仮面ライダー&ジャンプフォース 平成ジェネレーションズHeaven inきららファンタジア   作:玄武Σ

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盆は帰省してますが、初日は家でfilm gold見てました。
予定あるし台風も近いので盆休みの間は行けないが、明けたらジオウとONE PIECEの映画見に行く予定である。


第22話「対決・紳士!」

オーバーヘブンショッカーの拠点にて、カイ・キジマは巨大な端末を使ってある作業を行っている。そんな彼に、声をかける二つの人影があった。

 

「カイ。残りの聖なる遺体捜索、ディケイドと承太郎抹殺の刺客についてどうだね?」

「おやおや。これはエンヤ婆様にMr.グリニデ、ご機嫌麗しゅう」

「挨拶はいい。エンヤの言う通り、遺体と刺客の方はどうなのだね?」

 

片方は首領の側近と思しき、小柄な両右手の老婆エンヤ。そしてもう一人のグリニデと呼ばれた大男は、緑の肌に屈強な肉体に額のツノといった具合の異形でマントを羽織った、ベタなRPGの魔王のような風貌をしていた。

しかしそんな異形を前にしても、カイは気にせずに端末を操作し続けながら説明した。

 

「残り四つの遺体のパーツはそれぞれ、砂漠、荒野の町、美食街、冒険者ギルドの本部がある町、にそれぞれ反応があります。恐らくはこのエリアにそれぞれ、持ち主に選ばれるクリエメイトがいるのでしょうが、目下捜索中になります」

 

説明しながら画面に表示された、エトワリア各地の地図。そしてそれぞれの場所に画像が映って細かい様子が見られる。

 

「刺客についてですが、ボーダーの皆さんが住んでいた世界の元裏組織のエージェントだというコンビに、先日強奪したある世界のライダーシステムを渡しています。彼らならあるいは、あの二人を倒せる可能性があるわけですよ」

 

そして説明を終えると、直後に画面が切り替わって紳士ウィルバーとローライズ・ロンリー・ロン毛の二人の写真が映る。

 

「ほう。で、この二人は強いのかね? それとも、深緑の智将と呼ばれた私にも負けない頭脳派なのかね?」

 

グリニデは二人に関する問いかけと同時に、自身の二つ名と思しきものを口にする。屈強な肉体に反して表情や思考は思慮深そうだ。

 

「一言で言えば……完全に未知数」

「なん……だと?」

 

しかし、そのカイの答えを聞いた瞬間、グリニデの雰囲気が変わった。彼の周りの空気が澱み、額のツノが伸び始めたのだ。

 

「君はそんな具体的な能力もわからない、曖昧な奴らに重要任務と装備を与えたの言うのか? これでそいつらが負ければ、奴らがさっさと残りの遺体を探しに行ってしまうんじゃないのかね!?」

 

そして時間とともに声に怒りが篭り始め、いきなり凄まじいまでの殺気を放ち出したのだ。智将と呼ばれながら、どうやら非常にキレやすい性分らしい。

しかしカイは落ち着いた様子で、グリニデをなだめ始める。

 

「Mr.グリニデ、落ち着いて。クールに行くのがあなたの信条じゃないのですか?」

「!? 私はクール、冷静だ……BE COOL…BE COOL…」

 

カイに指摘されると、グリニデはひたすらに自分に言い聞かせるようにクール、冷静といった言葉を口にする。すると、伸びていたツノが徐々に縮んで行き……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまない。それで真面目な話だが、何故未知数な力の持ち主を刺客に送り込んだのかね?」

 

先ほどまで殺気を放っていたのが嘘なように、穏やかな表情を浮かべていたのだ。キレやすい一方で同時に自制もしているらしく、智将の肩書きは決して口先だけではないようだ。

隣で見ていたエンヤも、その様子にどこか感心した様子だ。

 

「彼らの元いた組織について洗ってみたのですが、どういうわけか無能扱いされてたにも関わらず、その組織のエリートチームですら手を焼いていた案件を解決させたそうです。この実力の底の見えなさ、そこに目をつけたわけです」

「う〜む……どうにも胡散臭く見えてしまうのう。しかし、何故あのお方や財団の幹部どもがこんな男を使おうとしたのか、ようやくわかったわい」

 

そしてカイからの説明を聞き、二人はどうにか納得した様子だ。

 

「まあ、それとは別にあなた以外で我々に協力してくれている魔人(ヴァンデル)に、一人独断でエトワリアへと侵攻した人がいます。もしもの時は、その魔人や回収に送る部隊を纏めてぶつける予定なので、ご安心を」

「ほう。腹黒い貴様のことじゃ、どうせそちらが本音じゃろう」

「魔人の品位を落とす愚か者め……で、大方の予想はつくがそいつは?」

 

そしてグリニデの種族名と思しき単語"魔人(ヴァンデル)"まで発覚。士や承太郎の推察通り、まだ見ぬ異世界の悪意をオーバーヘブンショッカーは取り込んでしまったようだ。

そしてグリニデの問いかけに、答えるカイの顔もまた何処か強い悪意を秘めた笑みであった。

 

「あなた同様、首領の力で甦った七つ星・"不動巨人ガロニュート"ですよ。そして回収班に同じく七つ星の"魔人博士ノア"に、六つ星の"鉄壁鎧将レイガルド"になります」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

一方、朝食を終えた一同は里の外へ出て、士と承太郎VS紳士ウィルバーとローライズ・ロンリー・ロン毛の決闘を見守ることとなる。

そこには、仕事で朝食の席に遅れていたポルカやコルク、カンナといった里娘の面々もいた。ちなみにクレアは、まだウミと二人でオトヒメの看病をしている。

 

「しかしランプが誘拐されるなんて……アイツは傷つける気は無いそうだけど、大丈夫なのか?」

「どっちにしろ、俺達はあの子を探す手がかりがねえんだ。今はあの二人が勝つか、きららを信じるしかねぇだろ」

 

心配するポルカに声をかける翔太郎だが、彼が名を口にした肝心のきららは、なぜかこの場にいなかった。その他

 

「さて。それではギャラリーも増えたようですし、決闘を始めましょうか」

「そっすね。俺等にも明日の飯がかかってるわけっすから」

 

しかしウィルバー自身はそれに気づいてないのか気にしてないのか、そのまま戦闘準備に入る。ロン毛もリアルな実情を口にしながら構えをとった。

 

「さて。お前らが元裏組織の人間とはいっても、トリガーみたいな特殊装備を今使えるわけじゃないだろ? ショッカーか財団が何か装備を貸していると思うが…」

「ええ、ご名答。では我々も、ショッカーから貸し与えられた装備を使わせてもらいましょう」

「そうっすね」

 

そしてウィルバーとロン毛が手を掲げると、何かが飛来して来てその手に握られる。見ると、それは昆虫型のメカだった。そして当然、士も知るツールである。

 

「な!? ゼクターだと?」

「ええ、仮面ライダーには仮面ライダーを、とのことで貸し与えられました」

「というわけで……」

 

そしてウィルバーは手に飛んできた銀色のゼクターと呼ばれるツールを構える。同時にロン毛も、ブロンズのゼクターを構えて臨戦態勢に入った。

そして、あの言葉をつぶやいた。

 

 

「「変身」」

【HENSHIN】

 

ウィルバーはシルバーの、ロン毛はブロンズのゼクターをブレスレットに装着。すると電子音声とともに、2人の体は昆虫を模した仮面ライダーのアーマーを纏う。

ウィルバーはヘラクレスオオカブトをモチーフとした、仮面ライダーヘラクス。ロン毛はケンタウロスオオカブトを模した、仮面ライダーケタロスである。右肩にそれぞれ、モチーフとなった虫の角を模した意匠が特徴的だ。

ギャラリー一同もこの変身には驚愕であった。

 

「では、お次はあなた方の番です。変身とスタンドの発動を」

「なら遠慮なく」

 

ウィルバー改めヘラクスに言わるまま、士はディケイドライバーを装着。そしてライドブッカーからカードを取り出した。

 

「変身!」

【Kamen Ride Decade!!】

 

そしてカードをセットし、マゼンダピンクの仮面ライダーディケイドへと変身した士。

 

「スタープラチナ!」

 

そして承太郎もスタンドを発動し、ディケイドとともに臨戦態勢に入る。その一方で、ヘラクスとケタロスも開発元の組織の名を関した武器、”ゼクトクナイガン”を構えて臨戦態勢をとっていた。

 

「では、始めましょうか!」

「そうっすね」

「俺は紳士をたたく。お前はロン毛を任せた」

「アイアイサー」

 

そしてゼクトクナイガンを斧モードで構えたヘラクス&ケタロスが向かってきたため、迎え撃ちに乗り込むディケイドと承太郎。

ディケイドも自らの、承太郎もスタープラチナの拳を放ったのだった。

 

 

 

 

 

 

「「ぐふっ」」

「「は?」」

 

まさかの顔面にクリーンヒット、そして勢いよく吹っ飛んだ。思ったより弱い、まさかの事態に二人とも驚いた。

 

「ふむ。仮面ライダーのパンチ力は弱い物でも1tの破壊力だそうですが、まさかこれほどとは」

「ぶっちゃけ、生身じゃ首取れてるっすよ。だから辞めましょうって言ったっすよね、試しに食らって見ようなんて」

 

しかしすぐに立ち上がり、分析するヘラクスとそのことについてツッコミを入れるケタロス。

 

「お喋りとは、随分余裕だな!」

「おっと、紳士的では無いですね」

 

直後にディケイドがライドブッカーを剣にして飛びかかるが、咄嗟に二人は飛びのき、そのままゼクトクナイガンの銃撃を放つ。

しかしディケイドも剣を振って銃撃を防いだ。

 

「隙だらけだぜ」

 

ヘラクス達が飛びのいた先で、背後から承太郎がスタープラチナのパンチで迎え撃とうとする。

 

「やべ」

「おっふ!?」

 

やはりウィルバーが諸にパンチをくらい、大きく吹っ飛んでいった。対してケタロスは回避に成功、そのままゼクトクナイガンをクナイモードにして切りかかってきた。

 

『オラァァ!』

 

そしてスタープラチナが片手白刃どりでその刃を防ぎ、防御に成功。

 

 

 

 

 

 

「油断大敵っすよ」

「何!?」

 

しかしすぐにゼクトクナイガンを手放し、一気に承太郎の懐へ飛び込んできた。そしてそのまま承太郎に蹴りを入れる。

 

「うぐ!?」

 

咄嗟に飛びのこうとするも間に合わず、脇腹にケタロスのキックが当たってしまう承太郎。意外にも変身者のロン毛が、上司のウィルバーよりも能力が高かったようだ。

 

「おいおい、マジか?」

「余所見とは余裕ですね」

 

その様に驚くディケイドだったが、すぐにヘラクスがゼクトクナイガンで切りかかってきた。

 

「そろそろカード使うか」

 

呟きながらディケイドが攻撃を避けると、一枚のカードをベルトに装填した。他の仮面ライダーに変身するようだ。

 

【Kamen Ride Forze!!】

 

ディケイドが新たに変身した仮面ライダーは、宇宙服を思わせる白いボディに、スペースシャトルを模した白黒のマスクが特徴の”仮面ライダーフォーゼ”だった。

そしてフォーゼの姿となったディケイドは、いきなりしゃがみ込んで、立ち上がると同時に両腕を上げながら、

 

宇宙キ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タ、と言っておいてやるか」

 

一瞬ハイテンションになるもすぐに冷静に戻って、更なるカードを投入した。

 

【Attack Ride Rocket Modules!!】

 

するとディケイドフォーゼの右腕にロケットが装着され、そのロケットの噴射で中に舞い上がる。

 

「さて、反撃開始だ!」

「ほほう。別の仮面ライダーの能力が使えるとは聞いてましたが、なかなか面白いですね」

 

しかしヘラクスは余裕そうな雰囲気で、そのまま戦闘は再開される。

 

〜その頃のギャラリー〜

「一瞬、弦太朗さんの決め台詞言いそうだった……士さんって案外、ノリがいいのかな?」

「あのままだとたぶん、宇宙キター! になったんでしょうね。確かに、あの人とキャラ合わなさそう……」

「ですね……でも、士くん電王になった時にカードの効果で決め台詞真似しちゃったらしいですし」

「そ、そうなんですか……」

「何にしても、ディケイドは見てて滾るな。あいつとゲームできたら、楽しそうだぜ」

 

永夢と青葉がまさかのディケイドの行動に感想を漏らすと、夏海からまさかの事実が明かされる。その様子に花名が困惑している一方、パラドはディケイドと戦ったらどうなるかと子供のような目で語っていた。

 

「はい。"黒曜を抱く桜花"、食後のデザートにどうぞ」

「? あ、桜餅か。どうも」

「ほう。どら焼きと同じ、和菓子ってやつか」

(あのたい焼きの乗ったパフェ、黄金のしゃちほこスペシャルだっけ? それといい、なんでそんな変な名前にしちゃうんだろ?)

「おはぎを…所望」

「紅緒ちゃんって、本当におはぎ好きなんだね」

「ああ。おはぎマンなんてオリジナルヒーローを考える程な」

「なぁ、肉ねぇか? さっきの飯じゃ、食い足りなくてよお」

「あれだけ食ってまだ肉肉言うか……あ、俺はプリンにしてくれ」

 

一方、千夜が周りの面々に食後のデザートと称して桜餅を配って回っていた。修は名前でキョトンとし、遊真は初めて見る菓子に興味津々、出久も困惑と様々な反応をしていた。その一方で、紅緒にルフィ、モモタロスは自身の好物を所望する我の強さを見せている。そしてゆのが紅緒のおはぎ好きについてろくろに言及すると、紅緒のおはぎ愛の大きさが判明する新事実を告げられる。

紳士組が思いの緩かったからか、結構ほんわかとしていた。

 

「……敵も仮面ライダーになった。つまりオーバーヘブンショッカーは、仮面ライダーの力も有しているということ。これは、結構由々しき事態では?」

 

そんな中、不意にコルクが紳士コンビの変身について言及し出す。しかしそれについて、迅が返した。

 

「まあ確かに気になるって言えば、気になるな。でも、俺達ボーダーが敵の技術を解析して武器にしてるのがトリガーだし、敵さんにも俺達のベイルアウトっつう緊急脱出機能を真似されたんだ。仮面ライダーでも、同じことがありえるんじゃねえか?」

「そういうことだ。で、実際はどうなんだ?」

 

迅の言葉に匠が反応し、夏海やユウスケに問いかける。しかしそれよりも早く、花京院が答えた。

 

「僕達の世界の創作物としての仮面ライダーは、元はショッカーが世界征服のための尖兵とするための改造人間として生み出されました。それが洗脳される前にショッカーの基地から脱出して、彼らを止めるために戦う、というストーリーです。その後のシリーズも、悪の組織の生み出した怪物に挑むために彼らのテクノロジーで自らを強化した戦士、というのが仮面ライダーの基本スタンスとなっていますが、実際はどうなんですか?」

「概ねそうだな。俺のクウガもグロンギって古代の戦闘民族に対抗するために同系列の強化手段を開発したってベルトで変身するし、士と旅してきた世界の仮面ライダーも、そんな奴が多かったな」

「つまり、今後も敵に仮面ライダーが現れる可能性がある、と……非常に危険だけど、異世界の超常の力は正直、興味深い」

 

花京院の言葉を肯定するユウスケによって、裏付けが取れる。結論を聞いたコルクは警戒する一方で、好奇心も刺激された。

しかし、次に開かれた言葉がこの場にいる一同に重くのしかかることとなる。

 

「仮面ライダーもそうだが、ディオが吸血鬼にならなければ、僕も波紋戦士として正義のために戦う事は無かった……つまり"正義はいつも悪より生まれ出ずる"ということか。皮肉なものだ」

「ですけど、逆も然りだと思います。俺もジョースターさんに会わなけりゃ、貧民街で追い剥ぎを続けてたかもしれねぇですし」

 

話を聞いていたジョナサンとそのフォローをするスピードワゴンの言葉、特にジョセフらジョースターの系譜に連なるもの達にはなおさら重く感じられた。そして、その言葉に彼らと同じくらいに思うところがあったのは、出久であった。

 

(正義はいつも悪より生まれ出ずる……オールマイト、貴方が教えてくれたこと、どうやら他の世界でも同じみたいです)

 

出久はオールマイトからある秘密を明かされ、それは彼自身の個性"ワン・フォー・オール"にも由来している。そしてこの場にいる人間では幼馴染の勝己だけが秘密について知っている。

敵サイドの仮面ライダーの出現は、様々な衝撃を一同に与えることとなった。

 

「……まあ、変に重く考えないようにしましょう。気分転換も兼ねて、甘兎の和菓子を召し上がってください」

(こういう場面じゃ、こんな子の方が強いよな)

 

そして千夜は雰囲気を変えようと、再び自作和菓子を配って回るのだった。そしてその様子を見た戦兎も感心していた。

 

〜再び決闘へ〜

「紳士は射撃も嗜みますので」

「そうかよ」

 

ヘラクスがゼクトクナイガンを銃モードにして発砲、ディケイドも対抗してフォーゼのロケットで飛翔しながら、銃モードのライドブッカーで反撃する。

 

「流星指刺!」

「うぉっと」

 

承太郎もスタープラチナの指先に力を集中し、一気に伸ばしてケタロスに刺突を放つ。しかしギリギリでケタロスは咄嗟に回避してゼクトクナイガンで射撃を行う。

 

「やれやれ。ビームガン機能付きの手斧とは、仮面ライダーらしくねえ上に厄介極まりないな」

「まあ、そこは昭和ライダーと平成ライダーの違いってことで、納得してくれ」

 

承太郎も回避しながら悪態をつくが、それに対して士から仮面ライダーに対してのフォローが入る。

そして、再び戦闘が再開された。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

一方その頃、里の外に出てする数名の人間+αがいた。

きららとその隣にいる阿弥陀丸を先頭に、葉とアンナと千矢達うらら組、ポルナレフと龍我だ。

 

「おい。戦兎から聞いたけど、あのチビは俺らを信じてねぇんだろ? じゃあ、知ってるやつだけで助けに行きゃいいんじゃねえのか?」

どうやら皆はランプの救出に動き出していたのだ。しかし、龍我が人選について疑問を感じた為に、つい言及してしまったようだ。

 

「どっちにしてもあの子とは向き合わないといけないわ。だったら、人選なんて途中の襲撃を想定して戦力を固めたほうがいいでしょう」

「まあ、そこは彼女の言う通りだな」

 

そこに答えたあんなに、ポルナレフも同意する。きらら達がなぜ別行動をとっているのかだが、それは決闘開始前のことだった。

~回想~

「俺の予知でな、ランプのおチビちゃんが危険に晒されるって出たんだよ」

 

それは、迅から告げられた予知だった。当然、その話を持ち出されてきららは思わず反論する。

 

「え? でも、あのウィルバーさん達はランプを傷つけないって……嘘をついてないんですよね?」

「それが、あの二人もその時に敵の攻撃を受ける未来が見えた。どうやら初めから、利用されてたようだ」

「んだと!? あいつら、そんなこと企んでやがんのか!!」

 

迅からの説明を聞き、龍我が激高した。そして当然だが、それを聞いてクリエメイト達も奮起する。

 

「だったら、みんなでランプを助けないと!!」

「うん。ランプちゃんも、友達だから」

 

千矢や花名も強い意志を持った目で告げる。平和な世界に住んでいたとはいえ、友人の危機に立ち向かうだけの意思はあったようだ。

 

「皆さん、私には人同士の繋がりを、感覚で感じ取る力があります。それを使えば、ランプも見つけられるはずです」

「私達も手伝うわ。何かで妨害されているかもだし、うららの力もきっと役に立つはずよ」

 

きらら自身の能力に、紺が告げたようにうららの占いがあれば人探し、それも見知った人間なら確実に見つけられるだろう。

そして、それに協力する者も当然この場にいた。

 

「承太郎、おめぇはあの二人とこのまま決闘しててくれ。その間に、俺が救出を手伝うぜ」

「ポルナレフ、わかった」

「オイラも行ってくるわ。少数精鋭にしたって、護衛はいるだろ?」

「アタシも行くわ。あの子には一言、言ってやりたいこともあるし」

 

名乗り出たポルナレフに葉とアンナも加わり、戦力は十分そうだ。そこに、もう一人指名が入る。

 

「よし万丈。戦闘力だけならお前は無駄に高いからな、一緒について行ってやれ」

「え? いいのかよ?」

「いいのいいの。俺の代わりに、ラブ&ピースの戦士を知らしめてくれや」

「……おし、わかった。任せてけ」

 

そしてそこに龍我も加わり、救出チームは完成したのだった。

~回想了~

「ランプのパスは、この先に感じます。阿弥陀丸さん、付いてきてください」

「あいわかった。きらら殿、任せましたぞ」

「うん。ユレールもこっちを指しているし、里から距離はあるけどあんまり目立ったものも無さそうね」

 

そのまま、一同はランプの軟禁場所をどうにか見つけられそうな様子だった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「結局、ご飯食べちゃったね……美味しかったけど」

「うん。僕も空腹に勝てなかった……でも美味しかった」

 

その頃、ランプは軟禁されている部屋で、ることもなくマッチとただ寛いでいた。あの後も結局、空腹に勝てずに置いてあったモーニングセットを平らげたようだ。

 

「私達、どうなるのかな?」

「この様子からして、僕達を誘拐した二人は傷つける気はないんだろうけど……上に立っている連中は何をする気かはわかんないね」

 

マッチは薄々とだが、自分達の今後に危険が迫っていると察している。それに対してランプは不安そうな一方、何かあきらめたような表情を見せていた。

 

「これ、バチでも当たったのかな? せっかく助けに来てくれた人達を、自分の考えだけで跳ね除けてしまって…」

「ランプ…」

 

昨日の一件を振り返り、ランプは自嘲気味に話していた。そんな彼女に、同声をかけるべきか迷うマッチだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ランプ殿ぉおおおおおおおおおおお!!

「「きゃあああああああああああああ!?」」

 

その時、いきなり人が壁をすり抜けてランプ達に大声で呼びかけてきたため、ランプはマッチと共に絶叫することとなる。

余りの事態に、思わず腰を抜かしながらすり抜けてきた男を指さしながら問い詰める。

 

「な、なななななななななななななななななな何ですか貴方!?」

「昨日、自己紹介したでござろう! 葉殿の持ち霊、阿弥陀丸でござる! お忘れか!!」

「ら、ランプ、間違いないよ…まさか、助けに来てくれたのかい?」

 

同じく腰を抜かして地面に落ちるマッチからも、言質が取れた。そんなマッチの問いかけに阿弥陀丸も返答する。

 

「うむ。きらら殿の能力に、千矢殿達うららの力のおかげでござる。すでに表まで来ているので、今呼びかけますぞ」

 

そしてそのまま阿弥陀丸は、再び壁をすり抜けていった。

 

「あ……きららのパスを感じる能力があれば、助かるのも時間の問題か」

「当たり前すぎて、忘れてたね……」

 

思わず呆けてしまう二人だったが、その直後に部屋の出入り口が切り刻まれた。そしてその先には、スタンドを発動させたポルナレフが立っている。

 

「どうよ? シルバーチャリオッツは特殊な能力はないが、スピードと精密さを兼ね備えた剣技で大体はなんとかできるんだぜ」

「確かに、つえぇなコリャ」

 

自慢げに語るポルナレフと、その冴えた剣技を見せた彼のスタンドを純粋に称賛する龍我。すると、そんな二人を押しのけてきららが部屋に入ってきた。

 

「ランプ、大丈夫!?」

「きららさん……!」

 

するとランプは近寄ってきたきららに、そのまま無言で抱き着く。

 

「勝手に出て行ってごめんなさい……おかげで、きららさんやクリエメイトの皆様にもご迷惑を…」

「ううん。私は気にしてないし、無事でよかった…」

「そうだよ。友達なんだし、そんなに気にしないから…」

「いや、気にしなさいよ」

 

そしてそんなランプを宥めるきららと千矢に、いきなりアンナが割って入ってきた。

 

「ランプ、だったわよね。ちょっとこっち向きなさい」

「アンナ、さん?」

バチンッ!!

 

するといきなり、ランプに左手で思いっきり平手打ちを叩き込むアンナ。いきなりのことで面食らう一同。しかし、この中で葉と阿弥陀丸はこれについて知っていたのか、身震いしている。

 

「ま、幻の左……」

「いきなり放つとは、アンナ殿は相当お怒りでござるな…」

 

普段は右手で平手打ちを放つアンナだが、かつてハオに求婚された彼女がその右手を防がれた際に放ったのが幻の左の起源だ。以降、彼女の切り札の代名詞と化している。

突然の事態に回りがどよめく中、まっすぐにランプを見つめて問いかけるアンナ。

 

「今あんたをぶった理由、わかるわよね?」

「はい…勝手な思い込みで、せっかく助けに来てくれた皆さんを跳ね除けて……それで勝手に外に出て皆さんに迷惑をかけていることです…」

「ええ。どうやら、ちゃんと頭は冷えているようね」

「そこは、僕も話してたからね。でも今回の誘拐は、僕も不注意があったよ。ゴメン」

 

ランプがちゃんとぶたれた理由を理解しているとわかると、アンナも認めた。するとマッチの方からも、その件で謝罪が返ってきたのでアンナも返事をするのだが…

 

「謝罪は、向こうに戻って門矢士と空条承太郎の二人にしなさい。あの二人は今、あんた等を助けるために誘拐犯達と決闘している最中だから」

「……わかりました」

 

アンナからの言葉に、まっすぐな目で答えるランプ。そして、一同はそのまま里へと戻るのだった。

 

「そういえばさっきの阿弥陀丸さん、大活躍だったね!」

「ああ。侍の霊だから戦う時くらいしか役に立たねぇと思ってたんだが、意外と使い道あるんだな」

「だな。確かに、普通は壁すり抜けて中を見る、なんか出来ねぇしよ」

「いや、阿弥陀丸には普段の生活から助けられてるからな」

 

道中、千矢の言葉で阿弥陀丸が意外な形で役に立った件に気づき、葉に話しかけるポルナレフと龍我。ちなみに、当の阿弥陀丸本人は位牌に入って休んでいる。

そしてそのまま葉は阿弥陀丸のそのまま普段の生活での役立ちに付いて語るのだが…

 

「朝起きられないときは金縛りで確実に起こしてくれるし」

「金縛りを目覚まし代わり…ないわね」

 

その答えに、臣がツッコむ。

 

「道に迷ったときは空から案内してくれるし」

「あ、それ便利そう」

 

リアルに助かる手に、小梅が同意する。

 

「不良に絡まれた時は、憑依させれば怖くねえし」

「そっか。お侍さんだから、不良も怖くないんだね」

 

今度はノノも納得した様子で答える。

しかしその一方で、一人無言だった少女がうちに恐怖を溜め込んでいた。

 

(金縛りに憑依? ちょっと待って、冷静に考えればトンデモナイことじゃない?? お狐様みたいな遣い的なのじゃなくて、人間霊がそれをやるって…)

 

当然、その人物は紺なのだが、次の葉の一言で決壊した。

 

「最悪、夜のトイレが怖いときは付いてきてくれるし」

阿弥陀丸さんが幽霊だから、本末転倒じゃないかしら!?

「お化けじゃなくて、暗いのが怖いんじゃないかな?」

 

涙目でツッコむ紺に、まさかのツッコみ返しが千矢から返ってくる。しかし恐怖に彼女の心が塗りつぶされており、聞こえてる様子がなかった。

 

「お喋りはそこまで。いつ敵が来るかわかんないし、急ぐわよ」

 

見かねたアンナが制止をかけ、そのまま里まで走るのだが……

 

「!? このパスは……」

 

直後、きららが何かを感じ取った。言動からパスのようだが、彼女の表情は終始険しい。

 

「皆さん、急ぎましょう。ちょうど、士さん達のパスを感じる辺りに敵が来ます。それも、私たちのよく知る人が」

「よく知る……まさか!?」

 

ランプはその言葉に、思い当たる節があったようだ。それを知り、そのままきらら達は走る速度を上げていった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「一気に畳みかけるぞ」

【Form Ride Forze! Fire!!】

 

一方、ディケイドフォーゼは新しいカードを入れてフォームチェンジに入る。するとフォーゼは赤いボディに消火器と火炎放射器の合いの子のような銃・ヒーハックガンを装備した姿へと変じた。

その名も、フォーゼ・ファイアーステイツだ。

 

「纏めて、ぶっ倒してやる」

「おっと、これは危ない」

 

そしてそのままヒーハックガンから火炎弾を乱射するディケイドフォーゼ。一気に火力を上げられ、ヘラクスとケタロスはそのまま回避に入りだす。

 

(ゼクトのライダーシステムなら、こいつらもクロックアップが使えるんだが……どうせ知ってても紳士的じゃないとか言って使わねぇんだろうな)

 

攻撃しながらふとそんなことを考えるディケイド。しかしそれならチャンスだと思い、このまま一気に決着をつけようと一気に畳みかける。

 

「おし。一気に決めるから、お前は奴らを一か所に集めてくれ」

「わかった。さっさと終わらせるぞ」

【Final Attack Ride FFFForze!!】

 

そして必殺技を使うためのカードをドライバーに装填し、ヒーハックガンにエネルギーを溜め込む。そして承太郎も二人を一か所に纏めようとするのだが、直後にそれは起こった。

 

「な、なんだ!?」

「また敵襲か!?」

(な、なんだこの気配?)

(なんかぼんやりと誰かが乱入してくる未来が見えたが……そいつが来たのか?)

 

いきなり戦闘中の平原で光が発生、ディケイドも承太郎も戦闘をやめて警戒態勢に入る。

しかしギャラリー達も警戒を強める中、ルフィはきみょな気配を感じ、迅も予知に対して不明瞭な点があったことを思い出して違う意味での警戒に入る。

迅の予知は、迅本人が顔か名前を知る人間の未来しか見えない、予知で乱入者が現れるとしてもその乱入者が知らない人間なら、ぼんやりとしか見えない、というデメリットが存在する。

 

 

 

 

「……ここか。クリエと類した、大きな力の気配がしたのは」

 

そこには、数人の女性の姿があった。

赤い髪に褐色肌の少女に、獅子のような耳と尻尾を生やした番長のような格好の女性、緑の髪の騎士風の女性、そして永夢や戦兎が接触したセサミとハッカの姿があった。

シュガーとソルト以外の七賢者が、今この場に揃っているのだ。

 

そして声の主の女性は、桃色の髪に赤い瞳。男性的な服装の上から肩当とマントといった、いかにも権力者な雰囲気の格好をしている。

 

「まさか、彼女がきららちゃんたちが話しとった…」

 

残りの七賢者を従える形で現れたことで明白だが、彼女らについて知らなかったジョセフでも察しはついた。

筆頭神官アルシーヴ。この世界での敵が、乗り込んできたのだった。




グリニデ閣下のBe Cool、アンナの幻の左、とりあえずやりたいネタはまずぶっこませてもらいました。
そして7章からパラレル設定ということなので、アルシーヴさんには最初、敵として出てもらうことに。さて次回、どうなる?
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