仮面ライダー&ジャンプフォース 平成ジェネレーションズHeaven inきららファンタジア   作:玄武Σ

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過去最大の文字数になった……すみません、キリのいいとこが見つからなかったので。

あと、そうこうしているうちにきんモザが完結までのカウントダウンに入りやがった。高校卒業が近づいてたのでもしやと思いましたが、まさか現実になるとは……
ま、まあ斉木楠雄だってキリのいいところで綺麗に終わらせましたし(汗)


第27話「ハニカム笑顔で俺達、参上!」

フォクシー海賊団の予想外の戦力規模、NEVERと破面の桁違いの戦闘力、それらは電王を麦わらの一味を、そしてひだまり荘の面々を確実にピンチへと追いやっていた。

そんな中、ラチェットの操るロボットのロケットパンチを受けて変身解除してしまった良太郎とモモタロスは……

 

 

「いてて……おい良太郎、無事か?」

「な、なんとか立てるかな?」

 

ひとまず、立てないほどのダメージではないようだったので体制を立て直せそうではあった。

 

「うわぁあ!?」

「!? リュウタロス!!」

 

いきなりの悲鳴に良太郎が反応すると、視線の先には鉄人君28号の左腕に鷲掴みされたリュウタロスの姿が映った。

 

「如何にイマジンが人外級の膂力を持とうと、魚人のパワーを上回る鉄人君28号のパワーに敵うはずないのですよ。このまま握りつぶして差し上げましょう!」

「痛い、痛い! やめてよぉお!!」

 

そしてラチェットの宣言通り、リュウタロスを握りつぶそうとする鉄人君28号。リュウタロスも思わず苦悶の声をあげ、ピンチなのは確かだ。

 

「モモタロス、もう一回変身を…」

「ノロノロビーム!」

「うぅ〜わ〜…」

「し〜ま〜っ……」

 

リュウタロスを助けようとした矢先、いつの間にかフォクシーが接近してノロノロビームを放ってきた。予想外の奇襲でモモタロスともども対応できず、食らってしまう良太郎。

 

「からの、九尾ラッシュ!!」

 

そして先ほどローをぶっ飛ばした、必殺のパンチラッシュを放ってくるフォクシー。そして衝撃がとどまり、30秒後……

 

「「うわああああああ!?」」

 

一気に衝撃が放たれ、二人まとめて吹っ飛ばされてしまう。姑息だがこと団体戦においては、フォクシーの踏んだ場数のほうが上だ。

 

「誰と戦うかはっきりしてください!!」

「おっと!」

 

そこに文句を言いながら乃莉が飛び掛かるも、読んでいたのか容易く回避するフォクシー。

 

「おれが悪い奴だって、さっきまでの戦いでよくわかっただろ?」

「いや、まあそうですけど…」

「というわけでノロノロビーム!!」

「やば!?」

 

開き直った態度のフォクシーに困惑してつい動揺するも、その隙をついてノロノロビームを放ってくる。どうにか避けられたが、油断のできない状態だ。

 

「あはははははははははは! 一番強いらしい麦わらと電王がこのざまじゃ、もう負け確定だね!!」

「つ、強い…」

「っていうか、これ何のプレイ?」

 

その一方、ルピの伸ばした触手にウソップとチョッパー、ゆのと乃莉以外のひだまり荘の面々が拘束されていた。

 

「え、いつの間に…」

「乃莉ちゃん! みんなが…」

 

すると乃莉が異変に気付いてゆのに駆け寄ってくるが、直後にルピが動き出す。

 

「いいなぁ~。スタイル抜群のお姉さんにもふもふ小動物、どっちも羨ましいから……」

 

ヒロとチョッパーに視線をやりながらそんなこと言った直後…

 

「串刺しにしちゃおうかな~?」

「ひぃ!?」

「くっ!」

 

いきなり触手から無数の棘を生やして、それを二人に突きつける。

 

「そこの一番ちっこいの、君が聖なる遺体の持ち主なんだって? それ寄こさないと、お友達の体に穴が開いちゃうよ」

「え?」

 

そしてゆのに提案を突き付けてくるルピ。絶体絶命だ。

 

(普通ならおれは気にせず、とか言うところだけどヒロはこういう場面に慣れてねぇ。上手くフォローできねぇかな…)

 

怯える様子のヒロに視線を向けながら、どうするべきかを思案しているチョッパー。しかしその時、意外な助けが入る。

 

「うらぁあ!」

「うげ!?」

 

いきなり誰かが飛び掛かって、ルピを殴り飛ばす。その痛みで怯んだルピは触手の拘束を解除してしまう。

 

「大丈夫だったか?」

「へ? あなた、七賢者の…」

「おう、ジンジャーだ。お前達、私の吹っ飛んだ先で戦ってたの、本当に運が良かったよ」

 

まさかのジンジャー加勢、全くの予想外の事態であった。しかもその直後、新たな援軍が空から来た。

 

「いてて……あ! デンライナー、おせぇじゃねえか!」

「みんな、来てくれたんだ…」

 

宙をかけるデンライナー、その光景に悪態を吐くも、隣の良太郎と同じく安心した様子であった。

そしてデンライナーの扉が開き、ハナがウラタロスとキンタロスに支えられたまま出てきたのだが…

 

「「「いけぇえええええ!」」」

バゴォオオオオオオオオン!

 

なんとバズーカを発射、それで鉄人君28号の腕を破壊。リュウタロスを解放した。

 

「なぁあ!?」

「痛た…みんな、来てくれたんだ」

 

ラチェットは自身のメカの破壊に驚愕、解放されたリュウタロスは安心してその場を離れる。

 

「くそ、もうここを嗅ぎつけられた…」

「図が高い!」

「ふげ!?」

 

悪態を吐くフォクシーだったが、直後にジークが降ってきて踏み潰す。潰された蛙のような声をあげるフォクシーを尻目に、そのままルピから解放された組に駆け寄るジーク。

 

「大丈夫か? 姫その2よ」

「へ? 姫って、私ですか?」

 

なずなの手を取り、彼女をそのまま姫と呼び始めるジーク。

 

「うむ。デンライナーの姫は強く凛々しい姫だが、貴女は守り手の必要な可憐な姫。なれば、王子である我が守るのは当然だろう」

「あいつ一目見たときから思ってたけど、やっぱキザだな。自分で王子って…」

「ていうか、なずなが姫か。やっぱモテるんだね…」

 

ジーク自身の解説を聞き、ウソップと沙英がそれぞれの感想を述べる。しかもこれだけではなかった。

 

「わりぃ。思いの外吹っ飛ばされて、戻るのに時間かかった」

「あの割れ頭……もとい銀狐屋、よっぽど痛い目を見てぇらしいな」

 

ルフィとローも復活。衣服の焦げなども見えないことから、ルピの必殺の一撃は直撃を免れたらしい。ローも思わずフォクシーをルフィと同じ割れ頭呼びしそうになり、訂正する。怒り心頭のようだ。

 

「虚閃を避けたか……例のハキって力なら出来なくないだろうけど、あの体勢から…」

 

ルピも自分の必殺技を避けられ、ショックが大きそうだ。しかしそんな中、フォクシーが動いた。

 

「くそ、コケにしやがって……お前ら、もうルール無視だ! イマジンプリーズ!!」

『!! イマジンプリーズ、頂きました! フォクシー海賊団一同、戦場に降りちゃってください! そしてイマジンの皆さん、出番ですよぉおお!!』

 

フォクシーのその叫びと同時に、イトミミズは観客席に呼びかける。すると水槽にいたサメのモンダを連れ帰る数名を除き、フォクシー海賊団の体から砂が溢れ始める。

 

「え? まさか……」

「そのまさか、あの割れ頭の部下達は揃ってイマジンと契約中なのさ。君がすぐに遺体を渡してくれたら、こうはならなかったんだけど」

 

ルピの宣言通り、そのまま溢れた砂は一斉にイマジンとして実体化した。数の差が圧倒的なものとなった。

 

『さあさあ、ここで軽く説明! 実は今回、オーバーヘブンショッカーに協力するにあたり一般団員は組織の傘下にあるイマジンと契約を果たしました。イマジンプリーズは、そのイマジン達と契約した団員達に戦闘態勢に入るよう呼びかけるコールなのです! ちなみに、私は実況解説の専門なので今回の参加はいたしません』

「おい割れ頭に黄色メガネ! オメェら、はじめっから真面目に戦うつもりなかったんだろうが!!」

「まあルフィさん、落ち着いて……でも、ハナさん遅かったね?」

 

イトミミズからの解説を聞き、ルフィがフォクシーとラチェットに文句を言う。しかし、今更だがまともに聞くわけがない。

一方、良太郎が救援に遅れたことについてハナに尋ねる。

 

「ごめん、みんな! オーナーが準備に手間取ってたの!」

 

するとそう言い、ハナはモモタロス達にある物を渡す。それは、どこか見覚えのあるパスケースで……

 

「え、それって変身用の…」

「お、待ってました!」

「さて。そろそろ僕たちも一仕事しないとね」

「こっから、俺も加勢するから大船に乗ったつもりでいてくれ」

「やったぁ、久しぶり!!」

「それでは、姫達のために我も一肌脱ごうか」

 

ゆのが指摘した通り、それは変身や必殺技に使うためのライダーパスだった。そして、それを手にしたイマジンズの手にベルトが生成され、一斉にそれを腰に巻きつける。

 

「おい、まさか……」

「ああ。きっとやる気だ…」

「お、おれドキドキしてきた……」

(そういうことか)

 

ルフィ達がこれから起きることに察しがつき、そのままウズウズし出す。ローも、ある程度察しはついたらしい。

 

「あ、でも皆さんその前に」

 

するといきなりゆのが待ったをかけるのだが、不意に懐からてるてる坊主を取り出す。そしてそれを放り投げたと思いきや、いきなり大きな布団をてるてる坊主っぽい形にした物が落ちてき、その場でバウンドする。

 

「え、ゆのさん?」

「いきなり何やってんだ?」

「ちょっとした準備を…」

 

突然の出来事に困惑する良太郎とルフィだが、ゆのはそう言ってそのままその大きなてるてる坊主に飛び乗る。そして弾んだタイミングで杖を掲げた瞬間、空がいきなり快晴へと変わった。

 

「え? これって」

「傷が治ってやがる…」

「それに、力湧いてきたぞ!!」

「…どうやら、この世界の魔法をまだ甘く見てたらしい。助かった、ひだまり屋」

 

ダメージが一気に回復したばかりか、いつもより体力気力が溢れる感覚が、一同に迸る。ローもゆのの呼び方を決めたらしく、これは好印象そうだ。

 

「私、直接戦うのは苦手だけどこれくらいならいくらでもお手伝いできるんで、任せてください」

「ありがとう、ゆのちゃん。それじゃみんな、行こう」

「お、いよいよか……」

 

そして良太郎もベルトに、ガラケーを模したタール"ケータロス"を嵌めた状態で装着した。

そして、ベルトを装着した六名は、一斉にあの掛け声を叫ぶ。

 

『変身!!』

 

そして良太郎と5人のイマジンは、その体をアーマーに覆われる。そこに現れたのは、色とりどりな電王達だった。

 

「や、やっぱり皆さんが全員…」

「電王になっちゃったよ!」

「「「わかってたけど、すっげぇぇええええええええええええ!!」」」

 

ゆのが圧巻され、宮子も仰天。ルフィ達三人の海賊は、その光景に耐えきれず、歓喜の叫びをあげた。他の面々も敵も、この事態に思わず見入ってしまう。

しかし、電王達は気にせずに前に出て、そのまま口上をあげた。

 

「俺、再び参上!」

 

モモタロスが変身した桃のような仮面の赤い電王、お馴染みソードフォームことソード電王。歌舞伎の見栄の様なかっちょいいポーズを、慣れた様子で決める。

 

「お前達、僕に釣られてみる?」

 

ウラタロスが変身した亀の甲羅のようなアーマーの青い電王、ロッドフォームことロッド電王。不敵な様子で敵を指差し、挑発的な口調で告げる。

 

「俺の強さに、お前が泣いた!」

 

キンタロスが変身した金のアーマーと斧のような仮面の電王、アックスフォームことアックス電王。首を指で押して鳴らした後、相撲のような構えを取りながら言ってのける。

 

「お前達倒すけどいいよね? 答えは聞いてない!!」

 

リュウタロスが変身したドラゴンのような仮面の紫の電王、ガンフォームことガン電王。軽くステップを踏みながら、無邪気で一方的な宣言を敵に告げる。

 

「降臨! 満を辞して…」

 

ジークが変身した、ソード電王に似ているが仮面に羽のような意匠が見える白と金の電王、ウイングフォームことウイング電王。天に手を掲げ、セリフとともに少しずつ下ろして指先を敵に向ける様が偉そうだ。

 

「みんな、準備はいいね?」

 

そして良太郎が単独変身した、赤と白を基調として仮面にモモタロス達をイメージした色の小さな羽がついた仮面のカラフルな電王、ライナーフォームことライナー電王。そしてその手にはソード〜ガンまでの四人の電王の仮面が付いた大ぶりな剣・デンカメンソードが握られている。

その彼が全員に呼びかけると、そのまま臨戦態勢に入る電王達。

 

「おし! 今度はこっちの番だ!」

「もともと、こいつらを潰すのがおれらの目的だ。やるぞ」

「ゆのっちの分も戦うぞ!」

「僕も微力ですが、お手伝いしましょう」

「私だって、七賢者として無法者どもに負けてらんねぇよ」

 

そしてそれに刺激を受け、ルフィ達とローの海賊組、ゆの達ひだまり荘組、花京院とジンジャーの助っ人2人、合計18名の戦士達がここに集った。

 

「くそぉ、増援が来たからっていい気になりやがって…」

「このまま、まとめてぶっ飛ばして差し上げましょう!」

「僕も、数が増えた程度で破面には勝てないってことを教えてあげるよ!」

 

そしてその様にフォクシーとラチェットが憤慨。ルピもそれに触発され、戦闘態勢に入った。

ちなみに、フォクシーはいつのまにか鉄人君28号に乗り込み、ラチェットと二人乗り状態になっていた。

 

「「フォクシー海賊団&イマジン軍団、突撃ぃいい!!」」

 

フォクシーとラチェットの怒号とともに、敵が一斉に動く。

 

「行けぇえええええ!!」

 

そしてハナの怒号と同時に、電王組も一斉に突撃していった。そして激突、合戦が始まった。

 

「それじゃ、私も…!?」

 

ハナも戦闘に参加しようとすると、いきなり発砲音が聞こえたのでその場から飛びのき、音のした方を見る。

 

「お嬢ちゃん、君みたいな子は戦場に来てはいけないな」

 

ハナに発砲した男が声をかけて来たが、服装はオーソドックスな海賊の服にフォクシー海賊団のマスクを着けている。そして武器も拳銃とサーベル、という如何にもな海賊スタイルだ。

 

「何を隠そう、儂はフォクシー海賊団にデービーバックファイトで連敗し、団の過半数を取り込まれたキバガエル海賊団の元船長。悪魔の実こそ食べてないが、腕っ節は他の団員よりは……」

「やぁあ!」

「ぶふっ!?」

 

しかしその男が喋っている最中に、ハナは鳩尾に全力の右ストレートを叩き込む。

 

「でゃあ!」

「がっ!?」

 

そしてその隙をついてサマーソルトキックを食らわせる。顎に衝撃を受けた、そのツノガエル海賊団元船長は一瞬のうちに沈んだ。

 

「話が長い! 隙だらけ!」

 

そしてど正論をぶつけ、そのまま他の海賊団員達をノシに行くハナ。モモタロス達の喧嘩を腕ずくで止める彼女の戦闘力は、偉大なる航路を行く海賊達にも通じたのだった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「おら! とりゃあ! ずおりゃああ!!」

 

ソード電王はデンガッシャーを剣に組み、迫り来るイマジンとフォクシー海賊団の面々を次々と斬り伏せていく。

 

「くそ、こいつこんな強かったのか…」

「昼間な、相手は1人だ! 麦わら並みの化け物じゃねえんだから、数で押せばいけるはずだ!」

 

一瞬、士気が落ちそうになるも海賊の1人が叫び、一斉に立ち向かっていく。

 

「へ、遅ぇ遅ぇ」

「うぉ!?」

「速い…ぎゃあ!?」

「これが電王の…あぎゃあ!」

 

しかし、ソード電王はその攻撃を的確に避けて行き、時には剣で防ぐ。そして1人ずつ的確に袈裟斬りにして、確実に倒していった。

 

「へへ、退治してくれようモモタロス……って、おわぁあ!?」

 

しかし格好つけてる間に足を滑らせ、湿地に嵌ってしまう。

 

「今だ、ぶっ殺せ!!」

 

そしてそれがチャンスと言わんばかりに、イマジンが一斉に襲いくる。

 

「おりゃああ!」

「カウンターショック!」

「「ぎゃあああああ!?」」

 

しかし宮子とローが割って入り、イマジンをそのまま迎撃してしまった。宮子は剣で斬り伏せたが、ローはなんと両手の親指で触れたイマジンに電気ショックを放ったのだ。

そしてそれにより下級だったのか、イマジン二体は呆気なく倒された。

 

「トラ男さん、今のは電気マッサージをイメージしたのですかね?」

「よくわかったな、猫屋。オペオペの能力は手術を連想する力を大抵使えるし、おかげで戦闘での応用も効くから苦労しねぇ」

「オメェ、さりげなくとんでもねぇこと言いやがるな」

 

宮子の推察を肯定し、オペオペの実のとんでもない力が次々と判明していく。

しかしその間に、敵の増援が来てしまう。

 

「さて、面倒だからまとめて始末するか…ROOM」

 

しかし冷静にローは再び能力を行使し、オペオペの実の有効範囲となるドームを展開。そして太刀を放り捨てると…

 

死の刀(ステルベン)

 

なんとその太刀を操作対象にし、高速回転させながらイマジンの軍団の方へと飛ばしたのだ。

 

「うお!? 逃げろ…ぎゃあ!?」

「は、速い!」

「マズイマズイ、斬られるぞ!?」

 

ローに操作された太刀はフォクシー海賊団を追いかけ、まとめて斬り伏せていく。非常に強力な攻撃だ。

 

「おいおい、やるじゃねえか。それじゃ、俺も」

【Full charge】

 

そしてその様子に触発されたソード電王も、パスをベルトにかざして必殺技を放つ準備に入る。

 

「もういっちょおまけ」

【Full charge】

 

しかも今回は二回連続のチャージだ。デンガッシャーの刀身に赤い電流が走り、いつもの様に刀身が分離して宙を舞う。

 

「宮子、トラ男、伏せてろ」

「! そういうことか。猫屋、伏せろ!」

「お? わかった」

 

ソード電王の突然の指示に何かを察したローは、宮子をそのまま伏せさせて自らも地に伏す。そしてそんな中でイマジンは大群で一斉に襲ってきた。

 

「俺の必殺技・異世界バージョン!」

 

そしてソード電王は振りかぶり、その場で高速回転した。

そして分離した刀身もソード電王を中心に円を描いていく、謂わば回転斬りだ。

 

「ちょ、ま…ぎゃあ!?」

「んなバカなぁあああ!!」

「チクショウがぁあああ!!」

 

そしてその回転斬りで、迫ってきたイマジンは次々と断末魔をあげて爆散していく。ものの数分で、周囲のイマジン達は全滅した。

 

「ふう。ちっと目が回ったが、やったぜ」

「おぉ! モモさん、やっぱ強いなぁ」

「ああ、褒めろ褒めろ! 宮子はどっかのカメとか小僧と違っていいやつだな、本当」

(自然に自分の仲間に毒を吐きやがるな、コイツ。口調からしていつものことか?)

 

ローの感想はともかく、ひとまずこちらはもう安心なようだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「僕の得物は、槍。間合いには自信あるから敵は近づけないよ。だから2人とも安心してね」

「なるほど、飛び道具主体のおれらには頼もしい前衛だな」

「それじゃ、ウラタロスは私たちをしっかり守ってね」

 

ロッド電王がデンガッシャーを組んで作った武器を見せながら説明、ウソップと沙英も安心した様子で武器を構える。

ウソップはお馴染みのパチンコだが、沙英はなぜかフラスコではなくマーライオンを構えていた。

 

「それじゃ、先手必勝!」

「「「へ? って、ぎゃあああ!!」」」

 

そして沙英が構えたマーライオンから、高速水流が放たれる。そしてフォクシー海賊団の団員たちが喰らい、一斉に吹っ飛んだ。

「いてて……あの女、よくも…って、ありゃ?」

「な、なんか力が抜けて…」

「水浴びただけなのに、なんか寒気が…」

 

すると沙英の攻撃を受けた海賊達は、急に様子がおかしくなった。しかしその直後、沙英は味方2人に呼びかける。

 

「今ので打たれ弱くなったはずだから、一気に決めて!」

「なるほど。沙英ちゃん、ありがとう」

「いやいや……って、ちゃん付!?」

 

ロッド電王に呼ばれた呼び方に顔を赤くする沙英だが、それも気に留めずロッド電王自身は海賊達の方へと向かっていく。

 

「ほら! これで! おしまいっと!!」

「グェ!?」

「いてぇ!!」

「ぎゃは!?」

 

そのまま集団の懐に飛び込んで、ロッド電王は長い得物を駆使して次々となぎ倒していく。

 

「よし、おれは今のうちに仕込みしてくる。ちょっと待ってろ」

「へ? ウソップさん、仕込みって…」

 

すると不意にウソップが冴えから離れていき、何かを辺りに撒いていく。

 

「お花手裏剣!」

「おっと、危ない」

 

その一方で状況を見かねたポルチェによる攻撃がロッド電王に放たれるが、得物で手裏剣を的確に防ぎながらそのまま駆け寄る。

 

「お姉さん、美人な上に強いんだね。惚れちゃいそうだよ」

「え!? 美人って、そんな…」

 

そしてまさかの甘い言葉にポルチェも顔を赤らめる。変身前のウラタロスは異形の怪人だが、こうやって素顔が見えないと声音だけで二枚目と判断しそうであるから、効き目抜群だ。

 

「団のアイドルに色目使ってんじゃねぇ!!」

「うおっと!」

 

そんな中、近くの水場からカポーティが飛び出して突撃してきた。間一髪で避けられるも、ポルチェの無力化は失敗だ。

 

「ポルチェちゃん、あいつもイマジンだから見た目は完全に化け物だぞ」

「……はっ! 危ない危ない。ありがとう、カポーティ」

 

そしてそのまま正気に戻してしまう。もう、同じ手は効かないようだ。

 

「君、今のスピードすごかったね。見た目だけじゃなくて泳ぐ速さもカジキ並みなのかな?」

「今更気付くか。そうとも。そして貴様はそのカジキのスピードに敗北するんだよ!」

 

そして再び水場に飛び込もうとするカポーティ。しかしその間際、ロッド電王は告げた。

 

「ここにくる前に聞いたんだけど、この湿地帯にはでっかい蛇の魔物が住んでいるらしいよ」

「へ?」

 

その言葉を聞いて一瞬呆けるも、すぐに水中で臨戦体制をとるカポーティ。

 

(蛇も水中で活動することがあるらしいからな。先におれの魚人空手で仕留めたほうが良さそうだ)

 

そしてロッド電王の言っていた魔物への警戒心を持つのだが、直後にそれが起こった。

 

チクッ

「いて……って。うおわぁああ!?」

 

いきなり肩に何かが刺さる感触がしたと思いきや、そのまま一気に水上まで引き上げられたのだ。

そして楽にあげられたカポーティが見たのは、ロッド電王の槍の穂先から何か糸のような物が伸びる光景と、それを見て驚くウソップと沙英の姿だった。

 

「ごめん、槍っていうのは嘘でこれ釣り竿なんだ」

「「え? マジ?」」

(へ? なら、さっきの蛇の魔物とやらも?)

 

カポーティに対してしれっと言ってのける、ロッド電王。しかし当のカポーティ本人は騙されたことに気づき、だんだんと怒りで顔を赤くしていく。

 

「てめぇ、卑怯だぞ!!」

「「いや、それ……」」

 

卑怯上等のフォクシー海賊団に属するカポーティからの糾弾に、沙英とウソップは物申そうとするが、それを何故か止めるロッド電王。

 

「ああ、よく言われるよ。ふっ!」

「ぐぁ!?」

 

そしてその一言とともにカポーティを一突き。

 

「てやぁあ!」

「ポルチェちゃん、逃げ……ぎゃああ!?」

「カポーティ!?」

 

怯んだ隙に一気に蹴り飛ばす。延髄に鋭い蹴りを叩き込まれ、そのまま意識が飛んだカポーティの姿があった。ポルチェも怯えて、カポーティの指示に従って逃げる。

 

「うわ、ひどい……」

「おれも嘘で隙はつくけど、これは頂けねぇ……」

 

しかし沙英とウソップは揃ってドン引きしていた。同じく嘘を戦いに利用するウソップですら、この反応だ。

 

「やっぱあんなわけわかんねぇ生き物、信用できねぇ! 」

「だな。我々イマジンで一気に潰してやりましょう!」

 

今の間に海賊は過半数が倒され、それに見切りをつけたイマジン達は自らで電王達を倒そうと駆け出す。

 

バインっ

「あぎゃああああ!!」

「おま、ぎゃあ!!」

バインッバインッバインッ

「ちょ、うわ!?」

「なんだこれぇえええ!?」

「いやぁあああ!?」

 

突然地面から奇妙な植物が生え、それを踏んだイマジン達が次々と空へと打ち上げられる。

 

「え? まさか、これがさっきの準備?」

「ああ。トランポリアっていう植物で、近づいたものを弾き返す特性があんだ。さあウラタロス、狙撃手はサポートがメインだ!トドメは任せたぜ!!」

「ありがとうね、ウソップくん」

【Full Charge】

 

ウソップに礼を言った後、ロッド電王はパスをベルトにかざして必殺技に入る。デンガッシャーを槍投げの要領で、打ち上げられたイマジン達に投擲。

 

「うお、マズイ!!」

 

それを食らったイマジン達は、亀の甲羅のようなエネルギー網に拘束されて一纏めにされた。ロッド電王の必殺技、ソリッドアタックだがこれだけでは倒せない。

 

「よっと!」

 

そしてロッド電王はトランポリアに自ら飛び乗り、それに打ち上げられて宙を舞う。

 

「たぁああああ!!」

『ぎゃあああああああああああああ!!』

 

そしてその勢いで必殺の飛び蹴り・デンライダーキックを叩き込んだ。拘束されてダメージが伝播し、イマジン軍団はまとめて倒された。

 

「ナイスアシスト」

「おうともよ!」

(後半、私空気だったな……まあ、アレと張り合うのは無理だけど)

 

そして沙英の反応を他所に、着地したロッド電王はウソップにサムズアップを見せ、ウソップ自身も返すのだった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「どすこい!」

「だりゃあああ!」

 

アックス電王はジンジャーと2人で海賊達を吹っ飛ばす。ジンジャーは普通に鉄拳だが、アックス電王は変身しているキンタロスが相撲スタイルで戦うため、張り手なのが特徴だ。もう片方の手には斧に組んだデンガッシャーが握られているが、対人戦なのでまだ使っていない。

 

「ミンチにしてやる!」

「危ない!」

 

ハンバーグがアックス電王にどこからか取り出した棍棒で殴りかかろうとする。ヒロがそれに気づいて叫ぶも、アックス電王は反応せず、避ける様子がない。

 

「ふん!」

「何!?」

 

なんと、アックス電王はハンバーグの振り下ろした棍棒を片手で受け止めてしまった。

 

「こんな強さで、泣けるかい!」

「うぶ!?」

 

そしてもう片方の手で張り手を放ち、思いっきり吹っ飛ばしてしまった。

 

「ダイナミックジャーンプ!!」

「あぎゃあ!?」

 

そして叫びながら飛びかかり、ボディプレスをお見舞いする。パワーで目の前の巨漢を、圧倒していたのだ。

 

「す、凄いですね」

「ああ。あれを片手で止めるとは、やるなアイツ…」

「切り刻んでやるど!」

 

目の前で起こった出来事に、ヒロもジンジャーも驚きを隠せずにいた。しかしその時、背後からピクルスが剣を持って高速回転しながら2人に突撃してきた。

 

「おっと、失礼!」

「きゃあ!?」

 

しかしそれに気づいたジンジャーはヒロの体を抱え、一気に跳躍。ピクルスの回転斬りを回避する。

 

「ちょっとのびてろ、デカブツ!」

「ぶふっ!?」

 

そして脳天にかかと落としを放ち、ピクルスをノックダウン。ルフィと殴り合いで張り合えるジンジャーの戦闘力なら、これくらいわけなかった。

 

「ライオンの姉ちゃん、やるやないか! 泣ける強さやで!」

「サンキューな。アンタもいいパワーしてるみたいだ」

 

そしてアックス電王とジンジャーは、互いに賞賛し合ってそのまま戦闘を続行した。

 

「「うごぁあああ!」」

 

その時、良太郎達が初戦で倒したものと別個体だが、なんとタウロスイマジンが2体も迫ってきた。

 

「「よくもやりやがったな! ハンバーガーじゃすまさん!!」」

 

しかもハンバーグ&ピクルスがもう復活、そのまま駆け出してきた。

 

「ライオンの姉ちゃんにピンクの姉ちゃん。俺がイマジン、あの怪物を倒すから残りの2人は任せたで」

「受け持った」

「へ? ピンクって私……まあ、いいわ。やりましょう」

 

そしてアックス電王はジンジャーとヒロにハンバーグ達を任せ、自身はイマジン撃破に乗り出す。

 

「「死ねぇええ!!」」

 

二体のタウロスイマジンは、アックス電王に向かって大斧とモーニングスターをそれぞれ振り下ろす。

 

「どすこい!」

「ぎゃふ!?」

 

しかしアックス電王は張り手で飛んできた鉄球をはじき返してイマジンにぶつける。

 

「はぁあ!」

「ぎゃああ!?」

 

そしてもう一体のタウロスイマジンを斧で切りつける。打たれ強さと一撃の重さで押す、攻防一体スタイルがアックス電王の特色だ。

 

「あっちは大丈夫そうだな。私がこいつらにトドメ入れるから、魔法で牽制頼むぞ」

「わかりました!」

 

一方、ジンジャーは必殺の一撃を入れる準備に入り、ヒロは隙を作るため魔法を放つ。

 

「んなチマチマした攻撃で、俺らが落ちるわけねぇだろ!」

「うぷぷ、バーカ!」

 

しかし気にせず、ハンバーグ達はそのまま突撃していく。しかし、ヒロはまだ諦めていない。

 

「だったら、これで!」

 

なんとヒロの次の攻撃は、どこからか取り出した中華鍋を振ったと思いきやそれから火の玉を放つというものだった。

 

「「あっつ!?」」

「おし、今がチャンス!」

 

それを浴びたハンバーグ達は火だるまになり、そのまま大ダメージを負った。そしてその隙をつき、ジンジャーはピクルスに狙いを定めて駆け出した。

 

「おらよ!」

「ぎゃあ!?」

 

そして手に持ったバットでピクルスを空に打ち上げ、自らも飛び上がって再びバットを振るう。

 

「いち、にぃの……!」

「いて、いでぇ!!」

 

そして空中で身動きの取れないピクルスは、そのまま滅多打ちにされ…

 

「さん!」

「うぎゃああああ!」

「あびゃ!?」

 

そしてトドメにピクルスを叩き落し、真下のハンバーグにぶつけた。今度こそ完全に気絶し、勝利は確定だ。

 

「おし。なら、俺も」

【Full Charge】

 

アックス電王も、決着をつけるべくパスをベルトにかざして必殺技の準備に入る。そして迫ってきた二体のタウロスイマジンに対して放った。

 

「はぁあ!」

「ぐぎゃあああ!?」

 

まず、エネルギーの溜まったデンガッシャーで一体を切り上げ、それと同時にデンガッシャーを真上に放り投げる。

 

「とう!」

 

そしてアックス電王自身も飛び上がり、空中でデンガッシャーをキャッチする。

 

「おりゃあああ!」

「ぎゃああああああ!?」

 

そして落下の勢いでもう一体を一刀両断。二体の大型イマジンはこれにより爆散、無事に倒されたのだ。勝利は確定だ。

 

「ダイナミックチョップ」

「倒した後で技名言うのか…」

「め、珍しいですね」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「イェーイ!」

「ホワチャァアア!」

 

一方、ガン電王とチョッパーは迫り来るイマジンと海賊達を蹴散らして回る。カンフー主体の俊敏なチョッパーと、ダンスの動きで軽やかに戦うガン電王、共に数の差をものともしない強さだ。

 

「ぶしし! 串刺しにしてやる!!」

 

しかしそんな団の危機にかかってたビッグパンが、2人を踏みつけようと迫ってくる。しかしその時、乃莉は団の一兵卒達を相手にしながらもあることに気づいた。

 

「2人とも、あの人の靴底から刃物が生えてる! 串刺しって、アレのことですよ!!」

「ちょ、またこれかよ!」

「うわ、危ないなもう!」

 

乃莉の気づきのおかげで、どうにか二人ともビッグパンの攻撃を喰らわずに済んだ。するとチョッパーは怒った様子で、懐から何かを取り出した。

 

「もう怒った! おれの切り札を見せてやる!!」

「まさか、例の…」

「ねえ、トナカイさんの切り札って何? なんなの?」

「昨日、軽く聞いたんですけど」

 

そして、乃莉は昨夜なずなと2人でチョッパーから聞いた切り札の話を思い出し、問いかけてきたガン電王に話す。

〜回想〜

『動物系の悪魔の実には、人型と獣型、この二つの中間の人獣型の三つの形態変化があるんだけど、おれはこれを使って変形のバリエーションを増やせるんだ』

 

そう言い、チョッパーは懐から小さな球状の何かを取り出してみせる。

 

『何ですか、これ? 飴玉?』

『おれが調合した丸薬で、ランブルボールっていうんだ。服用すると3分間だけ悪魔の実の形態変化の波長を狂わせ、最初の三つと合わせた七つの変形を使えるようになる』

『チョッパー君、本当にすごいんだね…お昼の手当ての時もだけど、ただ可愛いだけじゃなかったんだ』

 

チョッパーのまさかの才能を聞き、乃莉もなずなも感心している。しかし、ただ便利なだけのものではないらしいことが判明する。

 

『で、ここからが本題だ。おれは昔、こいつの連続使用で悪魔の実の力を暴走させて無差別に暴れたことがあるんだけど、二年の修行の成果でそれの制御に成功した』

『え? 暴走するの、これ』

『まあな。でもその修行のお陰で他の形態をランブルボール無しで使えるようになって、代わりにその暴走形態の制御薬にすることに成功した。でも、やっぱり連続使用すると暴走の危険があるから一緒に戦う時は気をつけてくれ』

『チョッパー君、なんでそこまで体を張るんですか? 話聞いてるだけじゃ、すごい辛そうなんだけど…」

 

そんな乃莉の疑問に答えようとするチョッパーだったが……

 

『おれを立派な医者にしてくれた偉大なドクター達に、仲間にしてくれたルフィ達。そんなみんなの為にも、おれは強くなりてぇんだ。どんな病気も治す万能薬に、大事な仲間を守れる化け物に、おれはなりてぇんだ』

 

その屈託のない笑顔で誇らしげに告げる様子は、彼のルフィや医術の師匠への信頼が見て取れた。

〜回想了〜

「ランブル!」

 

そしてチョッパーはランブルボールを口に放り込み、叫びながら噛み砕いた。

 

「ぶしし……へ?」

「え…えぇえええええええええ!?」

「と、トナカイさんがぁああ!?」

 

そのチョッパーの変化に、ビッグパンは笑いを止めてしまう。

その変化の様をすぐ隣で見た乃莉とガン電王も、驚愕に満ちた声をあげる。

 

なんと、チョッパーはビッグパンとためを晴れるほどの巨体を誇る、謎の生物と化していたのだ。トナカイとも人とも、ゴリラとも違う得体の知れない獣である。暴走形態というのも、納得のいく容貌だ。

そして制御に成功したその姿を、チョッパーはこう名付けた。

 

怪物強化(モンスターポイント)!!」

 

巨大化して声音も重低音と化したチョッパーは、重量強化の比ではない威圧感を放っている。過去に暴走した姿、という話も相まってまさに怪物だ。

 

「おれはこのまま、こいつをぶっ飛ばす。だから、イマジンは任せた」

「オッケー、トナカイさん! このままイマジンはやっつけちゃうよ!」

【Full Charge】

 

そしてチョッパーに促されるまま、ガン電王もパスをベルトにかざして必殺技に入る。銃口にエネルギーが収束され、ガン電王はそれを迫り来るイマジンの大群に向ける。

 

「いけぇええええええ!」

『グワァああああああああああ!』

 

そして放たれた一撃・ワイルドショットを喰らい、イマジン達はまとめて消し飛んだ。それを見たチョッパーも、必殺技の準備に入る。

 

「悪いけど、一撃で決める。刻蹄(こくてい)…」

「逆にぶっ飛ばしてやるよ、化け物がぁあああ!」

 

そしてそのままビッグパンはチョッパーに迫り、チョッパーも迎え撃とうと構えた。

 

椰子(パルメ)!!」

「グェエエ!?」

 

しかしチョッパー渾身の右スイングを諸に喰らい、ビッグパンの体が大きく吹き飛ぶ。そしてビッグパンも意識を闇に沈め、そのまま地に伏した。

 

「残りの雑魚はおれが蹴散らすから、2人は休んでてくれ」

「うわぁ、トナカイさんカッコよかったよ!!」

「本当! 技名も男前でなんかよかったです!!」

「! そ…」

 

チョッパーがガン電王と乃莉を気遣って声をかけると、その二人から称賛の声が上がる。すると…

 

「そんなに褒められたって、嬉しくねぇぞ! この野郎!!」

「「いや、怖い怖い!!」」

 

いつもの照れ隠しをするも愛嬌が消えて声も低いため、不気味でしかなかった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「なんと混迷とした戦い……やはり私には似つかわしくないな」

 

悪態をつきながらも、手にした武器で海賊とイマジンを蹴散らしていくウイング電王。彼はデンガッシャーを手斧とブーメランという小回りの利く武器に組んでおり、二刀流でのスピードと手数で押すタイプのようだ。

 

「そうですか? むしろ、状況を選ばずにエレガントに戦える方が王子として映えそうですけど」

「……言うではないが、お供よ。なら、その通りにしてやろう」

「お供になった覚えはありませんが、その意気ですよ王子」

 

ハイエロファントで雑魚を蹴散らしながら、自身でも戦う花京院。そんな彼に言われてその気になったウイング電王は、勝手に花京院をお供にしてそのまま戦闘を続行した。

 

「王子だなんて言っても、人外は趣味じゃないのよ!」

 

ルナ・ドーパントはウイング電王に対して拒絶の言葉を口にし、伸びる腕で花京院共々攻撃していく。

 

「遅い!」

「ああ、切れちゃった!?」

 

しかしウイング電王は上手く回避し、そのまま片腕を切り落とす。ダメージは薄そうだが、間合いを封じるのは成功だ。

 

「追撃のエメラルドスプラッシュ!」

「あら、大胆♡」

 

しかしそれを防ぎながら嬉しそうな声を上げるルナ・ドーパント。しかしその矢先、それは起こった。

 

「きゃあ!? 何これ、足に何か絡まってるわ…」

「へ? うわ、おれも!?」

「なんだ、コレ!」

 

ルナ・ドーパントだけでなく、今ウイング電王と花京院に敵対しているもの全員が足に何かを絡めてしまう。すると、花京院自らその説明がなされた。

 

「僕のスタンド・ハイエロファントグリーンは体を帯状に解く能力がある。それを周囲に気づかれないよう、細く長く伸ばしてこの辺りの地面に忍ばせておいたのさ」

「な、こいつそんな…」

「応用の効く能力な上に、頭も切れるのね! ますます気に入っちゃった!」

 

花京院の周到さに驚愕するイマジンと海賊達をよそに、ルナ・ドーパントは相変わらずな様子だ。

 

「では、トドメに入る前に一言…」

 

すると突然、花京院がそんなことを言い……

 

「我が名は花京院典明! 君達が今まで傷つけた人々やこれから傷つけるであろう人々の安全の為、そして君達がこれ以上罪を重ねるのを止めるため、君達を我がスタンドで裁く!」

「ドキーン! カッコいいわぁあああ!」

 

そのままバシッと決め台詞を決めるのであった。ルナ・ドーパントも狂喜乱舞している。

 

「さあ、このままトドメに入りましょう!」

「ああ、行こうか。お供が王子より目立つのは癪だが」

【Full Charge】

 

そしてウイング電王を促し、二人で必殺技の準備に入る。パスをかざすと二振りのデンガッシャーにエネルギーが充填される。

 

「せい!」

「エメラルドスプラッシュ!!」

 

そしてウイング電王は武器を投擲してイマジンをまとめて切り裂くロイヤルスマッシュを、花京院はハイエロファントの体液をエメラルドの破壊エネルギーに凝縮して放つエメラルドスプラッシュで、敵を一斉に薙ぎ払う。

 

「ああ! これ、流石に死んじゃう! でも、イケメンにやられるなら、本望!!」

 

同時に必殺技を食らったルナ・ドーパントはそのまま嬉しそうな叫び声をあげる。しかし、そんな彼に花京院から一言あった。

 

「僕が言えた義理ではありませんが、本来死者は生き返ってはならないんです。いずれ、あの世で会いましょう」

「アハァアアアアアアアアン!!」

 

その言葉の直後にルナ・ドーパントは爆散。一瞬京水に戻るも、そのまま体が崩れてしまう。二人の完全勝利であった。

 

(花京院さんもジークさんもすごい…それに比べて、私って…)

 

一方、今回の戦闘で逃げるしかなかったなずなは、二人の闘いぶりに自らの無力さを痛感することとなる。しかし……

 

「なずなさん、僕もこの王子に回復魔法をお願いします」

「え?」

「我も流石に無傷とはいかなかったのでな。姫、頼めるか?」

「…はい!」

 

二人のフォローがしっかりしてたので、大丈夫そうだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「それじゃ、おれも本気出すか」

 

ルピと対峙するルフィは、そのままギア2を発動。身体中から蒸気が吹き出る様に、流石にルピも身構える。

 

「そういや、お前って一瞬凄いスピードで動けてたな。あれ、ほかの攻撃みたく技名ってあんのか」

 

ルフィが質問した瞬間、ルピはまたその超スピードで動く。そして、一瞬にしてルフィの背後に回る。

 

響転(ソニード)だよ。冥土の土産に教えてあげる」

「そっか」

 

しかしルピが攻撃しようとした瞬間、ルフィの姿が消えた。

 

「おれもギア2使ってる間だけ、(ソル)って似たようなの使えんだ」

「へ?」

 

そしてルフィは直後、一気にルピの背後へと回る。そして拳に覇気をまとわせ、必殺の一撃を叩き込む。

 

「ゴムゴムのJET銃!!」

「ぐぁあ!?」

 

背中にある触手の付け根となっている甲殻を殴りつける。甲殻を粉砕され、そのまま衝撃を受けて大きなダメージを負った。

しかし外見に反してタフなルピは、どうにか耐え凌いで距離を取る。

 

「お前、意外と固いな。甲羅じゃなくて、肌が」

「ま、まあね…僕らの表皮自体が、鋼皮(イエロ)って鎧に、なってるからね…」

 

重いの外頑強なルピの体に驚くルフィだが、息を切らしながら説明するルピの様子からそれなりのダメージは通っているようだ。

 

「だったら…JETバズーカ!!」

「な、早…ガハッ!?」

 

しかしルフィの追撃は止まらず、ルピは回避できず更に重い一撃を叩き込まれる。

 

「えい! やぁあ!」

「くそ、小癪な!」

「まだだ、追撃!」

 

一方、ライナー電王はぎこちない動きながら鉄人君28号の攻撃とノロノロビームをかわしつつ、デンカメンソードで切りつけて少しずつダメージを与えていく。

 

「だいたい、貴方達とこの世界は特に関係なんてないでしょう! それなのになんでバカみたいに必死に助けようと…」

「関係ないからこそ、ですよ」

「「はい?」」

 

ラチェットが憤慨しながら言うと、それに返すライナー電王。

 

「関係のない世界だからこそ、僕達や貴方達の事情に巻き込まない。だから、僕は戦うんです」

 

そして決意のこもった声で告げ、距離を取ってそのままトドメの一撃に入る。

 

【モモソード! ウラロッド! キンアックス! リュウガン! モモソード!】

 

ライナー電王はデンカメンソードのレバーを連続して引っ張る。そしてデンカメンソードのターンテーブルが一回転すると、ライナー電王は一気に駆け出す。

 

「え? 何あれ…」

 

見ていたゆのは困惑した。なんと走っているライナー電王のすぐ隣に、エネルギーで生成された線路が現れたのだ。そしてそのままその線路の上に飛び乗ると、そのまま自走する。

そして、その体をオーラでできたデンライナー、通称オーラライナーで覆いつくして鉄人君28号へと突撃していく。

 

「良太郎のやつ、決める気だな。なら、おれも」

 

そしてそれを見たルフィは、自分も決着をつけようととどめの一撃の準備に入る。武装色の覇気を纏わせた左腕を、ゴムゴムの銃弾の要領で一気に背後まで伸ばした。

 

「正面から来るとは余裕ですね。なら、こいつでとどめと行きましょうか!」

「そして追い打ちのノロノロビームで、確実に当ててやるぜ!!」

 

一方、敵も当然ながら迎撃態勢に入る。フォクシーがノロノロビームをライナー電王に向けて照射、ラチェットも鉄人君28号の胴体のドリルを発射してきた。

 

「人間如きに破面を倒せると思うな!!」

 

当然、ルピも激高しながらルフィを撃破しようと、そのまま虚閃の発射した。

 

「良太郎さん! ルフィさん!」

 

ゆのは心配し、二人の名前を叫ぶ。しかし、それは杞憂に終わった。

 

「「「なに!?」」」

 

ライナー電王はノロノロビームが命中しないままドリルに正面から切りかかり、そのまま切り裂いてしまった。

ルピの放った虚閃も、ルフィは難なく回避して一気に懐へと飛び込んだ。

 

「必殺…」

「ゴムゴムの…」

 

そしてライナー電王は鉄人君28号に向けて剣を振りかぶる。それと同時にルフィも拳をルピに向けるのだが、なんとその拳が炎に覆われたのだ。

そして、両者の必殺の一撃が放たれた。

 

 

 

電車斬り!!

火拳銃(レッドホーク)!!

 

そしてライナー電王の一撃で、鉄人君28号は一刀両断される。ルフィの拳を受けたルピも、拳を受けた個所から爆発した。

 

「「うっそぉおおおおおおおおおおおおん!?」」

 

鉄人君28号は大爆発、ラチェットとフォクシーは間抜けな叫び声でまとめて吹っ飛んでいく。

 

「がはっ………!?」

 

ルピも吐血した後、遥か彼方へと吹き飛んだ。

誰がどう見ても、こちらの勝利だ。

 

「ふ、二人ともすごいです…」

 

余りにも高威力の一撃を放った両ヒーローに、驚きを隠せないままのゆの。そのままへたり込んでしまう。

 

「良太郎、その姿とあの技はかっけぇけどよ……電車斬りって名前は正直だせぇぞ」

「え? 僕、気に入ってるんだけどな……あ、ゆのちゃん。僕の電車斬りって、どう思う?」

 

そんな中、談笑しながら戻ってくるルフィとライナー電王の姿があった。ゆのにも技名について問いかける辺り、余裕そうだ。

 

「えっと……すみません、聞いてませんでした」

「あ、そうか気づかなかった……ごめん」

 

どうにか声を絞り出したゆのに対し、フォローができてなかったことを反省するライナー電王。すると、ソード電王が宮子とローを伴ってやってきた。

 

「そっちは片付いたみてぇだな。早ぇとこ、みんなの所に戻ろうぜ」

「うん。デンライナーもこっちに来てるし、行こうか」

 

そのまま、全員でデンライナーへと乗り込んで里近辺へと戻っていく一行だった。

 

 

「……」

 

その頃、意識を失ったルピはその体が崩れていき、そのまま光の粒子となって消滅してしまった。

そして完全消滅した直後、吹っ飛んでいったフォクシーとラチェットが戻ってくる。

 

「くそ、麦わら。強くなったとは聞いてたがここまでとは…」

「電王も予想以上の強敵でした…どうやら、あれを使う時が来たようですね」

「まさかあれか!?」

 

そんな中、ラチェットは何か切り札を隠し持っているらしい。フォクシーもその切り札を知るようで、それについて察して意識を取り戻したクルー達に呼びかける。

 

「お前ら! まだ気絶しているクルーを連れて撤退しろ! ポルチェとハンバーグは、俺についてこい!!」

「おやびん、まさかあれを!?」

「……あ、あれか!!」

 

呼びかけられた二人もそれを察し、そのままフォクシーたちについていく。

そしてラチェットは、そのまま通信機(彼らの世界に生息する電伝虫という電話機能付きのカタツムリ)でどこかに連絡を入れた。

 

〜同時刻・とある岩山の中の遺跡〜

「というわけで、ドクターラチェットからの要請があった。起動準備に入るぞ」

 

財団Xから出向された技術者達が、遺跡内の巨大な物体へと集まり、作業に入る。

それは、超巨大な顔と鉄柱がセットになったロボットのようなもので……




次回で一旦エグゼイド編に入ります。ラストのあれはディケイド編にて。
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