屍動 ーWorld of the Deadー 作:小野田あさ
said正樹
放送(本日も、NR西日本をご利用くださいましてありがとうございます。7:30分ごろに尼崎駅構内でおきました信号機故障のためただいま電車の運転を見合わせております…)
「おー!信号機故障っすか!」
僕は興奮気味にしゃべる。
しかし、朝から信号機故障とは参りましたぞNR殿…
これは遅延証明書のつかみ取り放題大会開催は決定ですな。
「あ!雫おはよ~!」
おや?晴香さんが友達を見つけたようですな。
「それじゃあ、マイナスオーラ全開のやつらとは一緒にいるの嫌だから、私は雫と学校行くから」
そそくさと僕たちから離れていく。
「晴香殿は手厳しいですなー」
晴香さんとはお別れですか…
放送(お待たせをしております。間もなく運転再開いたします。)
ええと、電光掲示板は…
うーむ…人が多すぎてみることができませぬ…
♪~
接近メロディーが流れる。
それにしても、いつ聞いてもさざなみはいいですな。
(まもなく。3番のりばに7:30発快速西明石行きが7両で参ります…)
「何が来るかな~」
「おお~!」
突然大声をあげ、周囲の人の目は一気に僕へと集められるが、それは気にしない。
「113系じゃないっすか!」
「いや~、朝からこれに乗れるのはうれしいことですな!」
「知らねーよ」
「冷たいですなあ」
「恥ずかしいだろ」
おや、隆也は冷たいですね…
ムスッと頬をふくらます。
そして、オレンジと緑のツートンカラーのいかにも古そうな電車がホームへ滑り込んでくる。
しかし、自分たちが並んでいた位置とは少しずれて止まる。
「ああ。普段と車両が違うからなのか正樹?」
珍しく、隆也が電車に関する質問を!
お答えしましょう!
「普段は207系か321系だからね~。あっちは4ドアでこっちは3ドアだから必然的にずれますな」
そして、電車に乗り込むとドアが閉まり、動き出す。
「しかし、今日の体育はなんだっけか?」
「サッカーですぞ!」
「んで、英Ⅱが自習だっけか?」
「そうですな~」
「学校終わったら、カラオケ行かね?」
「いいですな!ぜひともお供させていただきますぞ!」
車掌(次は…)
「あ、つきましたな。MT54ともお別れですぞ」
「ん?MT54?」
おやおや、私としたことがついつい専門的なことを…
「おや?MT54をご存じでない?ふふ。ならばお教えいたしますぞ!」
「いや、あの学校が…」
「MT54とは国鉄最高傑作とも言われた…」
そして、ドアが開く。
主要駅ともあり大勢の旅客が吐き出される。
「それゆえに…」
おっと…押されますな。
「それゆえに、MT54は最高傑作と謳われるのですよ!」
「あー。もう分かったから!」
ガラッ
教室のドアを開けると、10人程しかまだ登校していないようだった。
ふむ。NRの影響ですかな。
「隆也、正樹おはよう」
「ああ。押本さんおはよう」
「おはようございますですぞ」
「もう。夏奈でいいって言ってんでしょ!」
ふむ。隆也には到底無理そうですな。
「あ、そうだ。学校終わりに正樹とカラオケ行くんだけど、押本さんもくる?」
「え!マジ!行く~!」
隆也、ファイトですぞ。
ここは急用を思い出して、僕が撤退するのがスジですが、面白そうなのでついていきますぞ!
キーンコーンカーンコーン。
始業のタイムが鳴り間髪入れずに、現国担当の大井先生が入ってくる。
「出席取るぞ。ん?やけに今日は少ないな」
出席簿を開き、右手で白髪交じりの頭を掻く。
そうだ、10人以上はまだ来ていない。
「ん。まあ国電が遅れているらしいからな。出席をとる…」
「こ、国電ですと!」
「ん?どうした?山崎」
「い、いえなにもありません」
「そうか、授業中は静かに頼むぞ」
「「「わははは」」」
クラス中に笑い声が響く。
まさか、この年にもなって国電と呼ぶお方がおられるとは…
said夏奈
AM8:05
「ふぅ」
私は席に着く。
教室には誰もいない。
今日は私が1番乗りだ。
私は自分の席に座る。
一番窓側の前から5番目の席に座る。
(あいつはまだ来てないか…)
そんなことを思いながらも、机に突っ伏する。
ガラッ…
ん?寝てしまっていたようだ。
今何時だ?まだ20分ほどしか経っていなかった。
(ヤバいヤバい。意識が飛んでた…)
あ!
「隆也、正樹おはよう!」
前にいる男子2人に下キンキよく声を掛ける。
「ああ。三石さんおはよう」
「おはようございますですぞ」
「もう。夏奈でいいって言ってんでしょう!」
いい加減。夏奈って呼んでもらいたいんだけどな…
「あ、そうだ。学校終わりに正樹とカラオケ行くんだけど、押本さんもくる?」
「え!マジ!行く~!」
(やった!誘われちゃった~!)
キーンコーンカーンコーン。
始業のタイムが鳴り間髪入れずに、現国担当の大井先生が入ってくる。
「出席取るぞ。ん?やけに今日は少ないな」
出席簿を開き、右手で白髪交じりの頭を掻く。
そうだ、10人以上はまだ来ていない。
「ん。まあ国電が遅れているらしいからな。出席をとる…」
「こ、国電ですと!」
「ん?どうした?山崎」
「い、いえなにもありません」
「そうか、授業中は静かに頼むぞ」
「「「わははは」」」
私もクラスのみんなと笑う。
そして、出席も取り終わり授業が始まる。
はあ、早く学校終わらないかな…
と、放課後のカラオケを心待ちにしながらぼんやりと授業を受けつつ、前に座る西条君を見つめる…
2話終わって、未だゾンビ要素ゼロ!
次回から、シリアスな感じに入れればいいんですが…
どうなりますかね?
今回は、正樹と夏奈視点から1話の様子を書きました。
鉄道の話マジいらん(笑)