仮面ライダー&ジャンプフォース 平成ジェネレーションズHeaven inきららファンタジア 作:玄武Σ
きらファンでもチマメ隊揃っちゃいましたが、マとメは本編で出す予定はないです。あしからず。
承太郎とアルシーヴの一騎打ちに割って入る、カブトムシ型の巨大な魔物。その手が迫ろうとするも、すぐに妨害が入る。
「ゴムゴムの
「ぎぎゃあああああああああああああああああ!!」
ルフィがギア3で巨大化した上から覇気を纏った両腕、それを同時にぶつける技ですぐにぶっ飛ばしたのだ。それにより倒れ臥す巨大魔物だが、直後にろくろが駆けつけてくる。
「承太郎さん、離れてろ!」
直後にろくろは印を結び、中空に描かれた印が整列。それに合わせて、ろくろはその印殴りつける。
「
直後、印が重なったことで呪力のビームが収束され巨大化して放たれた。その威力により、魔物は跡形も無く消し飛んでしまう。
「ふぅ。ルフィの攻撃が効いてたあたり、ケガレじゃないみてえだが…大丈夫か?」
「あ、ああ。問題ねぇ(やれやれ。どれもこれも破壊力が可笑しい技ばかりだが、巻き添え食らわされねえように気をつけねぇと)」
(あの麦わら帽子の男がいるということは、ジンジャーが負けた? あんな力があるなら、ありえなくもないが…!? 夢幻魔法も感知されてないだと!)
出鱈目な戦闘力の味方を見て、改めて彼らの強大さを認識する承太郎。しかし、それはアルシーヴも同様だった。
そして彼女は周囲の状況を察し、そのまま宣言する。
「全員、撤退せよ! 余りにも分が悪い!!」
その言葉に七賢者達は驚愕した。
「なぜですか!? 確かに彼らは強いですが、今逃げ出しては…」
「ジンジャーとハッカが負けた! 落ち着いて周りを見回せ、そして気配や魔力を確かめろ!」
フェンネルの反論に対してすぐに返すアルシーヴ。そしてフェンネルだけでなく、指示を聞いた残りの七賢者メンバー達も状況を察した。
「……ハッカの夢幻魔法解除、確認しました。その指示に、従います」
「こっちも、ジンジャーの気配がないのを確認。死体や血痕がない辺り、遠方に吹き飛ばされたっぽいね」
「…………私も確認できました。ハッカを回収して撤退します」
「理解が早くて助かる。ジンジャーの捜索は態勢を立て直してからだな……空条承太郎に召喚士きらら、そしてまだ名も知らぬ男よ、今回は私の負けだ。オーダーの準備にしばらくかかるので、束の間の平和を謳歌しておけ」
「あ、ちょっと待ってよ!」
そして周囲から同意が得られたアルシーヴは、そのまま承太郎達に宣言して転移魔法で撤退していった。
一方、フェンネルと戦っていた電王は相手に逃げられ、変身解除とともにリュウタロスは良太郎の体から抜け出す。
「もう! あとちょっとで勝てたのにぃ!!」
「まあまあ、落ち着いてよリュウタロス」
そんな憤慨するリュウタロスを、良太郎が宥める。やはり消化不良なようだ。
「思いもよらねぇ形で危機が去ったが……やれやれだぜ」
「だな。しかしさっきのデカブツ、なんだったんだ?」
危機は去った物の、明らかに別の脅威がこちらに近寄ってきた感覚に、士も承太郎も警戒を強める。そんな中、最初に異変に気付いたのはきららだった。
「このパス……かなり距離があるけど、何か嫌な感覚がこっちに向かっています。しかも、それと繋がったパスがこの向こうの林にもあります」
「差し詰め、敵の先行部隊とかそんなところだな」
きららの言葉を聞き、パスの主の正体を察する士。しかしその時…
「皆さん!!」
「お前ら……危険だから下がってろと言っただろうが」
そこに青葉を先頭に、なんとクリエメイト一同がこちらへと駆け寄ってきたのだ。聖なる遺体を守るために下がらせたのに、また出てきたため承太郎も呆れるのだが、次の言葉にて前言撤回することとなる。
「この遺体が告げているんです! 敵の起こした異変と、その影響を受けた人たちが近づいているって!!」
「! まさか、アヴドゥル達も?」
オーバーヘブンショッカー首領の起こした異変。それにより甦った仲間の洗脳を、聖なる遺体で止められる。現に、花京院やツェペリ男爵もそれでこちらに戻ってきたのだ。
遺体が持ち主に選んだ彼女らの力が必要なのも、明白だ。
「みたいだからな。今回は総力戦でいかせてもらうぞ」
「そうそう。いよいよ仮面ライダーの仕事が、本格的に始まりそうだぜ」
そう言いながら千矢を連れてやって来た葉と響鬼。その際、葉の服装も黒の袖なしベストに変わっていた。ズボンに取り付けられたホルダーに、赤い石造りの短剣が入れられているのも、印象的だ。
「それはいいが、その格好なんだ?」
「アンナお手製のバトルコスチュームだよ。ついでに、切り札も用意して来た」
承太郎の指摘に、少し自慢げに話す葉はホルダーに入れた短剣を見せる。この短剣が切り札のようだが、どうやらオーバーソウルの媒介に使うようだ。しかしその時、士はあることが気になってヒビキに問うのだが……
「そういえば、あんたは朝飯の時にいなかったけど何してたんだ?」
「修行だよ、修行。少年少女達には置手紙おいてきたんだが、見てねぇのか?」
「置手紙…………あ」
ヒビキの言葉に千矢は何かを思い出す。
~回想~
「むにゃむにゃ……あれ? なにこれ」
早朝、目を覚ました千矢は厠に向かう途中に居間で例の置手紙とやらを発見した。
『ちょっと、裏の山で修行してくる。朝飯もいらないって、飯屋の姉ちゃんにも伝えてるからお構いなく。ヒビキ』
「ふーん……わかったよ、ヒビキさん…むにゃ」
しかしこの後、厠から戻った千矢は二度寝してしまう。寝ぼけてたために、記憶から抜け落ちていたらしかった。
~回想了~
「ごめんなさい…寝ぼけて、忘れてました……」
そのまま千矢は涙目で一同に謝罪するのだが、なんと地面に寝そべって自身の腹を見せつけるようなポーズを取ってきたのだ。
「おい、なんだそのポーズ? ふざけてんのか?」
「え? ごめんなさいする時はお腹見せないとだよ。人間は、あんまりやらないみたいだけど…」
「獣は降伏の証に腹を見せるというが……それをてめぇがやるのか?」
士の問いに答える千矢に対し、承太郎はかつて戦ったスタンド能力持ちのオランウータンを思い出す。奴も許しを請いて腹を見せてくるが、動物のルールからはみ出したということでスタープラチナのオラオラの餌食となった。
当然、千矢にはやらないきやる理由もないが。
「気を取り直して、さっさと行くぞ。おそらく、かなりの強敵が来るはずだ。リュウタロス、新しい敵が来るからそこで大暴れしていいぞ」
「本当!? やったー!!」
「夏ミカンとユウスケは里を守ってくれ。こっちを勘付かれて、人質取られたらマズイからな」
「わかりました。士君、気をつけて」
色々と思うところある千矢の謝罪ポーズだが、今は置いておくことにする士であった。そしてその士の言葉にリュウタロスも機嫌を直し、夏海とユウスケに里を任せて移動を始める。
「僕とスピードワゴンとツェペリさんも残ろう。大多数が抜けるから、守りの手は足りないだろうからね」
「そういうことなら、アタシらも。アタシとやすなは例の遺体に選ばれてないし」
「ワシも流石に前線で何度もやり合うのは勘弁じゃ。今回は守りに入らせてもらおうかの」
「ジョナサンにソーニャちゃん、助かったよ」
「ジョセフさんも助かります」
そんな中、ジョナサンやジョセフから防衛への名乗りが出てきて礼を言う2人。いつの間にかやってきていたソーニャも、防衛のために残ってくれるようだ。
「皆さん、ちょっといいですか?」
そんな中、いきなり駆けつけてきたのは栄依子だった。何事かと思い、夏海が話しかけるのだが……
「栄依子ちゃん? 一体どうしたんですか?」
「花名がいつの間にかいなくなってたんです。あと勇魚さんも。こっちに来てないかと思って探しに来たんですが…」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
〜目的地の林の中〜
「ぎゃあああああ!?」
「黒雪だるま!」
先ほど里に乗り込んで騒ぎを起こそうとしていた、暗黒冬将軍と呼ばれた少女は現在ピンチだった。彼女が自身の力の実験に使おうとしていた、石のブロックで出来た鎧を纏う巨漢が怒りの形相で付き人の雪だるまを殴り倒していた。
見てみると同様に雪だるまの残骸と思しき黒い雪やバケツが辺りに散乱している。
「君……確か、忘れたい負の記憶のことを黒歴史って言ってたよね?」
そして巨漢は憤怒の形相で暗黒冬将軍を睨みながら、いきなり問いかける。そのにじみ出る怒りの感情に、暗黒冬将軍は涙目で頷くしかなかった。
「だとしたら、ボクの場合はあの屈辱の記憶が黒歴史ってことになるのかなぁ? ビィト戦士団に負けたのと、その直後にロディーナちゃんがボクを裏で操ってたってわかった、あの記憶が……」
それを見た巨漢は、納得して怒気をそのままに笑顔になった。この巨体とイカツイ風貌に対して、一人称ボクというインパクトもさながら、笑顔のままの憤怒は暗黒冬将軍を威圧する。そして萎縮した彼女に巨漢は歩み寄ってくる。
「おかげで、取り乱しちゃったよ……大甲虫を、グリニデの奴から拝借したとっておきのモンスターを封じたブロックをどこかに放り捨てちゃったし…これは、お仕置きが必要だね……
とりあえず、ぶっ殺す!!」
そして巨漢は笑顔を解いて叫びながら巨大な拳を振り上げ、暗黒冬将軍を殴殺しようとした。
「朧蓮華の舞!」
「むぐぅう!?」
しかし凜とした少女の声で技名を叫ばれ、声の主と思しき何者かが巨漢に連続タックルを叩き込む。常人の動体視力では目視できない、圧倒的スピードの連続攻撃に巨漢も怯む。
「もう、大丈夫よ…心配、しないで」
攻撃を終えたことでその人物が、紅緒であることが判明する。そして紅緒は呪装用の仮面を外しながら、暗黒冬将軍を安心させるように、笑顔で接する。
「いてて……人間の小娘みたいだが、今のは?」
【ヒート! マキシマムドライブ!!】
「って、あっつい!?」
さらにガイアメモリの音声・ガイアウィスパーが響くと同時に、炎を纏ったクワガタ虫が巨漢に突撃していく。メモリガジェットの一つ、スタッグフォンにヒートメモリをセットしてのマキシマムドライブだ。
その熱量に、巨漢はダメージを食らっていく。
「阿弥陀流奥義・後光刃!!」
「うりゃああ!!」
そこにすかさず、葉と千矢が飛び掛かって斬りつける。
「ちぃ! 軟弱な人間のクセして、ボクの邪魔しやがって……」
しかし全身に纏う石のブロック、そしてその下の頑強な筋肉が大きなダメージを与えられずにいた。
そんな中、遅れて残りのメンバーも集結することとなった。
「なんだコイツ? なんかドラクエの魔王みてぇな
「お前、ドラクエ好きだな……だが、同感だ。例の婆娑羅とか破面とも、共通点は見当たらねぇし」
「なんだか、嫌な予感がします。士さんも承太郎さんも、気をつけてください」
士と承太郎が巨漢を観察していると、きららが二人に警戒を呼びかける。すると、巨漢はいきなりニヤつき始める。
「ツカサにジョウタロー……そうか。君達が仮面ライダーとスタンド使いのリーダー、みたいな奴だね。どうやら、ボクにも運が回ってきたみたいだね」
「俺らを知っているか。お前もどうやら、オーバーヘブンショッカーの協力者みてぇだな」
すでに情報が知れ渡っていることを察し、士は警戒を強める。しかしそんなとき、巨漢のほうから自己紹介が始まった。
「とりあえず自己紹介はしてあげるよ。ボクの名はガロニュート、不動巨人の二つ名を持つ、七ツ星の
「ヴァンデル? また聞いたことねぇのが来やがったな」
また聞いたことのない種族の出現に、警戒心を強める士。すると巨漢改めガロニュートは、そのまま自身の種族について律儀に説明し始めた。
「魔人はまあ、一言で言えば人間の敵だね。とある世界で人間を駆逐し、滅ぼすことを生業兼楽しみにしている種族だよ」
「おいおい、いきなり物騒な自己紹介だな」
ガロニュートが語る魔人の概要に、横で聞いていたヒビキも若干だが珍しく引き気味な様子だ。しかし気にせず、ガロニュートはいきなり自らの左腕をこちらに見せてきた。
そこには、七つの宝玉のようなものが埋め込まれている。
「そして人間の町や国をどれだけ滅ぼしたか、魔人に対抗するヴァンデルバスターって人間をどれだけ殺したか、とかを功績にしてこの腕にはめている星を集めて昇格していくんだよ。最初は生まれつき一つだけで、今のところはボクと同じ七ツ星が最高位だね」
「そんな……階級なんかのために、人を…」
「きらら落ち着いて。こういうのには話をするだけ、無駄よ」
ガロニュートの言葉から彼ら魔人の所業を聞き、膝をつきながらショックを受けるきらら。それを落ち着かせるメリーはクリエメイトで一人、明確な悪意と戦ったことのある人物のため冷静だった。
「そしてボクは元いた世界でとあるバスターの小僧に負けて死んだんだけど、オーバーヘブンショッカーの首領が生き返らせてくれたんだ。しかも死と同時に砕けるはずの星まで再生させてね。そして、首領はボクを含めた魔人達にある提案をした」
大体の予想がつく中、ひとまず静観を決める一同。するとガロニュートがその提案について詳細を話した。
「君らを皆殺しにして聖なる遺体を献上するなら、魔人の評価役に話を通してくれるそうだ。そうなればボクは、七ツ星より上の階級、八輝星へと最初に昇格できるってわけさ!」
「だいたいわかった。要するに、お前を倒せばとりあえず脅威は一つ取り除けるってことだろ」
「おし、じゃあぶっ飛ばすぞ!」
というわけでガロニュートへの敵対意識MAXで決め込む一同。士の言葉に続いたルフィが覇気を纏い、他のメンバーも変身や武装の準備をするのだが……
「ふん!」
「うわ!?」
「な、なんだ!?」
「か、体が…重い…」
なんとガロニュートが両腕を交差した瞬間、全員の体に凄まじい荷重が生じる。その負荷は実戦で鍛え上げた仮面ライダーたちだけでなく、ルフィやデクのような素でライダーの身体能力に張り合えるレベルのパワーファイターですら、地面に縫い付けられるような程だ。
「お、重い……」
「潰れる…」
「痛い、です…」
「いやぁ、これ以上重くなるのは嫌ぁあああ!」.
その為、きららやクリエメイト達の、普通の十代の少女の肉体強度ではそれだけで凶悪な攻撃とかしてしまう。
尤も、ヒロが1人だけ体重を気にするという的外れな恐怖を抱いていたが。
「魔人は冥力っていう力を体に秘めていてね、それを使った冥撃や魔奥義っていう必殺技を使えるんだ。そしてボクの魔奥義は、見た目通りスピードのないボクが周りに張り合うために周りをノロくするために編み出したんだ」
そんな中、ガロニュート自身からこの状況について説明がなされる。そしてそのまま自信満々な表情で、告げた。
「名付けて”
そしてそのまま勝ち誇った笑みで士と承太郎に近寄るガロニュート。
「それじゃあバイバイ。最強のスタンド使いさんに、世界の破壊者さん!」
そしてそのまま士と承太郎を隣にいるきららごと押しつぶそうと、巨大な拳を振り下ろした。
「スタープラチナ!」
『オラァアア!!』
「ぐふっ!?」
しかし承太郎がとっさにスタープラチナを発動、そのパンチをガロニュートの腹部に叩き込む。そのパワーに、ガロニュートも怯んだ。
「承太郎さん、スタンドを?」
「なるほど。魂の化身なら、重力負荷も関係ねえわけか」
驚くきららに、感心する士。魔法でスタンドにダメージを与えられたことから、この冥力という力に由来する魔奥義も同様の性質があるかもしれない。しかし直接攻撃じゃなかったからか、この重力負荷も効かずにガロニュートに一撃入れることに成功したのだ。
「君、往生際が悪いんだよ!!」
「あいにく、てめぇみたいなのにくれてやるほど、俺の命は安くはねぇんでな」
ガロニュートには思いのほかダメージを食らったことに憤慨し、腕にその冥力と思しきエネルギーを腕に溜め込む。承太郎も迎え撃とうとスタープラチナの拳を構えるのだが……
「
「!?」.
突然響いた聞き覚えのない男の声に反応し、ガロニュートは声のした方を向いて溜めていた冥力を放つ。
「な、なんだ!?」
「うお!?」
直後、ガロニュートの攻撃とぶつかる巨大な光の塊が見えた。その攻撃は相殺されて両方とも消滅するが、直後に起こった衝撃は辺りの木々をざわめかせる。
「ラァアアア!!」
「ふん!!」
さらに直後、何者かが一瞬でガロニュートの眼の前に現れ、手にした巨大な武器で斬りかかる。しかしガロニュートも咄嗟にガードし、あたりに凄まじい衝撃が走った。
「あ、体が軽く…」
「今のうちに離れるぞ! たぶんまだ…」
その時、ガロニュートは今の攻撃で超重領域を解除してしまう。それにきららが気づいたので、士は離散を促す。
そして、案の定攻撃は続くなどとなった。
「死ぃあああああああ!!」
「うお!?」
「ちっ!」
新たに空から降って来た別の誰かが、腕を振ると同時にガロニュートと現れた男が一気に距離をとる。すると地面に深い切れ込みが何本も刻まれた。
「おいおい、獲物の独り占めは良くないぜ。つーか、おめぇ巻き添え食いそうだったぞ、俺」
「んだよ、食らわなかったんだからいいだろ。しかしグリニデとかいうやつのいう通りだな。お前ら魔人ってのは、野蛮で礼儀知らずしかいねぇらしい」
「不満があるなら、ボクを葬ってから言いなよ。首領殿はボクらの同士討ちも謀反も、快く許可してるんだしさ」
現れたのは、白尽くめで長身、手に剣とも斧ともおぼつかない巨大な刃物を持った男。褐色肌に男なのにツインテールにまとめた銀髪、そして腹に九字紋が刻まれた男の2人だった。
昨日に野クルメンバーから話を聞いた、2人であった。
「聞いた通りの見た目してやがる……お前らが婆娑羅と破面とかいう連中か」
「へぇ、話はいってるみてぇだ。余計な説明はいらなさそうだな」
士の言葉に反応し、破面の男が向き合いそのまま自己紹介に入る。ツインテールの婆娑羅も、名前の察しはついたが名乗り始めた。
「破面のノイトラ・ジルガ。テメェら人間の言葉で言やぁ、悪霊ってやつだ」
「婆娑羅の聖丸だ。婆娑羅、つーかケガレは負の念とか怨念から生まれるからまあ、似たようなもんだ」
「悪霊!?」
ノイトラの名乗りに真っ先に反応したのは、紺だった。ただでさえ幽霊や妖怪と遭遇した中、今度は悪霊と彼女の弱点に何度も遭遇しているのでメンタルが削られっぱなしだ。
「まあ厳密に言えば、
「死神だ? てめぇのいた世界には死神なんていやがるのか」
まさかのノイトラからの単語に承太郎もビックリだ。しかし敵の攻撃はこれだけにとどまらない。
「ノロノロビーム!!」
「うぉ……ぉおお〜」
「うぅごぉ〜きぃ〜がぁあ〜…」
「まさか、この技…」
今度はどこからか光線が飛んできて、それを浴びたポルナレフと万丈がスローモーションになってしまう。
そんな中、ルフィはこの攻撃に見覚えがあった。
「フェーフェフェフェフェ!! 久しぶりだな、麦わら!」
そこに現れたのは、ルフィを知っているそぶりの奇妙な笑い方の男だ。長い鼻に割れたような特徴的な髪型の中年男だ。そしてその男の両脇には、青い髪の美女と地面に腕を付いたゴリラのような巨漢が控えている。二人とも、中年男の髪形を模した帽子が一体になった様なデザインのマスクをしている。
「あ! いつかの割れ頭!!」
「また言った……割れ頭って言った……」
「おやびん、落ち込まないで!!」
「うぷぷぷぷぷぷ!」
ルフィに髪型で呼ばれた中年男は露骨に落ち込み、それを美女が慰めて巨漢は逆に笑っている。愉快なようだが、ルフィの反応から一応は敵らしい。
「えっと……知り合い?」
「ああ。銀ギツネのフォクシーって海賊で、二年前に一悶着あった連中だ」
「じゃあ、今の遅くなるビームは悪魔の実の力?」
「触れたものを30秒間遅くするノロマ光子を体から生成する、ノロノロの実のノロマ人間だとか」
ヒロがあまりの間抜けさに唖然としながら問いかけると、ウソップから解説が入る。沙英も話を聞き、先ほどの力が悪魔の実によるものだと察した。これに関してもウソップからの証言が出たが、能力は攻撃力に乏しいが凶悪極まりないものだ。
そして当然だが、なぜか自分たちの世界の敵がいたことにルフィは問い尋ねる。
「で、なんでお前がここに居やがるんだ!?」
「まあお前もここにいるなら聞いているだろ? オーバーヘブンショッカー、ここの科学力とか手に入れたら更に一味を強化できそうだからな。ちょいと協力させてもらっているんだが、そこにお前らが来たんで前回の対決のリベンジを果たそうと思ったわけだ」
「というわけで、このポルチェちゃんとハンバーグだけじゃなく、フォクシー海賊団総出で相手してあげるから、待っててね」
「うぷぷ、今度こそやっつけてやる」
まさかの敵の襲来に困惑するルフィ達だが、そこに新たな敵が襲来する。
「久しぶりだな、仮面ライダーW」
「な……てめぇまで、復活しやがったのか…」
そこに今度は、紹太郎たちのよく知る男だった。黒をベースに所々に赤が入った、ライダースーツのような服の青年である。
「大道克己。僕たちが初めてあった時に戦った、NEVERのリーダーだ」
「え? じゃあ、あの人も一回死んだっていうのか?」
「死体の改造兵……俺は初めて会ったけど、業が深すぎじゃねぇか?」
フィリップから男の詳細を知り、夢路もろくろも驚愕する。
「どうやら自己紹介の必要はなさそうだな。率直に言うが、聖なる遺体とてめぇらの命、纏めて寄越せ」
「いきなり、遠慮ないわね。飲むわけないでしょ、そんな要求」
いきなりの克己の物言いに、メリーは当然反論した。しかし直後、彼女らも驚く出来事が起こった。
「話は聞いているぞ、メリー・ナイトメア。お前と縁のあるやつも、オーバーヘブンショッカーに協力している。今ここにきているから、適当に挨拶しておけ」
「というわけで、久しぶりだな子羊」
「そして私は、はじめましてね」
そこに現れたのは、西洋の鎧から落書きのような顔が除く異形の男と、植物をイメージしたゴスロリファッションの女の二人組が現れた。メリーに呼びかけたことから、面識ありのようだ。
「メリー・ナイトメア。片方の異形は君を知っているようだが…やはり」
「ええ。夢魔、それも私らが敵対してた連中の親玉よ。片方は知らないけど」
「初めましてだな、仮面ライダー。俺はエクルレス、二つ名は
「あたしはミストルティン。二つ名は
フィリップの問いかけにメリーが答えると、二体の夢魔はそのまま名乗り始める。そして異形の夢魔・エルクレスから、オーバーヘブンショッカーに参加した経緯が語られる。
「俺は夢界に連れ戻された後、力を与えた張本人に消されたんだが、他の連中同様に首領に復活させられ、そのまま協力させてもらっているわけだ」
「あたしもエルも、好きなだけ破壊してもいいって言われてね。これは乗るしかない、そう思ったわけよ」
「エルクレスと意気投合するロクデナシの夢魔ね……ユメもキボーもありゃしないわ」
エルクレスの身の上話とそんな彼に同調したミストルティン。あまりに最悪な組み合わせに、メリーは完全に気分を害されていた。
「そう落胆する必要はないぞ、メリー・ナイトメア。君達も彼らも、全ての生命は彼の導くまま、真の天国へと到達するのだから」
「この声、まさか!?」
その声を聞いて一番に反応したのは、ここまで沈黙を貫いていた徐倫だった。その時、いつの間中上空に浮く巨大な飛行船が現れ、そこから1人の男が飛び降りてきたのだ。
「し、神父かあれ?」
「いや、でもアレは……」
「へ、変な髪……」
ヒビキも葉も現れた男に困惑する。それは千矢の指摘通り、神父服に奇妙な剃り込みの入った短髪という、ミスマッチな身なりをしていたためだ。
しかし徐倫はこの男に見覚えがある。そう、元の時代で彼女が対立していた男だったからだ。
「プッチ! あんたまでこの世界に来ていたっていうの!?」
(こいつがエンリコ・プッチ…徐倫が元の時代で戦っていた、天国への到達を目的とした男)
まさかの敵の出現に警戒を強める空条親子。しかしプッチの口から、驚きの言葉が出てきた。
「初めましてというべきか、ディケイドに空条承太郎……尤も承太郎に関しては、それも"1988年の承太郎"と出会うのは2回目だがね」
「何?」
なんとプッチは承太郎と既にあっているというのだ。それも、徐倫の生まれた後の時代でなく、DIOを倒しにエジプトへと旅に出た承太郎とだ。正確に年代まで覚えている始末である。
「おい、プッチとか言ったか? なんでこいつの娘と対立してた時代の住人が、それより過去の時代のこいつと既に会っているんだ?」
「君が知る必要はない。幾多もの世界を旅する君なら理解できるだろうが、彼の作る天国に承太郎と君は邪魔なのだから」
「プッチ! あんたも聖なる遺体を欲しているようだけど、渡すつもりはないしあんたを天国にも行かせはしない!!」
士の問いかけに答えるのを拒否するプッチに、徐倫は噛み付く。しかしその時、彼を知る徐倫にとって意外すぎる返事が返ってきたのだ。
「徐倫、その天国というのは……君のいた世界の私が求めていたものだろ? 私の求めていた天国は他にあった、だからそれはもう必要ない」
「何?」
その言葉に驚愕する徐倫だったが、プッチは気にせず言葉を続けた。
「今の私はその天国を彼に、オーバーヘブンショッカーの首領に……わが友に見つけてもらった」
そしてプッチは続ける。その周囲にいる全員を圧倒する、凄みを醸し出しながら。
「今の私は苦難の道を歩み続ける殉教者ではなく、"真実"への道を得た"天国"の住人だ。そして私は知らしめねばならない……
彼の生み出す真実! その尊さを!!」
「な、何この人?」
「こ、怖い……」
その狂信者のようなプッチの言動に、きららもランプも怯える。しかしプッチはそれすらも気にせず、言葉を続ける。
「オーバーヘブンショッカーも、その為にわが友が大ショッカーを乗っ取り結成した。人類だけでなく、魔人に夢魔、虚に破面にケガレ……数多の生命が彼に導かれるまま、等しく天国の住人として幸福となる為に!」
「その為にならどれだけ人を傷つけてもいいってか? イカれてる……」
「気をつけて。私の仲間曰く、プッチは"自分が悪だと気づかない最もどす黒い悪"だそうよ」
「もしそれが本当なら、ヴァレンタインよりもタチが悪いな…」
プッチの言葉に対して強い怒りと嫌悪感を見せる戦兎。そんな彼に徐倫はプッチの人となりを伝えると、一緒に聞いていたジョニィも強い警戒心を抱くこととなる。
「君たちは全人類、全生命の幸福のための尊い犠牲を同意できない。だから、確実に消す必要がある……克己、任せたぞ」
「ようやく、俺の出番か」
そしてプッチに促された克己は、腹部にある装置を取り付けるのだが……
「へ? あれって、ダブルドライバー?」
そこにあったのは、夢路の指摘通りダブルドライバーによく似た装置だった。しかし、メモリを左サイドからしか装慎出来ないように作られているという違いがある。
「ロストドライバー。ダブルドライバーよりも旧型のドライバーで、一人で変身できる代わりメモリも一本しか装填できない仕様だ。そして奴は、これで変身を…」
「御託はいい。見ればわかるさ」
翔太郎の解説をブチ切りにした克己は、懐からガイアメモリを取り出して起動した。
【エターナル!】
永遠を意味する、白いガイアメモリ。それをロストドライバーに差し込み、克己は確かにそれを口にした。
「変身」
【エターナル!】
そしてドライバーを展開すると、克己の姿は変わった。
白いボディに、腕などの各所に混じる青、黄色い複眼、アルファベットのEを模した大きな角、ボディと対照的な黒いマント……そう、その姿は彼らに酷似していた。
「か、仮面ライダー?」
「敵に仮面ライダーがいるかもって、コルクの予感が当たったわね」
ついに、先ほどのウィルバーたちとの決闘から懸念されていた危機が、現実になってしまった。そして変身した克己は、自らの仮面ライダーとしての名を名乗る。
「俺は仮面ライダーエターナル。お前らを地獄に送るために甦った、悪の化身だ」
プッチと違い、自らを悪だと自認してそう振る舞う克己改めエターナル。ある意味では開き直っている分、彼の方が危険かもしれない。
そして、エターナルは腰のスロットに別のガイアメモリを差し込む。
【ゾーン・マキシマムドライブ!】
「はぁあああ……」
「ゾーン……俺らが戦った転移のあれか!?」
夢路はエターナルが使用したメモリが、昨日エトワリアに初めて迷い込んだ時に襲ってきたドーパントの物だと気付く。しかし、これを使われた時点でもう遅い。
「今回は特別製のマキシマムだ。お前らはそれぞれ、オーバーヘブンショッカーのからの刺客が張っているエリアに転送される。そこで確実に潰してやるから、楽しみにしておけ」
「ついでに言えば、その先にはNEVERと破面が1人ずつ張ってあるから、まあ覚悟して起きたまえ」
「何……って、お前ら!?」
「うわ、なんだこれ!?」
「瞬間移動!? 個性じゃ、こんな能力は使え……」
エターナルとプッチの言葉に続いて気づく翔太郎。立て続けにクリエメイトを含めた仲間達が、喋っている途中の出久をはじめとして次々に転移していく。
「麦わら! 転移先にはフォクシー海賊団ともう1人、お前と因縁のある奴がいるから、対決を楽しみにしてな!!」
「知るか、んなもん!! そいつもまとめてぶっ飛ばしてやるからな!!」
「ルフィさん、めちゃくちゃ怒ってる…」
「ゆのちゃん、たぶん相当あの人がルフィさんを怒らせるようなことしたんだと思うよ…」
そのままフォクシー達も電王組、ルフィ組、そしてひだまり荘組と転移していった。
「ディケイドに承太郎、あと召喚士とやら。てめぇらは俺とプッチ自ら相手してやるから、楽しみにしてろよ」
「生憎、俺はバトルジャンキーじゃないんでな。相手はしてやるが楽しみにはしねぇぜ」
「この状況でその余裕、楽しみだな」
そしてそのまま、ノイトラとプッチも士達とともに転移してしまう。
さらに、最悪なことは起こった。
「「きゃあ!?」」
「その声、サナか!?」
「花名まで! 何してるの!?」
なんと、栄依子がいなくなったと話していた勇魚と花名がこちらについてきてしまっていたのだ。そして、ゾーンのマキシマムによる転移に巻き込まれてしまったのだ。
「あの紫の髪の女、お前の知り合いか……なら、お前も!」
「うお!?」
「夢路!?」
そしてそのままここに残るはずだった夢路も、勇魚達とともに転移してしまう。
結果、この場に残ったのは翔太郎とフィリップ、ろくろと紅緒、メリーと暗黒冬将軍。敵サイドはエターナルとミストルティン、聖丸とエルクレス、そしてガロニュートだ。
「さて。ガロニュート、好きなの1人か2人やるから機嫌を直せ」
「そうかい……じゃあその黒髪の女と、ボクの負の記憶を呼び覚ましたガキをもらおうか。エルクレス、あっちのチビ氷使いみたいだから、手伝ってよ」
「なるほど。俺も陰陽師とやらに興味があるんでな、乗った」
そしてガロニュートは、残ったメンバーの中から紅緒と選出し、エルクレスと二人掛かりで潰しにかかろうとする。
「なら、俺は仮面ライダーWを潰させてもらうぜ」
「双星の片割れか。1人だけでも相当な呪力を貰えそうだな。うん、そうだろうなぁ!!」
「それじゃ、残った門番の小娘をやっちゃいますか!」
そしてエターナル、聖丸、ミストルティンも獲物を定めて戦闘態勢に入る。
「さあ……
地獄を楽しみな!!」
そして、決戦の火蓋は切って落とされた。
おやびんがルフィと因縁ある奴がもう1人来ていると言いましたが、ヒントは劇場版のオリジナルキャラとだけいっておきます。
次回出てくる予定なので、お楽しみに。