仮面ライダー&ジャンプフォース 平成ジェネレーションズHeaven inきららファンタジア   作:玄武Σ

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半年以上放置して申し訳ない。ちょっと普通に2万字近くいく回が増えそうなので、各章ごと3話で完結スタイルを辞めようかと思います。私用で忙しかったりもしたのですけど、やはり1話辺りが長くなるのでそれで上手くかけないのもあったり…

次回でウィザード編の完結予定なので楽しんでいただけたら幸いです。


第47話「対決・悪のカリスマ」

クリエメイトと別世界の仮面ライダーや戦士達と、無事に合流できた操真晴人。しかしそこでオーバーヘブン・ショッカーからの刺客との戦いが始まってしまった。

 

「さあ、ショータイムだ!」

「勝利の法則は決まった!」

「今の俺は負ける気がしないぜ!」

 

先に駆け出したビーストに続きウィザード、ビルド、クローズも駆け出す。

 

「我らが蘇った今こそ、アクマ族の悲願を達する時!」

「で、ござるな!」

「ぶちのめしてやるんだなぁあ!!」

 

そこにアクマイザーの三人も手にしたサーベル、ジャンケルを構えて駆け出す。そしてザタンはウィザードとビルド、イールはビースト、ガーラはクローズとそれぞれ対決に突入する。

 

「仮面ライダーの皆さんだけに戦わせるわけにいかない。僕らも行こう!」

「ああ! ここで見てるだけなんて、魔法騎士の名折れだ!!」

「ディオがいるなら僕も戦わないわけにいかない。行くぞ!!」

 

そこで仮面ライダー一同に感化され、出久とアスタ、そしてジョナサンも駆け出す。

しかしそれに反応するように、ディオが指を鳴らした。

 

「「でぁらぁああああああああああああああああああああ!!」」

「「「な!?」」」

 

すると血色の悪い二人の男が出久達に襲い来る。咄嗟に飛び退いて攻撃を回避するも、現れたそいつらに戦慄することとなる。

 

「な、なんだこいつ等?」

「いろいろと普通じゃねえ……たぶん、魔導士とかじゃないだろうけど」

「おそらく、ディオに屍生人にされた人間だろう」

 

その二人組は大量のメスを持った髭の大男とズタ袋を被った奇人で、どちらも血色が悪い上に異常なまでに興奮している。しかも後者の男は、ズタ袋の下で何かが蠢いている。石仮面で吸血鬼になった者の能力の中に、自身の体液を取り込ませた人間を従順な屍生人に改造するという物があるため、血色の悪さはそれによるものだろう。

 

「その通り。そいつらはジャック・ザ・リパーと怪人ドゥービー、おれの体液を与えて吸血屍生人に改造した下部どもだ」

「……一人、俺の世界の騎士団長に似た名前の奴がいるな」

「そうなのか!? でもジャック・ザ・リパーといえば、最近話題の殺人鬼と同じ名前じゃないか!」

 

アスタが名前に反応した直後、ジョナサンも食いついた。

ジャック・ザ・リパー

かつてロンドンを騒がせた娼婦専門の連続殺人鬼で、日本でも切り裂きジャックとして名を知られている。最近になって消息を絶ったそうだが、どうやらディオによって屍生人に改造されたようだ。

クローバー王国の魔法騎士団長の一人にも、似た名前のジャック・ザ・リッパーという男がいる。翠緑の蟷螂(とうろう)と言う騎士団を率いており、腕に魔力で生成した刃を生やして斬りかかる"裂断魔法"を操る。

 

「さらに、ダメ出しだ」

パチンッ

「「「KYAAAAAAAAAHHHHHH!!!」」」

「「「WRYYYYYYYYYYYYYYY!!!」」」

 

直後、ディオが指を鳴らすと同時に大量の屍生人が出現した。

 

「勢力を拡大している途中でこの世界に来ることになったのでな。屍生人の半分以上はこの世界で作らせてもらった」

「ウソだろ、こいつ……!!」

 

ディオから衝撃の発言がなされる。つまり、すでにエトワリア各地で吸血鬼ディオの被害が出ていたのだ。

 

「これだけの数の人を襲ったなんて……あなたも元々人間だったのに、なんでこんな酷いことを!?」

「そうだよ! なんでそんな悪いこと出来るんですか!?」

「酷い? お前達は今まで食ったパンの枚数を覚えているのか?」

「「え……」」

 

出久とココアから糾弾の声があがるなか、ディオからの返しに何も言えずにいた。しかし、そこでいまいち理解していない人者が一人。

 

「パン? 人間とパンで何でそうなるんだ?」

「頭の弱いモンキーも混じってたか……特別にわかりやすく言ってやる。おれにとって他人など、パンと同じで日ごろの食い物だということだ」

 

その人物であるアスタに、律儀に説明してやるディオ。そこでようやく理解したアスタも、ついに激情に駆られることとなった。

 

「ふざけんな! お前だって元々人間だったらしいから、同じ人間を食うことに戸惑わないなんてあるわけねぇだろ!!」

「戸惑う? おれは人間をやめて全てを超越した、やがて世界の支配者になる男だ。人間なんぞ全ておれの僕、もしくは道具でしかない」

 

しかしそんなアスタの怒りにもあっけらかんとした態度で返すディオ。そんな中で更に怒りを燃やすこととなるも、スピードワゴンが制止を駆ける。

 

「アスタの坊ちゃん。奴はゲロ以下の臭いがプンプンする、吐き気を催す邪悪だ。まともに聞くだけ無駄だぜ」

「でも…」

「それに聞いた感じ、魔法騎士っていうのはそういう存在から国を守る戦士なんだろ? なら、やることは一つしかないんじゃないか?」

 

そしてジョナサンから続けて聞かされた言葉に、ハッとする。それに伴い、アスタの頭も冷静になっていった。

 

「…! いけねぇ、飲まれるところだった。ありがとう、ジョナサンさんにスピードワゴンさん」

「気にしなくていいさ。それと、呼びにくいだろうからジョジョでいいよ」

「そうだぜ。おれも呼び捨てで構わねぇさ」

「話しが終わったなら行くぞ、アスタ。オレも驚いたけど、聞いてて踏ん切りついた」

「そうね。まだ修行の途中だけど、成果を確認するのもいいかもしれないし」

 

ジョナサン達の言葉で覚悟が決まった、アスタ達3人。すると、何処からか少女の声が聞こえた。

 

「そうね。折角私も暴牛の一員になったわけだし、ここで魔法騎士の責務を果たすのもありかもしれないわ」

「? お茶子ちゃん、何か言った?」

「いや、何も。っていうか、ココアちゃんじゃないの?」

「二人でもないなら、誰が……」

 

少女の声はココアとお茶子そっくりで、2人もお互いが喋ったと思っているようだ。皆が困惑していると突然、近くを飛んでいたネロがいきなり黒い靄に包まれる。

全員がギョッとしていると、靄の中から少女が現れたのだ。黒の暴牛のローブを纏い、側頭部に小さな角を生やした黒髪の少女である。

 

「……誰?」

「ネロよ。訳あって鳥の姿になってたけど、こっちが本当の姿なの」

 

例のココア&お茶子のそっくりな声音の人物が、まさかのネロであったことに驚く一同。すると、そこでノエルから簡単に説明がなされる。

 

「そういえば伝えてなかったわ、ごめんなさい。私達も最近知ったんだけど、ネロは元々人間だったんだけど、禁術を使った代償で鳥の姿になってたの」

「黙ってたのは、不義理だったわね。私からも謝罪するわ」

 

ノエルとネロ自身で一同に謝罪するも、謝罪された側からは特段気にした様子も無い。それどころか…

 

「確かにビックリしましたけど、ネロちゃんがそれを利用して悪いことしたわけでもないし気にしないでください」

「そうそう! それに私のモットーは出会って3秒で友達だから、とっくにネロちゃんとも友達だからね!!」

「Yes! 2人の言う通り、私達もとっくにネロと友達デース!!」

 

忍、ココア、カレンの3人がそれをネロとノエルに伝えると、他のクリエメイト達も頷く。その光景に雄英組もつい微笑ましく思うのだった。

 

「この俺を前にそんな談笑してるヒマないんじゃないかな!」

 

そんな中、好戦的な笑みを浮かべながらディオが迫って来る。石仮面で吸血鬼となったことで得た、桁違いの剛力で忍&ココアに殴り掛かろうとしてきた。

 

「ディオ、お前の相手は僕だ!」

「おっと!?」

 

しかしそこにジョナサンが波紋を纏わせた拳を振るい、乱入する。ディオにその一撃を回避されてしまった。

 

「Act.1!!」

「くっ!?」

 

そこにジョニィもスタンド能力による爪弾で追撃をかける。肩に掠ってダメージを負ったようだが、すぐに回復してしまった。

 

「ツェペリさんにスピードワゴン、ディオは僕達で抑えておくから彼女達をお願いします!」

「ジャイロも頼む。ディエゴに似たあいつを、僕も放っておけないみたいだ!」

「ああ、二人とも気を付けてくれ!!」

「うむ。ジョジョ達よ、健闘を祈っとるぞ」

「俺の分もぶちかましてくれや、ジョニィ!」

 

そしてジョナサンとジョニィは、仲間達に後を任せてディオに向き合う。ジョニィに呼びかけられて駆け付けたジャイロも、愛馬ヴァルキリーに跨ったまま鉄球を構えている。

 

「まあいい。ジョジョ、それにジョニィとかいったな? お前達ジョースター家を葬り去るいいチャンスでもある、ここで相手になってやろう!」

 

一方のディオも、因縁の相手との決着に乗り気らしい。そのままジョナサンとジョニィは、ディオを迎え撃つべく立ち向かう。

 

「アフフフフフフフフフフ! それじゃあ僕も待ちくたびれたし、始めさせてもらうね」

 

そんな中で律儀に待っていたらしいリルが絵筆を取り出すと、それで虚空に絵を描きだしたのだ。その様子を見て、ふとアリスが気になったことをユノに尋ねた。

 

「ねぇ、ユノ……あの人、騎士団長って言ってたけどどんな魔法を使うの?」

「あいつの使う魔法だが……」

「よし、出来た!!」

 

そして説明しようとした矢先、リルの描いていた絵が完成する。直後……

 

絵画魔法”幻竜ヴィーヴルの叫び”!!

 

描かれた絵から、人間の女性の顔をしたドラゴンが実体化し、ブレスで攻撃してきたのだ。

 

「「「えええええええええええええええええええええ!?」」」

「全員散れ!!」

 

一同が仰天していると、焦凍が咄嗟に呼びかけたおかげで何とか回避に成功する。そこでユノからリルの魔法の説明がなされるも、とんでもない詳細が判明する。

 

「奴の魔法は絵画魔法、魔力で生成した絵の具で描いた絵を実体化させて攻撃するって代物だ」

「流石は魔法…個性やスタンド以上に出鱈目だね」

「クソナード、感心してる場合じゃねぇぞ!」

「アフフフ、目つきの悪い彼の言う通りだよ!」

 

リルのとんでもない魔法に出久が感心し、勝己がそこに悪態をつく。しかしそんな中でもリルは次の攻撃の準備を終えていた。

 

絵画魔法”炎と氷の双嵐(ドュータンペット)”!!

 

虚空を赤と青の二色で塗りたくったと思いきや、そこからそれぞれ炎と冷気が噴出して一同に襲い来る。描いた絵の実体化は、一人一属性が原則とされるクローバー王国の魔法を覆す力だったのだ。それぞれの属性を連想する絵を描けることが条件だが、その才こそ彼を魔法騎士団長たらしめるのであった。

 

「爆豪、俺達で抑えるぞ!!」

「主導権握るな、半々野郎!!」

 

そして咄嗟に焦凍が勝己に呼びかけ、勝己も文句を言いながらも対応。それぞれで爆炎と冷気をぶつけて、リルの魔法を相殺する。

 

「アフフフフフフフ、DIO様の言ったとおりだ! 魔法も使わずにそんな力を使えるなんて、個性やスタンドって興味深いね。でも、だからって手加減しないよ!!」

「それはこっちの台詞だ、筆頭! 未来の最強ヒーローを舐めんじゃねえ!!」

 

規格外の敵の襲来に、警戒を強める雄英組。同様に彼を知る魔法騎士達も、その実力からやはり警戒することとなった。そんな中でも勇んでいる勝己は、相変わらずのようだ。

そんな中、突如として勝己と焦凍を囲むように4体の屍生人が出現した。

 

「かっちゃん、轟君…!?」

「リルだけが相手じゃねぇってか…」

 

出久とアスタも勝己達を助けようとするも、ジャックとドゥービーが襲い掛かって来る。他の面々にも屍生人が来襲し、分断されてしまった。

しかしそんな中、ツェペリが勝己達に呼びかけた。

 

「屍生人どもは普通の火で焼いても再生してしまう。じゃが、お主達の能力なら再生が追い付かん勢いで奴らを焼き尽くせるかもしれん! 人間賛歌は勇気の賛歌、お主達の勇気を信じるのじゃ!!」

「ああ、わかった。それにしてもこいつ等…」

 

ツェペリのエールに冷静に返す焦凍。そんな中で屍生人達を改めて見てみると、4体とも金属パーツや別の生物のパーツをつなぎ合わせているようで、異形化している。

 

「おれの名はペイジ!」

「ジョーンズ!」

「プラント!」

「ボーンナム!」

((自己紹介し出した?))

「「「「血管針攻撃!!」」」」

 

名乗った4体の屍生人達は、自らの血管を触手のように伸ばして二人に突き刺そうとしてくる。しかし、名乗りやらなんやらで大きく隙を作ってしまったのが、運の尽きだった。

 

膨冷熱波!

「「「「ぎゃあああああああああああ!?」」」」

 

屍生人達は、焦凍の技で起こした爆風によって天高く打ち上げられた。半冷半燃の冷気で空気を冷やし、炎で温めて空気の熱膨張による爆風を起こしたのだ。

 

「爆豪、とどめ頼むぜ」

「言われるまでもねえよ」

 

そしてとどめを勝己に譲ると、勝己も個性の爆炎による推進力で飛翔。打ち上げた血管針カルテット達にとどめを刺しに行く。

 

榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)!!

「「「「グゴゲェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!?」」」」

 

そして錐揉み回転しながらの突撃爆破で、屍生人達を木端微塵に吹き飛ばす。バラバラになった4体は、そのまま焼き尽くされていく……

 

 

 

 

 

 

「せめて、てめぇだけでも屍生人に…」

「な、てめぇ!?」

 

しかし、右腕と頭だけのペイジが勝己の腕をつかんでおり、道連れにしようとしてきた。だが、その時!

 

「風魔法"暴嵐の塔"」

「ぎにゃああああああああああああああ!?」

 

後を追ってきたらしいユノの魔法で、そのままペイジは更に天高く打ち上げられる。風に煽られて体に付いた火の勢いも増し、遥か上空で焼き尽くされたのだった。

 

「無事か?」

「余計な事すんな! あんなの、俺だけで十分だっての!!」

「アンタ、ユノが助けてあげたのにその言い草なんなの!?」

 

助けてくれたユノにまで噛みつく勝己に、不満を隠せずにいるベル。しかしユノはそんな様子を気にする様子も無く、そのまま勝己の手を引き……

 

「それだけ啖呵キレるなら大丈夫そうだ。手伝ってくれ」

「あ、てめぇ!!」

 

有無を言わせず協力させようとしていた。

 

~同時刻・出久とアスタ~

「どうやら、オレ達でこいつらを倒さねぇといけないらしいな」

「うん。僕達で戦兎さん達の救援に行かないと…」

 

二人は後ろに忍とココアを守るように、目の前のジャック&ドゥービーと対峙する。そんな中、不意にドゥービーからの攻撃が入る。

 

「うわっはぁあああああああ!!」

「「なっ!?」」

「「ええっ!?」」

 

ドゥービーの被っているズタ袋を突き破って、何かが襲ってきたのだ。

 

「アブねぇ!?」

 

しかしアスタが瞬時に剣を振って、それを叩き落す。そしてそれをよく見てみると…

 

「これ、蛇か?」

「しかも、これってコブラだよね? あの毒蛇の」

「そうか、屍生人なら体に毒蛇を絡ませても問題ないのか…」

「でも、大きさ的にあの袋に入りきらないですよね?」

 

出てきたものの正体について口々に語っていると、ドゥービーが被っていたズタ袋を外す。そして袋の下の顔は、見るもおぞましい物であった。

 

「「ひぃっ!?」」

「「うげっ!?」」

「ぬウフフフフフフ、たまげたかぁああ!」

 

なんとドゥービーの頭のそこかしこに穴が空いており、そこから無数の蛇が顔を出していたのだ。更に左目を突き破ってもう一匹蛇が顔を見せている。なんとこいつ、自分の頭で蛇を飼っていたのである。

 

「ドゥービー、おれにもこいつらを切り刻ませろや…」

「わりぃわりぃ、次譲るぜ」

 

そんな中、今度はジャックが動き出す。しかしこいつも常軌を逸した行動を取り出したのだ。

 

「ぬぅん!」

「ええ!?」

「こ、今度は自分の顔を刺しやがった……」

「「い、痛そう(です)…」」

「ディオ様に楯突く悪い子達め、ばらして骨ごとベロベロしてやる…」

 

更にジャックがポーズを取ると、なんと体の中から大量のメスが出現する。どうやら体中に埋め込んでいたようだ。

 

絶望ォーーーに身をよじれィ虫けらどもォオオーーーッ!!

 

そしてそれを射出して攻撃してきた。

 

(落ち着け! さっきの毒蛇と同じだ、飛んできたメスの氣を読んで叩き落す!!)

 

アスタはジャックの攻撃を対処しようとする。

黒の暴牛の団長ヤミ・スケヒロが教えてくれた、生物無機物問わず存在する万物の呼吸"氣"を第六感で察知する技術。それを使って飛んできたメスに対処しようと、断魔の剣を構えるアスタ。この間、0.5秒。

 

「デラウェアスマッシュ・エアフォース!」

「おおっ!?」

 

しかしそれより早く、出久の攻撃が飛んできたメスをはじき飛ばした。ワン・フォー・オールで強化された筋力で、衝撃波を飛ばしたのである。サポートアイテムで指向性を持たせ、デコピンで狙いを定めて撃ったため、ピンポイントでメスを撃ち落としたのだ。この行動にアスタも驚いた。

 

「「どぅおっ!?」」

 

しかもその後も勢いが収まらず、ジャック&ドゥービーを纏めて吹き飛ばした。そんな中、出久は個性の行使で身体能力を強化して突撃していった。彼はこの街に来る前、ツェペリから聞いた話死を思い出す。

 

『石仮面は被った人間の脳に骨針を突き刺すことで、その者の脳の未使用部分を開発して吸血鬼に作り変える。それはつまり、脳を潰せば吸血鬼を波紋以外で吸血鬼を倒すことが可能とうことでもあるのじゃ。勿論、屍生人も同様じゃろう』

(なら、僕の個性で彼らの頭を潰せるパワーを引き出せば……この人達、ゾンビってことは一度死んでいるってことだ。大丈夫、僕で倒しても殺したことにならない!)

 

異形化した相手とはいえ、相手の命を奪うことに抵抗のあった出久。職業ヒーローとしても殺しは御法度だろう。しかし、相手がすでに死んでいるので倒しても殺しにならないと言い訳してジャックの頭を蹴り砕こうとする。

しかしその思案をする最中に隙を作ってしまい、そこを突いてドゥービーが動き出した。

 

「隙だらけだぜ、ダボがぁああああ!!」

「なっ(しまった!)」

 

ドゥービーが飛び掛かって、頭で飼っている毒蛇を嗾けようとするのが見えた。空中で攻撃態勢を取っていたために回避できず、毒蛇の餌食になりそうになる出久。

 

「海竜の水鞠!」

「どへっ!? 誰りダァ~!?」

 

しかしその直後、ノエルによる水属性魔法での攻撃を食らって撃ち落とされるドゥービー。そしてそれに気を取られた隙をすかさず、ネロが行動に出た。

 

封緘魔法(ふうかんまほう)"憂瞑(うれいつむり)"

「だべっ!?」

 

駆け出して来たネロが、ドゥービーの体に触れて魔法を使用する。彼女の魔法が発動した瞬間、なんとドゥービーの頭中に空いた穴と言う穴が閉じられたのだ。

 

「私の魔法は物を開け閉めする封緘魔法、扉の鍵だろうと魔法による封印だろうと自在に開け閉めできるわ。今のも本来は、その応用で傷口を閉じることで回復する魔法なのだけど…」

「頭の傷を閉じて蛇を出れなくしたか。ナイスだ、ネロ!」

「えええええ!?」

 

解説の直後にアスタの声が聞こえたと思いきや、なんと彼が空を飛んできたのだ。断魔の剣をサーフボードのような乗り物にして、その上に乗っているのだ。ちなみに、ココアと忍も乗せている。

 

「イズク、掴まれ!」

「う、うん!」

 

そしてそのままアスタの腕をつかみ、一緒に飛んでいく出久。

 

「どっちみち、オレ達じゃ相性悪いからな。なら、リルの方を優先した方がいいだろ!」

「操られてるんなら、聖なる遺体で何とかなるからね!」

「向こうにカレンもいるみたいですし、早く合流しましょう」

「そ、そうだね…(アスタ君、さっきも落ち着いてたし僕より実戦慣れしてるのかな?)」

 

そのまま離れてしまったカレンと合流しつつ、操られたリルを倒して正気に戻すことに専念することとなった一同。

 

「それじゃあ、私達も離脱するわよ」

「ええ。相性も悪いし…」

「「よくもやってくれたな、このクソアマども!!」」

「「しまっ…!?」」

 

そしてノエルとネロも離脱しようとした矢先、ジャックとドゥービーが怒りの形相で迫ってきた。突然の事態に驚き、対応できずにいた二人。

 

 

 

 

 

 

 

 

レシプロ エクステンド!!

「「えべっ!?」」

 

しかしその時、天哉が超加速してこちらに接近。その勢いを乗せたキックを叩き込んでジャック達を吹き飛ばしたのだ。

 

波紋乱渦疾走(トルネーディオーバードライブ)ーっ!!

「「ぐべぇっ!?」」

 

そしてその吹き飛ばされたジャックとドゥービーを、波紋を纏ったツェペリの錐揉み回転キックが穿つ。波紋を流され、二体の屍生人の体が溶けだした。

 

「「ぎぇえええええええええええええええええええええええええええ!?」」

 

そのまま断末魔を上げながら、ジャック・ザ・リパーと怪人ドゥービーはこの世から消滅したのだった。

 

「中々に良い蹴りじゃったな。体幹や肺も相当鍛えておるようじゃし、良い波紋使いになり得そうじゃわい」

「ありがとうございます。けど俺は、同じくヒーローだった兄の意志を継ぐつもりなので遠慮しときます」

 

ツェペリに称賛されながらも、波紋使いへのスカウトをきっぱり断る天哉。とある(ヴィラン)との戦闘で再起不能の重傷を負わされた兄の後を継ぎ、ヒーローになることを決めていたからだ。

 

「嬢ちゃん達、大丈夫か?」

「あ、はい。おかげで…」

「助かったわ。ありがとう」

「良かった…それじゃあ、みんなと合流しようか」

 

そしてツェペリと天哉に先導され、ノエルたちも移動を開始した。

 

 

~同時刻・リゼと陽子~

「マズいな。このままじゃ、ジリ貧だぞ…」

「だね。私達じゃ、こいつらを上手く倒せそうにないし」

 

一方、分断された一同の中でリゼと陽子はコンビで迫って来る屍生人達を払いのける。槍と盾での守りに秀でた武装のおかげで特にダメージも無いが、二人の膂力だと屍生人の頭を潰すことは出来ないし、魔物と異なり人間の原型を残すため、もともと普通の女子高生だった二人には抵抗もあった。

そんな戦いづらい相手を前に、次第にピンチに陥っていそうになる。しかし…

 

「おっし、加勢に来たぜ!!」

「仁藤さん!?」

 

そこにビーストが駆けつけてきた。ビーストは右手に握った、柄にダイスの埋め込まれた剣"ダイスサーベル"を振るって屍生人達を退けていく。イールと戦っていた筈の彼の出現に、リゼも驚く。

 

「仁藤さん、さっき戦ってた相手って…」

「お前らがピンチみたいだったから、振り切って助けに来た。ってわけで、こいつらも俺で倒させてもらうぜ!!」

 

リゼに軽く事情を説明し、ビーストもウィザードのように指輪を付け替えた。そしてバックルの側面に指輪をはめ込む。

 

【カメレオン!ゴーッ!カカッ・カッ・カカッ・カメレオー!】

 

緑の魔法陣が展開され、ビーストの体を通過する。しかしウィザード程大きな見た目の変化が無く、元の姿のまま右肩にカメレオンの顔の意匠がある、緑の肩マントが装着された。

 

「あれ? あんまり変わってない…」

 

陽子が、ビーストの変化の少なさにキョトンとしている。しかし、そこで気にせずビーストが行動に出た。

 

「行くぞぉおおおお!」

「「「うびゃおうっ!?」」」

 

ビーストが掛け声を上げると同時に、その身を翻す。すると肩にあるカメレオンの意匠から舌が伸びて、それが数体の屍生人を薙ぎ払う。そしてカメレオンの舌を屍生人達の頭に巻き付け、一気にを締め上げていき……

 

「ふんっ!」

「「「んべらっ!?」」」

 

纏めて粉砕した。そして物言わぬ屍となった屍生人達が、纏めて地面に落ちていった。

 

「つ、強い…」

「うん。でも、グロい…」

「言うなって。これしか手ぇ無かったしよ」

 

スプラッタな光景を見てしまい、リゼと陽子が揃ってドン引きしてしまう。そんな二人に応対しているビーストだったが……

 

 

 

 

 

 

 

「油断大敵、というでござる!!」

「うぉお!?」

「危ない!!」

「うわっ!?」

 

そこにイールの声が空から聞こえたと思いきや、ビーストたちに空から襲い来る影が。その影からの攻撃を咄嗟に躱すと、その正体を確認する。

 

「おいおい、お前飛べたのかよ!」

「そうでござる。悪魔を舐めてかかったこと、間違いでござったな」

 

攻撃してきたのは、イール本人だった。背中に巨大な翼を広げ、飛翔している。手に持っているイール専用のジャンケル"イラード"で攻撃してきたようだ。そんなイールに対抗するため、新しい指輪を装着する。

 

「だったら、俺も飛んでお前と戦うだけだ」

【ファルコ!ゴーッ!ファッ・ファッ・ファッ・ファルコ!】

 

そしてその指輪をベルトに嵌め、新たな力を発動する。今度は隼の顔の意匠のある赤い肩マントが装着された。

 

「さぁ、掛かって来い!!」

「それはこちらの台詞!」

 

そしてビーストも飛翔し、イールと空中で対決する。イールのサーベルによる巧みな剣術に対抗するため、同じくダイスサーベルで攻撃しつつ、時折距離を取って風を起こすなどヒットアンドアウェイで上手く立ち回る。

 

「…あっちは仁藤さんに任せるか」

「だね。私達より戦い慣れてるだろうし、他の人を助けに行く方がいいかも」

 

その光景を見たリゼと陽子は、この場をビーストに任せてその場を去ることを決めたのだった。実際、空を飛ぶ手段も無いため役に立てそうもない。

 

~同時刻・クローズ&お茶子&綾&千夜~

「全員纏めて掛かって来るんだなぁ~!!」

「そのセリフ、公開すんじゃねぇぞ!!」

「ここはウチと万丈さんで抑えとくから、二人は後ろから援護お願い!」

「え、ええ。わかったわ」

「二人とも、気を付けて」

 

ガーラからの挑発もあり、そのまま4対1でガーラに挑むこととなったクローズ、お茶子、綾、千夜。まほうつかいとそうりょである綾と千夜を下がらせ、クローズとお茶子がガーラに挑みかかる。

 

「おらぁあ!!」

「ふん!」

 

クローズのビートクローザーとガーラのジャンケル"ガラード"が打ち合う。両刃の剣と細身のサーベルでの打ち合いにも拘らず、ジャンケルの素材が頑丈なのか曲がっている様子も無い。加えてガーラも相当な膂力なようで、クローズともパワーで渡り合っていた。

 

「万丈さん、避けて!!」

「わかった!!」

「んなっ!?」

 

お茶子の叫び声に反応して飛び退くと、ガーラがお茶子がいくつもの樽を投げつけて来た。ゼログラビティの個性で樽にかかる重力を0にし、一気に攻撃に使ったわけだ。

見た目通り鈍重そうなガーラはそれを避け切れず、纏めて食らってしまったのだ。そしてそのまま砕けた樽の残骸に埋もれた。

 

「おっし。一気にとどめだ!!」

Ready Go!!ドラゴニックフィニィッシュ!!

 

飛び退くと同時にビルドドライバーのハンドルを回し、必殺技のエネルギーを溜めていたクローズ。東洋竜のオーラを纏った飛び回し蹴りで、樽の残骸に埋もれたガーラにとどめを刺そうとした。

しかし…

 

 

 

 

 

変わるんだら~ガーラッチョ!!

「ぐわぁあっ!?」

 

そんなガーラの叫び声が轟くと同時に、樽の残骸を吹き飛ばしてそこから何かが出現してクローズを吹っ飛ばした。

 

「いてて…って、うぇえっ!?」

悪魔を舐めると怖いこと、教えてやるんだなぁ~~

「「えええええええええええええええ!?」」

「ウソやろ!?」

 

立ち上がったクローズ、そして残りの面々も現れた物を見て一同驚愕。それは巨大なダチョウのような怪物となったガーラ改めガーラッチョであった。かつてウィザードと交戦した際も、この姿で巨体を活かした攻撃や口からの火炎ブレスで彼を苦戦させていた。

 

全員纏めて、黒焦げにしてやるんだなぁあ!!

「アブねぇ!!」

「綾ちゃん、掴まって!」

「きゃあ!?」

「あ、はい!」

 

そして早速、ガーラッチョの口から火炎ブレスが放たれた。クローズとお茶子によって千夜と綾は抱えられ、そのまま安全圏に退避できた。しかし、町にあった木造の建物がいくつか燃えてしまう。

 

「しまった、大火事になっちまったな」

「確か、あの辺りって空き家ばっかりだったような…」

「でも、他の建物に燃え移ったりとかするかも」

 

綾から偶々空き家の多い一体であったと聞き、人的被害がまだ出てないことに安心する。しかし、それでも火災の燃え移りや更なるガーラッチョの攻撃でいつ被害が出るか分かった物ではなかった。

そしてその光景を見たクローズは……

 

「…おし。俺があのデカブツを抑えておくから、お前らは町の奴等を逃がしてくれ」

「うぇえっ!? 万丈さん、確かに避難とか必要だろうですけど…」

「一人であれと戦うつもりなんですか!?」

 

その発言を聞いていたお茶子や綾も驚愕する。クローズが以前の戦いで倒したテスラも、帰刃を使うと巨大化した。しかし目の前のガーラッチョはそれ以上の巨体を有しているため、その分だけパワーも段違いだ。しかも火炎ブレスまで使えるため、かなりの強敵であろう。

 

 

 

 

 

しかし、それでも彼は仮面ライダーである。

 

「別の世界の連中曰く、仮面ライダーは人間の未来と平和を守るためらしい。だったら町の連中だけじゃなくって、お前らの未来だって守りたい。だったら、役割分担して行くぞ」

 

ただそれだけの言葉。しかし強い覚悟を伴った言葉には重みがあり、指示に従おうという気持ちが湧き上がる。

 

「……確かに、そうね。甘兎をこのエトワリアで全国展開するって野望もあるし」

「そうね。陽子にもちょっと言いたいことがあるし、まだ死ぬわけにいかないわ」

「でも万丈さん、それ終わったら救援に行くからそれだけ勘弁な。そこに万丈さんも居らんとダメやから」

「ああ。その時は頼むぜ」

 

女子が同意して撤退してくれたことで、心置きなく戦えるという物だ。

 

一人でどうやって戦うつもりなんだなぁ?

「見くびんじゃねえぞ、デカブツ。人間の、仮面ライダーの力を見せてやる」

【Bottle Burn!!】

 

~同時刻・ウィザード&ビルド&チノ&アリス&カレン~

「分断されたと思ったら、こっちに来ちゃったね」

「ハルト、お昼に戦ってる時に見たらとっても強かったデスけど…」

「はい。そこは戦兎さんも同じはずなんですが…」

 

リルの攻撃で分断されたチノ、アリス、カレンの3人。そこで見た物は…

 

「こいつ、なかなかに強いな!」

「でも、前より手強くなってやがる…!」

「復活に際して、首領にパワーアップを施されたのでな。その力を有効活用させてもらっている」

 

2対1にも拘らず、ビルドとウィザードを相手に互角に勝負するザタンの姿であった。ザタンも自らの持つジャンケル"ザラード"を巧みに操り、両ライダーの剣での攻撃を的確に捌いていく。

ドリルクラッシャーを回転させながら切りつけているも、ジャンケルが破損する様子も無い。ガーラの時もそうだったが、恐らく地上に存在しない素材で作られてるのだろう。

 

「喰らえ、ザタンノヴァ!!」

「「ぐわぁあっ!?」」

 

そして一瞬の隙を突き、両肩から魔力弾を連射して2人を吹っ飛ばした。

 

「Oh!? ハルト達がピンチです、助けに行きましょう!!」

「ちょっと、カレン!?」

「カレンさんは聖なる遺体を持ってるんですから!!」

 

そしてそんな光景を見たカレンが動き出してしまい、アリスとチノが慌てて追いかける。そしてそんな所を見て、ザタンも動き出した。

 

「貴様の持っている遺体、アクマ族再興のために使わせてもらうぞ!」

 

そしてザタンノヴァをカレンに向けて発射する。そしてこのままカレンに命中するかと思いきや…

 

「とうっ!」

「なんだ!?」

 

カレンがその場で跳躍したのだ。避けたのかと思いきや、上空で両手を掲げてエネルギーを溜めていく。

 

ソォオイッ!!

「うごっ!?」

 

バレーのサーブでそれを叩きつけてきたのだ。そしてザタンにそれが命中し、大きく隙を作ることとなった。

 

「か、カレン凄い…」

「え、ええ。これは予想外でした…」

 

これにはアリス達も思わず驚愕した。まさかのカレンが活躍したことで、ビルド達も反撃に乗り出すことが出来た。

 

「サンキューな、カレンちゃん。おかげでパワーアップできそうだ」

「同じくサンキュー! 君、最っ高だな!!}

 

カレンに対して賞賛の声をあげつつ、ビルドはスパークリングフォームに変身する準備を取り、ウィザードもドラゴンの絵が刻まれた赤い指輪を装着してベルトを操作する。

 

【ラビットタンクスパークリング! Are you ready?】

【シャバドゥビタッチヘンシーン! シャバドゥビタッチヘンシーン!】

「ビルドアップ!」

「変身!」

 

そしてそれぞれのアイテムをベルトにセットし、変身が完了する。

 

シュワッと弾ける! ラビットタンクスパークリング! イエイ! イエーイ!

フレイム・ドラゴン!ボゥー!ボゥー! ボゥーボゥーボォー!!

 

ビルドのラビットタンクスパークリングフォームに並ぶ、ウィザードの強化形態。仮面に角のようなアンテナを備え、ローブの色も黒から赤に変化している。

ウィザード・ドラゴンスタイル。ウィザードの4属性形態それぞれに存在する上位形態で、変身者である晴人の中に住むファントム・ウィザードラゴンの魔力をより強く引き出す形態だ。

 

「おのれぇえ!! 強化を許してしまったか…!」

 

そして強化された二大仮面ライダーを見て忌々しそうに叫ぶザタン。しかし、改めて己の得物を構えるウィザードとビルド。

 

「「さあ、反撃だ」」

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