仮面ライダー&ジャンプフォース 平成ジェネレーションズHeaven inきららファンタジア   作:玄武Σ

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中々筆が進まず、しかも思いのほか長くなってしまいました…申し訳ない。
今回もおまけに死神図鑑ゴールデンを入れたので、お楽しみいただけたら幸いです。

P.S.サモンナイトのシナリオライターだった都月景さんがきらファンの世界観を監修したら、どうなったんだろう? 新作マグラムロードをプレイしててふと思いました。


第43話「襲来! 破壊の十刃!!」

俺は天空寺タケル、大天空寺の跡取りだ。

俺はある時、気がついたらエトワリアという異世界に迷い込み、そこで同じく迷い込んだという黒崎一護と石田雨竜という大学生と出会った。

その後、俺達を助けてくれた学園生活部のみんなと聖なる遺体という物を狙ってオーバーヘブンショッカーが襲ってきた。

俺と一護は、彼女達と聖なる遺体を守るために仮面ライダーゴーストと死神代行にそれぞれ変身して、ショッカーに立ち向かうことにした。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ゴーストと一護が学園生活部の面々を守るため戦っていたのと同時刻、砂漠へ彼女達を迎えに走るデンライナー。その食堂車で、以前に交戦した死郎が変身した幽汽の持っていた剣についてローから話を聞いていた。

 

「呪われた聖剣?」

「何だ、そのオカルト極まりない代物はよ?」

「トラ男さん、なんか矛盾してない?」

「そういわれても、そういう伝承が残ってんだから仕方ねえだろ」

 

困惑する良太郎とジョセフ、そしてツッコミを入れる宮子に返しながら、説明を入れるロー。

偉大なる航路でローが辿ったルートで立ち寄った島の一つ"アスカ島"。その島に残っていた伝承の中に、件の七星剣に関する物があった。

かつて、島で栄えていた王国に美しい巫女の少女がいた。その巫女に恋をした王子三兄弟が、その七星剣を手に巫女を奪い合って血で血を洗う争いを繰り返した。それによって聖剣だったはずの七星剣は、呪われてしまい世界を滅ぼそうとしてしまう。

最終的に問題の巫女が自らを生贄に捧げて七星剣を封じ、悲しみに暮れる王子達に神が二度とこの悲劇を起こさぬようにと、七星剣を封じる宝珠を授けたという。

 

「なんか、悲しいお話ですね…」

「恋は盲目、とはいうけど……それで想い人を追い詰めちゃったら、世話ないよね」

「それはともかく、じゃあその宝珠ってのを手に入れたらあいつを止められるのか?」

 

七星剣の伝説を聞いて悲しそうな顔をするゆのに、伝説に出てきた王子達を皮肉るウラタロスと、それぞれが性格の出る反応をする。そんな中、チョッパーが伝説の最後に出てきた七星剣を封じる宝珠について言及するが……

 

「おそらくその宝珠は今この世界に持ち込まれてないと俺は見ている。あの男が世界そのものに向ける憎悪を考えると、七星剣の力を抑制する宝珠は邪魔でしかねえからな」

「なるほど。おそらく、ショッカーもその憎悪を戦力として利用するつもりなのでしょうね」

 

ローから最悪な推察を聞いてしまい、一同は落胆する。対していつものように、ナオミ作のチャーハンを食しながら返事を返すオーナー。いつものように、刺してある旗を倒さないようにゆっくり一口ずつ食べている。

 

「まあ、何にしてもそいつをぶっ倒しちまえば万事解決だろ」

「だな。モモタローの言う通り、全員で力を合わしてぶっ飛ばしちまえばいいか」

 

そんな中、いつもの調子でモモタロスとルフィが一同を勇気づける発言をする。

しかしその直後…

―ドォオオオオオオオオオン―

「きゃあ!?」

「な、なんだ!?」

「うえぇ!?」

―ガシャン―

「!?」

 

直後、窓から激しい光が差し込み、同時にデンライナーを激しい振動が襲う。乗っていた全員が体勢を崩し、良太郎だけが派手に机の角に頭をぶつける。

一人オーナーだけが微動だにしなかったが、食していたチャーハンは皿ごとテーブルから落ちて物凄くショックを受けた。

 

「な、なんだ!?」

「まさか、あのアランカルとかいう奴等のビームか?」

 

突然の事態に驚く中、ルフィは一つ思い当たる技を思い出す。彼自身が交戦したルピが放った、虚閃(セロ)が思い当たったのだ。

 

「まさか、由紀ちゃん達の所に…」

「もう敵が来ちまったのか!?」

「オーナー、急いで下さい!」

 

学園生活部の面々の身を案じ、デンライナーを光の発生源へと急いだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

結論から言えば、デンライナーから見えた光の正体は一護の放った月牙天衝だった。その一撃によって、メノスの軍団は壊滅させられた。その圧倒的な攻撃力に、エンヤも戦慄する。

 

「あ、あがが…」

「一護、凄すぎるな…」

「あれは、仮面ライダーでも出せない威力だね…」

 

余りにも強力極まりない、一護の月牙天衝。その様に敵も味方も驚愕を隠せずにいた。そんな中、

 

「悪い、やりすぎた。次はちゃんと手加減する」

「……!」

 

一護はエンヤに斬月の切っ先を向けながら、静かに告げた。エンヤ自身に引導を渡すつもりのようだ。

その有無を言わさぬ威圧感に推されたエンヤは…

 

「!?」

「あ、逃げた!」

「しかも速い!! 陸上選手かなんかか!?」

 

ゾンビパンデミック以前、陸上部にいた胡桃もびっくりな脚力だ。しかも砂漠のど真ん中でだ。

 

(想定外じゃ! あれは人間に許された力の範疇を超えておる!! DIO様以外に、そのような力を持つなど……)

 

一護の予想外すぎる戦闘力の高さに戦慄し、エンヤは逃走して態勢を立て直そうとするが…

 

「逃がすかよ」

「ひぃっ!?」

 

一護は瞬歩で先回りし、エンヤに斬りかかる。大事なところで甘さを捨てきれないところのある一護だが、それでも罪なき少女達を手にかけようとしたエンヤの行動は許せなかった。

 

「エンヤに死なれたら、俺達が危ないのでな」

 

アーロニーロが響転で割って入り、そのまま一騎打ちに入る。

 

「そうだな。まず、優先するべき敵はテメェだった」

「「何……ぐぉおお!?」」

 

しかし一護は、そのままアーロニーロの服の襟をつかんで、力の限りぶん投げる。一度で十数mは投げ飛ばされる辺り、死神化した一護の身体能力は計り知れないようだ。そして一護は跳躍し、投げ飛ばしたアーロニーロへと急接近。そのまま斬月で斬りかかる。

 

「ぐっ!?」

「オ、重イ!?」

 

アーロニーロも斬魄刀で防ぐが、余りにも重い一撃で腕が痺れ、体勢が崩れた。

 

「代行とはいえ、俺も死神だから虚や破面は斬る。だが、それ以上に……」

「「ぐっ!?」」

 

一護はアーロニーロを蹴り飛ばす。そして再び斬月を構え、再度瞬歩でアーロニーロへと突撃していった。

 

学園生活部(あいつら)の思いを踏みにじったテメェを、許すわけにいかねぇんだよ!!」

「「がはっ!?」」

 

そしてその一護の叫びとともに、アーロニーロを一閃。鋼皮に遮られて致命打にはならなかったが、あまりの威力に大きく吹き飛ぶこととなる。

 

「「チィッ……虚閃(セロ)!!」」

 

アーロニーロは咄嗟に体勢を立て直し、左腕から虚閃を放って一護を迎撃しようとする。しかし、一護は避けようとする素振りすらなく、斬月を構えたまま動かなかった。

 

「まさか、一護はアレを防ぐ気か!?」

「一護、だめだよ!? 逃げて!!」

「そうだ! いくらアンタでも……」

「ダメ、一護さん!?」

(一護さん!)

 

ゴーストが一護の行動に思いつくことがあり、それを叫んだ直後に学園生活部の面々が悲痛な叫びをあげる。美紀はただ一人、彼の無事を祈る。しかし…

 

「…!」

「「何!?」」

 

一護は無言で迫ってきた虚閃を切り裂いたのだ。そしてそこにアーロニーロが驚愕した直後、一護は再び月牙天衝を放つ体勢を取った。斬月を居合いの要領で構えると、刀身から凄まじい光が迸る。

 

月 牙 天 衝 ! ! 

 

そして放たれた月牙天衝は、先ほどよりも巨大だった。迸る強大な光が、アーロニーロを飲み込んだ。

そしてその光景を見たエンヤの脳裏に、先ほどの一護の言葉が浮かび上がる。

 

(そうじゃ。 あやつはやり過ぎたとは言ったが、全力とは一言も言うとらん! まだまだ力を強力に出来るということなのか!?)

 

一護の底が見えない戦闘力、それを目の当たりにしたエンヤは戦慄した。

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい。せっかく開眼した滅却師の力も内なる(ホロウ)も消えちまったとは聞いてたが……強さに陰りはねぇみたいだな、黒崎」

「……その声、テメェも来てやがったか」

「お前に助けられるのは不服だが、ひとまず礼は言っておこう」

 

しかし一護とアーロニーロにだけは聞き覚えのあるらしい声が響く。そして光が晴れた先に、新たな破面の姿があった。

 

「な、なに…あの人?」

「見た目は人間っぽいけど…」

「お腹に風穴が空いてるのに、生きてる?」

 

水色の髪に端正な顔立ちで好戦的な笑みを浮かべたそいつは、右頬を覆う牙のような仮面に腹部に空いた孔という破面の特徴を持っている。人と同じ姿でありなあら異質なその存在に、学園生活部の面々は恐怖を抱くこととなる。そいつが月牙天衝を防いでしまったのか、後ろにいたアーロニーロは無傷だった。

その正体を知る雨竜は、彼女らの傍にいたためその詳細を語った。

 

「奴の名はグリムジョー・ジャガージャック。最強の十人の破面、十刃(エスパーダ)の6番目だ。破面は生まれた順番に数字を振られるが、1から10だけは強さの序列になっている…」

「え? じゃあ、つまり……」

「あのめぐねぇの偽物よりずっと強いってことじゃ!?」

 

想像だにしない強敵の出現に、動揺が走る一同。しかしこれだけではなかった。

 

「ほほう。まさかぼうや(ニーニョ)がそこまでの力を身に着けていたとは、吾輩も対決が楽しみで仕方がないな!」

「え?」

 

直後に聞こえた声も一護は聞き覚えがあったらしいのだが、グリムジョーの時と違ってうんざりしたような表情である。そしてそのまま声の主らしき何者かが落下していき…

 

―ズゥウウウウウウウウウウン―

「きゃあ!?」

「砂埃が…」

「ゲホゲホッ!? む、むせた…」

「由紀ちゃん、大丈夫!?」

「う、うん…」

「め、眼鏡の隙間に…!?」

「石田さんも、大丈夫ですか?」

 

砂漠の地面に激突したため、激しい砂埃が辺り一面にまき散らされる。それによって、一同大パニックだった。一応、ゴーストと美樹が無事な様子で周りを気遣っていると…

 

「ジャーーーーーーーーーーーーーーン!」

 

砂埃の舞う中で、先ほどの声の主がいきなり叫び出したため、全員が面食らうこととなった。 

 

「ジャンジャジャンジャジャンジャーーーーーン! ジャジャ……ゲッホ! ジャーンジャー……ゲホッゲッホ!! ゲーッホッ!ゲホッ!」

 

そのまま口でBGMをノリノリで叫ぶ声の主だが、砂埃で所々むせ返って情けない様子だった。そして砂埃が晴れて顕になったその姿は……

 

「ジャ…ハーーーーーーーーーーーン…ヘイ!!!

 

ラテン系ダンサーのような格好に口ひげを蓄えた、ダンディな成人男性の風貌をした破面だった。

 

『……』

 

そのグリムジョーやアーロニーロと比べても間抜けそうな破面を見て、学園生活部の面々とゴースト、雨竜や顔見知りのはずの一護、挙句にエンヤや他の破面二人まで白けたような表情で彼を見る。

それによる沈黙がしばらく続き……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待てえい!!」

 

破面の男から物申しが出た。

 

「そこのお嬢ちゃん(ベベ)達や仮面のぼうや(ニーニョ)は初見だからともかく、味方の諸君や一度見た筈のぼうや(ニーニョ)は失礼ではないかね!?」

「あぁ、えっと……人伝に生きてたことは聞いてたが、久しぶりだな…」

 

糾弾されつつも、とりあえず久しぶりに会うので挨拶する一護。一応、その辺りは欠かさないつもりのようだ。

 

「ドン・パニーニ」

「違う、ドルドーニだ!? 吾輩あそんな美味しそうな名前ではない、二度も言わせるな!!」

 

ただし、名前はちゃんと覚えてなかったようだ。

余談だが、一護は人の名前を覚えるのが苦手で雨竜のことも、出会った当初は"ういり"だの"ウォーリー"だのうろ覚え気味だったりする。

 

「石田君、彼は一体…?」

「僕も直接会ったのは初めてだが、№103の破面で昔に黒崎が倒した敵の筈だ。3桁は十刃を除籍になった破面に振られる数字らしいんだけど…」

「うん、めちゃくちゃ弱そうだな」

「というより、間抜けそうですね」

 

ゴーストからの問いに答える雨竜の返答に困る様子から、胡桃と美樹が察してつい口にしてしまう。

 

お嬢ちゃん(ベベ)達、それは聞き捨てならん! 人を見た目で判断するなと、ママンに教わらなかったのかね!?」

 

そこに当然ながら、ドルドーニは反論する。

 

「それはまあ、そうだけど…そうされない程度に見た目にも気を付けろって言われるからな」

「ああ、それもどうだな……って、吾輩が絆されてどうするのだ!?」

 

しかし胡桃からの物申しに一瞬同意してしまうドルドーニ。美樹の間抜けそうという評価も、あながち間違いではなさそうだった。

 

「どうせ最強から外されるんだ、その間抜けな言動と合わせて大して強くないんだろ!」

「言ってくれるね、お嬢ちゃん(ベベ)……!」

「よせ、胡桃!?」

 

そしてそのまま、胡桃がドルドーニへとスコップ片手に突撃していってしまう。そこに一護は制止の声をかけるが胡桃は聞かず、そのままスコップを振り下ろしてドルドーニに叩きつけようとする。

 

「ほっ! はっ! とぅっ!」

「おっさん、ちょこまかと…」

 

しかしドルドーニは踊るような軽やかなステップで、胡桃の攻撃を容易く避けてしまう。召喚前から命懸けの戦いをそこそこは経験している胡桃だったが、すぐ窮地に陥ってしまった……

 

「先ほども言っただろう、お嬢ちゃん(ベベ)……

 

 

 

 

 

 

 

人を見かけで判断するなと、ママンに教わらなかったのかね?

「え……ぐわぁ!?」

 

ドルドーニは一瞬で彼女の背後を取り、鋭い蹴りを叩き込んだ。砂漠の踏ん張りが効かない地面で、見事なターンを決め、その回転の勢いを乗せた見事な一撃だ。

それだけの攻撃を受けた胡桃は大きく吹き飛び、ドルドーニは響転でそれを追う。

 

「胡桃!?」

「黒崎、いい加減こっちも始めようぜ!」

 

一護は胡桃のピンチに駆け付けようとするが、それを許さず一護に斬りかかってくるグリムジョー。彼は純粋に、一護との戦いだけを望んでオーバーヘブン・ショッカーに参加していたのだ。

 

「ちっ、仕方ねぇ! さっさと終わらせて…」

 

一護は咄嗟に防いで、仕方なくグリムジョーを倒してから胡桃の救援に向かおうと構えなおす。しかし、その直後にそれは起こった。

 

「? 何だ、この音?」

「電車の発着音みてぇな音だが……」

 

一護もグリムジョーも、不意に空から聞こえた音に気を取られて上を見上げるのだが……

 

「「え゛」」

 

二人そろって、度肝を抜かれることとなった。

~同時刻・吹き飛ばされた胡桃~

お嬢ちゃん(ベベ)に恨みはないが、吾輩の未来の為にも消えてもらおうか!」

 

吹き飛ばされた胡桃は、そのまま先回りしていたドルドーニの抜いた刀で斬られそうになる。

 

「死んでたまるか!」

「ぬっ!?」

 

しかし咄嗟にスコップを構え、斬撃を防ぐことに成功した。その様子に、ドルドーニも驚いて距離を取る。

 

「なるほど、全くの素人というわけではないのか。しかし、吾輩にその程度で勝てるかね?」

(だめだ、完全に油断してた。このおっさんも、滅茶苦茶強い!)

 

余りの実力差に胡桃は己の危機を実感する。しかも破面という自分達やこの世界にとって、完全に未知数の

存在が相手だ。対処法も思いつかないでいた。

しかしその時、一護達も聞いたあの電車の発着音のような音が、こちらにも響く。

 

「ん? 何だ、この音は?」

「空から…なぁ!?」

 

空から聞こえた音の主、それは駆け付けたデンライナーだった。空に線路を出現させて、その上を駆ける列車は一護や破面たち、そして学園生活部にとっても度肝を抜かれる光景だった。

すると、デンライナーの先頭車両が開いて何かが射出される。

 

「行くぜ行くぜ行くぜぇええええ!!」

「おっしゃ、行くぞぉおおおおお!!」

「きゃああああああああああああ!?」

 

ソード電王がルフィ、ゆのとバイクに三人乗りしながら飛び出したのであった。デンライナーのコントローラーを兼ねた電王専用機・マシンデンバードだ。

 

「な…ぶべ!?」

 

そしてそのままデンバードは、ドルドーニの顔面に着地。弾みで一度は放り出されるも、そのまま砂地に再度着地成功する。

 

「誰だ、吾輩の顔面を乗り物で押しつぶしたのは!?」

 

ドルドーニは激昂しながらバイクの方を見るのだが……

 

「「俺達、参上!!」」

「あ…こ、怖かった…」

 

ノリノリでポーズと名乗りを決める、ソード電王とルフィの姿があった。そして一人、ゆのが体を震わせている。

 

「ゆのがいる……ってことは、あれ味方か?」

 

自分達以外のクリエメイトが駆けつけ、しかもゴーストと同じ仮面ライダーと思しき姿の男を連れてきてくれた。反撃のチャンスだというのは、彼女にもすぐわかった。

 

「その姿、向こうにいた仮面のぼうや(ニーニョ)と同じく仮面ライダーとやらか」

「ああ、仮面ライダー電王。最初から最後まで、徹底的にクライマックスなヒーローだぜ」

「そしておれは、海賊王になる男ルフィだ。よろしく」

 

ドルドーニからの問いかけに答え、自己紹介する電王とルフィ。電王は自己紹介しながらデンガッシャーを組み立て、いつでも戦闘可能である。

 

「…あ、胡桃ちゃんがケガしてる!?」

 

そんな中、ゆのが胡桃の負傷に気づいたようで、そのまま駆け寄って治癒魔法を準備した。

 

「助かった……で、あのバイクで飛んできた二人組は味方でいいんだよな?」

「うん。別の世界、それもここより激しい戦いのあるところから来てくれたらしくて…」

 

治癒を受けながら胡桃の質問に答えるゆの。そしてその頃には一護達の方にも援軍が駆けつけてきたのだ。

~再び、一護VSグリムジョー現場にて~

「なんか、飛び降りてきてねぇか?」

 

一護の眼には、デンライナーから立て続けに飛び降りる影が見えた。

 

「なんか怖いのがいるけど、やっつけちゃえ!!」

 

飛び降りた一人であるリュウタロスが、アーロニーロの姿を見て愛銃のリュウリボルバーを構える。そしてエネルギー弾をぶっ放した。

 

「「な!?」」

 

アーロニーロは驚くも、咄嗟に響転で回避する。その一方で、同様に飛び降りたチョッパーが他の仲間達を受け止めるために行動を起こす。

 

毛皮強化(ガードポイント)!!」

 

悪魔の実の形態変化で、超巨大な毛玉へと変身したのだ。そして自らクッションになることで、イマジン達やひだまり荘の面々、ジョセフ達を受け止めたのだった。

 

「聞いてたけど、本当にクッションになるんだね…」

「こりゃ、確かに便利やな」

「これも修行の成果ってやつだ」

 

驚く紗英と感心するキンタロスに、元に戻りながら自身気に語るチョッパーだった。リュウタロスからの攻撃を避けた後、そんな彼らを見るアーロニーロ。

 

「何だ、アレ…」

「増援ミタイダケド…」

「次にお前らは、『その割には弱そうだな』という!」

「「その割には弱そうだな……え?」」

 

何者かが自身のセリフを先読みしてこちらに教える、という不可解なことが起こった。声のした背後に視線を移そうとすると、そのまま攻撃を受けることとなる。

 

波紋肘支疾走(リーバッフオーバードライブ)!!」

「「ぐえぇえ!?」」

 

声の主はジョセフで、アーロニーロは波紋を纏った肘打ちを頭部に叩き込まれる。頭のビーカーに僅かだがヒビが入り、中の培養液が漏れ出す。

 

「ぐへぇえ!?」

「ナ、何ダコレハ!」

「悪霊って話だったから波紋が効くか怪しい所だが、多少はダメージあるみてぇだな」

 

波紋という未知の攻撃を受け、アーロニーロが動揺する。ジョセフお得意の、相手のセリフを先読みして虚を突く作戦だ。

 

「ナイスアタックだったね、ジョセフ」

「おほめに預かり光栄…と言いてえが、何呼び捨てしてやがんだてめぇ」

「まあ、落ち着けって。しばらくは一緒に戦う、仲間なんだからよ」

 

そこにウラタロスとウソップが駆けつけ、軽口を叩きながら戦闘態勢を整える。相手は未知の敵のため、油断は禁物である。

 

「人外の何かが入るみたいだけど、味方みたいだね…」

「確かイマジンだっけ…未来人の精神が怪人になって現代に来たとか」

「未来…怪人って、ヒーローがやっつけるあれ?」

「うん。でも、味方してくれる奴もいるから、たぶん安心していいよ」

 

雨竜が突然の援軍に驚いていると、ゴーストから解説が入る。由紀が怪人という単語に一瞬不安そうな顔をするが、ゴーストは自身の体験もあって味方の怪人もいると伝えて安心させようとする。

 

「おのれぇ! せめて、そこの小娘一人くらいは儂自ら始末してくれる!!」

「しまった!?」

 

その時、エンヤがその隙を突いて由紀を消そうと鋏を片手に飛び掛かってくる。だが、これを阻止する者も当然いたわけだ。

 

「波紋・シャボンランチャー!!」

「な…ぎゃああ!?」

「へ?」

「シャボン、玉?」

 

シーザーが十八番の、波紋を纏わせたシャボン玉での攻撃でエンヤを吹き飛ばす。シャボン玉という予想外な攻撃手段で、学園生活部の面々も驚愕する。

 

「年若いレディを傷つけようなら、例えご婦人相手でも容赦はしないつもりだ」

「が、外国人?」

「しかも結構男前…」

 

割って入って拳を構えるシーザーに、雨竜は思わず首を傾げる。一方で、悠里は伊達男であるシーザーを見て、思わず顔を赤らめる。

その一方で、一護とグリムジョーは加勢に来た仮面ライダーや麦わらの一味、ジョースター関係者一同といった面々を見回す。そして、彼らの正体について察した。

 

「おばあさんのこと、やっつけるけどいいよね? 答えは聞いてない!!」

(な、なんて無慈悲な…)

「リュウタ、シーザーさんと一緒にその人抑えてて。私となずなで、みんなを連れて行くから!」

「オッケー、乃莉ちゃん!」

 

そこにリュウタロスと乃莉&なずなが駆けつけ、学園生活部の面々の避難とエンヤとの戦闘に突入に入る。リュウタロスの言動に美紀がドン引きしてたが、そのまま促される。

 

「なるほど…あれが聖なる遺体とかいう代物に引き寄せられた、異世界とやらの戦士どもか。少しは骨がありそうだな」

「事情は知らねぇが、俺達みたいな奴等が他にいるのはわかった」

「そういうこった。じゃあ黒崎、俺らも始めようか!!」

 

そのままグリムジョーは斬魄刀を抜き、一護に迫る。一護も斬月を構えて迎え撃ちに出る。そして、互いの刀が激突したことで凄まじい衝撃が巻き起こる。

 

「くっ…一護、すぐ助けるから!」

【アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!】

 

グリムジョーの強大な力に、ゴーストは一護を援護しようと新たな眼魂を起動する。ベルトに装填した直後、新たに緑で羽飾りのついたパーカーが宙を舞う。

 

【開眼・ロビンフッド!】

【ハロー!

アロー!

森で会おう!】

 

ベルトのレバーを起動すると、パーカーが装着され、ロビン魂となる。するとその直後、何処からか鳥の姿をした小型のサポートメカが飛来した。黒電話の意匠がある通信機を兼ねたガジェット"コンドルデンワー"だ。そしてそれがガンガンセイバーと合体し、弓(クロスボウ)となったのだ。

 

(ロビンフッド…天空寺君の世界では実在してたのか?)

「マンマミーヤ…ロビンフッドは伝承上の存在の筈だが、まさかね」

 

ロビンフッドは伝承上の存在の筈なので、偉人の力を宿した眼魂にそのロビンフッドの物があるため、雨竜もシーザーも驚きを隠せなかった。しかし、ゴーストは気にせずにガンガンセイバーの柄に描かれた目玉のシンボルを、ベルトにかざした。

 

【ガンガンミナー! ガンガンミナー!】

「さっきのベルトの音と言い、どうにかなんないかな?」

「こういう仕様みたいだから、何とも言えないかな」

 

雨竜はガンガンセイバーから流れたハイテンションな音声につい苦言を漏らすも、仕様もあってどうにもならないことを告げる。若干、申し訳なさそうだ。

しかしそんな最中でも、ゴーストは一護と斬り合うグリムジョーに狙いを定め、トリガーを引いた。

 

【ダイカイガン・オメガストライク!!】

「ぐっ!?」

 

穂先から収束されたエネルギーの弓が放たれ、それがグリムジョーに見事命中。月牙天衝を素手で相殺する頑強さゆえに倒しきれなかったが、グリムジョーに大きな隙を与えることに成功した。

 

「サンキューな、タケル!」

「ぐぉお!?」

 

そしてゴーストに礼を言いつつ、一護はグリムジョーに一閃。胴に大きな傷を負わせることに成功した。そしてすかさず、瞬歩で高速移動して背後を取る。

 

「今は優先保護しないといけねぇ相手もいるんでな、さっさとケリを付けさせてもらうぜ!」

「がぁあ!?」

 

そしてさらにもう一閃。一護は早期決着のために、畳みかける。しかし、そこでグリムジョーが動き出す。

 

「てめぇ、横やりを入れるんじゃねえ!!」

「しまった!?」

 

グリムジョーも咄嗟に響転で一護から離れ、ゴーストの懐に飛び込んだ。しかし、ロビン魂の力は単なる射撃能力ではない。

 

「何!?」

 

なんと、ゴーストの姿が消えたのだ。それにより一瞬、グリムジョーが驚いて攻撃の手が止まった。すぐに攻撃するも、そこにゴーストはもいなかった。

 

「ロビンフッドは森の木々に紛れて弓で戦うからね、隠形も得意なんだよ」

「なんだと?」

 

ゴーストの声が響くと同時に、グリムジョーを囲むようにゴーストが分身したのだ。そして再びガンガンセイバーを向け、矢で攻撃を仕掛ける。

 

「ちぃ、小賢しい!」

「僕も便乗させてもらうぞ! シャボンカッター!!」

 

そしてその隙を突いて、シーザーもシャボンを飛ばして攻撃する。回転を加えた波紋が円盤状になり、弾く波紋の性質とその回転の力が合わさることで丸鋸状のカッターとして、グリムジョーに迫る。

 

「な、なんだコレは!?」

「頑丈な体らしいからな、遠慮はしない!!」

 

始めてみる波紋に動揺を隠せないグリムジョーに、続けざまに攻撃を仕掛けるシーザー。

 

「ROOM!!」

「な、何これ?」

「ナイスだ、Mrトラファルガー」

 

しかもそのタイミングで、ローの能力が発動して一帯がドームに覆われる。直後、シャンブルズでローがシーザーと入れ替わった。

 

「な!?」

「ラジオナイフ」

 

グリムジョーが驚くのも束の間、ローが技名を呟くと同時に大太刀でグリムジョーを切り刻む。直後、グリムジョーの動体が輪切りにされた。

 

「ダメージは無いが、しばらくは動けないだろ。遺体を手に入れるまで、大人しくしてろ」

「あ、あなたは一体?」

「トラファルガー・ロー。海賊兼医者で、悪魔の実って代物を食って異能を手に入れた。とりあえず、てめぇらの味方だ」

「海賊…見方によっては、英雄になりえそうだね」

「なるほどな。とりあえず、助かったぜ」

 

ローのオペオペの実の力で、グリムジョーは一瞬にして無力化された。雨竜の問いに答えて名乗るローに、ゴーストは感心、一護も礼を言う。

実はゴーストの使う眼魂は、変身者であるタケルが"命を燃やした歴史の英雄達"に憧れる、という思いから偉人でなく英雄の力として使っている。そのため、伝承上の存在はロビンフッドだけだが、同じくアウトローのビリー・ザ・キッドや石川五右衛門の眼魂も存在している。

 

「てめぇら、邪魔すんじゃねぇ…!」

「生憎、戦いだけに専念するわけにいかねぇんでな」

「確か、聖なる遺体って物を敵が狙ってるとか…」

「ああ。遺体同士の共鳴か、持ち主になる者への呼びかけがあれば見つけられるはずだ」

 

グリムジョーからの糾弾に対してのローの答えを聞いて、雨竜は敵の狙いを思い出す。そこにシーザーが戻って来ながら、説明を入れる姿が見えた。

 

「ねぇ。その遺体って、誰を持ち主にするかわかる?」

「とりあえずクリエメイト、お前らとさっきまで一緒にいた異世界人の誰かが選ばれるらしい」

「なるほどな…俺があいつらに着いててもいいか」

 

ゴーストが質問をすると、ローから返ってきた答えを聞いて一護が進言する。

 

「あの4人の誰かに危険が迫るとしたら、あいつらに守るって宣言しちまった俺が着いていてぇ。いいか?」

「構わねぇ。こっちは守るより攻める方が性に合ってるし、どのみち分担作業になる。なら、志願してもらう方がありがてぇ」

「すまねぇ!」

 

そして、一護はローからの許可をもらうと同時に由紀達の方へと走っていった。

その直後…

 

「「ぐわぁああああああああ!?」」

「「きゃあああああああああ!?」」

「え?」

 

電王とルフィ、ゆのと胡桃が吹き飛ばされてきた。いきなりの事態で一同は驚愕するも、4人が飛んできた方角に視線を向けるとそこにドルドーニの姿があった。

 

「やりおるなぼうや(ニーニョ)達。吾輩の帰刃、暴風男爵(ヒラルダ)を使わせるとは」

 

現れたドルドーニは解放済みで、姿が変貌していた。

両肩に備わった角の様な鎧と、両脚の側面から竜巻が噴き出すと言ったものだが、それ以外は元の人型を残している。しかし先ほどの胡桃への攻撃を見るに、蹴り主体の格闘戦が得意なようで、それをより強める姿となったのは厄介だ。

 

「クッソぉ、あの能力厄介極まりねぇな」

「あの蛸足野郎より、何倍も強ぇぞ…!」

 

電王もルフィも、ドルドーニの高い戦闘力に警戒心を強める。しかしその直後…

 

「いたた…あれ?」

 

ゆのが何かを感じ取ると懐から遺体の右腕を取り出す。包んでいる布越しにもわかるほど、強い光を発していたのだ。

 

「この感覚、まさか近くに?」

「ゆの、どうした!?」

 

そこにゆのは、これが遺体同士の共鳴だと察してそのまま駆け出す。事情を知らない胡桃は驚くも、そこにドルドーニは何かに気づいたようだ。

 

「まさか、あそこのお嬢ちゃん(ベベ)は遺体の持ち主か?」

 

ゆのが遺体の持ち主のクリエメイトだと察してしまうが、そのままライダーや他の面々に向き合って臨戦態勢に入る。

 

「遺体の回収は見つけ終わったところで纏めて行えばよいか。それまで、諸君との戦いを楽しませてもらおうではないか」

「へへ、やる気満々みてぇだな。クマ公に守りを任せて、良かったってもんだぜ」

「てめぇがどんだけ強くても、おれは負けねぇからな!!」

 

しかしドルドーニが臨戦態勢を整えても、電王もルフィも狼狽えない。それどころか、ルフィはギア2を使って、遠慮なしの勝負にするようだ。

 

「おっさん、俺も混ぜさせろや!!」

「な!?」

(もう、ラジオナイフから復活しただと!?)

 

しかしその時、グリムジョーが復活してこちらへの攻撃入る。斬魄刀を抜くと同時に、勢いをつけて回転斬りを放つ。全員で咄嗟の回避に成功するも、グリムジョーの復活は戦力差的に厳しい。

 

「ゴムゴムのJET銃!!」

「俺の必殺技パート1!!」

「ぐっ!?」

 

そんな中、ルフィと電王は同時に必殺技を放った。それぞれ、腹と背中に同時に攻撃を叩き込まれた。グリムジョーにも大きなダメージが入…

 

「へぇ、やるじゃねぇか…」

「な!?」

「ウソだろ!?」

 

らなかった。なんと、必殺技同時攻撃を諸に食らってもピンピンしていたのだ。しかも、その状態でグリムジョーは二人の頭を鷲掴みにしてくる。

 

「いででででで!?」

「なんて力してやがる!」

「さっきは不意打ちでムカついたが、一対多の戦いを楽しむって考えりゃむしろ楽しくなってきたぜ!」

 

しかも喚起した様子を見せながら、二人の頭を掴んだ両手でそのまま虚閃を放つ体勢に入った。ゼロ距離で虚閃を放つ彼の得意技、掴み虚閃(アガラールセロ)だ。

 

「マズい!?」

【ダイカイガン! オレ・オメガドライブ!!】

 

しかしゴーストは敵の必殺技を察し、咄嗟にオレ魂に切り替えてベルトのレバーを引く。直後に体は宙を舞い、ライダーキックを放つ。

 

「食らえ!!」

「な!?」

「「今だ!!」」

 

ライダーキックがグリムジョーの頭に命中し、虚閃は阻止されどうにか脱出に成功する。更にローが追撃に入る。

 

「ラジオナイフ!!」

「二度と喰らうか!」

 

しかしグリムジョーがローの姿を見た瞬間、グリムジョーは己の体に霊圧を込める。その結果、ローの一閃はグリムジョーの体を切り裂くことに失敗してしまう。

 

「鋼皮の強度を上げりゃ、どうやら防げるらしいな」

「なに!?(武装色の覇気と同列の力でもあるのか!?)」

 

グリムジョーの予想だにしない防御に、ローは警戒心を強めて距離を取る。

 

「アッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」

 

その直後、グリムジョーが笑い出した。大口を開け、心底愉快そうな様子である。そして電王とゴースト、ルフィとローの4名に視線を向け、語りだす。

 

「まさか、黒崎以外にここまで見込みのある連中がいたとはな! 胡散臭い集団だったが、オーバーヘブン・ショッカーについてきたのは正解だったわけだ!」

 

大喚起するグリムジョーだったが、ここで彼がとんでもないことを始めようとする。

 

「そんなお前らに敬意を表して、俺の帰刃(レスレクシオン)を見せてやるよ」

「!? 麦わら屋に電王屋、やらせるな!!」

 

グリムジョーが帰刃を使うと言った直後、ローは慌てて阻止しようと周りに呼びかける。数字が一つ違いのノイトラが、山すら消し飛ばす殲滅力を発揮した。しかもローは存じてなかったが、蘇生によって倒された直前の強さを保ったままだったノイトラと違い、グリムジョーはその後も生存してより強くなったのである。今止めなければ、危険なことは間違いなかった。

 

「おいおい、そんな味気ないことしてんじゃねえぞ!」

-ズンッ-

「ぐわぁ!?」

「なんだ、これ…!?」

「空気が重く…」

「覇王色に似てるが、何か違う…!?」

 

しかしグリムジョーの霊圧によるプレッシャーに押しつぶされ、阻止することは叶わなかった。そしてそのまま、グリムジョーは右手で構えた斬魄刀に左手を添え、刀身に爪を立てる。

 

「軋れ、豹王(パンテラ)!!

 

そして解号を叫ぶと同時に、グリムジョーは刀身を引っ搔いた。それと同時にグリムジョーの体を竜巻が覆い、皆がそれによって動きを封じられる。

 

『みんな、出てくるよ。気を付けて…』

「あ、ああ…」

「一体、どうなるんだ?」

 

電王は良太郎の人格で周りに呼びかける。すると、竜巻が晴れてグリムジョーの姿があらわになった。

全身を白い外殻で覆い、尻尾を生やし、髪が伸びて連獅子を思わせる物と化す。耳や犬歯が尖って猫背になったことと合わさり、まるで獣人のようだ。

 

「あの背中から蛸足生やした奴と、また違うな」

「ああ。なんか猫っぽいが…」

「パンテラ、一部の地域で豹を意味する単語だったが…」

「豹…ネコ科の動物だし、あながち間違いなさそうだね」

 

変異したグリムジョーの姿に、対峙した4人は思い思いに言葉を発する。しかし、それは直後のグリムジョーの行動で遮られた。

 

-すぅッ-

「!? 全員耳をふさげ!!」

「え?」

 

グリムジョーが深く息を吸う仕草を見せた時、ローが慌てて呼びかける。しかし、ルフィと電王だけ対応に遅れてしまった。

 

「ウォオオオオオオオオオオオオオオオ!」

「ぎゃああ!?」

「耳がいてぇ!?」

 

凄まじい叫び声がグリムジョーの口から発せられたのだ。あまりの音量に、電王もルフィもダメージを負うことになった。しかも、被害はこれだけに及ばず…

 

「ぐあぁああ!?」

「何これ、全身が痛いよ!?」

「衝撃波…まさか、音圧か!?」

「叫び声でこれって、化け物か!?」

 

音による被害は防げても、全身にダメージを与える音圧までは防げなかったゴーストとロー。胡桃も驚愕だ。しかしそんな中でも、グリムジョーはすかさずルフィと電王に攻撃を仕掛ける。

 

「おらよ!」

「なっ…」

「ぎえぇ!?」

 

そして回避する間もなく、グリムジョーの拳を諸に食らうこととなる。その威力に、電王達は上空何十メートルも吹っ飛ばされてしまう。

 

「麦わら屋!?」

「おめぇらも、相手してやるよ!!」

「しまった…ぐっ!?」

 

そして同様に、ローとゴーストも吹っ飛ばされる。そして飛んで行ったローとゴースト、先に飛んで行ったルフィと電王が合流するところに、グリムジョーは先回りしてしまう。

 

「向こうで楽しもうぜ!!」

 

そして回し蹴りで、4人纏めて吹っ飛ばされてしまった。これまた何十メートルという距離で、一気にジョセフ達と分断されてしまった。

 

「現役十刃にぼうや(ニーニョ)達を取られてしまったな……諸君らは吾輩を楽しませてくれるのかね?」

「ドルドーニよ、遊び半分ではこちらも困るのでな。このエンヤも混ぜさせてもらうぞ」

「クソ、こっちに標的を定めてきた」

「一番強力なのが主力にぶつかったことを考えると、ある意味で安全なのか?」

「このおっさんには、私も恨みがあるからな。一緒に戦わせてもらうぞ」

「よーし、みんなで頑張ろう!!」

 

その一方で、雨竜とシーザー、リュウタロスはドルドーニと復活した交戦することとなる。そこに胡桃も参加表明をしたところで、意外な人物たちが現れる。

 

「なんか、スゲェデカい声が聞こえたけどなんかあったのか?」

「ジョジョ、何をしてるんだ!?」

 

なんと、向こうでアーロニーロと交戦ていた筈のジョセフが、こちらに駆け付けてきたのだ。

 

「それが、戦ってた奴がどこかに消えちまってな。長鼻と亀に避難させた奴らを任せて、こっちに来させてもらった」

 

ジョセフが語るも、アーロニーロは意外なところに出現することとなる。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「なるほど。敵がやたらと話してたけど、君が黒崎一護ってやつだね」

「見てるだけでもわかるで…メチャクチャ強いやろ。泣けるくらい」

「死神って聞いてたけど、見た目は完全に侍だな」

「遠目に見てたが、全員味方でいいんだよな?」

 

一護が学園生活部の保護されている現場に合流した時、ウラタロスやキンタロス、ウソップが彼を見て思わず感想を述べる。一護も見た目が異形のウラ&キンタロスについ目が入ってしまうが、先ほどの行動もあって敵とは認識していなかった。

 

「そういえば、聖なる遺体ってのが学園生活部の誰かを持ち主に選びそうって聞いてたんだが…誰か目星はついてるのか?」

「それが、まだなんだよね。一応、遺体のパーツを持ってるとパーツ同士が引き合うらしいんだけど…」

「今こっちに来てる持ち主のゆのっちが、あっちの方に…」

「え?」

 

その際、聖なる遺体について聞いてみるとウラタロスと宮子が話をしようとするのだが、そんな時に由紀が何かを感じ取る。

 

「どうしたの、丈槍さん?」

「今、誰かが呼んで…」

 

悠里が問い尋ねると、そんな返事が返ってきた。そしてその直後、ゆのがこっちに戻ってきた。

 

「皆さん、たぶん向こうに聖なる遺体が! これが共鳴何だと思います!!」

 

そう言いながら、ゆのが走っていく。話していた直後に、遺体が近くにあることがわかったようだ。そしてその直後、由紀も走り出した。

 

「丈槍さん!?」

「ってことは、遺体とやらは向こうなわけか。俺も行ってくる!!」

 

悠里が由紀の走り出したことに驚くと、一護は状況を察して後を追う。

 

「たぶん、コンの奴もどっかに隠れてるはずだから見つけたらふん縛っておいてくれ!!」

 

去り際に、ここに来て姿の見えないコンへの対応を告げながら。そのことに、思わず茫然としてしまう悠里と美樹だった。

 

「…コンって、誰?」

「一護さんって魂だけの状態になることで戦えるらしいんですけど、その間に体に入って守ってくれる相棒さん、かな?」

 

ヒロの問いに悠里が説明を入れる。何気に一護が魂だけの状態と聞いて、一同は内心で驚愕していた。

 

~その頃~

「二人とも、この向こうで間違いないのか!?」

「はい、これが教えてくれるんです!」

「一護、もうすぐだよ!」

 

一護達は三人で走っていると、その先の岩の陰に白い布で包まれた何かがあるのを発見する。ゆのの持つ遺体の右腕と同じ黄金の光を纏っているため、ほぼ確実だ。

 

「あれは…」

 

そして引き寄せられるように由紀が駆け寄ると、それを回収。布をはぎ取ると、そこには乾燥させた臓器と思しきものが入っていた。

―由紀は聖なる遺体の心臓を手に入れた―

「これが、あの人達の探していたもの…」

「よし。早いところ、向こうの奴等と合流に行くか」

「はい。良太郎さんやルフィさん達と力を合わせれば、きっと…」

 

由紀が聖なる遺体を手に入れたことで、当初の目的は達した。後は敵を退けてデンライナーで撤退するのみ、早速他のメンバーの所へ向かおうとするが…

 

「そう易々と、行かせるわけがないだろ!」

「! 伏せろ!」

 

しかしここで、アーロニーロが追い付いてきた。服装でアーロニーロと判別できたが、一護を黒髪にしたような青年の姿で、手に三又槍を持っていた。その槍で水を操って攻撃してきたが、咄嗟に一護が剣圧で相殺する。アーロニーロは気にせず嬉々としたようである。

 

「聖なる遺体、どうやら見つかったらしいな。しかも、別の所で遺体を見つけたガキもいるってことは、一度に二つも手に入るわけだ」

「こいつがおめぇらの目当てらしいからな。見つかるのを待って、張ってたってところか」

 

迫ってきたアーロニーロに、一護は斬月を構えて対峙する。アーロニーロが槍を振るうと、彼の周囲に水が発生して守るように固まる。そんな中、アーロニーロが口を開いた。

 

「そういえば、さっき俺が下級の虚から破面化したって推察してたが、正解だぜ。俺はギリアンから破面に進化したんだ」

「だろうな。で、それがどうしたってんだ?」

「それが9番なんて下の数字とはいえ、どうして十刃になれたのは、さっき話した喰った虚の能力を使えるようになる力のおかげだ。

俺は朽木ルキアと交戦した時点で33650体も虚を喰ったが、そこに当時のルキアの上官"志波海燕(しばカイエン)"と同化した虚を食って、この姿と斬魄刀の捩花を使えるようになった」

 

アーロニーロが話した自分の秘密。しかし、ここからが本題だ。

 

「今はそこから更に増えて、51780体にもなったのさ。そして、帰刃を使えば、その全ての力が一斉に使える…

 

 

 

喰い尽くせ、喰虚(グロトネリア)!!

「「ひぃっ!?」」

 

直後に現れたアーロニーロの変異に、ゆのも由紀も顔を青ざめる。

アーロニーロは胸から下が膨れ上がったかと思いきや、それが丸ごと蛸足を彷彿とさせる、触手の怪物へと変じたのだ。しかも触手の一本一本に、虚の顔と思しきものが浮かび上がっている。

 

「そして、その5万を超える虚の中に周囲を結界で覆う能力を持った奴もいる。今、その力を発動した!!」

「え?」

「あ、空が!?」

 

勝ち誇ったような調子でアーロニーロが叫ぶと、周囲がサイケデリックな色のドーム状結界に覆われていくのが見える。それによって青空はあっという間に見えなくなってしまい、ゆのが気づいた時にはもう手遅れだった。

 

「さあ。お前達はたった3人で、虚の大群と同じ存在である俺を倒さなくちゃいけなくなった。さっさと諦めて聖なる遺体を渡すことを、勧めるぜ!」

 

こちらを脅すように告げるアーロニーロに、一護は無言で斬月を構えなおす。単純な戦闘能力は一護の方が上だが、多彩な能力を操る敵を、ゆの達を守りながら戦うことになってしまう。明らかに、一護の方が不利な状況だった。




『死神図鑑ゴールデン!!』
エトワリアで海賊家業を営んでいる少女ロッテは、現在大ピンチだった。

「こいつら、ふざけた見た目してる癖に強い…」
「なんだ、異世界の海賊ってのは大したことねぇんだな!」

オーバーヘブンショッカーに協力する"偉大なる航路"から来た海賊、"魚人海賊マクロ一味"と交戦していたためだ。
それぞれリーダーでマクロファリンクス(フクロウナギ)の魚人マクロ、海パン一丁のアロワナの魚人タンスイ、間抜けそうな顔の出目金の魚人ギャロの三人組で、マクロ以外の二人は肥満体で弱そうだ。しかし、魚人の基礎身体能力の高さに加え、偉大なる航路の海賊とエトワリアの海賊では基礎戦闘力の差が大きく…

「「「イー! イー! イー!」」」
「「「イー! イー! イー!」」」
「「「イー! イー! イー!」」」
「クソ、こいつらも異様に数が多いぞ!」
「お頭、マズいですぜ!」

加えてオーバーヘブンショッカーから貸し与えられた戦闘員の軍勢で、数の差も歴然である。

「いっちょ旗揚げしようかと思ったが、まさかこんな弱いとは思いもしなかったな」
「あんたらがどこの海で海賊してるか知らないけど、ここらじゃ海賊ってのは運送業や漁師の延長線だからね。今時はそこまで荒事しないんだよ」
「へへへ、なら尚更おれ達の天下は間近ってことか!」

ロッテの口からエトワリアの海賊の実情を聞いたマクロは、機嫌良さそうに笑い声をあげる。しかし、調子に乗ってるためかすぐに罰が当たることとなる……




吼えろ、蛇尾丸(ざびまる)!!
三百六十煩悩鳳(さんびゃくろくじゅうポンドほう)!!
「「「イー!?」」」

突如、何者かの攻撃によって戦闘員達の過半数が消し飛んだ。突然の出来事にマクロ一味もロッテ海賊団も激しく動揺すると、攻撃した者達が船へと飛び乗ってきた。

「攻撃した後であれだがよ、さっきの全身黒タイツが敵でよかったんだよな?」
「わかんねぇが、おれ達と敵対するなら両方斬っちまえばいいだけだろ?」

現れたのは二人の剣士で、黒い着物に赤い髪、手に巨大な鋸のような刀を持っている。額には鉢巻きの様に手ぬぐいを巻いており、その下には派手な刺青が目立つ。
その隣には緑の短髪と緑の着流しが目立つ隻眼の剣士で、手に持った刀と別に腰にも二本、合計三本の刀を持っているのが特徴的である。
この二人のうち、緑髪の剣士の方にマクロ一味は見覚えがあった。

「ああ!? ハチと一緒におれ達の邪魔したマリモ頭!!」
「ロロノア・ゾロだ! てめぇらまでマリモ言うんじゃねぇ!!」
「ま、マリモ…た、確かに似てるな…!」
「てめぇも初対面のくせに笑ってんじゃねえ!!」

髪形でマリモ呼ばわりされてキレる緑髪の剣士。赤髪の侍も、ツボに入ったのか笑いをこらえている。
この緑髪の男の名はロロノア・ゾロ。ルフィの仲間の一人で世界最強の剣豪を野望に抱く男だ。両手と口で剣を構える三刀流の剣を操るが、二刀流や一刀での居合も使いこなす凄腕剣士だ。ルフィの仲間になる前は海賊の賞金で生計を立てていたため、"海賊狩り"という二つ名を貰っている。

もう一人の赤髪の侍の名は"阿散井恋次(あばらいれんじ)"。一護の仲間の死神で、死後の世界"尸魂界(ソウルソサエティ)"の戦闘部隊である護廷十三隊の六番隊副隊長である。一護に死神の力を授けた死神の少女、朽木ルキアとは幼馴染の関係に当たる。
斬魄刀"蛇尾丸"は鞭の様にしなる蛇腹剣となっており、近接戦では機動が読みづらくリーチもある攻撃を可能とする。

ちなみにマクロ一味は以前、因縁のあるタコの魚人はっちゃん(ハチが仇名)と麦わらの一味と交戦したことがあったため、記憶に残っていたようだ。
※はっちゃんが瞬殺したため直接戦ってはないが。

「恋次、本当のことでも笑うでない! 成り行きとはいえ、今は共闘する仲であろう!!」
「てめぇ、チビ助!! マリモの部分は否定しねぇのか!?」
「おいマリモ、ルキアちゃんに怒声浴びせてんじゃねぇ!!」
「てめぇは今関係ねぇだろ、エロコック!!」

そんな中、こちらに近づく船から声をかける二人の人物と口論になるゾロ。
紫の瞳と黒髪セミロングの小柄な、侍風の装束を来た少女。こちらが件の朽木ルキアである。恋次とは流魂街という尸魂界の貧民街のような場所で過ごした幼馴染だが、現在は大貴族の朽木家に養子に引き取られ、その後は護廷十三隊の十三番隊に配属。現在は副隊長の座についている。

もう一人は金髪で片目が隠れた無精髭の男前だったが、眉毛が渦を巻いているという特徴な顔立ちをしている。
麦わらの一味でコックをしている"黒足のサンジ"だ。黒いスーツと革靴を愛用し、コックは手が命という信条から手を傷めないよう蹴り主体の格闘戦で戦うためこの異名が着いた。そしてサンジは極度の女好きで"死んでも女は蹴らん"を信条とするフェミニストでもある。なのでゾロの怒声も納得がいかなかったようだ。

そしてそんな一同が乗るのは、デフォルメしたライオンの顔を船首にした巨大な船。麦わらの一味の海賊船"サウザンドサニー号"という。名付け親が船首を太陽と勘違いしたことから、「過酷なる"千の海"を"太陽"の様に陽気に越えていく」という願いを込めてのことだ。

「あの船がいるってことは、麦わらがここにいるのか!?」
「懸賞金四億ベリーになったとか聞いたが、やべぇぞ!?」
「そうでなくても他の連中も滅茶苦茶強かったはず!」
(懸賞金四億!? その麦わらって人、何やらかしたの…?)

マクロ一味がサニー号を見て慌てふためくが、その時にルフィの懸賞金の額が聞こえてロッテは仰天した。ロッテが語ったように、今エトワリアの海賊は無法者や略奪者というわけではない。なので、そんな破格の懸賞金を懸けられたルフィの存在は、畏怖の対象になり得たのだ。

「いや、今うちの船長は他の船員二名と同盟の船長と一緒に行方不明中だ」
「あ、そうか…だったら僅かにも勝ち目があるか!」

しかしゾロの口からルフィ達が行方不明なことを聞いて自信を取り戻すマクロ。そして指を鳴らし、更に増援を呼び出す。

「「「イー! イー! イー!」」」
「「「イー! イー! イー!」」」
「「「イー! イー! イー!」」」
「今、おれ達はある組織に協力したことで戦力を貸し与えられたのだ! この数の暴力で押せば、万が一にも勝ち目はある!」
「おれも魚人空手の腕を磨いて、今や三十段の領域だ! バラバラにしてやるぜ!!」
「おれも対ハチ用に編み出した金魚剣術に改良を重ねまくったからな。それをもって、この海を血で赤く染めてやる!!」

そのまま臨戦態勢に入るマクロ一味に、ゾロも恋次も警戒した。そこにルキアとサンジも飛び入り、マクロ一味を迎撃しようとする。
のだが……

「な、なんだ?」
「突然、雲行きが…」
「おい、おめぇらこっちに来い!」
「え、ああ…」

突然、マクロ一味の頭上に黒い雲が出現して困惑し始める。ゾロがロッテに呼びかけると、何か尋常じゃないことが起こると思ってすぐに駆け出す。

サンダー=ボルトテンポ!!
「「「イー!?」」」「「「イー!?」」」
「「「イー!?」」」「「「イー!?」」」「「「イー!?」」」
「「「イー!?」」」
「「「イー!?」」」「「「イー!?」」」
「「「アビャビャビャビャビャビャビャビャビャビャビャビャ!?」」」

女性の声で技名を叫ぶと同時に、黒雲から稲妻が落ちて戦闘員達を全滅。マクロ一味も諸に食らって感電してしまった。
そしてすかさず、ルキアが斬魄刀を発動した。

舞え、袖白雪(そでのしらゆき)

ルキアの斬魄刀は形状こそ解放前と変わらないが、刃も柄も白い美しい刀へと化す。そして感電しているマクロ一味の周囲を舞うように、地面に円を描いた。

初の舞(そめのまい)月白(つきしろ)

そのまま技名を呟くと、円の中にいたマクロ一味が一瞬で氷漬けになった。
その一方でサンジは何故か高速回転しているのだが、それが終わった瞬間に彼の右脚がオレンジの炎を纏って輝いているのが見えた。

悪魔風脚(ディアブルジャンブ)

そしてそれだけ呟くと、氷漬けのマクロ一味の元に飛んで行き…

画竜点睛(フランバージュ)ショット!!

必殺キックを叩き込んで、マクロ一味を天の彼方へと吹き飛ばした。高熱を帯びた蹴りは冷凍された一味を一瞬で解凍してしまい…

「「「今日の所は勘弁してやらぁあああああああああ!?」」」

意識を取り戻した彼らが負け惜しみを叫びながら吹き飛んで行ったのが見えた。

「みんな、お疲れ様!」

直後にサニー号から飛び乗ってきたのは、ウェーブのかかったオレンジ髪のセクシー美女だった。下はちゃんとズボンを履いているも、上半身はビキニオンリーで豊満なバストを強調しているスタイルだ。
彼女は一味の航海士"泥棒猫ナミ"だ。先ほどの雷撃は、ウソップが作成した彼女の得物"天候棒(クリマ・タクト)を用いることで使用した技だ。他にも蜃気楼など、天候に由来した技をこれで行使するため航海士にはぴったりな武器である。

「ナミすわぁああん、おれやりましたよぉおおお!!」
「本当、この男は女なら誰でも良いのだな…」
「うちのエロコックがすまねぇな」

眼をハートにしながらナミに詰め寄るサンジに、ルキアもゾロも呆れていた。その一方でロッテが近寄ってくる。

「あの、助けてくれてありがとう。メチャクチャ強いんだね…」
「おめぇら、あんま強そうに見えねぇけどよく海賊なんてやってるな」
「さっきあいつらにも言ったんだけど、ここらの海賊は漁師や運送業の延長線みたいなものなんだ。昔ほど荒事はやらなくてね」

ロッテが礼を伝えると同時にエトワリアの海賊事情をゾロに話す。すると今度は、サンジがロッテの方に近寄ってきた。

おお、美しいお嬢さん。貴女、その帽子からしてこの船の船長とお見受けします。おれはサンジ、あの船でコックとして勤めているのですが、良ければお名前を教えていただいてもいいですか?
「え!? 美しいだなんてそんな…ロッテっていいます
ロッテさん! ああ、なんて可愛らしいお名前…天から二物も三物も与えた素晴らしき…
「はい、サンジ君。この子に話があるから、いったん下がって」

サンジがロッテにナンパし始めたのでナミがとりあえず止める。そして話を振るのだが、ここでサンジ以外の面々が寒気を感じ取った。

「私、ナミっていうんだけどあの船で航海士やってるの。で、今うちの船長が行方不明だからとりあえず代理やっててね」
「あ、そうなんだ。貴方のおかげで助かったわ(すっごいスタイルいいわね…)」

内心ナミのスタイルにうらやましさを感じていたロッテだったが、その提案は不意にナミから出された。

「あんた達、荒事慣れしてないらしいからあたし達が用心棒になってあげようと思うんだけど……





報酬にそれなりの額とこの辺りの海図、もらえないかしら? 突然知らない海域に飛ばされちゃったみたいでね…

とんでもなく悪そうな笑みでロッテに交渉を持ち掛けてきた。

「ひっ!?(まさか、これが目的? 気を許すの早まっちゃった!?)」

余りの戦闘力の高さに、戦慄して取引を飲まざるを得ないロッテ。

「なるべく派手に戦えって言ったのは、これが目的だったわけか…」
「あまり、敵に回したくはないな…」
「金と損得がらみの話をこいつの前でするなよ。命が惜しかったらな」
「同じく未知の世界に迷い込んだ同士、一緒にやっていこうと思ったが…早まっちまったみてぇだ……」

小声で話す恋次、ルキア、ゾロの三名。エトワリアに飛ばされていきなり遭遇した一護の仲間と麦わらの一味は、こうして一緒に協力することとなった。果たして、彼らとロッテ海賊団の運命は如何に?

この後、船で待機していた残りの一味と顔合わせしてロッテが腰を抜かしたは、また別の話。
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