第四十ニ話 第二回ヤマギシ会議
「第二回ヤマギシ会議を開催する!」
「わー!」
「どんどんぱふぱふー」
これ毎回やるのか?やるのか・・・・・・白い目で見られても一切気にしない社長はメンタルの鬼だな。
「新しいビルで営業を開始したコンビニですが、一時の混乱はありましたが現在は無事に通常営業をしています。冒険者協会には感謝ですね」
「思い出したくも無い地獄の日々だった・・・・・・こえーな美容って」
電話の相手が9割方女性だったらしいが、冒険者協会が問い合わせ窓口を作るまでの日々を思い出したのか社長がブルリと震え上がる。全然諦めてくれなくて延々同じ事を繰り返していたらしい。
「次にダンジョン上に作ったマンションですが、こちらについては内装を終えていつでも入居は開始できるそうです。自衛隊と米軍からすでに荷物が届き始めており、急ピッチで業者が運び込みをしています」
「浩二さんとジュリアさんともお別れかぁ、残念」
「まだ暫くは奥多摩に居てくれるけど、チームとしては脱退になるな」
自衛隊と米軍の受け入れ準備が出来た為、それまで教官役として俺達のチームで学んでいた浩二さんとジュリアさんも原隊復帰となる。分かっていた事とはいえ、この数ヶ月一緒に過ごした仲間の離脱はやっぱり堪える。
「あと、新しいビルの上の階の内装工事も終わったから引越しの準備をしといてくれ。一郎と沙織ちゃんも引越しで良いんだな?」
「うぃっす。まぁ、一花は流石に親元から離せませんが」
「時間が不規則になっちゃうからね。といってもすぐ近くに家があるからあんまり1人暮らしって気はしないかな」
俺と沙織ちゃん、それからシャーロットさんは今回からヤマギシビルにお引越しだ。帰ってくる時間が最近バラバラで実家にも迷惑をかけていたし、一応もう社会人って扱いになるからな。社宅に住まわせてもらうようなものだ。
一花の奴は最後まで自分もと言ってたが流石にこいつを一緒に住まわせるわけにはいかないからな、今だって夜遅くなりそうなときは一花を家に帰しているし。
あと、今ヤマギシさん達が使っている家は動画班の寮扱いになるらしい。作業部屋が出来るぜ!とか喜んでたが今現在実質一部屋を謎の機材で埋め尽くしていてまだ足りないのだろうか。
『あの、あんまりうちの実家をめちゃめちゃにしないでくれな?』
『勿論ですよ社長!』
最近翻訳の魔法を覚えた社長が伺うように確認したが、それやらかすともやらかさないとも取れるんだが。まぁ、こいつらの変な情熱は凄い物があるしあんまり邪魔しないほうが良い物作ってくれるんだが・・・・・・
「ゴーレムのドロップで冒険者部門は黒字になりました。今まではCCNへのデータ提供と動画の広告収入が主な収入でしたが、これが一気にドロップ品の方にシフトしています。ただ、広告収入のほうは未だに上昇を続けているので暫くは大きくバランスを崩すことはないと思います。ただ・・・・・・」
「ただ?」
「CCNから、ダンジョンの既存の情報に関して、映像買取がコストカットするとの連絡が入っています」
「ニュースとしては目新しいものが無いって事だね!でも、動画関連についてと新情報はまだまだ流して欲しいって!」
俺達が15層で足踏みに入ってからすでに1月以上が経っている。また、俺が動画で上げている情報も低階層の物が多いためようは情報の価値が無くなって来ているのだろう。
その割には何の準備もせずにどこかの国で大量にダンジョンで人死にが出ているみたいだが。何故か俺たちが悪いと言ってきたらしいがアレだけ警告してそれでも入ったのなら自己責任だと思うんだがなぁ。
とりあえず動画でも哀悼の意を表して、こんな事態を起こさない為に自分の動画はある。自身のために準備をしてくれ!と言った感じで各国の声優さんにお願いして吹き替えで発言をしておいた。
とある国の発言について疑問視している人はやっぱり結構な数居たみたいで、大体の人が賛同してくれて気が楽になったよ。
ただ、何故か自国のマスコミがまるで意に介さずこっちを攻撃してくるのが意味分からないんだがな・・・・・・
「最後に俺から。スポーツ用品等のメーカーからヤマギシにユニフォームが提供されるようになりました。色は俺の一存でブルーな」
「親父!俺は断固反対だ!」
「私も!絶対ピンクが良いです!」
「却下。何が悲しくて黄緑やらピンクのユニフォーム着なきゃいかんのだ」
真一さんと沙織ちゃんの色のセンスはちょっとおかしいと思う。知らないうちにそんな明るい色のユニフォームでダンジョンに潜らされる所だったのか、危ねぇ。
社長を褒め称えるように拍手を送ると恭二と一花も同じ気持ちだったのかパチパチと手を叩く。怫然とした表情なのは真一さんと沙織ちゃんと・・・・・・シャーロットさん、ちょっと残念そうなのは何故です?
「あ、忘れてた!そう言えばこないだ、お兄ちゃんのバイク貰いに言った時にバイク会社の人を紹介してもらったんだ。ダンジョン専用のバイクの開発とか提案されたんだけど」
「ああ。こちらにも連絡が来ています。既存のオフロードバイクに魔石を積んで、ダンジョン内で使えないかと言う話でしたね」
「こないだの迷宮内電気自動車といい、日本企業は魔力を新種のエネルギーとして捉えてるみたいだな」
こないだ俺が一号様と握手をしていたときに妹は企業との折衝を行っていたらしい。ちょっと初耳なんですが。普通におじさん達に可愛がられてたようにしか見えんかった・・・・・・
「お兄ちゃんが一号様と握手してるシーンは向こうの会社のHPトップになってたからお兄ちゃんはお兄ちゃんの仕事をしたと思うよ?」
「あ、はい。アリガトウゴザイマス」
適材適所ですからね。は、はは・・・・・・兄貴としてのプライドをズタズタにされながらこの日の会議は終了した。
広告塔として、頑張ろう、うん。