仮面ライダー&ジャンプフォース 平成ジェネレーションズHeaven inきららファンタジア   作:玄武Σ

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※すみません、先ほど編集ミスで文章が重複した状態で投稿してしまいました。お目汚し、大変失礼いたしました。
2020/8/10/20:38に修正。

仮面ライダーW、今回の依頼は…
エターナル「さぁ、地獄を楽しみな!」

最強の敵、仮面ライダーエターナル襲来。

エルクレス「さぁ、照時間(ショウタイム)だ!!」
ミストルティン「私も行かせてもらおうかな!!」
ガロニュート「ボクも雪辱晴らさせてもらうよ!!」
聖丸「血飛沫立てて愉快に死にやがれ!」

夢魔、魔人(ヴァンデル)、婆娑羅と強敵来襲。

氷鉋「貴様の近しい人間の命が先に脅かされれば、少しは考えが改まるか?」
夢路「やめろぉおおおおおおおおおおお!!」

分断された夢路と勇魚に、危機が迫る。

神威「俺の力、借りる気はないか? 答えろし」

そこに接触してきた新たな婆娑羅、神威の意図とは?


第35話「Bな雪の華/愛と友情の式神呪装」

突如として夢路の前に現れ、勇魚を氷鉋から救った婆娑羅の少年・神威。その神威から夢路に提案があるのだが、二人はますます困惑してしまう。

 

「神威…貴様、何故そいつらに協力を…」

「別に。俺がこいつ、この遺体の持ち主ってやつが死なすのに惜しいと思っただけだ。それに、お前らと敵対する方が面白そうだともな」

 

氷鉋の言葉から神威もオーバーヘブンショッカーの協力者のようだが、裏切るつもりの様子だ。しかしあまり感情の起伏が見えず、どこまで本気なのかが不明である。

 

「止みなん止みなん説くべからず」

 

直後、神威が相性を始めるといきなり氷鉋の体が鎖で拘束される。

 

「止縛法……貴様、本気で!」

「俺はこいつと話があるから、少しじっとしてろ」

 

まさかの事態に氷鉋も激昂するが、神威は一蹴して再び夢路に向き合う。

 

「で、もう一回話をするが、お前は戦うための力、欲しいか?」

「力? お前、何を言って…」

「ああ、そうか。双星の二人から聞いてねぇのか。まあ、言う道理もねぇだろうから、仕方ないのか?」

 

一人納得した様子の神威は、そのまま夢路に提案についてより細かい説明を始めるのだが……

 

「改めて聞くぞ。俺の呪力をお前の体に流し込んで、ケガレに有効な攻撃手段を手に入れることが可能だが、それが欲しいか?」

 

対抗手段を夢路に身に着けさせる、という予想外の物であった。

 

「え? んなこと、出来んのか?」

「ああ。ただし、リスクもある。陰陽師、というか人間の持つ呪力は陽の力に対し、俺たちケガレの持つ呪力は陰の力。それを人間が持とうとすると殆どの場合"ケガレ堕ち"、平たく言えば人間から俺達のようなケガレになっちまう」

「な……」

「え? 夢路が怪物になるの?」

 

しかしながら、やはりというかリスクはそれなりに高いらしい。ケガレに対抗するためにケガレと同質の力を人間が得ようとしたことがかつてあったらしいが、そのケガレ堕ちが原因で禁術として秘匿されたという過去がある。数年前、ある陰陽師がこの術の存在を知ってその力を手に入れようと暗躍した陰陽師がいたが、それはまた別の時間にて語ろう。

そして一方、神威はそれに関して新たに補足説明をしてくる。

 

「その数少ない成功例が、双星の陰陽師の二人だ。あいつらは謂わば究極の陰と陽の化身、故にその強大な陰の力を御することに成功したわけだ」

「え? ろくろと紅緒の二人が、そうなのか?」

「そうだ。ただ、お前は聖なる遺体という超常の力を秘めた物を持つ。なら、その力で陰の力を御することも可能かもしれねぇが、どうする?」

 

件の力を制御できる可能性も神威は示唆するも、夢路も勇魚も不安だった。自身が人外と化してしまうリスクもそうだが、同時に敵と同族である神威がこちらに協力しようとしたことも裏があるように思ってしまう。

そして思い切って問いかけるのだが、意外な理由が明かされる。

 

「一個だけいいか? お前、なんで俺たちの味方をしようって思ったんだ?」

「まあ、一言で言えば趣味だな」

「「え?」」

 

その理由に思わず夢路は、勇魚と共に口を揃えて驚く。しかし神威は気にせず、そのまま説明を続けた。

 

「俺は単純に強いやつと戦うのが好きなんだ。相手が人間だろうが同族だろうが、ましてやそれが異世界の存在だろうが、とにかく生きるか死ぬかのギリギリの戦いが楽しめたならなんだっていいのさ。で、お前らは見込みがありそうだから俺たちに通用する力を会得して、それでいて強くなったところを再戦するのがいいと思ったわけだ」

 

一言でいえば、神威は戦闘狂であるらしい。その為、聖なる遺体による世界の支配や更なる強さを得ることそのものには、興味がないようだ。だがそれによって新たな疑問も生じることとなる。

 

「そ、それだったら勝手にオーバーヘブンショッカーと戦えばいいんじゃねえか? エルクレスとかあのエターナルってやつの方が、圧倒的に強いだろうし俺みたいな生身の人間に手を貸したって…」

「勘弁しろし。わかってねぇな」

 

夢路からの新しい質問を聞き、神威はうんざりした様子になりながら夢路に再び質問に答える。

 

「お前ら人間は、弱いからいいんだよ。弱いやつが弱いなりに足掻いて、命を燃やして挑んでくる。それによって得られる強さは計り知れねぇから、戦って楽しめるんだ。そして、お前は俺のお眼鏡にかなったわけだ。逆に、聖丸やミストルティンとかいう女は”強さをひけらかして弱者を嘲り笑う”、見ていて癪に障るタイプからあまり関わりたくねぇ」

 

自分にとっての人間に対する認識、それを語り終えたところで神威は、再び夢路に問いかけた。

 

「そういうわけで、改めて質問だ。

僅かな可能性に賭けてすぐに逃げるか、呪いを身に宿してでも戦う力を得るか? 答えろし。十数える間待っててやるよ」

 

そして神威が問いかけた直後、十から数字を数え始める。その横で夢路は少し思案し…

 

(確かに武装明晰夢だけじゃ戦闘に無理がある。このケガレとかいう奴等には攻撃が効かねぇ。でも、もし俺がケガレになっちまったら、サナに危害を加えかねない。でも……)

 

言いながら勇魚に視線を向けると、不意にメリーの顔が脳裏に浮かんできた。そして先ほど、氷鉋に啖呵を切ったときに思ったことを思い出す。そして神威のカウントが終わろうとしたところで、答えを出した。

 

「三……二……」

「俺は、メリーを幻界に戻すためにも生きて元の世界に帰らないといけない。だから、その為にもこの場を切り抜けないといけない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから俺に力を貸してくれ、神威!

「はっ、いい返事だ」

 

神威は夢路の返答を聞いて笑みを浮かべ、夢路の胸に手を置く。

 

「もしケガレに堕ちた(失敗した)ら、俺が責任もって殺してやるよ」

「介錯か……わかった、頼む」

「夢路!?」

 

そしてそのまま、神威は驚く勇魚をよそに夢路の胸に手を置いて詠唱を始めた。

 

アハリヤアソバストマウセヌアサクラニ

ケガレノオホカミオリマセシマセ

 

そしてケガレの呪力を流し込む術の詠唱を行う。直後、夢路の体に神威の呪力が流れ込もうとしたときにそれは起こった。

 

「? 聖なる遺体が……」

「お、上手くいったか?」

 

いきなり輝きだした聖なる遺体が、夢路の体に流し込まれた呪力を吸い上げる。そしてそれが夢路の体に纏わっていく。しかも…

 

「お?」

「え、神威?」

 

なんとそのまま神威の体まで輝きだし、いきなりその体が霧散したのだ。

 

「ふん! どうにか拘束を……なんだ?」

 

その直後、氷鉋は拘束を引きはがしてその光景を目の当たりにしてしまう。そして光が晴れたところで、現れた夢路の姿に驚くこととなる。

 

『勘弁しろし。確かに俺の力を貸すことに同意はしたが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺を呪装にして纏えなんて一言も言ってねぇ』

「んなこと言っても、こういう形になっちまったんだから仕方ねぇだろ」

「夢路…それ、なに?」

 

現れた夢路の姿は、神威の着ていた黒いボロボロのコートを纏い、両脚に神威の纏死穢(マトイマカルサワリ)である断神闇脚(だんしんあんぎゃ)を模した装甲が装着されている。しかし肌と目の色は変わらず、まさに神威の格好をした夢路そのままな容姿である。勇魚も予想外の形で生じたパワーアップに、困惑気味だ。

この時の夢路は知る由もないが、彼は戦いの最中で自身を味方の夢魔の器にすることで、その夢魔と合体する"超夢幻位相合体"という技を後に会得することとなる。これはまさに、聖なる遺体が夢路の未来を読み取ってそれを先取りしたようだ。

 

「神威を呪装にした、だと? 十二天将の式神を呪装にする式神呪装があるが、聖なる遺体が婆娑羅でそれを再現したというのか?」

 

流石に氷鉋も驚愕したようで、夢路相手に警戒を強めることとなる。

 

「でも、確かにスゲェ……体から力が湧いてきやがる…」

『喋ってねぇで構えろし。来るぞ』

「え?」

 

すると夢路の目の前に、氷鉋が飛び蹴りを仕掛けてくる様子が見えた。夢路は思わず、反射的にその場から飛び退いたら驚くことが起こる。

 

「きゃああ!?」

「うぉおおおおおお!? 足の力、超強い!!」

 

なんと軽く跳んだだけで何メートルも高く跳躍してしまったのだ。それによって生じた衝撃で勇魚は引き取んでしまうが、それによって氷鉋の攻撃を喰らわずに済む。夢路自身も驚愕するが、同時にこれでようやく氷鉋と互角に戦えると自身も沸く。

 

「これなら……神威、何か必殺技みたいなのないか?」

『もうすでに纏死穢が発動しているみてぇだから、常時その必殺技が発動しているみたいなもんだな。とりあえず、蹴りを奴に入れてみろ』

 

夢路は神威に問いかけると、そのまま攻撃の手を伝えた。そして早速夢路は、着地と同時に構えて氷鉋に狙いを定める。

 

「よし……これでも食らえ!!」

 

そして夢路は一気に前へと飛び出し、ドロップキックを氷鉋に放った。先ほどの超強化された身体能力のおかげで、凄まじい勢いで飛んでいく。そして…

 

「ぐわぁあ!?」

「入った!」

 

見事に氷鉋の鳩尾に命中した。夢路の攻撃で初めて苦悶の声を上げた氷鉋は、かなり大きなダメージを負っているようだ。

 

「あれ? なんか手応えが予想以上にあった?」

『俺の纏死穢は、蹴りが当たった場所から衝撃を伝播させる能力がある。防御も無意味だ』

「え、えげつない攻撃だな…でもようやく同じ土俵に立てたか」

 

神威の攻撃的すぎる能力に、使用した夢路自身もドン引きしている。しかし同時に、決定的な攻撃手段を得たことで戦意に火が付いた。

 

「とりあえず、ヴァイブレイトガッシュと名付けさせてもらうか!」

『勝手に変な名前つけんなし』

 

夢路が意気揚々と技名をつけながら氷鉋に突撃し、神威の方は名前について文句を言う。

 

「確かに神威の能力そのままだが、使用者である貴様が未熟だということを認識してもらわねばな」

 

一方で氷鉋は怯むことなく、夢路と神威の撃破に乗り出す。その際の氷鉋は、先ほどとは比較にならないスピードをたたき出した。そして、夢路は足を掴まれてしまう。

 

「な!?」

「それに神威は婆娑羅に進化して10年にも満たない、若い個体だ。その力を借りて粋がっている貴様に、格の違いを見せてやろう」

「うわぁあああ!?」

 

驚く夢路に告げた氷鉋は、そのまま夢路の体に電流を流す。神威と一体化していることで耐えられたが、生身の人間では黒焦げになってしまう電圧がかかっている。

 

「ふん!」

『「ぐぉおお!?」』

 

そのまま夢路の体を振りまわし、地面に叩きつける。氷鉋は一瞬で数メートルの距離を飛び回り、岩や木にも連続して夢路を叩きつけた。

 

「また借りるぜ、縛鎖(チェイン)!」

「また拘束。しかしこの程度で…」

 

だが夢路もたただやれるだけでなく、咄嗟に武装明晰夢で鎖を生成、氷鉋を拘束した。氷鉋は鎖を引きちぎろうとするも、これだけにとどまらなかった。

 

『止みなん止みなん説くべからず』

「神威の止縛法!?(神威の意思も独立しているようだが、まさかこんな…)」

 

予想だにしない二重拘束により、氷鉋はパワーが足りずに動きが取れなくなってしまう。そして夢路は、その隙を逃さなかった。

 

「どりゃあああ!!」

「ぐわぁああ!?」

 

体を縦に一回転、その勢いに乗って踵落としを氷鉋の頭部に叩き込む。拘束されてまともに受け身を取れなかった氷鉋は、大きなダメージを負うこととなる。

 

「もういっちょ、食らえ!!」

「ぐわぁあ!?」

 

追撃で回し蹴りを叩き込み、氷鉋は大きく吹き飛んで行った。強烈な一撃を連続して食らい、氷鉋は確実に大ダメージを負っている。

 

「夢路…すごい。これならきっと!」

 

先ほど吹き飛んでから、ずっと傍観に徹していた勇魚も、目に希望の色が見えてきた。だが、そんな中でも氷鉋は立ち上がる。

 

「婆娑羅の力を掌握しつつ、自身の能力と併用まで出来る。もしそのまま呪力を能力に上乗せできるようにまでなれば……」

「ひ!?」

 

直後、氷鉋の纏う稲妻がより強い光を発する。それにより、氷鉋の威圧感も膨れ上がる。離れた場所から見ていたはずの勇魚も、思わず短い悲鳴をあげることから、その圧がどれほどのものかがうかがえる。

 

『あいつ、とうとう本気出しやがったな。本腰入れないと死ぬかもよ』

「な…まだ本気じゃなかったのか?」

『だな。どうやら、あいつお前を消さないと自分と聖丸がヤバいと思ったらしい。光栄に思え』

「思えるか!」

 

神威からの話を聞いて驚愕する夢路。しかしそれでも逃げる気は無い、というかスピードの差から逃げ切れるはずもないため迎え撃つ以外の選択肢は無かったのだ。

この状況でもツッコミを忘れなかったのは腹を括ったという証でもあるのだろう。

 

『呪力を込めるのは俺がやっておくから、お前はそれを乗せたままとにかく全力で蹴り倒せ』

「わかった。そっちは専門外だから任せる」

 

そして夢路が構えを取ると同時に、彼を通しての神威の威圧感も増した。そして神威と氷鉋は同時に詠唱を開始する。

 

『オンシュチリキャラロハウンケンソワカ…』

迷故三界城(めいこさんかいじょう) 悟故十方空(ごこじっぽうくう) 本來無東西(ほんらいむとうざい) 何處有南北(かしょうなんぼく)

 

神威と氷鉋、それぞれが詠唱を開始すると呪力は急激に跳ね上がる。そしてそんな神威の呪力を纏った夢路は、氷鉋に狙いを定めて構えを取る。

 

 

 

 

 

 

 

 

夢路オーリーキィィイイイイイイイイイイイイック!!

『だから変な名前つけんなし』

 

飛び出すと同時に夢路が、お気に入りの特撮ヒーローである"フルヘルボーダーグリッチョ"の必殺技を模した技名を叫び、また神威に文句を言われる。

一方、氷鉋はその夢路を迎え撃つべくギリギリまで夢路をひきつけ…

 

「でやぁあああ!!」

「ふん!!!」

「きゃあああああああ!?」

 

直後、二人の蹴りが衝突。待機が揺れる大きな衝撃が発生した。あまりの衝撃に、勇魚も吹き飛ばされそうになるがどうにか堪えて、決着を見届けようとしていた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「おらぁあ!」

「『はぁあ!!』」

 

その頃、ダブルはエターナルと交戦していたが、変身形態をヒートメタルに切り替えていた。聖丸が纏死穢を発動したため、サイクロンメモリの風の防御も通じなくなってしまった。そのため、エターナルの相手に専念することとなった。

エターナルの卓越したナイフ捌きに、メタルシャフトで防御しつつ反撃に乗り出そうとした。

 

「俺を忘れてもらっちゃ、困るな!」

「何!?」

 

その時、背後から再生が完了したエルクレスが斧で斬りかかってくる。咄嗟ではあったが、どうにか回避に成功する。

 

『翔太郎、距離を取ってトリガーで反撃だ!』

「その方が良さそうだな」

【トリガー!】

 

エルクレスの斧での攻撃を捌きながら、トリガーメモリを起動するダブル。そしてメタルメモリと入れ替え、フォームチェンジに入る。

 

【ヒート! トリガー!】

 

変身に成功し、武器もメタルシャフトからトリガーマグナムに切り替わる。そしてトリガーマグナムから火炎弾を連射し、エルクレスとエターナルを纏めて攻撃する。

 

火火(カカ)ッ! 火力勝負か、いいねぇ!」

 

しかし堪えるどころか喚起している様子のエルクレスは、なんと片腕を方針に変形させた。そしてそこから、熱線を放ってくる。

 

「何っ…ぐわぁあ!?」

『まさか遠近両対応できるとは…』

 

予想だにしなかったエルクレスの攻撃に、対応できずに食らってしまうダブル。ヒートメモリのおかげで熱耐性がついていたため、致命傷にはならなかった。

 

「おらぁあ!」

「『ぎゃああ!?』」

 

直後、その結果を見越してかエターナルが急接近。飛び回し蹴りを放ち、それがダブルの頭部に命中して大きなダメージを負うこととなる。

 

「ショウタロー!?」

「よそ見してると輪切りだぜ!」

 

一方でメリーが気を取られた所に聖丸が襲い来る。指先に装着された巨大な黒い刃が、メリーに対して振るわれた。

 

「やば!?」

 

メリーは咄嗟に身をひるがえし、どうにか回避する。聖丸の一閃はまたも遠方の木々を切断していき、相変わらずその驚異的な攻撃力と間合いを見せつけてきた。

 

「メリー、そのまま離れろ!!」

 

ろくろは金烏天衝弾(ゴルトスマッシュ)で聖丸を狙い撃ちし、どうにかダメージを与えようとする。攻撃直後の隙を狙ったため、ダメージを与えられると思われた。

 

「しゃらくせぇ!」

「くそ、失敗か」

 

聖丸が腕を振るった直後、その一撃が金烏天衝弾を相殺してしまう。複数の金烏天衝弾を収束して放つ旭日昇天(ホワイトハウリング)ならダメージを通せたかもしれないが、メリーの巻き添えを考慮して威力を抑えたのが仇となってしまった。

 

「隙だらけよ、惰弱な人間!」

「しまっ…ぐわぁあ!?」

 

しかもこちらが隙を突かれてしまい、ろくろがミストルティンの蹴りをもろに食らってしまう。ミストルティンも夢魔ゆえに人外級のパワーを持っていたため、ろくろはダメージを負ってしまう。

 

「…! 玉兎天衝弾!!」

 

するとその光景を見た紅緒が、ミストルティンに反撃しようと乗り出す。必殺の蹴りを彼女に向けて放つのだが…

 

「な!?」

「はい、捕まえた♡」

 

またも体の霧散で攻撃を防いでしまい、そのまま紅緒の足を鷲掴みするミストルティン。そして、更に攻撃が行われる。

 

「あぐ!? きゃあ!? あ゛あ゛ぁあ!?」

「きゃはははははははははははははは!! 世界を救う陰陽師夫婦の片割れ、なんて言われてるけど所詮は人間なわけね、弱すぎ!!」

 

紅緒の体を振りまわし、馬鹿にしながらひたすらに地面へと叩きつける。肉体と精神の両方を徹底的に痛めつけるその様は、夢路と接触した神威の、強さをひけらかして弱者を嘲り笑うという評価そのままの行動であった。

 

(そ、そんな…)

(やから勝手にどっかに行くな…って、紅緒様にジャリガキが!?)

 

そんな中、暗黒冬将軍がきなこの制止を振り切って戻ってきてしまった。その結果、後を追ってきたきなこも一同が劣勢の様子を目撃して戦慄してしまう。ちなみに、フィリップの体はどこか安全な場所に置いてきたようだ。

 

「おやおや? いつの間にか逃げ出したちびっ子が戻って来ちまったな」

「あの子、なんで…ぐわぁあ!?」

 

聖丸がそれに気づき、倒れ伏しているろくろが気づいたタイミングでその体を踏みつけにする。

 

「せっかく逃がしたのに戻って来ちまって、無駄になったな? なってしまったな!? 残念だったな!!」

 

そしてこちらも相手を傷めつけながら嘲り笑う、という悪辣さを見せつけてくる。

 

「聖丸にミストルティン、さっさとそいつらを殺せ。それから聖なる遺体を手に入れに行くぞ」

「ああ。遺体のパワーで、さっさとこの世界を焼き尽くしちまおうぜ」

 

一方、エターナルとエルクレスはダブルの体を踏みつけにしている姿が目撃された。そして宣言通り、エターナルはエターナルエッジを構えてダブルに狙いを定める。投擲でさっさと始末するつもりのようだ。

 

「ダメ!!」

 

するとその光景を見た暗黒冬将軍は、咄嗟に躍り出て黒い雪を周囲に吹き荒らさせる。先に食らっていたガロニュート曰く、黒歴史=負の記憶を思い出させる効力があったようだが……

 

「何かしたか?」

「へ? なんで黒歴史が見えないの??」

 

エターナルには全く効果がないようだ。暗黒冬将軍の言動から彼女にも黒歴史を見ることが可能なようだが、エターナルにはそれが無かったという。

 

「黒歴史…確か人に知られたくない負の記憶をそんな俗称でいうらしいが、残念だったな。俺達NEVERは強靭な肉体と引き換えに、時間経過とともに過去の記憶が失われていくって代償がある。加えて、オーバーヘブンショッカーの首領が俺の記憶に封印措置をしたらしいから、何かのはずみで甦るってこともあり得ねぇ」

 

エターナル自ら効果がない理由を明かし、そのまま暗黒冬将軍に標的を変更する。しかも、そのまま懐から赤いガイアメモリを取り出して起動した。

 

【ヒート!】

「誰にどう効果が出る能力かわからねぇから、さっさと始末させてもらうぞ」

【ヒート! マキシマムドライブ!】

 

そして起動された仲間のレイカと同じメモリをロストドライバーの装填スロットに差し込み、マキシマムを発動。エターナルの右腕に業火が灯る。

 

「雪の精とかなら、炎と熱の力で蒸発しちまいそうだな!!」

「ひっ!?」

 

そしてその炎を纏った拳で、暗黒冬将軍を殴りつけようと動き出したのだ。

 

「たぁああああああああああああああ!!」

「あが!?」

 

その時、いつの間にかミストルティンの攻撃から逃れた紅緒が、エターナルに斬りかかってきたのだ。必殺技を放つ際の一瞬の隙を突いたことで、技の阻止に成功。紅緒も咄嗟に暗黒冬将軍の身柄を確保、一気に距離を置く。

 

「チッ、まさかあの状態から逃げるなんて…」

「させるか!」

「きゃあ!?」

 

ミストルティンが忌々しそうにしていると、ダブルがメモリガジェット・スタッグフォンを投げつけて妨害する。エターナルの標的が暗黒冬将軍に移ったことで、どうにか隙ができたようだ。

 

「このまま反撃行くぞ!」

『了解だ、翔太郎!』

【ルナ! ジョーカー!】

 

そしてそのまま、ルナジョーカーに変身しなおしたダブルは腕を伸ばす。そして伸ばした腕を、エルクレスにぶつける。

 

「ぶへっ!?」

 

腕はエルクレスの顔面に命中し、頭を掴んで一気に力を込める。そしてエルクレスの体を勢いよく振り回した。

 

「おらぁあ!!」

「きゃあ!?」

「うへぇ!?」

「ぎぇええ!? なんでボクが……」

「小賢しい!!」

 

振り回されたエルクレスは、そのままミストルティンと聖丸に命中し、二人を大きく吹き飛ばした。しかも、そのまま未だに倒れ伏すガロニュートに命中したのだ。その際、エターナルにだけは避けられてしまう。

 

「てめぇら、とことんコケにしたいらしいな!」

「そっちこそ、やらせるか!」

【メタル!】

【ルナ! メタル!】

 

エターナルは再び襲い来るが、ダブルもルナメタルに切り替えて応戦する。メタルシャフトがルナメモリの力で鞭の様にしなる伸縮自在の武器へと変じ、迫りくるエターナルに向けられる。

 

「しゃらくせぇ!」

 

しかしエターナルも負けじと、エターナルエッジを振るってメタルシャフトの攻撃を捌いていく。

 

「聖丸、てめぇの相手は俺だ!!」

「そうかい、乗ってやるよ!」

 

そしてろくろは聖丸に標的を絞り、流星拳(メテオスマッシュ)を放つ。聖丸も回避して、ろくろに斬りかかり、しかも命中してしまった。

 

「残念、さっきやられてる時に防御は整えさせてもらったぜ。鎧包業羅(がいほうごうら)から、一番強力な防御術の鐵塊羅岩(てっかいらがん)にな!」

「へぇ…そりゃ斬り甲斐がありそうだな!!」

 

防御がいつの間にか強化されたろくろは、そのまま聖丸の斬撃を耐えることに成功し、一気に畳みかける。聖丸もろくろに戦い甲斐を感じて、非常に乗り気になっていた。

だが、その一方でまさかの事態が発生してしまう。

 

「揃いも揃ってボクをコケにしやがって……ツチギンチャクに罪人たいまつども、ボクの代わりにそいつらを皆殺しにしてしまえ!!」

 

ガロニュートが体に纏った石のブロックをいくつか射出、巨大なスライム状の体の巨人と、そこから炎を纏った木のような魔物の大群が出現する。

 

「まだ、こんなに配下を隠し持ってたわけか」

「ごつい割に用意周到ね…」

「なんとでもいいなよ。獲物は独り占めさせてもらうからね」

 

エルクレスもミストルティンも、ガロニュートの行動が予想外だったのか困惑気味だった。しかしそうしているうちに、罪人たいまつと呼ばれた樹の魔物の大群が紅緒と暗黒冬将軍にせまっていく。

対して、ツチギンチャクはろくろと聖丸に向けられた。

 

「当然、ボクをぶった斬ったヒジリマルも抹殺対象だよ!!」

「おいおい、連れないな。じゃれ合いみたいなもんだろ!!」

 

狙われた聖丸は意に介していない様で、そのままツチギンチャクを斬礁霧形で切り裂こうとする。のだが…

 

「ツチギンチャクに物理攻撃は効かないよ。飛び散った奴も独立した魔物になるからね」

「チッ! 面倒な!!」

「離れた場所でやり合うほうがいいか!!」

 

そしてそのままろくろと聖丸は離れた場所に移動、それをツチギンチャクが追いかけていく。一方の紅緒も、罪人たいまつの吐き出す火炎弾を捌きながら、暗黒冬将軍を守るべく回避に専念する。

 

「ねぇ、私なんかもう放っておいて…」

「何を…言っている…の?」

 

不意に暗黒冬将軍から告げられたその言葉に、紅緒が問いかける。

 

「私はさっき見たように、黒い雪を降らせる力がある。こんな他と違う能力、誰とも打ち解けることができない。だから、あなた達のいた里に黒い雪を降らせて、憂さ晴らしに困らせようとしたの。あの人達にもその巻き添えを食らわそうとしてこうなったから、これはバチが当たったんだと思うから放っておいて」

 

そのまま暗黒冬将軍が、自分が狙われた経緯とその際の行動を起こした理由。しかしそんな際、紅緒は攻撃を回避しながらも、穏やかな笑みを浮かべて暗黒冬将軍に語り掛けた。

 

「それだったら、私の方が…穢れている。私は…ろくろに出会うまで、両親の復讐と…そのための力を得ることだけのため…生きていたから」

「え?」

「それに…亡くなった兄も、極罪を犯した…から」

 

そのまま、罪人たいまつの攻撃を捌きながら紅緒は己の過去を語り始めた。

幼少期、両親がケガレに殺されてしまったこと。その後、兄と別れてそれぞれが父方と母方の家に引き取られたこと。そこから、両親の仇である神威を殺すための力に固執したこと。別れていた兄、石鏡悠斗(いじかゆうと)が禁忌の術をに手を伸ばして、陰陽師の組織を敵に回したこと。兄の起こした惨劇を、ろくろが起こしたと勘違いして、彼を憎んでいたこと。

 

「だから、あなたより…私の方が死んだほうがいい…かもしれない。でも、私は…生き続けるって…決めた」

「なんで? 私なんかよりもっとひどいことがあったのに、なんで…」

「ろくろと出会って、一緒に生きたいと思えるようになったから」

 

出会った当初こそ、ろくろと紅緒はいがみ合った。会って間もないにも関わら、ず世界を救うために夫婦となれと言われたので仕方ないだろう。だが、それでも生活と戦いを経るにつれて絆は育まれ、何よりも大事にしたい思いが生まれた。

 

「実はね…私は、さっき話した神威から力を貰ったの」

「うそ…なんで?」

「そうしてでも…ろくろと、肩を並べて…戦いたかった。一緒に…生きたいと思えたから」

 

更なる告白の末、暗黒冬将軍に伝えた。

 

「だから強さを得る…ことが、穢れた欲望だとしても…それを受け入れて、生きていきたいと…思えた。だから…あなたのその黒い雪が穢れだとしても…きっと受け入れられる」

「…無責任なこと言わないで! 何の確証も無しにそんなこと…」

「それが敵わないなら…私が、受け入れる!!」

 

暗黒冬将軍にの強い否定を、打ち消す叫びをあげた紅緒。

 

「あなたの犯そうとした罪も、あなたが汚点=穢れと思っている力も、すべて受け入れる! 私が、その第1号になる!」

「え……いいの?」

「うん。…でもそのために、今は…ここを生き残る!!」

 

紅緒の力のこもった叫びに、遂に暗黒冬将軍が折れた。

 

「……ありがとう」

 

そしてその時、紅緒と暗黒冬将軍の体が輝き始めた。

 

「え? なにこれ??」

「…! 予備の式神用に作った、呪符が…」

 

厳密には、紅緒の光は彼女が懐にしまっていた符によるものだった。きなこ以外に戦闘用の式神を準備しようと、その為の呪符を準備していたのだが、それに暗黒冬将軍が反応したのだ。

 

「あなたと一緒に…彼らを倒せる力が、あった。行きましょう…」

「今、イメージが頭の中に入ってきた……わかったわ!!」

 

そして、暗黒冬将軍の了承が得られたと同時に紅緒は声高々に呪符を構えた叫んだ。

 

黒玉雪華(こくぎょくせっか)っ急急如律令!!」

 

紅緒の叫びと同時に、暗黒冬将軍の体が解けていく。そして紅緒のケガレの両脚・白凛闘牙(びゃくりんとうき)にそれが纏わっていく。そして白い装甲に黒い雪の結晶のような意匠が現れ、足先に刀の切っ先のような鋭いエッジが装着された。

 

白凛闘牙(びゃくりんとうき)雪華黒凛刀(せっかこくりんとう)!!

 

紅緒が声高々に新たな呪装の名を叫び、エルクレスとミストルティン、そして罪人たいまつの大群に視線を向ける。

 

「な、なんだありゃ?」

『化野紅緒が、パートナーの式神を呪装にして纏う式神呪装という技があると話していたが、まさかあの少女とそれを行ったというのか?』

「おいおい、このタイミングで強化されやがったぞあいつら」

 

遠巻きに見ていたダブルとエターナルも、交戦しながら紅緒の様子に見入ってしまう。フィリップが事前に紅緒から情報を聞いていたこともあり、ひとまず状況の理解は出来た。

すると、ろくろと聖丸、二人を追ってきたツチギンチャクがこちらに戻ってきた。

 

「紅緒、このタイミングでよくやるな……じゃあ、俺もとっておき使わせてもらうぜ!!」

 

そしてろくろも、紅緒のパワーアップを嬉しく思いつつも自身もいつの間にか用意していた切り札を出す。事前に式神呪装の話をしたのは、ろくろがエトワリアに来る前にその技を完成させていたことに起因する。

 

「来い……

 

 

 

 

 

焼きおはぎマン!!!

 

直後にろくろが札から式神を呼び出すのだが、その名前にWと合流してきたメリーは引っかかりを覚えることとなった。

 

「焼き……おはぎマン?」

『おはぎというと、あの和菓子の?』

「なんで、そんな名前の式神なんだ?」

『ギィイイ~~~~~~~~』

 

そうこうしている内に鳴き声を上げながら現れたのは、炎を纏ったおはぎを模したきもいマスコットキャラ染みた式神がいたのだ。

 

「「『ええええええええええええええええええええええええええ!?』」」

 

あまりにもふざけた見た目の式神にダブルもメリーも驚愕した。

 

「お前、ふざけてんのか?」

「そんな気色悪い式神出して、自棄になったな! なりやがったな! なっちまったな!!」

 

当然、エターナルはバカにされたと思って怒りを覚え、聖丸もそんなろくろをあからさまに見下している。

 

「バカにしてもらっちゃ困るぜ。こいつ、めっちゃ強いからよ!!」

 

しかしろくろは臆することなく、むしろ闘志を燃やして戦闘に対しての強い意志を見せた。そして狩衣の袖を破ると、その下に鋼鉄製のガントレットが装備されているのが見えた。

 

「燃えろ…焼きおはぎマァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!」

『ギィィィアアアアアアアアアアアアアア!!』

 

ろくろの叫びと同時に焼きおはぎマンの纏う炎が強まり、直後にそれは始まった。

 

焔魔炎撃(えんまえんげき)っ救急如律令!!

 

そして焼きおはぎマンが爆散し、その呪力がろくろのガントレットに纏わる。そしてそのまま、高熱を発する両鉄拳の呪装が完成した。

 

双天破神焔魔炎撃拳(ツインバスターフランベルジェ)!!

『フランベルジェというと西洋の騎士が使う剣の一種だね。刀身が波を打つ造形をしていることから、炎を連想してそういう名前になったそうだが……言い得て妙だね』

「解説ありがとよ、相棒。確かに、とんでもねぇ熱量だな」

「あ、あんなキモイのがアレになったの…?」

 

ダブルとメリーは、おはぎマンのまさかの変化に驚愕することとなる。そして双星の二人が更なる強化を成したところで、反撃が始まった。

 

「無刀・朧蓮華 反閇(へんばい)飛燕(ひえん)の型!」

 

まずは紅緒。技そのものは先ほども使ったものだが、両脚に暗黒冬将軍の力がブーストされ、スピードが先ほどの比にならないレベルに跳ね上がる。

 

「「ぎゃああ!?」」

 

そしてそれは的確にエルクレスとミストルティンを捕らえ、勢いよく蹴り飛ばしていく。そしてそれを追従しようとさらに駆け出す。そしてそのまま二人を追い越して構えを取る。

 

『紅緒、任せて!!』

「…そういう、こと」

 

その時、暗黒冬将軍が空に黒い雪の塊を生み出し、宙に浮かせる。紅緒は何かを察し、構えを解いて真上に飛び上がる。そしてその黒い雪の塊を足場代わりにし、エルクレス達が飛んできたタイミングで一気に飛び出した。

 

「ぜいやぁあああああああああああああああああああ!!」

「「ぎぇえええ!?」」

 

跳ね上がったスピードと威力で放つ飛び蹴りは、エルクレスの再生とミストルティンの霧散が追い付かない物と化していた。すると、罪人たいまつの大群がこちらに追いついてきたが紅緒は落ち着いていた。

 

大叫喚魔凍氷殺(だいきょうかんまとうひょうさつ)っ救急如律令!!

 

呪符を取り出して新たな術を発動すると、そのまま罪人たいまつの大群がまとめて氷漬けになる。しかもそのまま、エルクレス達に連続蹴りも忘れずにいる。

 

「「てめぇ(あんた)…調子に乗るな!!」」

 

エルクレスもミストルティンも、怒りに任せて紅緒を弾き返そうとする。しかし紅緒はそれを察して一気に飛び上がって緊急離脱。

 

『紅緒、また行くよ!』

「任せて…」

 

そしてまた暗黒冬将軍が上空に雪の塊を作り出し、それを踏み台にして一気に地面へと加速していく。

 

「まだまだぁあああああああああああああああああ!!」

「「ぐわぁああああああ!?」」

 

蹴りの衝撃でクレータが発生、さらに大きなダメージを負う二人の夢魔。もはや形成は完全に逆転だ。

~同時刻~

「聖丸にミエターナル、勝負だぁああああああああああああああああああああ!!」

 

ろくろが叫んだ直後、彼の背後に呪印が浮かぶ。そこにはREADY(用意)と刻まれており…

 

星方獄炎焦殺(スターダムド)!!」

 

技名を叫んだ直後にそれがGO(発射)に切り替わり、両肘から火炎を放って超加速で三人の敵へと突撃していく。

 

「ぐぇえ!?」

 

まずは聖丸の懐に飛び込み、アッパーで一気に天空へと殴り飛ばす。

 

「おらぁあ!!」

「何!?」

 

そしてそのままエターナルの体を投げ飛ばし、再び炎を噴射して天高く舞い上がる。そして、その隙を突いてツチギンチャクが迫って来る。

 

「食らうかよ!」

 

しかしろくろは更に炎の噴射でより高く舞い上がり、ツチギンチャクの攻撃を避ける。そして打ち上げた聖丸に狙いを定めて攻撃に入る。

 

星命咆哮連弾(スターバーストストリーム)っっ!!

 

技名を叫びながらろくろは、聖丸にスタープラチナも顔負けの百裂拳を叩き込む。しかも火炎を纏ったその拳は、ただ殴られるよりも大きなダメージを与えていく。

 

「ぐぁあ!? ぎぃい…ぎゃああ!?(こいつ、隙を与えねぇ気か!)」

 

殴られながらも聖丸は反撃の隙を狙うが、 ろくろの連打に手も足も出なかった。

 

「おらぁあ!!」

「な…ぐぉおお!?」

 

聖丸を撃ち落とした後、ろくろは一気に決着をつけに入った。

 

「奇一奇一たちまち雲霞を結ぶ 宇内八方ごほうちょうなん たちまちきゅうせんを貫き 玄都に達し太一真君に感ず 奇一奇一たちまち感通っ!!」

 

上空で金烏天衝弾(ゴルトスマッシュ)の詠唱を開始する。すると構えた両手にそれぞれ五つずつ印が重なり、詠唱の完了と同時にろくろはその印を殴りつけた。

 

『翔太郎、メリー・ナイトメア! 離れるんだ!!』

「相棒、それ乗った!」

「確かにヤバそうね、わかった!」

 

そして状況を察し、ダブルとメリーは急いでその場を離れる。そしてついに攻撃が発動した。

 

金烏天衝炎滅魔焦弾(ゴルトスマッシュ・インセンディオ)!!

 

そして印から強力な熱線が放たれ、聖丸とツチギンチャク、更には投げ飛ばしたエターナルまでを飲み込んだ。




次回はやっとディケイド&承太郎VSノイトラ&プッチになります。きららさんとランプ、徐倫も活躍させる予定となっています。
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