仮面ライダー&ジャンプフォース 平成ジェネレーションズHeaven inきららファンタジア   作:玄武Σ

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あけましておめでとうございます。新年一発目で、説明回になります。
そして今回からジョジョ以外のジャンプキャラが出ますが、ちょっと人によっては不快になるかもしれません。

※2020/9/22、里への移動シーンを漫画版に合わせて変更、それに合わせて他の会話も変更しました。


第4話「会合・世界の管理者達」

「さて、敵はほぼもう全滅だが……」

「後はアヴドゥル達を連れて行って、どうにか洗脳を解くだけだな」

「じゃあ2人には悪いけど、ふん縛らせてもらうぜ」

 

怪人は全滅、スタンド使い達も満身創痍。ショッカー側の敗北はもはや明白である。

そしてポルナレフがアヴドゥルとイギーを拘束すべく、何処からかロープを取り出す。

 

しかしその矢先

 

ガオンッ

「「「「何!?」」」」

 

突如、目の前の地面が抉れるという謎の現象が発生。ポルナレフは咄嗟に飛び退いて難を逃れるも、ディケイドやキバーラ、承太郎は驚きを隠せずにいた。

 

「残念だが、スタンド使いはオーバーヘブンショッカーとしても貴重な戦力だ。そして時代が違えど、DIO様を見捨てるのは私の忠誠心に反する行いだ」

「!? この声、まさか…」

 

直後にポルナレフにだけ聞き覚えのある男の声が聞こえる。

直後に空間が歪むと、そこから二本角に大きな口の、亡霊のような姿の何かが現れた。そして驚くことに、その口の中から声の主と思しきガタイのいい男が這い出して来たのだ。

男の格好はウェーブのかかった茶髪に紫のレオタードっぽい衣装、ハートをモチーフにしたアクセサリと、格好だけなら女性でも通じそうである。それが尚更、男の不気味さを強調していた。

 

「てめーは、ヴァニラ・アイス! なんで生きてるんだ!?」

「どうした? そんなに驚くことないじゃないか…」

 

そう。この男こそがアヴドゥルとイギーを殺害し、その後ポルナレフに倒されたヴァニラ・アイス本人であった。

味方が敵と化すだけでなく、倒した筈の敵までが蘇る。まさに最悪の事態だ。

 

「な、なんですか、あの人……」

「わからない……でも、なんか怖いよ…」

「あぁ、遠巻きに見てもわかる。掃き溜めよりも、ドス黒い何かがあいつの中に渦巻いてやがるぜ」

 

ランプとるん、そしてスピードワゴンは近くにいるわけではない。にも関わらずらヴァニラ・アイスの邪悪さを、びんびんと感じていた。

すると、その様子に気づいたのか、ヴァニラ・アイスはランプ達の方に視線を向けた。

 

「どうした? ポルナレフもそうだが、お前達も動揺しているのか?」

「あ、当たり前です…貴方みたいな、得体の知れない人、見てしまったら……」

「ランプ、話しかけちゃダメだ! スピードワゴンも言ったように、あいつは普通じゃ…」

 

ヴァニラ・アイスの問いかけに答えるランプを止めるマッチだが、当の警戒対象であるヴァニラ・アイス自身は気にしないで続けた。

 

「動揺する……それは恐怖するということだ……お前達は俺に、恐怖を抱いているようだな…」

「やかましい! 嬢ちゃん達、こいつの言うことをまともに聞くんじゃねぇ!」

 

ヴァニラ・アイスの問いかけを、声を荒げて止めるポルナレフ。するとヴァニラ・アイスは視線をポルナレフの方に移し、再び彼に声をかけた。

 

「お前と空条承太郎、そしてディケイドを倒せば、あのお方もお喜びになるだろう……しかし、今回はアヴドゥル達や過去のDIO様を連れ帰るために来たのでな。相手はまたの機会ということだ」

 

そしてヴァニラ・アイスは満身創痍のアヴドゥル達の方に近づき、いつの間にか現れたショッカー戦闘員達が、ディオとディエゴを抱えてヴァニラ・アイスに近づいた。

 

「あのお方、てめー何を言ってる!? そいつは何者だ!」

「……私が忠誠を誓うのは、この世でただ1人……そして現在、その方はオーバーヘブンショッカー首領の地位にある」

「何?」

 

ヴァニラ・アイスのその一言に対し疑問を抱くと、その直後に彼らの周囲の空間が揺れるような、不気味な感覚が走る。

 

「ポルナレフに空条承太郎、ディケイド、そして召喚士一行よ。お前達はいずれ、私のスタンドで呑み込んで殺してやる」

「そういうわけで、今回は引かせてもらおう。Good bye Jojoooo!!」

「待て、ディオ!!」

 

今まで静観していたジョナサンが、ディオに逃げられると感じて咄嗟に駆け出すが、紫の光に包まれると同時に全員消えてしまった。

案の定、転移したようである。

 

「あのド腐れ野郎、切り刻んで太陽に晒して塵に変えてやったはずなのに、なんで……」

「ポルナレフ、その反応からしてやはりあいつが……」

「ああ。奴がアヴドゥルとイギーを殺した。ちゃんと倒したはずなんだが……」

「おい、取り込み中に悪いが、聞きたいことがある」

 

ポルナレフから事情を聞く承太郎に、ディケイドは変身を解除して士の姿に戻りながら話しかける。

 

「今の物言いからして、あのバニラアイスとかいう男もディオって奴と同じ吸血鬼になったってことか?」

「……今のイントネーションが気になるが、まあいい。その通りだ」

「……なら何で、奴等は太陽の日の下を歩いていたんだ?」

 

その士の疑問で、承太郎達はハッとした。ディオもジョナサンと戦ってた頃から吸血鬼と化しているなら、先程のポルナレフの悪態にもあるように、太陽の光で塵と化す筈だからだ。

 

「最初はお前らの世界の吸血鬼が、言い伝えと違って太陽も平気だと思ってたが、今の物言いで違うってのがわかった。これは、どういうことだ?」

「……やれやれ、俺らしくもねえ。DIOがいる、しかも過去の姿だったことにばかり気を取られて、気づけなかった」

「ああ。寧ろ、わかんねえことが増えちまったぞ」

 

あまりの事態に混乱していた承太郎達だが、そこにジョナサンが割って入り、あることを告げた。

 

「奇妙なこと言って悪いけど、"同一人物だけど別人"という考えはできないかな?」

「何だ、それ? どういうことだ?」

 

士が代表して問いかけると、ジョナサンは続けた。

 

「僕のいた時代でも、ディオを追おうとしたらあのショッカー怪人達が襲ってきてね。戦っている最中、君の仲間達も放っていた紫のオーラが僕の師匠であるツェペリ男爵を襲ってね。そしたら彼が僕を敵だと言って、怪人達に付いてしまったんだ」

「……なるほど、だいたいわかった」

 

ジョナサンから聞かされた話と、先ほどの奇怪な意見。それだけを聞いて士はいつもの口癖を言うも、何か確証のある答えが浮かんだようだ。

 

「ただ洗脳されたというよりも、そのツェペリ男爵とやら限定で存在をねじ曲げられたっていう方がしっくり来るということか」

「ああ。それでディオもあの男の言う"あのお方"に、弱点の太陽を克服させられたということじゃないのかな?」

「……やれやれ。そんなことが出来る奴が親玉ってことは、そのオーバーヘブンショッカーとやらの規模はとんでもねぇってことだな」

 

まだ見ぬ強大な敵への警戒を強める中、突如それは起こった。

 

「え? 鎧武、どうしたの?」

 

ゆずこの声が聞こえたので、一同が視線を向ける。すると、鎧武の体が光り出して、少しずつ消えていっていたのだ。

 

「実は、今ここにいる俺は意識を移した分身体みたいなものなんだ。オーバーヘブンショッカーに先を越されて、この世界から締め出されちまったんだよ」

「おい、それって大丈夫なのか? これから奴等と本格的に、戦わねえと行けねぇはずだが…」

 

意外な事実が判明したところで、士も流石にマズイと思って問いかける。しかし心配は無用だった。

 

「まあ、その前にお前の知り合いの渡って奴と会って、手は打っておいた。細かい説明は、今から残すものを使ってするからちょっと場所を変えてくれ」

「ああ、わかった」

「良し。それと……」

 

そして最後に、鎧武は情報処理部の面々に視線を向ける。

 

「唯にゆずこに、縁って言ったか? 元々普通の女子高生だったらしいけど、やるじゃねえか」

「鎧武、さっきはありがとう。お陰で、私らみんな助かったよ」

「それじゃ、またな」

 

そのまま鎧武は姿を消し、代わりに一つの大きな鍵が落ちていた。するとそれを見て、きららが近寄っていく。

 

「これって……」

「何か、知っているのかい?」

「はい。私達が拠点にしている里で、これと同じような物を持っている子がいるんです。だから、その子の力を借りれば…」

「良し、それじゃあ早いところその里とやらに行くかの」

 

きららがジョナサンの質問に答えると、それを聞いたジョセフが提案してくる。

そんな中、マッチが一同に招集をかける。

 

「それじゃあ、僕が転移魔法で連れて行くから集まって」

「あ、ちょっと待ってくれ。俺達な、紘汰から移動の足にって車を用意されたから、そこに案内するわ」

 

そしてポルナレフの言った場所に案内され、一同はそのままマッチの魔法で里へと移動した。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

到着したのは、山の中にある隠里といった場所であった。そして士達は、そこで出迎えを受ける。

 

「きららさん、おかえりなさい!」

「なんかゆず子達が疲れた顔してるけど、何かあったのか?」

「ちょ、るんまでケガしてるんちゃう!?」

「アルシーヴ以外の新しい敵が出てきて……でも、こちらの方々に助けてもらったので大丈夫です」

「……見事に女しかいねぇな。大丈夫か、ここ?」

 

 

出迎えたのは大きな鍵を持った水色の髪の少女、ゴーグルをかけて大きなトンカチを携えた露出の多めな少女、褐色肌にまた露出多めで巨大なコンパスを持った女性。そして遅れて、関西弁に露出多めな魔法使いファッションの少女と、気怠げなメガネの少女がやって来る。

 

「皆さん、紹介します。この里で一緒に活動している仲間で…」

「クレアっていいます。きららさん達を助けていただいたそうで、ありがとうございます」

「俺はポルカ。ここで鍛冶屋やってんだ、よろしくな」

「カンナ、家具職人兼建築家だ」

「ウチ、西由宇子いいます。トオル達を助けてもらったみたいで、世話になりました」

「私は天王寺渚、みんなからはナギって呼ばれてるから気軽にそれで」

 

一人一人自己紹介してくる里の住民達。しかしここでランプはふと何かに気づく。

 

「あれ、コルクとライネさんは? 他のクリエメイトの皆様もいないような…」

「そういえば、唯様以外のクリエメイトもいらっしゃらないですね?」

「コルクはまた仕入れに、ライネさんも仕事で里の外に出てます。何人かのクリエメイトは里の外に出てたり、自室でくつろいでたりします。中には帰省で元の世界に帰っている方もいますが…」

 

どうやらまだ人がいるようだが、名前の響きとクリエメイトというワードから全員女性らしい。

 

「やれやれ、マジで女しかいねぇのか……」

「おいおい、こりゃ地上のパラダイスか何かか? まだ美人の女の子がいやがるのかよ」

「お前ら、今はそれどころじゃないじゃろが。まず腰を落ち着けれそうな場所で、オーバーヘブンショッカーについて話し合いするぞ」

 

士同様にうんざり気味な承太郎に対して、鼻の下を伸ばすポルナレフ。しかしジョセフが年長者として、二人を諌める。

そんな中でジョナサンはクレアに近づき、声をかける。

 

「君、クレアと言ったね。その鍵って、何のための物なんだい?」

「えっと、これはクリエメイトの皆さんがいる世界へのゲートを開くもので、これを使ってきららさんの召喚を手伝うのが、私の仕事なんです……って、あなたの背中のそれ!?」

 

クレアは自分の仕事について語ると、ジョナサンの背にあるあの鍵に気づいた。

 

「やっぱり君が鍵の関係者か。これはここに来た時に助けてくれた知り合いが、置いていったものなんだ」

「そうなんですか……それってどんな方なんですか?」

「信じないかもだけど、異世界の神みたいなものかな?」

「……まあ、鎧武の認識はあながち間違いじゃねえが」

 

その発言し一悶着あるも、どうにかそれを落ち着けて一行は召喚を行うという館に向かう。その後、負傷したゆずこやトオルは休ませに居住区へと移動することとなる。ただし、ポルカとカンナは仕事があるとのことで離れていた。

 

「士君、彼は何を目的にこの鍵を残したんでしょうね?」

「大方、あいつや他の超越者のライダーを呼んで、一気に新しいショッカーを潰すためだろう。俺なら戦略確保のためにそうするが」

 

夏海の疑問に予測をつけて話す士。そうこうしているうちに全員が集合し、クレアが鍵を使う準備ができたようだ。

 

「それでは、開きますよ!」

「私もコールを使え準備ができたよ」

 

そしてランプが鍵の力を発揮し、ゲートを開くのだが……

 

 

 

「え!? ゲートがこんな大きく……」

「みんな、吸い込まれる!?」

 

ゲートから何かが出てくるどころか、ゲートそのものが館全体を飲み込むレベルで大きくなってしまったのだ。

 

 

 

 

 

「お久しぶりですね、ディケイド。そしてはじめまして、空条承太郎さんとエトワリアの方々」

「俺の方はさっきぶりだな。でも顔合わすのは初めてだし、はじめましてだな」

「……お前らに呼び出し受けるための鍵だったか。これは予想外だな」

 

士達は気づくと、一面真っ白な不思議な空間にいた。そしてそこで待っていたのは2人の青年と1人の少年である。

一人は黒を基調とした服装の優男、もう一人は銀の鎧を纏った神秘的な雰囲気の青年であった。少年は全身にマントを纏い、隙間から見える格好が上半身裸というのが窺い知れた。

そんな中、唯やゆずこは鎧の青年の声音に聞き覚えがあることに気づく。ついさっき共闘した、あの戦士だ。

 

「ま、まさかその声、鎧武?」

「鎧の中そうなってたんだね。神様ってジョジョは言ってたけど、正装?」

「まあ、そんな感じか? って、初めて見るやつもいるから、まず自己紹介を改めてだな。俺は葛葉紘汰、仮面ライダー鎧武で紹介通り神様みたいなものだ」

「僕は紅渡、世界の管理者で仮面ライダーキバです。今回は、皆さんのいるエトワリアに危機が迫っていることを伝えるため、お呼びさせてもらいました」

 

自己紹介をした紘汰と渡だが、士はもう一人の少年に見覚えがなく、まずそこから問い尋ねるのだった。

 

「で、なんか見覚えのねぇ奴がいるが、そいつは?」

「彼はライダーとは違う戦士の世界で超越者になった者です。今回の件での協力者なのでよろしく願いたいところです」

「とりあえず自己紹介しておこうか。僕はハオ、所謂霊能者の頂点に立った、シャーマンキングさ」

 

少年ハオの名乗りに、少し偉そうな態度が垣間見える。この場にいる超越者の中で、一番尊大な様子だ。

その一方、由宇子(以下ユー子)が何やら怯えている様子だ。

 

「えっと、霊能者ってことは、つまりお化けとかと……?」

「うん。精霊とかの力を借りることもあるけど、僕の弟の言葉を借りれば、”あの世とこの世を結ぶ者”ってことで、よろしく」

「ヒィイイイイイイイイイイイイ!?」

 

どうやらユー子はかなり怖がりなようで、ハオの言葉を聞いて怯え切ってしまう。しかし、士はそんな様子をスルーして渡から話を聞く。

 

「……まあいい。で、今回の敵はあのやたら長い名前になった新生ショッカーってことでいいんだな?」

「ええ。しかし今回のショッカーであるオーバーヘブンショッカーは、今までとは決定的に違う敵になります」

 

渡の妙な物言いだが、すぐにその意味は分かった。

 

「まず、何者かがショッカーの本拠地に部下とともに乗り込み、首領や地獄大使などの主要幹部を倒し、新たな首領として君臨してしまいました」

「……ある程度は予想していたが、マジか?」

「ええ。そして様々な世界からライダー以外の戦士、承太郎さん達の世界のスタンド使いのように、生身で力を行使する戦士を含めて多くの部下を手に入れました。だからまず、今回は生身の敵と戦う可能性を考慮してもらいます」

「まあ、やりづれぇって言えばそうだが、仮面ライダーの使命として戦うつもりではあるぜ」

「俺も、必要ならいくらでも相手してやる。それに、元々が人間同士の戦いだったから、全く問題はねえ」

「あなた達ならそう言ってくれると思いました。では、今からオーバーヘブンショッカーについてわかっていることを話します」

 

そして渡と紘汰から、そのオーバーヘブンショッカーの首領についての情報が開示される。

 

「わかっていることは二つなんだが、いずれも承太郎の世界に由来することなんだ」

「まず敵の首領がスタンド使いということ。スタンドは承太郎さんの世界の能力なので、少なくともそちらの世界に由来する人物ということになります」

「成る程、それで俺達も関係したってことか」

「じゃあ、アヴドゥルやヴァニラ・アイスの野郎が生き返ったのも、スタンド能力ってことかよ…」

 

スタンドは魂のエネルギーであるため、ある意味では生死に由来する能力を扱えても可笑しくはない。

 

「で、もう一つは奴らの狙いが『聖なる遺体』という代物ってことだ」

 

聞き覚えのないワードに首を傾げていると、ハオも説明に入ってくる。

 

「かのイエス・キリストのように歴史上で実際に奇跡を起こした人間、いわゆる聖人だね。そのミイラ化した聖人の亡骸が九つに分断されて、君の世界のどこかの時代に存在しているそうだよ」

「……つまり、死体にとんでもねえパワーが宿って、連中はそれで何かしようってわけか。やれやれ」

「死体……ミイラ…」

「ユー子、大丈夫か?」

「ユー子さん、しっかり」

 

いつの間にかユー子が膝を抱え、怯え切っている。それを心配して、ナギときららが近寄って声をかける。

 

「ユー子様を怯えさせないでください!」

「そうは言っても、敵が何を狙っていて、それがどんな代物なのか。確実に伝えないと先に手に入れて、守るって事も出来ないだろ?」

 

ランプが憤慨してハオを叱りつけるが、ハオの言う方が明らかに正論である。しかし、それでもランプは引かなかった。

 

「そうじゃなくて、もっと柔らかい言い方で誰も怖がらせない事も出来たんじゃないかって、言いたいんです! 大体、異世界でそれなりに偉い方になったのなら、もっとソラ様、この世界を治める女神様のように聡明で…」

「やれやれ、子供のくせに偉そうにして。本当……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちっちぇえな

「ひっ!?」

 

その時に一瞬、ハオから凄まじい威圧感が発せられる。それにランプは短い悲鳴を上げ、そのままフリーズしてしまう。

 

「このままじゃ説明が止まりそうだからね。悪いけど、少し乱暴な手を使わせてもらったよ」

「ハオ、納得できなくもねえけど、やりすぎだろアレは」

「ごめんごめん。じゃあ、いったん話を戻すね」

 

紘汰に諫められるも、ハオは軽く謝罪をして流してしまう。そしてそのまま、話を続けた。

 

「そしてその聖なる遺体が何故か、このエトワリアに転移して各地に散った。奴らはそれを追いかけてきたみたいだね」

「次に、どうやって僕達が遺体の存在を知ったかですが、敵の足取りを調べてる最中に、何処かの世界に怪人達が送り込まれました。追いかけると、そこが承太郎さん達の世界で、ジョナサンとスピードワゴンの二人に出会って、鎧武が連れ出すついでに遺体のことを聞いた次第です」

「ああ。ここから先は、俺たちに説明させてくれ」

 

そしてそこから、スピードワゴンとジョナサンに後退して、事情の説明がなされる。

 

「俺たちは風の騎士たちの町(ウインドナイツ・ロット)って町にディオがいることを知って、そこに向かおうとしたんだ。でもそこで不可思議な異変が生じて、ディオが最初に吸血鬼になった日に焼け落ちた筈のジョースター邸、つまりジョースターさんの生家が元に戻ってたんだ」

「中はディオが作った屍生人(ゾンビ)で溢れかえり、このままでは人が襲われると思い戦っていたんだが、そこに聖なる遺体が現れたんだ」

 

元々は、承太郎達の世界の過去であるジョナサンの世界、そこで最初に異変が生じた。正史では風の騎士たちの町でディオや、彼が屍生人にした黒騎士ブラフォードと相方の騎士タルカスといった、強敵達と死闘を演じることとなる。しかしそれが始まる前に、今回の異変が生じたようだ。

 

「遺体はこの異変を止めるために、別の時代に仲間を集めに旅立てと最初は導こうとした。僕は屍生人を食い止めるために残って、スピードワゴンを旅立たせようとしたんだが……」

「突然生じた空間の歪みが、遺体を吸い込んじまったんだ。このエトワリアの存在を知った今に思えば、何かがこの世界から遺体を引き寄せちまったんだろうな」

(異世界から人や物を引き寄せる……まさか?)

 

きららは話を聞いていて、何か心当たりがある様子だった。しかし今は話を聞くことに専念する。

 

「その後は仕方なしに屍生人を蹴散らして、満身創痍になりながらも勝った。だが、その直後に……」

「さっき話したショッカー怪人の襲来とツェペリさんの敵対化があって、そこを紘汰君達に救われ、現在に至るというわけだ」

「……聞いた限り、かなり厄介そうな案件だな」

「まったくもって、その通りだな」

 

本来ならばこの戦いは、承太郎の世界で様々な時代を巻き込むものとなるはずだった。しかし、エトワリアへの聖なる遺体の転移により、それが仮面ライダーの世界を含めた無数の世界を巻き込む大きな戦いに発展してしまったということになる。

 

「一応、僕らの方で下調べをして、このエトワリアについて簡単には把握しています」

「さっきそこの子供が言ってた女神ソラとやらが、この世界を統治していること。その女神が異世界を観測して、聖典を書き記していること。そしてこの世界の住人は、その聖典を読んでクリエとかいう生命エネルギーを得ていること、だね」

「なるほど。だから、そこの連中はクリエメイトって呼ばれているのか」

 

ハオからエトワリアに関する簡単な概要を聞き、承太郎は唯やトオル、いまだ縮こまるユー子といったクリエメイト達を見回す。

 

「そこで聞きたいんですが、何か異世界とエトワリアを繋ぐ手段と、それを使えそうな何かを知ってはいないでしょうか?」

「この世界の危機だ。それが出来る奴がいるとして、ショッカーどもと俺達のどちらに協力的か、どちらとも対立する気か、把握しておきたいんだ」

「……一人だけ、心当たりがあります」

 

その渡と紘汰の問いかけに答えたのは、きららだった。丁度、彼女達はその存在と対立関係にあるからだ。

 

「今、ソラ様は魂を封印されています。そして封印した人物が、クリエメイトを強制召喚する禁術オーダーを行使しました。おそらく、オーダーでその遺体が偶然召喚されてしまったんだと思います」

「ふうん。で、そいつは?」

 

ハオが問いかけると、きららは少し間をおいて話した。

 

「筆頭神官アルシーヴ。ソラ様の補佐をしていた人物です」

「なるほど。典型的なクーデターってわけか」

「相手は図らずして遺体を呼び寄せちまったが……そいつらも遺体の力とやらを知ったら、手に入れようとしてくるかもしれねえわけか」

(それは無い、と思いたいけど……まだ確証がない。下手に話さない方がいいかもしれない)

 

士も承太郎も、警戒を強めることとなる。しかし、きららはある事情からアルシーヴに対して、思うところがあるようだ。しかし周りを混乱させるかもと思い、今は黙っておく。

 

「何にしても、敵は強大で得体が知れない。そのアルシーヴも含めて、だな」

「しかし、僕も何人かの仮面ライダーに声をかけておいたので、いずれそちらにやって来るでしょう。まあ、その前に消息の途絶えたライダーもいるんですが、もしかしたらオーダーとやらか遺体が引き寄せてすでに来ていた、という可能性もありますからね」

「後、僕の弟で腕の立つシャーマンも向かわせた。その許嫁共々、戦力として使ってやってくれ」

 

最後に渡とハオからカミングアウトされた事実。先ほど、紘汰の分身が消える間際に「手は打った」と言っていたが、このことのようである。

しかしそれを伝えた直後、空間に揺らぎが生じる。

 

「おっと。どうやら時間のようですね」

「まあ、伝えるべきことは一通り伝え終わったな」

「せっかくシャーマンキングになったのに、世界を導く前に別の超越者に支配されたらたまんないからね。君達に、全ての命運を託すよ」

 

そして最後に、渡から士への言葉が発せられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「頼みましたよディケイド。この世界の全てを破壊し(・・・・・・)全てを繋いで(・・・・・・)ください」

「ああ、わかった。俺は破壊者だ、ショッカー諸共破壊しつくしてやる」

 

その互いの言葉と同時に、再び一同は召喚の館に戻っていた。そして真っ先に声をかけたのが、承太郎だった。

 

「色々気になることはあるが、正直なところこの異世界の存在やアヴドゥル達の復活も、イカれた話としか思えねえ。だが、見てしまった以上は事実だと認めるしかねえな」

「ああ、今はそれでいい。ひとまず、敵にお前と同じスタンド使いとやらがいるなら、協力を頼みたい。餅は餅屋ってことで、頼めるか?」

 

そして士は承太郎に協力を頼み、手を差し出す。そして承太郎の答えは

 

「てめぇの世界の破壊者とかいう、物騒な肩書からじゃまだ完全に信用できねえ。だが、もし俺達の敵ならさっきの戦闘でいくらでも不意打ちをするチャンスはあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仲間を利用した奴らを倒すために、俺もてめぇの協力が必要だ。その提案、乗るぜ」

「すみません。私も自分に出来ることを、この世界の危機に立ち向かう手伝いを、私にもさせてください」

「わかった。助かる」

 

そして承太郎ときららは士と手を取り合い、新たなチームが結成された。この世界に迫りくる危機に、立ち向かうために。

 

「……」

「ランプ、どうしたんですか?」

「あ、ごめんなさいクレア。何でもないです」

(さっきのハオ君のあれの所為かの? なんにしても、この子が儂等に心を開くのは、しばらくかかるかの)

 

しかしランプはただ一人、彼らに疑いの目を向けていた。それに、ジョセフがただ一人気づく。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

そして早速、遺体に導かれたクリエメイトと仮面ライダー、そして他の異世界の戦士が出会うこととなる。

 

「どったの、ゆのっち?」

「ごめん、誰かに呼ばれた気がして…」

 

「まさか、異世界に来ていきなりデンライナーが事故って、その衝撃で放り出されるなんてよ」

「うん……なんで、僕って運がないんだろう?」

 

「ク、クゥウ~……」

「面白ぇ、この生き物! 俺、こいつ飼いたい!」

「だから、なんでおめぇはそんなに何でも仲間とかペットにしたがるんだよ!」

「けど、本当に飼うとして、こいつ何食べるんだろう?」

 

 




次回、ディケイドとジョジョ以外のメインライダー&ジャンプ作品が、きららキャラと会合。お楽しみに。
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