのある情景に、遺体があることが判明した。そして千矢はくろうを引っ込めると、占いの成功による歓喜の声をあげて走り出した。

 

「まさか、遺体の場所がわかったの!? ならあのスタンド、ジョセフの念写のような捜索特化タイプと見たわ!」

 

しかし千矢が大声で叫んだことが災いし、マライアも後を追う。まだスタンドと勘違いしている辺りは、ご愛嬌だ。

しかしここで想定外のことが起こった。

 

「よっほっとぉ!」

「ちょ、速すぎ…」

 

なんと、千矢の走力がどんどん上がっていき、マライアはあっという間に距離を話されてしまったのだ。しかしそんな中、千矢はマライアの視線からギリギリ見える所で止まってしまう。

 

「行くよ、くろう!」

 

直後、千矢が叫ぶと同時に、再びくろうが現れる。そしてその時に発した衝撃が、近くの崩れたレンガを宙に舞わせた。

 

「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃー!」

「な、なにぃ!?」

 

そして千矢は剣でそのレンガを突き飛ばし、マライア目掛けて撃ち出したのだ。

 

「ぐぇ!? ちょ、待…痛い痛い!」

 

マライアは強力なスタンド使いではあるが、彼女自身の身体能力や動体視力ほ常人の域を出ない。そのため、飛んできたレンガを避けることは叶わなかった。

 

「りゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!」

「アガッ!? アギ……グヘェ!?」

 

千矢は普段、火のついた提灯を突き出すというこれと同種の必殺技を有しているが、今回は気持ち多めであった。マライアの明確な悪意に、遠慮無用と察したようだ。

そしてレンガ()が尽きた頃には……

 

「こ、この…ビチグソ、が……」

「あなたも悪いことするなら、許さないんだから!」

 

マライアはボロボロになったままレンガに埋もれ、最後まで汚い口調が元に戻らないまま気絶した。そんな彼女に対して、プンスカしながら宣言する千矢であった。

そしてそのまま、遺体の捜索を開始する。そんな中、千矢はついに白い布で覆われた何かを発見した。丁度、響鬼達の救援前に戦闘員達が運んできた、看板の立っていた跡である。

 

「ひょっとして……あった」

 

そしてまさかと思い、物体を包んでいた白い布を剥いでみる。するとその中から、ミイラ化した人間の頭が出てきた。

 

〜千矢は聖なる遺体の頭部を手に入れた〜

 

「……よし、行こう!」

 

千矢は覚悟を決め、遺体を手にツェペリの元へと急ぐ。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「波紋カッター!」パパウパウパウ

「阿弥陀丸、防御だ!」

 

一方、葉が加勢した響鬼VSツェペリの対決。ツェペリの波紋カッターを防ぐ為、葉はオーバーソウルの装甲を展開する。

結果、波紋カッターは一発もこちらには届かなかった。

 

「ほう。霊能力をそのような使い方で操るとは…なかなかやりおるな、少年」

「本当はオイラ、こういうしんどいの嫌いなんだよなぁ…」

 

ツェペリの褒め言葉にあまり関心しない様子の葉。すると、あることを語り出した。

 

「おっちゃん。オイラさ、自分が楽なのが好きだから、人がしんどそうなの見てるのも、嫌いなんよ」

「急にどうした?」

 

あまりにも突然すぎる言葉に、ツェペリも困惑気味だ。しかしそのまま、葉は持論を語り続ける。

 

「だからさ、みんなをしんどくするショッカーを止めたいと思う。そんで、しんどそうなおっちゃんも止めてやりたい」

 

そしてその持論から、操られているツェペリにこんなことを言い出した。

 

「ほう。偉大なるオーバーヘブンショッカーに仕えることが、それほど苦痛とは思えんが…」

「考え方を捻じ曲げられて、無自覚のまんまやりたくないことやらされる」

「何?」

 

そして葉は、ツェペリについて事前に聞いていた話を、彼自身にぶつけてみるのだった。

 

「聞いたけど、最初はおっちゃんがショッカーと対立してたし、その前は悪者やっつけるために波紋とかいう技を身につけたんだってな」

「何を言う! ジョジョ達ジョースターの血族に仮面ライダー、そしてクリエメイトこそが、オーバーヘブンショッカーの歩みを邪魔する絶対悪だぞ! 少年こそ騙されるな!!」

 

しかし考えを根っこから捻じ曲げるレベルの洗脳を施されたツェペリには、その言葉は届かなかった。

そしてその反応を見た葉は……

 

「そんなレベルで操られちまってるんか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なら、オイラも遠慮はしねえ

「ぐっ!?」

 

直後、葉は普段の気の抜けたオーラが鳴りを潜め、瞳も冷たく鋭いものに変わった。ハオの弟だけあってか、彼の潜在的な絶対強者としての資質も備わっているようだ。

その表情に、ツェペリが一瞬だが怯んだ。しかしその一瞬を、葉は見逃さなかった。

 

阿弥陀流奥義・後光刃!!

「ぐぉおおお!?」

 

葉はツェペリの懐に一気に飛び込み、居合の要領で必殺の一撃を叩き込んだ。そのバックには一瞬、阿弥陀如来が幻視され、その一撃の威力を物語る。

そして吹き飛ばされたツェペリは、そのまま地面に落ちて気を失った。

 

「おいおい、スゲェな……」

「葉、手が空いたならこっちに来て頂戴! そろそろ前鬼と後鬼も限界よ!」

 

響鬼も戦闘員を片付け終わり、葉の実力に思わず感心する。その一方でアンナが式神達の限界を察して、救援を求めていた。

この戦いも、終着が近づいているようだ。




次回でうらら編は終了。その次は一回メインシナリオから追加参戦作に切り替わります。何が来るかは、楽しみにしていただけたら幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。